麻婆丼は麻婆豆腐と具材や味付けなどで違う点があるのでしょうか。この記事では麻婆豆腐と麻婆丼の違いや、麻婆豆腐と麻婆丼を美味しく食べるためのポイントなどを紹介します。
麻婆丼は麻婆豆腐が白いご飯の上に乗っただけの料理です。正式名称は「麻婆豆腐丼」ですが、呼びにくいことから省略されて「麻婆丼」と呼ばれています。ちなみに、「麻婆豆腐」の「麻婆」とは、中国語で「痘痕(あばた)のあるおかみさん」という意味で、麻婆豆腐を最初に作った女性に由来します。
日本で人気の麻婆丼ですが、中国ではどんぶり形式で食事をすることはあまり上品とされておらず、麻婆丼として麻婆豆腐が食べられることはほとんどありません。日本にある中華料理店では麻婆丼を見かけますが、これは日本人向けに提供されているためです。
また、中華料理はたくさんの品数の料理を味わう形式のため、麻婆豆腐だけ食べるということがありません。また、中国のご飯茶碗は小さめで、のせて食べるのも難しいともいわれます。
麻婆豆腐をご飯の上にかけるのはマナー違反だと言われますが、これは誤った情報です。中華料理を食べる際に料理をご飯の上にかけるのは問題なく、ご飯の上に料理をのせてはいけないというのは和食を食べる上でのマナーです。
実際、麻婆豆腐を最初に作った中国のお店「陳麻婆豆腐」の日本店のホームページでは、麻婆豆腐の食べ方としてご飯の上に麻婆豆腐をかけることを推奨しています。
参考:陳麻婆豆腐が推奨する麻婆豆腐の食べ方
どろっとしている麻婆豆腐は箸では食べにくく、レンゲやスプーンで食べる方も多いと思いますが、麻婆豆腐を含む中華料理は箸で食べるのが、中国での正式なマナーとされています。ただし、残り少なくなったものをレンゲやスプーンですくって食べるのは問題ないとされています。
ただし、このマナーはあまり知られておらず、麻婆豆腐を箸だけで食べるのは難しいこともあり、日本国内の中華料理店ではレンゲで食べられていることが多いようです。
麻婆豆腐の具材は基本的にひき肉と豆腐、香味野菜だけと種類が少なく単調なので、白菜などの野菜やキノコ類を加え、味わいや食感に幅を持たせるのがおすすめです。
なお、ひき肉を豚肉の別の部位(バラ肉など)で作ってみると食べ応えが増すのでおすすめです。
中華料理店などでも人気なのが麻婆豆腐とチャーハンの組み合わせです。美味しさのいいとこどりで、どちらかだけ食べても美味しいですし、混ぜれば少し濃い目の旨味たっぷりな味わいが楽しめます。
白いご飯をうどんや中華めんなどにのせ、混ぜて食べるのも人気の楽しみ方です。いつもの麻婆丼に飽きたらこちらの方法を試してみてください。
麻婆豆腐を味噌ラーメンの上にのせるのも人気で、味噌ラーメンの味変になるほか、麻婆豆腐が辛すぎる場合にラーメンの汁で辛味を薄めることもできます。
七味唐辛子は辛味を足すトッピングでは定番ですね。辛いだけでなく、風味もプラスでき、味に深みも出ます。好みに合わせて一味唐辛子に変えてみるのも良いでしょう。一味唐辛子は最初の香味野菜を炒めるタイミングで加えることで、麻婆豆腐にしっかりとした辛味を加えることができます。
ラー油も中華料理によく使われる調味料で、ごま油などの植物油に唐辛子を加えて造られる香味油です。辛みと香ばしさを手軽に加えることができ、辛いもの好きな方に好まれています。
豆板醤は中華料理では定番の中国発祥の発酵調味料の1つです。主な原料はそら豆と唐辛子で、ピリッと辛く、しょっぱいテイストが特徴です。麻婆豆腐などの中国の四川料理はもちろん、韓国料理でもよく使われる調味料です。
旨味もたっぷりで、豆板醤・甜麺醤・豆鼓醬の3つがあればいつもの料理が本格的な中華料理に近づきます。
韓国料理によく使われるコチュジャンも豆板醤の代わりに使われることがあります。豆板醤と同じ唐辛子を原料とする調味料ですが、コチュジャンはお米やもち米などを原料としています。そのため、炒めると焦げやすい特徴があります。
強い辛みがありますが、米由来の甘みも感じられるテイストです。
花椒(ホアジャオ)は、中国原産のミカン科サンショウ属の低木になるしびれるような辛さとさわやかな香りが特徴で、主に四川料理で使われるスパイスです。日本では四川山椒と呼ばれることもあります。
