土がついた状態で販売されている人参や家庭菜園で育った人参は、土の中で保存することでより長く保存することが可能です。本記事では、泥付きのまま販売されている理由や、土付き人参の正しい保存方法を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
人参は土の中で育つ野菜です。一般的なスーパーではあまり見かけませんが、農産物直売所や道の駅などでは泥付きの状態で販売されていることがあります。
人参が泥付きのまま販売されているのは、人参の味や栄養価を守ったり保存性を高めるなどの理由があります。
人参に付いた土を落とす際は、専用の機械やブラシなどを使って洗浄されています。その際に人参の表面に傷がついてしまうことがあり、風味が落ちたり、傷ついた部分から傷みやすくなってしまいます。そのため、生産者やメーカーによっては泥付きの状態で販売するのです。
土が付いたまま販売されている人参は、収穫後も土からの栄養素をもらっているため、より豊かな栄養を蓄えています。人参を購入するなら、土付きの人参の方が◎。
土付きの人参は土の中で保存することが可能です。スーパーなどで買った土付きの人参や、家庭菜園で育てた人参を土の中で保存する方法を解説します。
土の中で人参を保存する場合の保存期間の目安は2ヶ月です。鮮度や美味しさをキープしながら長期保存が可能です。
土付きの人参で、葉が付いた状態であれば、葉を切り落としてから土の中で保存します。葉が根の栄養や水分を吸ってしまうのを防ぐためです。
土付きの人参を、土が付いた状態のままで葉を切り落とします。ヘタからではなく、葉の根元からカットするようにしましょう。ヘタを切り落としてしまうと、切り口から乾燥が進んだり、土の雑菌が付着して腐ってしまうことがあります。
切り落とした葉も食べることができますので、捨てずに調理して美味しくいただきましょう。人参の葉には根の3倍のタンパク質や4倍のビタミンC、5倍のカルシウムを含みます。人参の葉の栄養素や栄養素の働きに関してはこちらの記事で解説してますので参考にしてください。
人参だけに限らず、野菜は育った状態に同じように保存するとストレスがかからず、長く保存できます。したがって、土の中で保存する際も立てるのが◎。
畑や庭に深さ20〜30cm程度の穴を堀り、人参を立てて入れて土を被せて保存します。プランターや段ボールなどに土を入れて保存するのもOKです。
人参に付着している土はそのままの状態で土に埋めましょう。一度土を洗い流してしまうと、人参の表面に傷がつき傷みやすくなってしまいます。また、水分が付着することでも腐りやすくなりますので、土に埋める前に水で洗わないようにしましょう。
積雪から人参を守るためには土の上に藁を敷くと◎。
気温が高い時期は、人参を土の中で保存するのは避けましょう。人参が腐ってしまったり、生長し新たな芽や葉が伸び、人参の根の部分の栄養が吸い取られてしまってスができたり固くなってしまうためです。
土の中で保存できる期間の目安は、地域によって異なりますが、10月〜2月頃です。気温が上がる春や夏の時期は、土の中では保存せずに他の保存方法で保存するようにしましょう。
次に、自宅で常温保存する、または冷蔵庫(冷凍庫)で保存する時のポイントを解説していきます。
人参は暑さと乾燥と湿気に弱いのが特徴です。
暑さに弱いので、冬は常温保存できますが、夏は避けるのが無難です。乾燥から守るために、新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋が活躍します。湿気にも弱いので、洗ったあとはしっかり水けをとってから保存する必要があります。保存中もこまめに水滴を取り除くようにします。新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋自体も交換するのがベターです。
上記の点を気をつければ、人参は比較的に保存しやすい野菜です。人参に豊富に含まれるβ-カロテンも脂溶性なので保存によって失われにくい栄養素です。特売のときなどにまとめ買いして保存するのがおすすめです。
土の中で保存する場合もそうでしたが、自宅で人参を保存する場合も、葉は根(オレンジ色の実の部分)から切り落とすのが基本です。
野菜は収穫された後も生長を続けようとするため、葉が根の栄養や水分を吸い取ってしまいます。切り落とすことで根の栄養や水分が守られるため、より長く美味しく保存することが可能です。
上記でも解説しましたが、人参の葉も食べることができますので、根とは別に保存するようにしましょう。ラップに包んで冷蔵庫で保存すれば2〜3日程度は日持ちします(なるべく早く使うようにしましょう)。
土つき人参を冷蔵庫や冷凍庫で保存する際は、予め土を洗い流す必要があります。
