アスパラベーコンなど様々な料理に使われる事が多いアスパラガスですが、アスパラガスが苦手な方も多くいます。本記事ではアスパラガスが苦手と感じる原因や美味しく食べる方法などを解説します。
小さなお子様などアスパラガスが苦手な方って多いですよね。アスパラガスが苦手だと思われがちな理由には下記の3点があげられます。原因がわかれば対策を取りやすいので、ぜひ参考にしてください。
アスパラガスには独特の青臭さがあります。青臭さは子供大人問わず苦手な方が多いです。
野菜がもつ青臭さの原因は様々あり、非常に複雑です。野菜がもつ様々な香気成分が組み合わさって独特の青臭さとなります。
アスパラガスに含まれている香気成分の詳細は不明ですが、3-ヘキセナールという成分が関係していると考えられます。3-ヘキセナールは「青葉アルコール」ともいわれ、草や葉の匂いの主要な成分となります。これにアスパラガスがもつ香気成分が合わさり独特の青臭さを作り出しています。ちなみに3-ヘキセナールはトマトなど多くの野菜に含まれている成分です。
アスパラガスにポリフェノールやシュウ酸など苦味を感じさせる成分が含まれています。苦味もアスパラガスが苦手だと感じる原因の一つです。
ポリフェノールは植物がもつ苦味や渋みとなる化合物の総称で、構造の違いによって様々な種類があります。アスパラガスにはルチンやアントシアニンなどのポリフェノールの一種が含まれていることがわかっています。
また、ほうれん草などに多く含まれていることで知られているシュウ酸も含まれています。シュウ酸は栄養素というよりも老廃物で、えぐみや苦味を感じさせ料理の味を損ねるいわゆるアク(灰汁)となる成分です。ほうれん草やたけのこほど多く含まれていませんが、シュウ酸もアスパラガスを食べたときに苦味を感じる原因になります。
アスパラガスは繊維が多く含まれているため、シャキシャキとした食感を楽しめる一方で繊維が口に残り口当たりの悪さを感じ、苦手意識をもつ方も多いです。
青臭さや苦味が平気でも、繊維が口に挟まったり飲み込みにくかったりするのが嫌で食べないという方も多いでしょう。特に小さなお子様にとっては食べにくさを感じる大きな原因になります。
鮮度が高いアスパラガスは柔らかく繊維が気にならないのですが、大きく生長しすぎていたり鮮度が落ちてくると繊維が固くなり口当たりが悪いと感じるようになります。
アスパラガスは収穫後の品質変化が著しい野菜なのですが、スーパーで販売されているアスパラガスの多くは収穫から2〜3日経ったものであることが多いため、すでに根元の部分が固くなっていることが多いです。
根元にも栄養素が多く含まれているので細かくカットして調理するなど別で食べると良いでしょう。
アスパラガスは皮を剥かなくても食べられる野菜ではありますが、皮は剥いたほうが口当たりはよくなります。上述したように、スーパーなどで販売されているアスパラガスはすでに固くなってしまっていることが多いので、皮を剥いて調理する人が多いです。
皮を剥く時はピーラーを使って穂先から下の皮をむいていきます。
ただし、旬の時期(春)のアスパラガスであれば、茎の部分も柔らかいです。根元1cmを切り落とし、根元から3cmほどのところだけ皮をむくだけでも十分口当たりがよくなります。
アスパラガスの茎についている小さな三角形の葉のようなものは「はかま」といいます。はかまは取り除かずに調理をしても良いのですが、はかまには苦味成分が多く含まれていることがわかっているため、少しでも苦味を軽減したい場合は取り除いておくことをおすすめします。
はかまを取り除いておくことで口当たりが悪くなってしまうのを防ぐことができます。
はかまは、ピーラーを使って皮を剥くようにとっても良いのですが、削る必要のない茎まで削れてしまうので、包丁を使って取るのがおすすめです。包丁の刃をはかまの先と茎の間に入れて、親指ではかまを挟み手前にひっぱれば綺麗に取り除くことができます。
