ハンバーグを作る際、ハンバーグの中心をへこませる工程にはどのような意味があるでしょうか。この記事ではハンバーグにへこみを入れる理由や、ハンバーグを美味しく仕上げるコツを紹介します。
ハンバーグの中央に作るへこみ・くぼみには決まった名前はありません。レシピによって異なりますが、そのまま「へこみ」や「くぼみ」と呼ばれています。「凹み」と表記される場合もあります。
ハンバーグの厚い中央部分は火が通りにくいので、生焼けを防ぎ、調理時間を短くするために真ん中をへこませます。ハンバーグが生焼けになってしまうと食中毒などを引き起こす恐れがあり、とても危険です。
また、ハンバーグは焼いている最中に外側が収縮し、中心部分が膨らむことで火の通りに差が生じてしまうことあります。この現象による焼きムラを防ぐためにへこませています。外側の収縮と内側の膨張で崩れて肉汁が流れ出るのを防ぐ目的もあります。
ハンバーグのへこみは厚みを抑えるために作っていますが、片面だけで問題ありません。
両面に入れたり、片面でもへこませすぎると形が崩れてしまい、ハンバーグを焼いた際に割れてしまうので、軽く押す程度にとどめましょう。
へこみを作ったハンバーグを焼く際は、へこみのある面を上にして焼きましょう。へこみのある部分を下にして焼いてしまうと焼き面がきれいにつかず、へこんだ部分だけ焼けていないおかしな状態になってしまいます。
へこみを入れていない面に焼き目を入れたら、ひっくり返してへこみを入れていた部分も焼きましょう。火が通った段階である程度膨らんでくるので、へこみのある方を下にしても問題ありません。
ハンバーグがプロの味に近づくとして、へこみに氷を入れるテクニックが人気です。へこみに氷を入れることによってハンバーグの温度上昇を抑え、肉汁が流れにくくなるほか、ふたをすることで蒸し焼きにもなり、ハンバーグがジューシーに仕上がります。
氷をハンバーグのへこみ部分に軽く埋め込み、3分程度中火で焼いたら裏返し、ふたをして蒸し焼きにするだけです。普通のハンバーグを作る要領と変わった点はありません。
ただし、美味しくできたという声もある一方でハンバーグが水っぽくなったという声もあるようです。
ただし、最近はへこませる必要についての議論もあり、くぼみを不要とする声もあります。
へこみは、
しっかりこねれば収縮や膨張は起きない
ふたを使って蒸し焼きにすれば中までしっかり火が通る
タネを薄めに成形すれば、真ん中が多少膨らんでも火が通る
といった理由から、へこませる必要がないと言われることもあります。
また、典型的なハンバーグのような小判形ではなく、薄めに作ることで火の通りを良くすることでへこませるのを省略する方法もあります。
通常へこんだ部分は反対がの面を焼いてから焼くことが多く、へこみの部分は膨張で元に戻っていることが多いですが、場合によっては焼き目が付かず、不格好な見た目になってしまうことがあります。
ただし、へこみが元に戻らない場合というのは、へこませすぎてしまった、タネを正しい分量で作らなかったという場合なので、正しい分量や方法で作ればそういったトラブルが起きることはほとんどありません。
オーブンで作る場合はフライパンで焼く場合とは異なり、オーブン内の上下左右の熱源から包み込むように熱を加えることができるので、へこみは不要です。
また、ハンバーグの形も一般的な小判型の平べったい形にしなくても問題ありません。お店で見かけるような真ん丸の形にすることもできます。
へこみを作る以外のハンバーグにしっかり火を通す作り方を紹介します。
タネを混ぜ終わってから空気抜いて成型しますが、この作業が十分でないと生焼けになってしまいます。ハンバーグ内に残った空気が温められると中心部が膨張し、火の通りに差が生じる焼きムラができやすくなるためです。また、空気抜きをしないと焼いている時に割れやすくなってしまい、割れて肉汁が出て固くなってしまうので要注意です。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。この時、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。
ただし、この作業をやりすぎるとハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。
ハンバーグのサイズを大きくしてしまうと、焼く前の空気抜きの作業で空気を抜くのが難しくなるほか、火の通りが悪くなり、崩れやすくなってしまいます。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高まります。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。また、前述の通り、小さめかつ薄めに作ればへこみを作る必要もありません。