四川式の麻婆豆腐では必須のスパイスですが、日本で一般的なレシピの多くでは使われることは少なく、隠し味として使われることがあります。
ホールのままで売られていることもあれば、粗挽き、粉状に挽かれて売られていることもあり、近年では日本のスーパーで見かけることもあります。
山椒(サンショウ)は、日本原産のミカン科サンショウ属の低木になる小さな果実を乾燥させたスパイスです。
花椒とは同じ種類の木になる実から造られますが、花椒は熟した実を乾燥させて果皮のみを使用するのに対し、山椒は熟す前の果皮を粉末にして作られているため、さわやかな香りが特徴で、花椒のしびれるような辛味に比べると辛味はマイルドです。
日本ではメジャーなスパイスであり、麻婆豆腐を作る際、花椒の代わりとして使われることがあります。
チーズのせ麻婆豆腐は人気のレシピでもありますが、チーズも牛乳などと同じくカゼインを含んだ食品なので、辛みを抑えることができます。チーズはカゼインの働き以上にまろやかな味わいが辛味を抑えるのに大きな役割を果たしてくれます。粉チーズは隠し味として使われることもあります。
粉チーズやスライスチーズを完成した麻婆豆腐の上にのせるだけでも良いですが、卵とチーズで麻婆豆腐を包むのもおすすめです。
様々な旨味が凝縮された焼き肉のたれも隠し味におすすめです。何となく味が決まらないときに少し入れるだけでぐっと味がまとまることもあります。入れすぎてしまうと味のバランスがおかしくなってしまったり、濃くなりすぎたりするので要注意です。
中華料理に欠かせない調味料の甜麺醤は、小麦粉、塩、麹などから造られるコクのある甘口の味噌です。日本の味噌は米や大豆を原料としますが、甜麺醤には米や大豆が使われていないため、独特の味わいです。
麻婆豆腐に使うことでコクを加え、本格的な味に仕上げることができます。
豆鼓醤(トウチジャン)も中国発祥の調味料の1つで、蒸した大豆を塩漬けにし、発酵させて干した「豆豉」に砂糖や醤油、油などを加え使いやすくペースト状にしたものです。日本の食品でいえば八丁味噌に近いテイストと言われます。
少し濃いめのしょっぱさと独特の旨みがあり、中華料理に風味やコクを出すために使われます。
マヨネーズは麻婆豆腐の辛味を抑える調味料として定番です。原料の卵のまろやかさとお酢のさっぱりさで麻婆豆腐がマイルドな口当たりになり、辛みが抑えられます。
ただし、風味が強めな分、入れすぎると味のバランスが崩れやすいので少しずつ加えるようにしましょう。
保育園や幼稚園で出る麻婆豆腐はケチャップが使われていることが多く、一般の家庭でも、お子さん向けにおすすめです。ケチャップの甘酸っぱさが辛味を抑えてくれます。
ただし、洋風な風味が麻婆豆腐の味に大きな影響を与えてしまうため、美味しいものの麻婆豆腐とは少し違う味になってしまうともいわれます。
お酢を入れることで辛さがマイルドになり、辛みを抑えることができます。隠し味にも使われることがあり、違和感なく溶け込んでくれます。中華料理には黒酢がとても相性が良くおすすめですが、黒酢がない場合は他のお酢でも大丈夫です。
ただし、入れすぎると味のバランスがおかしくなってしまうので注意しましょう。
大きなものを買うとなかなか使い道がなく、寒い時期には固まってしまいがちな蜂蜜ですが、麻婆豆腐に甘みを加える隠し味として使われます。
優しい甘みが特徴的で、コク深さもプラスできます。お子さんが食べる麻婆豆腐に加えるのもおすすめです。
カエデ科の木の樹木を煮詰めて造られるメープルシロップは、砂糖や蜂蜜に比べると甘さはやや控えめで、隠し味として使うのはもちろん、麻婆豆腐が辛いけど甘くしすぎたくはないという方におすすめです。
ちなみに、スーパーなどで見かける「ケーキシロップ」や「パンケーキシロップ」は、カエデの樹液由来ではないシロップをベースに、メープルシロップを配合するなどしてメープルシロップ風に調製したものです。
香味油を麻婆豆腐に数滴たらして香りづけするだけで、香り豊かな麻婆豆腐になります。特に中華料理と相性の良いごま油は、サラダ油の代わりに香味野菜や豆板醤を炒めるのに使われることもあります。
