煮込んでいた肉じゃがの汁がなくなってしまったことはありませんか。この記事では、肉じゃがの汁がなくなってしまう原因やリカバリー方法などを解説します。
肉じゃがの煮汁が少なくなってしまった時、場合によってはそのままにすると失敗に繋がってしまうでしょう。
普通に肉じゃがを作って汁がなくなっているという場合、元々煮汁が少ない場合もありますが、基本的には水分がたくさん飛んでしまっている状態なので、味が濃くなってしまっている可能性が高いです。
また、水分が少ないとパサパサとしてしまい、余計に美味しくはないでしょう。
煮汁がない状態で煮続けると鍋やフライパンに焦げ付いてしまいます。焦げ付いてしまった肉じゃがは雑味が混ざって美味しくなく、鍋やフライパンのコーティングが劣化する原因にもなります。
肉じゃがを煮込む際は、時々鍋やフライパンの状態を確認するようにしましょう。
汁の少ない肉じゃがでは、じゃがいもが煮崩れて溶けてしまうと水分が少ないドロドロの仕上がりになってしまいます。
ドロドロの肉じゃがが好みという方もいますが、見た目が損なわれてしまい、味もじゃがいもの風味が前面に出た味わいになってしまい、本来の味とは異なるテイストになってしまいます。
肉じゃがの汁がなくなってしまう場合、分量や火力調整が間違っている可能性が高いです。
肉じゃがを調理する際に煮汁が不足してしまう原因はいくつか考えられますが、具材の量に見合った煮汁の量ではないことが挙げられます。
肉じゃがの煮汁の量は、具がギリギリ浸るくらいがベストとされ、出汁は2人前で1カップ(200ml)の量が使われることが多いです。ただし、使う鍋やフライパンの大きさで具材が浸るくらいの量には差が出るので、調整しながら加えてみましょう。
煮汁が少ないと具材に味が染み込みにくくなってしまいますが、煮汁が多すぎると今度は煮るのに時間がかかってしまい、お肉がかたくなり、じゃがいもが煮崩れを起こしてしまうので注意しましょう。
肉じゃがを煮込む際、火加減が強すぎると煮汁が蒸発しすぎてしまい、煮汁がなくなってしまう可能性があります。煮汁がなくなってしまうことで具材が焦げ付いてしまうこともあります。煮込む際は弱火でじっくりと加熱しましょう。
強火や中火といった高い火力での調理は鍋の中がぐつぐつと煮えたぎる状態になり、具材が動いてしまうので、ジャガイモが煮崩れしてしまうほか、お肉も高温になることてタンパク質が凝固し、かたくなってしまいます。肉じゃがを美味しく仕上げるためにも高火力での調理は避けた方が良いでしょう。
肉じゃがはじっくり煮込んで作るイメージがありますが、煮込みすぎると煮汁が蒸発しすぎてしまうほか、お肉のたんぱく質が縮んで固くなってしまい、じゃがいもも煮崩れを起こし、玉ねぎも溶けてなくなってしまいます。
煮込む時間は弱火で20~30分程度が基本です。具材のサイズや量、調鍋やフライパンの素材などによって必要な煮込み時間は前後するので、肉じゃがを煮込んでいる際は時々鍋の状態を確認するようにしましょう。
強火で短い時間(5~10分)加熱する方法もあります。ただし、この方法は煮詰まりすぎや焦げ付く失敗を招く可能性があります。また、フライパンや鍋の食材がくっつきにくくなるコーティングを劣化させてしまいます。
どれくらい煮込めばよいかわからないという方は、ある程度煮込んだらじゃがいもに爪楊枝や竹串を刺してみましょう。弱い力で中まですっと刺さるようであればしっかり火が通っているので、煮込むのを止めても問題ありません。
逆に力を入れて押し込まないと中まで刺さらない場合は火の通りが不十分なので、煮込み続けてみましょう。
煮物の定番の落し蓋ですが、落し蓋は煮物において重要な役割を果たし、その中の1つに煮汁の蒸発を防ぐ役割があります。煮汁の減少を防ぐ以外にも様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。
