ハンバーグを作る際に少し面倒な空気抜きの作業。この記事では、空気抜きを行う理由や、コツなどを解説します。
ハンバーグの空気抜きは手が汚れるのでやりたくないという方もいるでしょう。しかし、空気抜きはハンバーグを失敗なく美味しく仕上げるためにやるべき作業です。
ハンバーグのタネを混ぜ終えた後に空気を抜く作業は、ハンバーグを崩れにくくするために行います。ハンバーグの中に空気が含まれていると、焼いている際にハンバーグ内の空洞が膨張・破裂し、ハンバーグが崩れてしまいます。
ハンバーグが崩れてしまうとその崩れた個所から肉汁が流れ出てしまいます。ハンバーグの肉汁はうまみをたくさん含んでいるので、流れ出てしまうとハンバーグの味が落ちてしまいます。
また、水分も抜けてしまうことを意味するので、パサパサとして固いハンバーグとなってしまいます。
空気抜きをやりすぎると、ハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。回数としては3~4回程度がおすすめで、多くても10回以内にとどめましょう。
固くなってしまう理由としては、ハンバーグの脂が空気抜きの過程で溶けてしまうことが挙げられます。空気抜きを行う際の手の平の温度で脂が溶けてハンバーグが固い仕上がりとなってしまいます。空気抜きのコツや簡単にできる方法は後述の項目で紹介します。
こね方や火の通し方によっては空気抜きは不要と言われることもあります。
空気抜きの作業は、タネをこねる作業をしっかり行えば自然と空気が抜けるので不要、という意見もあります。
さらに、こねる際に具材を一気に入れず、まずは塩とひき肉をしっかりこねて肉の繊維をしっかりほぐし、タンパク質を結合させてから卵やパン粉、牛乳といったつなぎ、タマネギなどの具材を入れることで空気が入り込まずに混ぜることができます。
以上の点を注意すれば、空気抜きはやらなくてもタネが崩れるのを防ぐことができます。
また、強火で焼くことでハンバーグの温度が一気に上がって破裂することが多いので、弱火でじっくり焼き上げることで破裂を防ぐこともできます。ハンバーグの温度上昇を抑えることで肉汁も流れ出しにくくなります。
しかし、弱火でじっくり焼く方法は加熱時間が長くなるので、タネの水分が減っていく固くなってしまうため、あまりおすすめしません。
空気抜きを行う前提でタネを作りを行うか、塩とタネだけでしっかりこねることを意識して空気抜きを省略するのいずれかがよいでしょう。
ハンバーグの空気を抜く際、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。ハンバーグに水分を保つことができ、タネに油のコーティングがされた状態にもなるので焼いた際に水分が飛びにくく、ジューシーなハンバーグに仕上がりやすくなります。
食中毒を防ぐために使い捨てのビニール手袋でハンバーグをこねるのは大変おすすめですが、空気抜きのキャッチボールは素手でないとうまくいきません。油を塗るのが大変おすすめです。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。
分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。
手を使わずに空気を抜く方法として、タネを入れたボウルごと数cmの高さから3~4回落とすという方法もあります。定番のキャッチボールのような方法の空気抜きが上手くできないという方でも失敗しにくく、手を汚さずに空気が抜けます。
ただし、この方法はタネを作る際に良くかき混ぜられていることが条件なので、タネの混ぜ込みが甘い場合、ハンバーグが崩れてしまう可能性があります。
ラップを使って空気を抜く方法もあります。ラップに一人分の量のタネを入れたら巾着のように搾ります。この方法はしっかり空気を抜くこともでき、手を汚さず成型までできます。
作る人数分のラップが必要なのでラップは少し多めに使ってしまいますが、ボウルに入れたまま空気を抜くよりもしっかり空気を抜くことができます。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいが良いとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。気持ち多めに入れると良いでしょう。
ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
ハンバーグのタネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、ハンバーグが固くなってしまいます。ただし、こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
ハンバーグをこねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねると良いでしょう。手ではなくすりこぎ棒や木べら、割り箸などを使っても良いでしょう。こだわる方は牛乳の代わりに氷を使ったり、タネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねたりしているようです。
ハンバーグのサイズを大きくしてしまうと、焼く前の空気抜きの作業で空気を抜くのが難しくなるほか、火の通りが悪くなり、崩れやすくなってしまいます。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高まります。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。
ハンバーグをひっくり返した際に崩れてしまう場合、フライ返しを入れる隙間もないくらいフライパンいっぱいにハンバーグを入れて焼いていませんか。フライ返しを使ってひっくり返すためのスペースがあると、上手にひっくり返すことができます。
ひっくり返す際は菜箸などを使ってハンバーグを抑えながら、角度を浅く(10度くらい)してフライ返しを持ちます。フライパンの内側からハンバーグの焼いている面に少ししならせて平行に差し込み、ひっくり返しましょう。菜箸などがなくてもフライパンのフチまでフライ返しを差し込みながら動かして持ち上げ、ひっくり返すと上手くいきます。
