そうめんはねぎやおろし生姜などの薬味をのせてめんつゆで食べるのが一般的ですが、天ぷらをのせて食べても美味しいです。そこで本記事では、そうめんと一緒に食べるのにおすすめの天ぷらの具材をご紹介します。天ぷらをサクサクに揚げるポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そうめんは、細いうどん状の麺です。小麦粉に水と塩を加えてこね、植物油を塗って細く引き伸ばして天日干しして作られます。
奈良時代に中国から伝わった食品といわれており、最初は「索麺(さくめん)」と読んでいたそうです。索の字を崩して書いたのが「素」と考えられており、「素麺」と誤記されたものがそのまま名称として定着しました。
よく「手延べそうめん」という言葉を耳にしますが、手作業によって作られるそうめんのことを指します。機械で作られるそうめんは単純に「そうめん」といいます。
そうめんは主に夏に食べることが多く、冷やしそうめんとして食べるのが一般的です。煮込んだそうめんは「にゅうめん(煮麺)」といいます。薬味をのせて食べるだけでも美味しいですが、野菜などの食材をのせて豪華な料理にアレンジして食べることもあります。
そうめんと一緒に食べるおすすめの天ぷら具材をご紹介します。
魚介類の天ぷらの定番は、やはり海老天(えびてん)ではないでしょうか。えびの旨味はもちろんのこと、ぷりぷりとした食感を楽しむことができ、そうめんのお供にもぴったりです。
えびを天ぷらの具材にするときは、下処理時には筋をしっかりと断ち切った後、身をまっすぐに伸ばしておきましょう。こうすることで、くるっと丸まらずお店で出てくるような真っ直ぐな海老天になります。
イカは上身(胴体の部分)はもちろんのこと、下足(げそ)も天ぷらの具材として定番です。そうめんにのせて食べても美味しいですよ。
イカを天ぷらの具材として使うときは、ワタと背骨を抜きえんぺらから引いて皮をむき、真ん中を開いて両面に格子状に切れ目を入れます。上身は胴は縦に3等分にして2cm幅くらいに切り、下足は墨と嘴(くちばし)をとって軟骨部分から切り取り、吸盤をとって食べやすい長さに切って衣をつけて揚げます。
鶏肉を揚げた「とり天」も、そうめんと食べるのにおすすめです。
鶏肉と一口にいっても、もも肉や胸肉など様々な部位がありますが、中でもさっぱりと仕上がるむね肉が天ぷらの具材として使われることが多いです。もちろん、もも肉もジューシーで美味しいです。
鶏肉を天ぷらの具材にするときは、皮を取り除いてからひと口大のそぎ切りにして揚げます。
柔らかくふっくらとしたあなごは、天丼によく乗っている天ぷらの定番です。淡泊な味わいですが、柔らかさがあり、脂身が少ないため天ぷらにしても油っぽくなりすぎず非常に食べやすいです。そうめんとの相性も◎。
穴子を天ぷらにするときは、表面のぬめりを取ることが美味しく作るポイントです。ぬめりをとっておくことで、臭みをとることができるため風味がよくなります。また、じっくり揚げていくのもポイント。じっくりと揚げることでふわっとした食感に仕上がります。
サクサクとした食感の衣とふわっとした食感を楽しめるキスの天ぷらも定番ですよね。淡白な味わいなので、そうめんともよく合います。
キスを天ぷらにするときは、頭をとり背わたをとってから開いて衣をつけて揚げます。釣りたてのキスを天ぷらにすると身が締まっていてとっても美味しいですよ。
なすは一年中市場に出回り、季節関係なく美味しく食べれるので天ぷらの具材にぴったりです。若干苦味がありますが、天ぷらにすると苦味やクセが和らぐのでナスが苦手な方でも食べやすくなります。とろとろの食感と喉越しのよいそうめんの相性はバツグンです。
ただし、なすは水分量が多く火が通りにくい野菜ですので美味しく揚げるには工夫が必要です。基本的には薄切りにするだけではなく、扇状になるように切れ目を入れたり、格子状に切り込み(隠し包丁)を入れることで火が通りやすくなり、美味しく揚がります。
オクラはネバネバとした食感が特徴的ですが、天ぷらにするともちもちとした食感を楽しむことができます。夏の風物詩であるそうめんと、夏野菜のオクラは相性が良いです。