落し蓋を使用することで煮汁が落し蓋に当たり、絶えず下へと循環するため、味が均一に広がります。また、鍋全体の温度が均一になるため、加熱ムラを防ぐ効果もあります。また、上から落し蓋で具材を軽く抑えることで、中で素材が大きく動かなくなり、煮崩れしにくくなります。
このように落し蓋を使うことで様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。キャベツやレタスといった野菜を使う変わった代用方法もあります。
落し蓋は完全に密封するわけではないため、魚や肉などの生臭さがこもることなく、臭いが逃げやすくもなります。煮魚や角煮などでも落し蓋を使うのがおすすめです。
鍋の大きさに合わせてサイズを自由に調整できます。
材料の量に合った大きさの鍋やフライパンを使いましょう。大きすぎると煮汁の蒸発が早く、具材が煮えないうちに煮汁が無くなってしまい、味が濃くなってしまうほか、場合によっては焦げ付いてしまいます。また、レシピ通りの煮汁の分量では具材がしっかり煮汁に漬からないために味がちゃんと染み込みません。
一方、小さすぎても煮汁が入りきらずに具材がしっかり煮汁に漬からないこともあるほか、火の通りや味の染み込み具合にムラが生じてしまいます。また、具材が重なってしまうので、重なった具材の重みで形が崩れてしまうこともあります。
肉じゃがは中深鍋がおすすめで、具材の量は鍋の深さの1/2程度を目安にしましょう。
水や煮汁を足しますが、そのまま足せばよいというわけではありません。
煮汁のなくなった肉じゃがにしっかり味が染みており、程よい柔らかさになっていれば無理に煮汁を足す必要はありません。そのまま完成でよいでしょう。
ちなみに、肉じゃがは野菜の水分を活かして水を加えずにしっかり蓋をして作る方法の、いわゆる「無水調理」で作る方法もあります。無水調理は野菜の栄養が逃げにくくなるほか、野菜の甘みをしっかり生かすことができます。
煮込んでいる最中に肉じゃがの煮汁がなくなってしまった場合、水や煮汁を足して調理を続けましょう。そのまま煮込み続けると焦げ付いてしまう可能性が高いです。
出汁を追加することが多いですが、味付けは後からでも調整できるため、水を追加して煮込んでも問題ありません。
ただし、肉じゃがの煮汁がなくなった場合、そのまま水や煮汁を足して煮込み続けると煮込む時間が長くなってしまい、お肉が固くなり、じゃがいもが煮崩れしてしまいます。
少々手間ですが、具材を一度鍋から取り出して煮汁を追加し、味見をしつつ良い塩梅の濃さの煮汁となったら中火で加熱し、軽く沸騰させましょう。
既に長時間煮込んでしまっている場合なら火を止めて具材を戻したらそのまま余熱で熱を加えましょう。まだ煮込んでいる最中だったら煮崩れに注意しながら煮込みを続行してください。煮崩れに注意しながら丁寧に煮込むことで、肉じゃがを美味しく仕上げることができます。
煮汁の量は具がギリギリ浸るくらいがベストです。足した煮汁が多すぎた場合はもったいないですが、おたまですくって減らしましょう。
肉じゃがを美味しく上手に作るコツを解説します。
肉じゃがは具材の切り方で火の通りや味の染み込む時間が変わります。じゃがいもの大きさがバラバラだと火の通りに差が生じ、場合によっては煮崩れてしまいます。
じゃがいもは大きさにもよりますが、6等分程度のサイズで乱切りにするのがおすすめです。にんじんはじゃがいもより味が染み込みにくいので、小さめに切りましょう。
玉ねぎはしゃきしゃきした食感を好む方は繊維に沿って大きめのくし切りに、柔らかくクタッと味のしみた玉ねぎが好みな方は繊維通りにまっすぐ包丁を入れて切りましょう。
一般的に煮物やカレーなどの煮込み料理には崩れにくい「メークイン」という品種が使われます。メークインは俵(たわら)のような楕円形が特徴的な見た目で、イギリスが原産の品種です。滑らかな口当たりが楽しめます。