常温保存時は土が付いたままで保存してもOKなのですが、冷凍庫や冷凍庫では土の中の雑菌が繁殖してしまう可能性があるためです。
土を洗い流す際は、表面に傷をつけないように優しく洗い流すのがポイントです。泥汚れがこびりついている場合は、洗う前に水にひたしておくと土がふやけて落としやすくなります。水に浸すことで、水分を吸いみずみずしさを取り戻すことができるので、人参が乾燥して柔らかくなってしまった場合などは特に洗う前に水にひたすことをおすすめします。
土を洗い流した後は、キッチンペーパーなどを使って水分をしっかりと取り除きましょう。水分が付着していると傷みが早く進んでしまいます。
特に、人参を冷凍庫で保存する場合は水分の付着に注意する必要があります。余分な水分まで凍ってしまい、解凍するときにべちょべちょになってしまうだけでなく、人参の旨味成分が流出してしまうためです。
葉を切り落としたら、乾燥を防ぐために一本ずつ新聞紙に包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーでもOKです。
冷蔵保存する場合は、人参を他の野菜や果物から放出されるエチレンガスから守るためにポリ袋に包むと◎。エチレンガスとは、野菜や果物から放出される植物ホルモンの一種で、成熟を促すものです。人参自体はエチレンガスを放出しませんが、人参と一緒にりんごやブロッコリーなどエチレンガスを多く放出する野菜・果物を保存する場合、人参がエチレンガスを吸って傷みが早くなってしまいます。
ポイントは立てて保存することです。野菜は育った状態に同じように保存するとストレスがかからず、長く保存できます。キッチンペーパーが湿気ったら、こまめに替えるようにしましょう。
人参をより長く保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。人参は冷凍すれば約1ヶ月ほど日持ちします。
冷凍する際は、ブランチングをするのがポイントです。ブランチングとは、冷凍前に加熱処理をすることを指し、一般的には野菜を茹でて加熱することが多いです。加熱することで野菜が持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
生のままでも冷凍できますが、変色したり、食感や風味が悪くなることがあります。
土付きに人参の通常の保存方法を具体的に解説していきます。
人参の保存方法の詳細はこちらの記事でご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
人参は冬場ならば常温保存することができます。暑さ・湿気を嫌うので、温度が低く一定に保たれており、直射日光が当たらず、風通しがよい冷暗所で保存するようにしましょう。
人参は夏場は必ず冷蔵保存します。冬場でも2〜3週間保存したい場合は冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
2週間以上保存したい場合は、ヘタの部分は切ると長持ちします。にんじんのヘタの近くに生長点があり、保存期間が長くなると葉を生やそうと根の栄養分を消費してしまうためです。すぐ食べる場合はわざわざカットする必要ありません。かえって酸化が進みます。
カットした人参はラップできっちり包み、ポリ袋にいれて冷蔵保存できますが、切った野菜は傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。前述した通り、半分だけ保存する場合は先の方を保存用にします(へたの方を先に食べます)。
土や汚れを洗って水けを拭き取った人参を、調理するときに使う切り方にします。写真では輪切りにしています。
茹でたり蒸したりしてブランチングをします。冷凍するときは硬めに仕上げるのがポイントです。竹串を強く刺してやっと刺さるくらいが目安です。
ブランチングしたらザルに広げ粗熱を取り、完全に冷めたら冷凍用保存袋になるべく重ならないように入れて密封し冷凍庫で保存します。急速冷凍機能を使ったり、金属トレイの上にのせて冷凍することで瞬時に冷凍させ旨味を凝縮することが可能です。
冷凍人参の解凍方法ですが、基本的に冷凍したまま調理に使ってOKです。冷凍した人参は直接料理に使うと水が出るので、炒め物などで水けを嫌う料理の場合は、前日に冷蔵庫に移し自然解凍しましょう。お急ぎの場合は電子レンジを使って解凍する方法もあります。冷凍人参の解凍方法はこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
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