ごま油以外には花椒油やねぎ油、マー油などもおすすめです。
トッピングの定番の青ネギは、麻婆豆腐の彩りを良くし、シャキシャキとした歯ごたえも楽しめます。青ネギの少しピリッとする爽やかな風味が麻婆豆腐の美味しさをより一層引き立てます。
青ネギは他にも様々な料理のトッピングとして使えるので、冷蔵庫にストックしておくと便利です。甘みがあって風味が良い九条ネギを使うのもおすすめです。
柚子胡椒は、麻婆豆腐にピリッとした爽やかな味わいに加えることができるトッピングとして人気を集めています。豆板醤を使わない和風麻婆豆腐のレシピにも使われています。
にんにくは麻婆豆腐に使う香味野菜の定番で、香り以外にも様々な効果を発揮してくれます。うまみ成分のグルタミン酸が豊富で、お肉の旨味を引き出してくれます。
後から味変として加える場合、チューブタイプのすりおろしを使うと便利です。
生姜も麻婆豆腐に使う香味野菜の定番で、すっきりとした香り以外にも様々な効果を発揮してくれ、麻婆豆腐にコクを加えてくれます。体が温まる効果もうれしいポイント。
こちらもチューブタイプのすりおろしを使うと簡単です。
砂糖はプロの料理人の麻婆豆腐のレシピでも隠し味として加えられることもあり、麻婆豆腐に使っても違和感のある調味料ではありません。
近年では羅漢果(らかんか)などから造られる低カロリーないし0カロリーの砂糖もあるので、糖質が気になる方はそちらを使ってみても良いでしょう。
みりんは砂糖の代わりに使われることがあり、甘みとコク・旨味を加える目的で使われます。料理酒と同じ日本酒ベースの調味料で、和食づくりに欠かせない調味料です。煮物では料理に照りを出すためにも使われます。
みりんにはもち米・米麹などを原料とするアルコール度数14度の「本みりん」と、ブドウ糖や水あめなどの糖類や香料で作られるアルコール度数1度未満の「みりん風調味料」があります。
料理酒と同じアルコールの効果による味の染み込みやお肉などの臭い消し、煮くずれを防ぎたい場合には「本みりん」を使うのがおすすめで、加熱を必要としないドレッシングや和え物には、アルコールがほとんど含まれていない「みりん風調味料」を使うのがオススメです。
甘酒は原料の酒粕や米麹由来のコクをプラスすることができ、隠し味としておすすめです。優しい甘みの甘酒を入れることで麻婆豆腐の辛さを和らげることができるので、麻婆豆腐が辛い場合にもおすすめです。甘酒を入れた分、水分が多くなってさらさらとしてしまうので、水溶き片栗粉も追加してとろみもつけましょう。
甘酒にわずかに含まれるアルコール分は加熱によって飛んでしまいますが、子供用に作る場合、アルコールが含まれていない米麴が原料となっている甘酒を選ぶと安心です。
ピーナッツバターはピーナッツから造られる甘いペースト状の食品です。中華料理では「花生醤」として、様々な料理のタレの材料に用いられます。バターという名前ですが、牛乳などの乳製品は全く使われていません。
麻婆豆腐に用いることでコクを出すことができ、甘みも隠し味になります。
意外かもしれませんが、様々なスパイスが使われているカレー粉を少し混ぜるだけで麻婆豆腐が奥行きのある味わいになるのでおすすめです。ただし、入れすぎると味がおかしなことになってしまうので気を付けましょう。
少し意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、イチゴジャムには甘みはもちろん、旨味や酸味も程よく含まれているので、麻婆豆腐をコク深い味わいにできます。
ただし、味の主張が強い分少し入れるだけでも味のバランスが変わってしまうので、小さじで少しずつ加えるのがおすすめです。
いつもの味に飽きたらアレンジまたはリメイクもおすすめで、作りすぎて余っている場合にもおすすめです。
マッシュ状にしたジャガイモやおからなどと麻婆豆腐を混ぜ、衣をつけて揚げることで簡単にコロッケが作れます。いつもよりもスパイシーで食べ応えのあるコロッケになります。