一方、アメリカ原産で現在日本での生産量1位の「男爵イモ」は、調味料の味が染み込みやすく、火を通すことでほっくりとした食感になります。ほくほくとしたじゃがいもが好みという方は男爵イモがおすすめです。ただし、メークインよりも煮崩れしやすいので煮込む際は要注意です。
じゃがいもは角を削る「面取り」をすると煮込んでいる際に崩れにくくなります。崩れるのが気になる方は面取りをしっかり行いましょう。
じゃがいもを水にさらすことで、煮崩れを防ぐことができます。カットしたら5~10分程度水にさらしておきましょう。
じゃがいもの煮崩れは、煮込むことでジャガイモに含まれるデンプン(炭水化物の一種)とペクチン(食物繊維の一種)の2つの成分が変化してしまうことが主な理由です(たんぱく質も影響しているといわれています)。
じゃがいもを水にさらすと、ペクチンが水中の無機イオンと結合して不溶化し、細胞内のデンプンの吸水を防ぎ、煮崩れしにくくなります。カレーや煮物などにじゃがいもを使う場合は、この性質を利用することでも形をキープしたまま調理することが可能になります。
また、じゃがいもを水にさらすことで煮崩れの原因になるデンプンそのものを少しばかり取り除くこともできます。デンプン自体は水には溶けませんが、水にさらすことで水の中に沈みます。デンプンは水に沈殿することから「殿粉(デンプン)」という名称がつきました。デンプンを取り除くことでジャガイモ同士がくっつきにくくもなります。
肉じゃがの具材のうち、お肉やにんじん、じゃがいもを炒めることで旨味が引き出され、食欲をそそる香ばしい風味が広がります。また、焼き色をつけることで見た目も美しく仕上がり、表面が固くなり、油でコーティングされるので煮込んだ際に崩れにくくもなります。
ただし、牛肉は火が通りやすく、加熱しすぎで固くなってしまうので、煮込む際に入れるのも良いでしょう。
煮物は煮込むことで具材が柔らかくなり、味が染み込んで美味しく仕上がりますが、ちょうどよい柔らかさになる時間と、しっかり味が染み込むまでの時間には差があり、具材が柔らかくなった段階ではまだ具材に味が染み込んでいません。しかし、肉じゃがは煮込みすぎるとお肉が固くなり、煮崩れも起きてしまい、美味しくなくなってしまいます。
そこで、程よく煮込んだ後に火を止めて放置しておくことで、余熱である程度の温度をキープすることができ、具材に味が染み込んでいくようになります。これが「煮物は冷めていく時に味が染みこむ」と言われる所以です。また、冷めていく間に味が落ち着くという効果もあります。味付けが終わったら火を止めて1~2時間放置しておくのがおすすめです。
ちなみに、冷ます理由として、浸透圧によって味が染み込むという説もあります。食材を加熱することで食材の中の細胞が膨張し、水分が外へ出ていってしまいますが、冷ますことで具材の中と煮汁の濃度を同じにしようと煮汁が食材に入っていくことにより、味が染み込むという説です。
どちらの説が正しいかは決着がついていませんが、火を止めておくことが味の染み込みにつながることは間違いないようです。
最後に、肉じゃがのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
和食の定番、肉じゃがのレシピをご紹介します。野菜の甘みが楽しめる一品です。
こちらのレシピでは牛肉を使用しています。
肉じゃが(牛肉)のレシピはこちら
豚肉を使った肉じゃがのレシピです。作り方はとてもシンプルですが、食べ応え満点です。
豚肉じゃがのレシピはこちら
めんつゆで簡単に作れる肉じゃがのレシピを紹介します。めんつゆ以外にはお酒を加えることで、お肉を柔らかく仕上げることができます。
めんつゆで作る肉じゃがのレシピはこちら
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