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パプリカは冷凍すると栄養が減る?正しい冷凍&解凍方法を解説

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パプリカは冷凍すると栄養が減る?正しい冷凍&解凍方法を解説

パプリカは冷凍すると1ヶ月程保存することができますが、栄養は減らないの?と心配な方も多いでしょう。本記事では冷凍したパプリカの栄養について解説します。

パプリカの栄養と成分

まず始めに、パプリカに含まれる栄養素について解説します。

豊富なのはビタミン

パプリカにはビタミンA・C・Eが豊富に含まれています。ビタミンA・C・Eはその文字から「ビタミンエース」と呼ばれ、抗酸化3大ビタミンです。

β-カロテン(ビタミンA)は体内で必要量のみビタミンAに変換される成分のうちのひとつです。皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。さらにβ-カロテンには強い抗酸化作用もあるので、アンチエイジングにも効果があると言われています。

ビタミンCの含有量は見た目がよく似ているピーマンの焼く2倍です。ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。さらに、ビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守ったり白血球を活性化させて免疫力を高める作用が期待できます。

ビタミンEは抗酸化作用があります。体内の脂質が酸化するのを抑え、老化の予防をしてくれます。ビタミンEは血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑える働きがあり、酸化によって進行してしまう動脈硬化の予防に役立ちます。さらにビタミンEは末梢血管の拡張させる働きがあるため、血行促進に繋がります。また副腎や卵巣の性ホルモンの分泌の調整にもビタミンEは関与しているので、生殖機能の維持にも役立ちます。

パプリカの色による栄養の違いは?

パプリカには様々な色の品種があります。栄養成分にも色特有のものが加わり、赤パプリカはカプサンチン、黄パプリカはルテイン、紫パプリカはアントシアニンが含まれています。

カプサイシンは抗酸化作用を持ち、善玉(HDL)コレステロールを上昇させる働きがあるため老化や動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。ルテインは紫外線やブルーライトから目を守るため「天然のサングラス」とも呼ばれています。アントシアニンはポリフェノールの一種で、視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされています。

冷凍で心配なのは水溶性の栄養素

冷凍する上で懸念されるのは、水溶性の栄養素の損失です。

冷凍すると食材に含まれている水分が凍ります。解凍されることで凍っていた水分が溶けると水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうのです。

β-カロテン(ビタミンA)などの脂溶性の栄養素など水溶性の栄養素以外に関しては、冷凍することで損なわれてしまうことはありません。

パプリカを冷凍すると栄養が減る?

冷凍すると水溶性の栄養素は減る

上述したように解凍することで凍っていた水分が溶けると一緒に水溶性の栄養はやや減少します。

パプリカに豊富に含まれているビタミンCも水溶性の栄養素なので、冷凍することで多少損失してしまうと考えて良いです。ただ、どれぐらい減ってしまうのか詳しいデータはないのですが、そこまで大きく栄養を損なうわけではないといわれています。

ブランチングするとかなり減る

野菜を冷凍すること自体は、大きく栄養損なう原因にはなりません。適切な冷凍方法・解凍方法を行えば栄養の損失を抑えることができます。

しかし、ブランチング(冷凍前の加熱処理)を行う場合、水溶性の栄養素が流出してしまいます。これはパプリカだけではなく全ての野菜に当てはまることです。ブランチングは野菜の鮮度を保つために行われるもので、ブランチングすることで風味や食感を守ることができます。

ただし、ブランチングしなくても急速冷凍をすれば風味や食感は損なわれにくいですし、栄養素も壊れにくいので、大幅に栄養素が減る等の心配はありません。例えば市販されている冷凍食材も急速冷凍をしているので、栄養はそこまで損なわれていないと考えて良いです。

パプリカを冷凍するメリット

水溶性の栄養素がわずかでも減ってしまうのなら冷凍しないほうが良いのでは?と思う方も多いと思いますが、パプリカを冷凍するメリットもちろんあります。

長持ちする

基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気にふれて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。

冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。

正しく保存すれば冷蔵でも丸ごとの状態で2週間、カットした状態だと2日〜3日しか日持ちしませんが、冷凍保存であれば1ヵ月日持ちします。長期保存したい場合はやはり冷凍がおすすめです。

苦味が軽減される

パプリカにはピーマンと同じく青臭さや苦味となる「ピラジン」が含まれています。ピーマンほど青臭さや苦味が強いわけではありませんが、人によっては青臭さや苦味が気になることもあるでしょう。

冷凍すればパプリカの水分と一緒に苦味となる成分も流出するので、苦味が軽減されます。

パプリカの栄養を無駄にせずに冷凍する方法

パプリカの利用を無駄にせずに冷凍するポイントは下記の通りです。

生のまま冷凍する

パプリカに限らず野菜は生のまま冷凍する場合と加熱してから冷凍する場合があります。生で冷凍することを「ダイレクトフリージング」、加熱してから冷凍することを「ブランチング」といいます。

上述したようにパプリカは茹でると水溶性の栄養素が流出します。そのため、冷凍する前に栄養を流出させないという意味では、生のまま冷凍するのが良いです。

しかし、栄養を守れる一方で、急速冷凍が難しい家庭用の冷凍庫では生のままだと風味や食感が損なわれやすいデメリットがあります。瞬間冷凍すれば生のままでも美味しく保存することができるのですが、家庭の冷凍庫ではなかなか難しいので、風味や食感を守りたい場合はブランチングをおすすめします。

加熱するなら炒めるのがおすすめ

ブランチングの方法にも様々あり、多くは茹でてから冷凍します。しかし、上述したように茹でてしまうと水溶性の栄養素は流出してしまうので、栄養の流出を抑えるなら炒めてから冷凍がおすすめです。

炒めてから冷凍するでも、茹でてから冷凍するのと同様にパプリカの風味や食感を守ることができます。

炒めてから冷凍する場合は、パプリカをカットしさっと炒めた後に粗熱をってからラップに包み、保存袋に入れて冷凍庫にいれます。炒めてあると解凍後調理も楽になるのでおすすめです。

解凍せずにそのまま使う

冷凍したパプリカを解凍せずに加熱する

冷凍したパプリカは解凍すると凝っていたパプリカの水分が一気に出てきます。水分が出てくると、水溶性の栄養素や風味となる成分も出てきてしまいますし、食感も悪くなってしまいます。

冷凍したパプリカは解凍せずにそのまま加熱調理すると、栄養の流出を最小限に抑えることができます。特にスープなどの汁物にする場合は、解凍せずに加えれば流出してしまう栄養素も汁ごといただくことができます。

パプリカを冷凍するときは丸ごと生のままでも可能ですが、解凍せずにそのまま調理することを考慮すると炒めものや汁物にするパプリカは食べやすい大きさにカットしてから冷凍しておくと便利です。

パプリカが不味くならない冷凍のコツ

パプリカに限らず野菜を新鮮な状態と同じ風味・食感を冷凍保存で完全に維持することは困難です。

急速冷凍できれば風味や食感を保ちやすいのですが、家庭用冷凍庫でゆっくり冷却されることで、氷結晶ができ、これが野菜の組織や繊維を破壊します。また、この氷結晶が溶けたときに空洞ができ、スカスカ・ベチャベチャとした食感になってしまいます。そのため、冷凍した野菜は美味しくないといわれることが多いです。

しかし、正しく冷凍すれば風味・食感をある程度保つことができます。ここからはパプリカがまずくならない冷凍のコツを紹介します。

繊維を断ち切るようにカット

パプリカの繊維を断ち切るようにカットする

上述したようにカットしてから冷凍したほうが使いやすくて便利なのでおすすめです。解凍せずにそのまま炒めものやスープに利用することができます。

カットするときは、繊維を断ち切るようにカットするのがポイントです。繊維を断ち切るようにカットすると冷凍しても食感をある程度保つことができます。

パプリカの切り方はこちらの記事を参考にしてください。

水分をしっかり拭き取る

パプリカの水分をキッチンペーパーで取る

生のまま冷凍する場合や一度茹でたパプリカを冷凍する場合は、しっかりと水分を拭き取ってから冷凍することが大切です。

余計な水分がついていると、解凍したときビチャビチャになってしまいます。パプリカの風味も損なわれてしまいますし、料理全体が水っぽくなってしまう原因となるので、キッチンペーパーなどでしっかりと拭き取りましょう。

