アスパラガスの青臭さが気になったことがある方は多いのではないでしょうか。アスパラガスの青臭さはアスパラガスが苦手と感じる原因の一つです。本記事ではアスパラガスが青臭い原因や青臭さを軽減する方法などを紹介します。
アスパラガスを食べるときに感じる青臭さは、アスパラガスが苦手と感じる原因の一つです。アスパラガスはなぜ青臭いのでしょうか。原因を解説します。
野菜がもつ青臭さの原因は様々あり、非常に複雑です。野菜がもつ様々な香気成分が組み合わさって独特の青臭さとなります。
アスパラガスに含まれている香気成分の詳細は不明ですが、3-ヘキセナールという成分が関係していると考えられます。3-ヘキセナールは「青葉アルコール」ともいわれ、草や葉の匂いの主要な成分となります。これにアスパラガスがもつ香気成分が合わさり独特の青臭さを作り出しています。
ちなみに3-ヘキセナールはトマトなど多くの野菜に含まれている成分です。
一般的に販売されているアスパラガスは鮮やかな緑色をしている「グリーンアスパラガス」と呼ばれるものですが、アスパラガスには様々な種類があります。
例えば真っ白な色が特徴の「ホワイトアスパラガス」は、青臭さが少なく欧米ではグリーンアスパラガスより食べられていた時期があるようです。
ホワイトアスパラガスは土寄せすることで日光に当てないように栽培しているため、緑色になる葉緑体が生成されないため白く育ちます。手間がかかるため、日本ではあまり市場に出回っていませんが、アスパラガスの青臭さが気になる方はホワイトアスパラガスを使うのも一つの手でしょう。
青臭さの元になっている3-ヘキセナールは揮発性のある成分で、加熱をして蒸発させることで青臭さが軽減されることがわかっています。そのためアスパラガスの青臭さが苦手な方は生で食べるよりも加熱調理をするほうが良いです。
アスパラガスに豊富に含まれているβ-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップすることがわかっているので、加熱調理は栄養面的にも◎
青臭さは油でコーティングすることでも軽減されます。サラダに加える場合もドレッシングなどをかけて食べるのが良いでしょう。
特に効果的なのはオリーブオイルや油で炒めものにすることです。油でコーティングされるのと同時に加熱により青臭さの原因である成分が蒸発するため、より青臭さを軽減することができます。油で揚げても良いでしょう。
β-カロテンは脂溶性なので野菜炒めなど油と炒めることでβ-カロテンの吸収率は6倍にもなります。β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されますが、体内で吸収されにくいと言われています。このβカロテンの吸収率を油がアップしてくれるメリットもあります。
アスパラガスの青臭さが苦手な方でも、マヨネーズをかけるなど濃い味付けにすると臭いが気にならなくなり食べれるという方も多くいます。炒めものにする際なども、濃い味付けにすると良いでしょう。
味付けにスパイスを使っても青臭さを軽減することができます。また、生姜やニンニクなどの香味野菜を一緒に使うのもおすすめです。
アスパラガスはチーズフォンデュにして食べるのにも最適です。チーズの濃厚な味わいで青臭さをカバーすることができるので、小さなお子様でも食べやすくなります。
アスパラガスの青臭さが気になる場合におすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
下茹でせずにいきなり焼くことで、旨みを閉じ込めて、シャキシャキとした食感を楽しみます。副菜やおつまみとしてどうぞ。
にんにくは焦げるようなら、途中で取り出しましょう。
アスパラのガーリックソテーのレシピはこちら
野菜を茹でるだけの簡単レシピ。白みそと豆乳ヨーグルトで作るタレがクセになる美味しさ。
豆苗は湯に通す程度にし、茹ですぎないように注意しましょう。
アスパラと豆苗のみそ和えのレシピはこちら
ごまの風味が香る、アスパラガスのシャキシャキとした食感が美味しいひと皿です。
食卓に緑が足りないときの副菜として重宝します。
アスパラのごま和えのレシピはこちら
アスパラガスの青臭さは元々アスパラガスがもつ香気成分によるものですが、青臭い以外の臭いを感じた場合は注意する必要があります。
青臭い以外の注意すべきアスパラガスの臭いは下記の通りです。
アスパラガスには白カビや黒カビが生えることがあります。表面に白いふわふわとしたホコリのようなものがつくのが白カビ、黒く変色するのが黒カビです。白カビや黒カビなどのカビの胞子は目にみえないほど小さいので、カビが生えていないように見えてもカビの胞子が入り込んでいてカビの匂いがすることがあります。
カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。
カビはカビ毒を発生さ下痢や嘔吐など中毒症状を起こす可能性があるため、カビが生えている場合は残念ですが破棄しましょう。
出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)
アスパラガスから酸っぱい臭いを感じる場合は、腐敗している可能性が高いです。
アスパラガスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がしたりします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
腐敗している場合は当たり前ですが食べることはできませんので、破棄しましょう。
腐敗しているアスパラガスは酸っぱい臭い以外にも、溶け出しているなどの腐敗のサインが見られることが多いです。腐敗しているアスパラガスの臭い以外の特徴は下記で紹介します。
腐ったアスパラガスの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に黒・茶色変色している
溶け出している
アスパラガスは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒くなっていたり茶色くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。腐敗がすすむと水分が出てきたり溶け出している箇所があることもあります。このような場合は破棄しましょう。
腐ったアスパラガスの触感の特徴は下記の通りです。
柔らかい
ぬめりがある
アスパラガスを触ったときにグニュッとした感触があったり完全に張りがなくなっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。また、表面がぬめぬめしている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮なアスパラガスには切り口から水分が出てくることがありますが、ぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているアスパラは破棄しましょう。
アスパラガスは鮮度が落ちてしまうと青臭いだけではなく風味が悪くなってしまいます。また食感も悪くなってしまうので、長く美味しく食べるためには正しい保存方法で保存することが大切です。
特にアスパラガスは高温や乾燥に弱い野菜なので、常温保存はNGです。購入したらすぐに食べる場合でも冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。
それではアスパラガスの正しい保存方法を紹介します。
アスパラガスはキッチンペーパーとポリ袋に包んで冷蔵保存すれば、2〜3日保存が可能です。
アスパラガスをキッチンペーパーで数本ずつ包み(1本ずつ入れてもOK)、根元を下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。カップなどに入れて(ドアポケットに入れてもOK)、穂先を上にして、冷蔵室へ。
アスパラガスは低温を好むので野菜室には入れないようにしましょう。キッチンペーパーの代わりに新聞紙でもOK。
濡らしたキッチンペーパーで水分を補えば、もっと長く冷蔵保存が可能です。
根元を5mmくらい切り、濡らしたキッチンペーパーを巻きます。ポリ袋に入れてコップなどに立てて冷蔵室へ。ひと手間を加えるだけで10〜12日間は保存することができます。1週間ほど経っても元の状態とあまり変わりません。ぜひお試しください。キッチンペーパーは毎日取り替えるのがおすすめです。
その他にも湿った砂の中で保存する方法もありますが、一般家庭では現実的ではありませんし、保存期間が2日ほどしかないので、おすすめしません。
茹でたアスパラガスを冷蔵で保存したい場合は冷水に浸けます。下茹でしたアスパラガスは傷みが早いので、この方法でも2〜3日が限界です。なるべく早く使い切るようにしましょう。
アスパラガスを美味しく長持ちさせるには硬めに塩茹でしてから冷凍するのがポイントです。アスパラガスを冷凍する場合の保存期間の目安は約1ヶ月です。
硬めに塩茹でしてキッチンペーパーで水けをしっかりとり、そのまま冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、冷凍室へ。金属トレイの上に乗せて冷凍室に入れると急速冷凍が可能です。切らずに冷凍しても凍ったまま包丁で切ることができます。切ったらそのまま調理に使えます。
黒くなった根元は5mmほど切りましょう。皮が硬いものは根元から1/3くらいピーラーでむきます。
サラダなどで使う場合は前日のうちに冷蔵に移して自然解凍を。前述した通り、冷凍したアスパラガスは食感が柔らかいのでサラダには向きません。
硬めに塩茹でしキッチンペーパーで水けをとったら、ぶつ切りや斜め切りにしてから冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れるのも◎。これだと凍ったまま、炒め物やスープ、パスタの具など調理に使えるのでとても便利です。
その他にも天日干しやオーブンで水分を飛ばしてから保存する乾燥保存や、醤油や味噌に漬けて保存する漬け保存も可能です。アスパラの正しい保存方法はこちらの記事を参考にしてください。
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