ハンバーグを焼く際、しっかり火を通すために弱火で長時間焼いている方が多いのではないでしょうか。長時間焼くことでハンバーグから肉汁が出すぎてしまい、ハンバーグが固くなってしまいます。
ハンバーグを焼く際は、まずは中火で表面を焼き、裏返したら弱火にし、中までじっくりと火を通しましょう。強火で焼くと焦げやすく、ハンバーグの外側ばかり焼けてしまって中心部は生焼けになってしまうことが多く、野菜に含まれる栄養素が分解されてしまったり、肉汁の水分と一緒に流れ出てしまったりします。基本的に中火以下で調理しましょう。
中火で焼き目を付けてハンバーグをひっくり返した後、フタをして弱火で加熱することで水分の蒸発を防ぎ、蒸し焼きにすることができるので、焼いている面以外にも熱を通すことができ、焼きムラを防ぐとともに、時短調理となります。真ん中を凹ませずに焼く場合でも上手く焼くことができます。
フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。この時、フライパンが熱いのでフライパンに触ってやけどしないように注意しましょう。
アルミホイルを使って包み焼きにすることで熱がハンバーグに均等に伝わり、焼きムラを防ぐことができます。アルミホイルには遠赤外線効果という食材の内側に熱を伝えやすくする効果もあるので、生焼け防止にぴったりの調理方法です。付け合わせのブロッコリーやニンジンなどの野菜も一緒に包んで焼けば時短調理にもなります。
フタをして蒸し焼きにする際、少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることでハンバーグに旨味を加え、ふっくら仕上げることができます。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいが良いとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。気持ち多めに入れると良いでしょう。
ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
ハンバーグのタネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、ハンバーグが固くなってしまいます。ただし、こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
ハンバーグをこねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねたり、手ではなくすりこぎ棒や木べらや割り箸を使ってこねると良いでしょう。こだわる方はタネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねているようです。
タネをこね終わった後、寝かせることで水分と油分がなじみ、タネが柔らかくなるだけでなく、お肉が熟成して旨味が増します。ただし、タネを常温で寝かせたり、長時間寝かせたりしてしまうと、雑菌が繁殖する原因となります。冷蔵庫で1~2時間程度寝かせるようにしましょう。また、なるべく空気に触れないようにするため、ラップをかけて寝かせましょう。
なお、空気を抜いて成型した後に寝かせるとひびが入って割れやすくなってしまうので、必ず成型前に寝かせましょう。
スープやあんにとろみをつける目的でもよく使用される片栗粉は、水分を加えて加熱すると粘り気が出て、ひき肉を固めてくれる作用があります。片栗粉を使用したハンバーグは、冷めてもモチモチとした食感が残りやすいです。牛乳の代用として使われることが多くなっています。
加熱前にハンバーグの外側をコーティングしておくことで、加熱時に中の肉汁を閉じ込められる上に、表面が焦げにくくなって舌触りが良くなります。ソースが絡みやすくもなります。片栗粉以外では小麦粉でも代用できます。
パン粉の代わりにお米を使うことでハンバーグがもっちりとした食感に仕上がり、カサ増しにもなります。炊いてから時間が経ったお米などを再利用することもできます。タネに混ぜる際、温かい場合はよく冷まし、すりつぶしてから混ぜましょう。
ただし、たくさん混ぜた場合、時間が経ってしまうとぼそぼそとした食感になってしまいます。
ハンバーグのタネに長芋のすりおろしを混ぜると、その粘りでふわふわな食感に仕上がります。ひき肉をこねる際にパン粉の代わりにすれば、つなぎの役割も果たすので、卵も不要となります。
入れすぎると水分が多くなってタネが緩くなってしまい、ハンバーグを焼いた時に割れてしまうので、少しずつ加えて調整しましょう。
卵と牛乳の代わりにヨーグルトをタネに混ぜると、酸味や水分が加わり、ハンバーグがやわらかく仕上がります。他の料理でも使われている通り、お肉の匂い消しとしての役割もあります。