空気を抜いて密閉する

パプリカは空気を抜いて密封する

パプリカをラップに包み、冷凍用の保存袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉しましょう。

しっかりと空気を抜いておくことで、パプリカが空気にふれることで色が悪くなってしまうのを防ぐことができます。

また、冷凍庫の臭いがついてしまうのを防ぎパプリカ特有の風味を守れます。

金属トレーを下に置く

パプリカを冷凍する際は金属トレイにのせて冷凍するとよい

パプリカに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。

遅くても1ヶ月以内に食べきる

冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。

パプリカの栄養を守れる冷凍以外の保存方法

冷凍保存と比較して保存できる期間は短くなってしまいますが、パプリカの栄養を無駄にすることなく保存したい場合は常温保存や冷蔵保存するのが◎

手間はかかりますが、天日干ししてから保存すれば冷凍するのと同じく1ヶ月保存可能です。

下記でご紹介している保存方法の詳しい手順はこちらの記事でご紹介しています。

常温保存

丸ごとキッチンペーパーに包んで(1ヶ月)

パプリカをすぐに食べる場合はキッチンペーパーに包んで常温で保存する

すぐに食べるならパプリカは常温保存が可能です。特に冬場は常温保存で問題ありませんが、乾燥には注意が必要です。新聞紙かキッチンペーパーに一つずつ包んで、乾燥から守るようにしましょう。

この方法で保存したパプリカは1週間ほど保存が可能です。

夏場は冷暗所(直射日光が当たらず、風通しがよく、低い温度が一定に保たれた場所)がない場合は、常温保存は避けた方がよいでしょう。

冷蔵保存

パプリカは冷蔵庫で保存するのが基本です。冷蔵保存する場合のパプリカの保存期間の目安は2週間です(丸ごと保存する場合)。

丸ごと(2週間)

パプリカを丸ごとキッチンペーパーで包みポリ袋に入れて冷蔵庫で保存する

1週間以内に食べないときは冷蔵保存しましょう。丸ごとキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて口は軽く閉じ、野菜室で保存します。パプリカは乾燥に弱いのでポリ袋に入れますが、パプリカ自体から蒸発する水けで傷むのを避けるために口は少し開けて通気性を高めるようにしましょう。

この方法で保存すれば、パプリカを2週間ほど保存することができます。

カット(2〜3日)

カットしたパプリカの切り口にラップを密着させ包み、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵保存する

調理で余った半分にカットしたパプリカも冷蔵保存できます。酸化を防ぐために、ラップをきっちり巻いて、ジッパー付きポリ袋に入れて空気を抜いて口を閉じます。種やわたは栄養価が高いので無駄にせず食べたいものですが、傷みが早いので保存には向きません。

カットしたパプリカは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べきるようにしましょう。

乾燥保存

パプリカは乾燥保存することもできます。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。

乾燥させたパプリカは密閉容器に入れ、常温または冷蔵で1ヶ月ほど保存することができます。

天日干し(常温・冷蔵で1ヶ月)

カットしたパプリカを天日干しして保存する

乾燥保存させるとき一番のおすすめは天日干しです。細切りしたパプリカをキッチンペーパーで水けをしっかり取り、ザルに並べ、2日ほど天日干しします。

天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。

天日干しすることでビタミンDが増加します。旨みも増し、生とは違うパリパリとした食感が楽しめます。そのまま和え物や炒め物で加熱したり、スープや汁物に投入して使うのも◎。