オクラを天ぷらにするときは、板摺(いたずり)をして産毛をとり、がくの黒い部分をむき取って実の中心部分あたりに切り込みを入れるか数カ所に穴をあけます。こうすることで破裂防止になります。
オクラは火が通りやすいので1分ほどでカラっと揚がります。
ほろ苦さがあるししとうも、天ぷらをすることで食べやすくなる定番の具材です。色も鮮やかで彩りにもなるため天ぷら定食などには必ずといっていいほど入っています。そうめんと合わせて食べても美味しいですよ。
ししとうはヘタを取り、オクラと同様に切り込みを入れて破裂を防止します。基本的に緑の野菜は火が通りやすいので短時間で揚げることができます。揚げすぎてしまうと変色してしまうので注意してください。
ゴーヤは苦味が強いので苦手な方も多いのではないでしょうか。ゴーヤも天ぷらにすることで苦味が軽減され食べやすくなる食材の一つです。ちょうどよい苦味と衣のサクサクとした食感がお酒にもよく合います。
ゴーヤは縦半分に切り、種とワタをとってから天ぷらにすることで苦味が軽減されます。ゴーヤの下ごしらえ(苦味取り)の方法はこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
アスパラはそのままアスパラだけを天ぷらにすることもできますし、アスパラを使った定番料理「アスパラベーコン」を天ぷらにすることもできます。綺麗な緑色でそうめんの彩りにもなります。
アスパラを天ぷらにするときは、下の硬い部分をカットし、袴(はかま)を取ってピーラーで下半分の皮をむいておきます。こうすることで、口当たりがよくなります。
ズッキーニは焼いて食べることが多いですが、天ぷらにしても美味しい食材の一つです。ズッキーニを天ぷらにするとジューシーに仕上がります。そうめんとの相性もバツグンです。
ズッキーニを天ぷらにするときは、カットしたらそのまま衣をつけて揚げます。ズッキーニの天ぷらは塩をつけて食べるのがおすすめです。
赤や黄色、オレンジなどの鮮やかな色が特徴的なパプリカも、そうめんとの相性がよい野菜です。様々な色のパプリカを合わせれば、カラフルな見た目に仕上がります。
パプリカはヘタと種を取り除き、食べやすい大きさにカットして衣をつけて揚げます。ピーマンと一緒に盛り付けることで、カラフルなそうめんを作ることができますよ。ぜひお試しください。
かぼちゃは天ぷらにするとホクホクの食感と衣のサクサクの食感を楽しむことができます。甘みが強いのでお子様にも人気の天ぷらの具の一つです。綺麗なオレンジ色で見た目も良いです。そうめんのつゆともよく合います。
かぼちゃは火が通りにくいため、1/4サイズにして切り口からアーチ状になるように切ってから衣をつけて揚げると火が通りやすくなります。
サツマイモもかぼちゃと同様にホクホクの食感を楽しめる食材の一つです。かぼちゃほど甘みは強くないものの、優しい甘みがありクセになる味わいです。しょっぱいそうめんのつゆとマッチしてとても美味しいですよ。
サツマイモも火が通りにくいので1cmほどの輪切りにすると良いです。また、揚げる前に予めレンジで温めておくと、中はしっとり外はサクサクに仕上がるのでおすすめです。
とうもろこしは天ぷらにすると、とうもろこしの優しい甘みとぷちぷちした食感と衣のサクサクとした食感が融合した一品になります。とうもろこしの天ぷらは大人はもちろんのこと、小さなお子様にも人気があります。そうめんのトッピングとして添えてあげると、子供も喜ぶでしょう。
とうもろこしは包丁でバラバラにならないよう厚めに削ぎ落として衣につけて揚げても良いですし、バラバラになるように削ぎ落として衣につけて、スプーンですくって揚げても良いです。
ピーマンやししとうは苦味が強いですが、天ぷらにすることで苦味が軽減され食べやすくなります。天ぷら定食などでも、かぼちゃなど甘みのある具材の天ぷらと組み合わせて一緒に出てくることが多いです。そうめんのトッピングとしてもおすすめです。
ピーマンは、ヘタと種を取り除いたら1/2サイズにカットして衣をつけます。