高い保水力を持つ粉ゼラチンをタネに混ぜることで、肉汁の流出を防ぎ、ハンバーグをジューシーに仕上げることができます。プロの料理人にも使われてる技として人気の隠し味です。使うゼラチンの量は、ひき肉200g当たり5g(小さじ1)が目安です。
ゼラチンが使われているコーヒーゼリーをタネに混ぜるのもテレビなどで紹介され、人気です。コーヒーゼリーを使うと、甘味と苦味が良い隠し味にもなり、コクがあってジューシーなハンバーグに仕上がります。使う量はハンバーグ2人前あたり大さじ1杯が適量で、細かく砕いてから他の材料と一緒に混ぜ込んでください。
ハンバーグを作る際に、パン粉が良く使われますが、パン粉の代わりに砕いてパウダー状にした高野豆腐を使うとハンバーグをよりジューシーに仕上げることができます。
高野豆腐は吸水性が高く、肉汁をしっかり吸収して旨味をたっぷりのハンバーグに仕上がります。また、パン粉の代わりに使うことで糖質カットにもつながるのでおすすめです。使う量は、2人分のハンバーグ(300~400g)につき、高野豆腐8gが適量です。
スープやあんにとろみをつける目的でもよく使用される片栗粉は、水分を加えて加熱すると粘り気が出て、ひき肉を固めてくれる作用があります。片栗粉を使用したハンバーグは、冷めてもモチモチとした食感が残りやすいです。牛乳の代用として使われることが多くなっています。
加熱前にハンバーグの外側をコーティングしておくことで、加熱時に中の肉汁を閉じ込められる上に、表面が焦げにくくなって舌触りが良くなります。ソースが絡みやすくもなります。片栗粉以外では小麦粉でも代用できます。
パン粉の代わりにお米を使うことでハンバーグがもっちりとした食感に仕上がり、カサ増しにもなります。炊いてから時間が経ったお米などを再利用することもできます。タネに混ぜる際、温かい場合はよく冷まし、すりつぶしてから混ぜましょう。
ただし、たくさん混ぜた場合、時間が経ってしまうとぼそぼそとした食感になってしまいます。
ハンバーグのタネに長芋のすりおろしを混ぜると、その粘りでふわふわな食感に仕上がります。ひき肉をこねる際にパン粉の代わりにすれば、つなぎの役割も果たすので、卵も不要となります。
入れすぎると水分が多くなってタネが緩くなってしまい、ハンバーグを焼いた時に割れてしまうので、少しずつ加えて調整しましょう。
焼いたハンバーグが崩れてしまった場合、もう一度熱を加えてどうにかしてみようと思う方もいるでしょう。しかし、熱を加えることでハンバーグから水分が飛んでしまうため、さらに固くなってしまい、逆効果です。
フライパンはもちろん、電子レンジやオーブンといった方法でも結果は変わらず、一度抜けてしまった水分を戻すことはできません。冷蔵庫や冷凍庫で保存してみてもさらに水分が飛ぶだけです。
崩れてしまったハンバーグは、煮込みハンバーグやスープに入れるといった他の水分と合わせる方法で食べるか、いっそ別の料理として使うのがおすすめです。
汁物に入れて水分を補充する以外の方法では、チーズのせハンバーグや、大根おろしとポン酢を使った和風ハンバーグなどがおすすめです。崩してひき肉として使うという方法もあります。
崩れてしまったハンバーグは多めのソースで煮込むことでハンバーグが柔らかくなり、食べやすくすることができます。使ったひき肉が傷んでいてハンバーグのお肉の匂いが気になるという場合にもおすすめです。
定番のデミグラスソースやトマトソースのほかにもクリームソースやカレーソースで煮込むのもおすすめです。ソースで煮込めば時間が経ってもパサパサになりにくいので、普段のハンバーグより美味しさが長くキープできます。
ハンバーグを肉団子の代わりとしてスープや鍋に入れるのもおすすめで、スープがしみ込んでやわらかくなります。ミネストローネやトマト鍋に入れるのがおすすめです。
キャベツをまいてロールキャベツにリメイクする方法もあります。キャベツの代わりに白菜を巻くのもおすすめで、白菜が美味しい冬の時期に鍋として食べるのもおすすめです。大量消費が難しい白菜を一気に使うこともできます。
中華料理などで使われる肉団子の代わりに使うこともできます。甘酢餡で絡めてもいいですし、野菜などと一緒に炒め物にしてしまえば、栄養価もあっぷしたおかずに大変身です。
崩れてしまっているハンバーグも餡に絡めれば食べやすくなります。失敗していないハンバーグを甘酢餡のたれで食べても美味しいので、いくつか作った内の1つが割れてしまったという場合にもおすすめです。
固くなってしまったハンバーグは、崩してひき肉として使うこともできます。麻婆豆腐、チャーハン、ボロネーゼ、ドライカレー、キーマカレー、タコライスなど幅広い料理に使うことができます。ハンバーグとして作ったので既に下味が付いており、タマネギなどのつなぎに含まれる旨味も詰まっているので、ただひき肉を使うよりも美味しく仕上げることができます。
ハンバーグが激しく崩れてしまっている場合は、調理に使ったフライパンをそのまま使えば逃げてしまった肉汁の旨味を別の料理に生かせます。
最後に、Filyのハンバーグレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
肉料理を代表する人気の料理ハンバーグの基本レシピをご紹介します。相性抜群の手作りソースの作り方も紹介します。
このレシピでは、米粉と米粉のパン粉を使用しています。米粉は小麦粉と比べて、油を吸収しにくいためカリッと揚げることができます。
ハンバーグのレシピはこちら
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
煮込みハンバーグのレシピはこちら
豆腐と鶏肉で作ったハンバーグのレシピをご紹介します。ハンバーグと相性抜群な手作りソースの作り方も紹介します。ふんわり柔らかな豆腐ハンバーグをぜひお楽しみください。
豆腐ハンバーグのレシピはこちら
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