麻婆豆腐を耐熱皿に移し、パンやチーズをのせてオーブンで焼くだけでパングラタンに早変わりします。いつもの麻婆豆腐が少しおしゃれな一品に早変わりです。量が少ない場合はトマトやホールトマト缶を加えるのもおすすめです。
麻婆豆腐を卵で包み、オムレツにすることで卵の柔らかい甘みに包んで辛みが誤魔化せます。ただし、ゆるめの麻婆豆腐では卵に包むのが少々難しいので、フライパンで水溶き片栗粉を加えて再加熱するか、別の料理にリメイクしましょう。
牛乳をたくさん入れてクリーム煮にすることで辛味を大幅に抑え、ミルキーな味わいに仕上げてしまうのも手です。生クリームを使えばよりコク深い味わいになります。
買ってから時間が経ってしまって発酵が進んだ酸っぱいキムチが冷蔵庫にありませんか。酸っぱくなったキムチは辛味の強い麻婆豆腐と相性が良く、キムチ麻婆豆腐にすることで、辛さを抑えたアレンジレシピにすることができます。
豆腐は水分を多く含んでいるので、事前に水分を抜く「水切り」をしっかり行わないと豆腐の水分が出て料理の味が薄まり、イマイチ味が決まらない原因になってしまいます。また、豆腐の内側に含まれている水分が適度に抜けることで崩れにくくなり、味がしっかりと染み込みます。
また、豆腐を入れてから麻婆豆腐を仕上げるまでにはそれほど時間がないため、 豆腐の芯が冷たいままになってしまうのも回避できるので、しっかり水切りをするのが麻婆豆腐を美味しくつくるコツです。
料理前に20分程度ザルに出しておくだけでもある程度水分が抜けます。より美味しく仕上げたいという方はキッチンペーパーに包んで重しをのせて冷蔵庫に置いておく、塩水に漬けておく、湯通しする、電子レンジで軽く温めるといった方法もあります。
麻婆豆腐を作る際、いきなりひき肉を炒めるのではなく、ネギやにんにく、生姜などの香味野菜を油で炒め、油に香りをしっかり移しましょう。
味を辛めに仕上げたい人はここで赤唐辛子や鷹の爪を炒めるのがおすすめですが、赤唐辛子は焦げやすいので炒める際に注意が必要です。
生姜やにんにくなどの香りを引き出した後、ひき肉を炒めます。ひき肉の色が変わった段階で火を止めるのではなく、ひき肉は炒め続けた状態で調味料などを加えることで、ひき肉の内側から油分が出てコクをプラスできます。
豆板醤などの調味料と一緒に炒めることで調味料の風味も引き立ち、ひき肉の臭みも取れます。
調味料を入れて炒めた後、豆腐を入れて煮込みますが、豆腐を入れた後は強火のままグツグツと煮込むのではなく、中火程度に落として煮込みましょう。
強火のままだと豆腐から水分が出て水っぽい仕上がりになり、豆腐も硬くなってしまいます。一方、弱火だと豆腐にしっかり火が通らないために味がしみ込まず、全体の水分もうまく蒸発しないため、水っぽくなってしまいます。
水溶き片栗粉などでとろみを加えて弱火で1~2分煮込んだ後は、サラダ油かゴマ油などの香味油をさっと回し入れ、強火でさっと加熱しましょう。強火で加熱することで片栗粉にしっかり火が通り、しっかりとしたとろみがつき、時間が経ってもサラサラになりにくくなります。
油を加えることで香ばしさが出ることに加え、豆腐に染み込んだ味を油が閉じ込めてくれるので、豆腐の内側の水分とともに味が抜けてしまうことを防いでくれます。また、艶のあるとても美味しそうな見た目になります。
万能ねぎや花椒(山椒)を入れる方は火を止めたタイミングで入れましょう。
麻婆豆腐のレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
しいたけとニラを加えた麻婆豆腐です。
麻婆豆腐のレシピはこちら
辛い料理が苦手な方やお子様も美味しくいただけます。
麻婆豆腐(甘め)のレシピはこちら
アボカドは使い方がワンパターンになりがち。いつものアボカド料理に飽きたら試してほしい一品です。
アボカド麻婆豆腐のレシピはこちら
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
冷凍したじゃがいもが黒っぽく変色...食べてOK?原因と対処法を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典