玉ねぎの揚げ物といえば定番はオニオンリングですが、天ぷらの定番の具材でもあります。玉ねぎを天ぷらにするとオニオンリングとはまた違った味わいを楽しむことができます。
玉ねぎの天ぷらには新玉ねぎがおすすめ。新玉ねぎを天ぷらにすると甘みが強くジューシーな味わいになります。
かき揚げの具材としてよく使用されるごぼうは、ごぼう単体で天ぷらにして食べるのも美味しいですよ。ごぼう独特の風味と食感を持つごぼうとそうめんの組み合わせは◎。
ごぼうは表面の土をよく洗い、短冊切りにしたり斜め切りにして衣をつけて揚げます。ごぼうの下ごしらえの方法についてはこちらの記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
にんじんはかき揚げの具材としてよく使われますが、にんじんのみでも天ぷらの具材になります。にんじんは、天ぷらにすると独特の甘みとしっかりとした歯ごたえを楽しむことができます。そうめんのトッピングにすることで彩り豊かな料理になります。
一般的には斜め切りにして使われますが、かき揚げのように千切りにするとシャキシャキとした食感がより際立ちます。また、衣は薄くつけたほうが鮮やかなオレンジ色が出て食卓に彩りを添えることができます。
意外かもしれませんが、ほうれん草を天ぷらにして食べるのも美味しいですよ。鮮やかな緑色をそうめんの上にのせることで、彩り豊かになります。
ほうれん草を水洗いし、水けを拭き取って食べやすい大きさにカットして揚げます。
レンコンも天ぷらによく使われる根菜類の一つです。レンコンは、天ぷらにすると、シャキシャキの食感を楽しむことができます。衣にあおさを加えてあおさ揚げにしてもそうめんとよく合って美味しいですよ。
レンコンは、ピーラーで皮をむいた後、厚さ7mm程の輪切りか半月切りにして酢水に3~4分間さらしてアク抜きをします。アク抜きをすることでえぐみを抑えることができます。レンコンも火が通りにくいので、レンジで温めてから衣をつけて揚げたほうが上手に揚げることができます。
いんげんの一般的な旬は6月〜9月です。胡麻和えで食べることが多いいんげん豆(さやえんどう)は、天ぷらでも美味しくいただけます。天ぷらにすることでいんげんの甘みが引き立ちます。めんつゆとマッチしてとても美味しいですよ。
いんげんを天ぷらにする際は、水洗いしてヘタを切り落とします。衣をつけて170℃ほどの油で1分ほど揚げて完成です。
いんげん(さやえんどう)とえんどうの違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
大葉(シソ)は、そうめんの定番の薬味ですが、天ぷらにすることで風味とサクッとした食感を楽しむことができます。
シソを天ぷらにするときは衣を薄くつけて揚げるのがポイントです。衣を薄くつけて揚げることでシソの綺麗な緑色を生かし、さらにサクサクとした食感を楽しめる一品になります。シソはすぐに火が通るので焦げないようにサッと揚げるようにするのも大切なポイントです。
カニカマは天ぷらにするとふわふわっとした口当たりになり、本物のカニに近づきより美味しく食べることができます。安価ながらカニのような旨味と食感を楽しめる最高の一品に。小さなお子様はもちろんのこと、大人も美味しく食べられます。そうめんのトッピングにもぴったりです。
カニカマを天ぷらにするときは、太いものを選ぶと食べごたえも出しカニに近くなるのでおすすめです。
練り物の天ぷらの中では、特にちくわを具材に使うことが多いです。衣をつけてそのまま揚げても美味しいですが、青のりを混ぜて磯辺揚げにするのが定番です。ちくわの塩味とめんつゆの濃い味が絡んで◎。
ちくわを天ぷらの具材にするときは、縦に半分に切り、衣をまぶしてから青のりを振ります。間にチーズを入れるなどのアレンジをしても美味しく食べることができます。
ゆでたまごの天ぷらも定番とまではいきませんが、はなまるうどんなどの飲食店のトッピングメニューにもあるので食べたことがある方も多いのではないでしょうか。
ゆでたまごは加熱すると破裂してしまう危険があるので、天ぷらにするのは難しいような気がしてしまいますが自宅でも作ることができます。