豆腐をタネに混ぜることで、豆腐の水分とタンパク質でふっくらと柔らかいハンバーグが作れます。豆腐を繋ぎに使う場合、パン粉や牛乳といったつなぎの代わりとなるため、他のつなぎを使う必要がなくなり、カサ増しの効果もあります。ただし、入れすぎるとタネがゆるくなったり、肉より豆腐の味が強くなってしまうので、少量だけ入れるようにしましょう。
絹豆腐は水分が多いので崩れやすく、べちゃっとした仕上がりになってしまうので、木綿豆腐がおすすめです。豆腐を使う場合、ひき肉がバラバラになりやすいので、タネに加える前にしっかりと水気を切り、粘りが出るまでしっかりとこねましょう。
大豆から豆乳を搾った後の絞りかすであるおからは、食物繊維が豊富な上にカロリーが低い特徴があります。ハンバーグのつなぎで使えばカサ増しになり、カロリーオフにもなります。
生おからを使う場合はそのまま混ぜ、乾燥おからの場合は牛乳か水に浸してから使いましょう。生のおからを使用する場合はひき肉の1/3程度が適量で、おからパウダーを使う際にはパン粉と同量程度がおすすめです。
お麩はパン粉と同じ小麦粉から作られた乾物で、ハンバーグのつなぎにも使うことができます。豆腐と同様にカサ増しやカロリーオフになるのでダイエット中の方にもおすすめです。
タネに加える際は粉々に砕いてから水や牛乳とセットで加えましょう。お麩が水分を吸収して膨らみ、ふっくらしたハンバーグに仕上がります。
生クリームも牛乳の代わりに使われることのある材料です。牛乳よりも水分量が少なく、ふんわりと柔らかい食感を楽しむことができます。牛乳よりも脂肪分が多くカロリーが高い生クリームは、濃厚でコクのある味わいになります。
使う量は牛乳と同量です。ただし、牛乳よりもカロリーが高く、ハンバーグのカロリーも高くなってしまうでしょう。
料理酒やワインといったアルコール類も牛乳の代わりに使うことができます。他の料理でも使われるように、お肉の臭み消しとしての役割もあり、お肉が柔らかくもなります。特にワインはクエン酸が豊富に含まれているので、臭み消しとして強い効果を発揮します。
使う量はハンバーグ1人前(ひき肉150g)あたり大さじ1です。アルコール感が苦手な方は、混ぜる前に軽く電子レンジで温めてアルコールを飛ばすといいです。温める時間は大さじ1杯なら600Wで1分程度です。
肉の旨味が感じられるハンバーグに仕上げたいなら、スーパーでも無料でもらうことができる牛脂を隠し味として入れることで、肉汁と旨味がたっぷりのジューシーなハンバーグになります。
使う量は、ハンバーグ1人前(150~200g)あたり牛脂1個(5~10g)です。包丁で細かく刻み、タネをこねる際に混ぜ込みましょう。
少量(ひき肉の5%程度の量)のマヨネーズをタネに混ぜると、タネにまろやかさが加わります。乳化された植物油が加熱によるたんぱく質の結合をソフトにし、ふんわりジューシーに仕上げる効果もあります。
ただし、加えすぎるとハンバーグの風味が変わってしまうので注意しましょう。適量はひき肉の5%程度の量(ハンバーグ2人前あたり大さじ1)です。
高い保水力を持つ粉ゼラチンをタネに混ぜることで、肉汁の流出を防ぎ、ハンバーグをジューシーに仕上げることができます。プロの料理人にも使われてる技として人気の隠し味です。
使うゼラチンの量は、ひき肉200g当たり5g(小さじ1)が目安です。
ハンバーグを作る際に、パン粉が良く使われますが、パン粉の代わりに砕いてパウダー状にした高野豆腐を使うとハンバーグをよりジューシーに仕上げることができます。
高野豆腐は吸水性が高く、肉汁をしっかり吸収して旨味をたっぷりのハンバーグに仕上がります。また、パン粉の代わりに使うことで糖質カットにもつながるのでおすすめです。使う量は、2人分のハンバーグ(300~400g)につき、高野豆腐8gが適量です。
豆乳は牛乳の代わりにハンバーグ作りに使われています。牛乳よりも低糖質・低脂質であり、タンパク質を多く含むことから肉汁を逃さず中に留めてくれる効果が高いとされ、豆乳を好んで使う人も多いです。
使う量は牛乳と同量です。
最後にFilyのハンバーグのレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
肉料理を代表する人気の料理ハンバーグの基本レシピをご紹介します。相性抜群の手作りソースの作り方も紹介します。
このレシピでは、米粉と米粉のパン粉を使用しています。米粉は小麦粉と比べて、油を吸収しにくいためカリッと揚げることができます。
ハンバーグのレシピはこちら
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
煮込みハンバーグのレシピはこちら
豆腐と鶏肉で作ったハンバーグのレシピをご紹介します。ハンバーグと相性抜群な手作りソースの作り方も紹介します。ふんわり柔らかな豆腐ハンバーグをぜひお楽しみください。
豆腐ハンバーグのレシピはこちら
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