アスパラガスの苦味の原因となるポリフェノールやシュウ酸は水溶性なので、茹でることで苦味を軽減することができます。水にさらしても良いのですが、生の状態ではどのみち固くて食べにくいので茹でるのがベストです。柔らかくする目的であれば、レンジで加熱するでも良いのですがポリフェノールとシュウ酸は熱では分解されにくいため、苦味が残りやすいです。
これはマストではありませんが、茹でる前に削ぎ落としたアスパラの皮やはかまを入れると、香りが豊かになります。
茹でるときは沸騰したお湯にアスパラガスの根元の部分を入れて20秒〜30秒程茹でた後に、穂先までお湯につかるように入れて、2〜3分茹でます。根元のほうが火が通るのが遅いので、ずらして入れるのがポイントです。
塩を入れるとアスパラガスの鮮やかな緑色が安定しますし、塩味でアスパラガスの甘みを引き立てることができるので苦味が気になりにくくなります。
アスパラガスは予め細かくカットしておけば、繊維が断ち切られるため食べやすくなります。小さなお子様が食べる場合などは、丸ごと使うよりも細かくカットしてあげたほうが良いでしょう。
例えば、乱切りにすれば繊維を断つことができるだけではなく、断面を増やすように切ると火が通りやすくなるので加熱すれば柔らかく食べやすいです。食感もある程度残すことができるので炒めものをするときなどにおすすめです。
青臭さや苦味は油でコーティングすることでも軽減されます。サラダに加える場合もドレッシングなどをかけて食べるのが良いでしょう。
特に効果的なのはオリーブオイルや油で炒めものにすることです。油でコーティングされるのと同時に加熱により青臭さの原因である成分が蒸発するため、より青臭さを軽減することができます。
また、アスパラガスに含まれているβ-カロテンは脂溶性なので野菜炒めなど油と炒めることでβ-カロテンの吸収率は6倍にもなります。β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されますが、体内で吸収されにくいと言われています。このβカロテンの吸収率を油がアップしてくれるメリットもあります。
上述したようにアスパラガスの青臭さは、油で揚げることで気にならなくなりますし、油を使うことによってβ-カロテンの吸収率も上がるため、揚げ物にするのもおすすめです。
アスパラといえば、アスパラベーコンが定番ですが、アスパラガスにベーコンを巻いてから衣をつけて揚げても美味しいです。
アスパラガスの青臭さが苦手な方でも、マヨネーズをかけるなど濃い味付けにすると臭いが気にならなくなり食べれるという方も多くいます。炒めものにする際なども、濃い味付けにすると良いでしょう。
味付けにスパイスを使っても青臭さを軽減することができます。また、生姜やニンニクなどの香味野菜を一緒に使うのもおすすめです。
アスパラガスはチーズフォンデュにして食べるのにも最適です。チーズの濃厚な味わいで青臭さをカバーすることができるので、小さなお子様でも食べやすくなります。
ポタージュにすれば、牛乳や豆乳を使用することでアスパラガスの苦みやクセが和らぎます。また原型をとどめていないため食感に苦手意識がある方も食べやすいでしょう。
ポタージュにする際はアスパラガスと牛乳または豆乳をミキサーにかけてから鍋で煮詰めてコンソメなどで味付けをします。ポタージュにする場合は下茹でしてアク抜きしてから使ったほうが、より苦味が気になりにくくなります。
アスパラガスが苦手な方でも美味しく食べられるレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
下茹でせずにいきなり焼くことで、旨みを閉じ込めて、シャキシャキとした食感を楽しみます。副菜やおつまみとしてどうぞ。
にんにくは焦げるようなら、途中で取り出しましょう。
アスパラのガーリックソテーのレシピはこちら
じっくり煮込み野菜の旨味をスープにしっかり移します。ぜひお試しください。
蓋をしてからじっくり煮て、野菜の旨味をスープに移すのがポイントです。
チキンポトフのレシピはこちら