ゆでたまごを天ぷらにするときは、6分ほど中火でたまごを茹でた後流水にさらし、殻をむいて衣をつけて揚げます。時間をかけて揚げてしまうと破裂してしまうので、揚げすぎないように注意しましょう。ゆでたまごは半熟にするのがポイントです。半熟にすることで食べたときにトロっと黄身が出てきて美味しくなります。
旨味成分をたっぷり含んでいるしいたけやも、天ぷらにすると旨味とジューシーな食感がやみつきになる定番の具材です。
しいたけを天ぷらにするときは軸の部分を取り除いてから、傘の部分に十字の切り込みを入れると火が通りやすくなります。
舞茸もしいたけと同じくたっぷり旨味を含んでいて、天丼に乗っていることも多い定番の食材の一つです。ボリュームがあるのも嬉しい点で、食べごたえがあります。
舞茸は大きめにほぐして衣をつけます。しいたけとは異なる独特の風味と食感を楽しむことができます。シンプルに塩をつけるだけでも美味しく食べるのがおすすめです。
天ぷらではありませんが、野菜や魚介類などの具材を小さく切って揚げるかき揚げを天ぷらにのせて食べるのもおすすめです。
かき揚げの代表的な具材には玉ねぎや人参、ごぼうなどがあります。またえびや貝柱などの魚介類を混ぜ合わせても美味しいですよ。
かき揚げにおすすめの具材はこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
衣は天ぷらを揚げる直前に作るのがおすすめです。早めに作ってしまうと、時間の経過とともにグルテンが発生し、サクサクに仕上がりにくくなるためです。
また、衣を作る際は全体を混ぜすぎないように注意しましょう。かき混ぜすぎると、小麦粉のグルテンが出て粘り、粘ると衣がはがれやすくなるためです。粉類と水類がサクッと混ざる程度でOKで粉のダマができて問題ありません。
天ぷらの衣を作る際は冷水を使うのがポイントです。冷水とは文字通り冷えた水で、冷蔵庫で冷やした水か、常温の水に氷を加えて温度を下げた水です。
衣の温度が上がるとグルテンが生成されやすくなる(=仕上がりがベチョベチョになる)ため、温度を上げないために冷水を使います。
天ぷらは水分が蒸発する前に衣がしっかり固まってしまうと水蒸気が衣の外へ抜け出しにくくなり、べちょっとした仕上がりになりやすいです。
そのため、水より沸点が低く蒸発しやすいアルコールを多く含む日本酒や焼酎などのお酒を加えることで、衣の水分の蒸発を促進し、サクサクに上がります。小麦粉を使っている場合でも、アルコールがグルテンを押し広げながら蒸発してくれるので、べちょっとしにくいです。
アルコールは蒸発してしまうので、お子様でも食べることができます。ただし、お酒の風味が残ってしまうことがあります。また、日本酒など糖質を多く含むお酒を使うと焦げやすいので注意しましょう。
衣に加える水の代わりに炭酸水を加えても良いです。炭酸水に含まれる気泡(炭酸)が油の熱によって衣から抜ける際に水蒸気も一緒に逃がすことができるため、サクサクに上がります。ただし、炭酸だと油に入れたときに跳ねることがあるので注意が必要です。
一般的に揚げ油として使われるサラダ油などは、空気に触れることで油が酸化してしまい劣化してしまいます。劣化してしまった油を揚げ油として使うと具材の風味が損なわれるだけではなく、べちょっとしてしまいやすいです。
オリーブオイルは「オレイン酸」と呼ばれる一価不飽和脂肪酸が主成分で、酸化しにくい性質があります。そのため、酸化しやすいサラダ油などを使って揚げるのと比較して、サクサクとした食感に揚がります。
また、油の量も重要です。油が少なすぎると焦げやすく、多すぎると温度が上がらず火が通るのに時間がかかってべちょっとしてしまうので注意しましょう。さらに一度にたくさんの具材を入れてしまうと、油の温度が下がり、ベチャッとした仕上がりになってしまうので、少量ずつ揚げるのもポイントです。
ちなみに揚げ油は使用後すぐにかすを取り除き、容器に戻しておくと油の傷みが少なくすみます。
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