ささみを使ったボリューミーペンネ。コーンと豆乳で作るクリーミーなソースが美味しいひと皿です。
このレシピで使用しているペンネはグルテンフリーです。
チキンとアスパラのコーンクリームペンネのレシピはこちら
アスパラガスに限らず、野菜は鮮度が落ちると風味が悪くなったり、食感が悪くなります。アスパラガスも鮮度が高いもののほうが美味しく食べることができるので、購入するときはできるだけ鮮度が高いアスパラを選ぶようにしましょう。当たり前ですが、鮮度が高いほうが長く保存することもできます。
下記が新鮮なアスパラガスの特徴です。
穂先がふっくらしていて、濃い緑色のもの
緑が鮮やかで全体にハリがあるもの
切り口が丸くて白く、みずみずしいもの
はかまの形がほぼ三角形で均一に並んでいるもの
縦筋があまり見立たないもの
切り口が変色しているものは避けましょう。
上述したようにアスパラガスは鮮度が落ちてしまうと青臭いだけではなく風味が悪くなってしまうので、正しい保存方法で保存しましょう。
特にアスパラガスは高温や乾燥に弱い野菜なので、常温保存はNGです。購入したらすぐに食べる場合でも冷蔵庫に入れて保存してください。
それではアスパラガスの正しい保存方法を紹介します。
アスパラガスはキッチンペーパーとポリ袋に包んで冷蔵保存すれば、2〜3日保存が可能です。
アスパラガスをキッチンペーパーで数本ずつ包み(1本ずつ入れてもOK)、根元を下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。カップなどに入れて(ドアポケットに入れてもOK)、穂先を上にして、冷蔵室へ。
アスパラガスは低温を好むので野菜室には入れないようにしましょう。キッチンペーパーの代わりに新聞紙でもOK。
濡らしたキッチンペーパーで水分を補えば、もっと長く冷蔵保存が可能です。
根元を5mmくらい切り、濡らしたキッチンペーパーを巻きます。ポリ袋に入れてコップなどに立てて冷蔵室へ。ひと手間を加えるだけで10〜12日間は保存することができます。1週間ほど経っても元の状態とあまり変わりません。ぜひお試しください。キッチンペーパーは毎日取り替えるのがおすすめです。
その他にも湿った砂の中で保存する方法もありますが、一般家庭では現実的ではありませんし、保存期間が2日ほどしかないので、おすすめしません。
茹でたアスパラガスを冷蔵で保存したい場合は冷水に浸けます。下茹でしたアスパラガスは傷みが早いので、この方法でも2〜3日が限界です。なるべく早く使い切るようにしましょう。
アスパラガスを美味しく長持ちさせるには硬めに塩茹でしてから冷凍するのがポイントです。アスパラガスを冷凍する場合の保存期間の目安は約1ヶ月です。
硬めに塩茹でしてキッチンペーパーで水けをしっかりとり、そのまま冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、冷凍室へ。金属トレイの上に乗せて冷凍室に入れると急速冷凍が可能です。切らずに冷凍しても凍ったまま包丁で切ることができます。切ったらそのまま調理に使えます。
黒くなった根元は5mmほど切りましょう。皮が硬いものは根元から1/3くらいピーラーでむきます。
サラダなどで使う場合は前日のうちに冷蔵に移して自然解凍を。前述した通り、冷凍したアスパラガスは食感が柔らかいのでサラダには向きません。
硬めに塩茹でしキッチンペーパーで水けをとったら、ぶつ切りや斜め切りにしてから冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れるのも◎。これだと凍ったまま、炒め物やスープ、パスタの具など調理に使えるのでとても便利です。
その他にも天日干しやオーブンで水分を飛ばしてから保存する乾燥保存や、醤油や味噌に漬けて保存する漬け保存も可能です。アスパラの正しい保存方法はこちらの記事を参考にしてください。
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