キャベツの外葉は取り外して食べている方が多いと思いますが、実は栄養価が高いことをご存知でしょうか。本記事ではキャベツの外葉の特徴や洗い方などを詳しく解説します。
キャベツは外葉を剥がして食べる方が多いと思いますが、キャベツの外葉には内側の葉と比較して下記の特徴があります。
キャベツの外葉は、最も日光に当たっているため内葉と比較して栄養価が高いという特徴があります。特にβ-カロテンやビタミンCの含有量が多くなっています。
β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなるといわれています。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
またビタミンUも豊富に含まれています。あまり聞き慣れないかと思いますが、これは「ビタミン様物質」であり、ビタミンのような成分です。別名はキャベジンで、こちらは聞いたことある方が多いのではないでしょうか。キャベツから発見されたビタミン様物質で、アブラナ科の野菜にも含まれています。まだ不明な部分があると言われている栄養素ですが、胃酸の分泌抑制や胃粘膜の新陳代謝の促進などの効果があると言われています。
キャベツは全体的に黄緑色をしていますが、外葉は色が濃く緑色をしています。これも最も日光にあたっている部分であるためです。植物は日光に当たることで葉緑体が生成されます。葉緑体の中に「葉緑素(クロロフィル)」と呼ばれる緑色の色素があり、その色素は太陽光に含まれる赤色光と青色光を吸収するため残った緑色光は吸収されずに反射されます。そのため、人の目には鮮やかな緑色が映るのです。
鮮やかな緑色は料理に彩りを添えてくれます。
外葉は内葉と比較して葉が肉厚なのも特徴です。内葉は葉が薄いため加熱をするとシャキシャキとした食感が損なわれてしまいますが、外葉であれば加熱をしてもシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
シャキシャキとした歯ごたえは満腹感を得やすくなるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
キャベツの外葉は内側の葉と比較して苦味を強く感じやすいです。これは、「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が多く生成されているためです。
イソチオシアネートが大根やわさびなどに多く含まれていることで知られている辛味成分です。ツンとした臭いの原因にもなっています。イソチオシアネートは辛味だけでなく苦味の原因にもなります。イソチオシアネートは害虫などから身を守るために生成される成分であるため、内側の葉と比較して外葉のほうが含有量が多い傾向にあります。
イソチオシアネートには、抗酸化作用があります。抗アレルギー効果もあると言われているので、花粉症予防の効果も期待でき、人体に害がある成分ではありません。
キャベツなどの農作物は、害虫の被害や病気などを防止したり、成長促進剤や発芽抑制剤といった生育に必要な薬剤が使用されています。キャベツやレタス、白菜などの結球するタイプの野菜は外葉に多く農薬が残っていることがあり、内側にいくにつれて少なくなっていきます。
日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されています。また、登録された農薬であっても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められており、使用基準以外の方法で使用することを禁止しています。
使用量などは栽培する作物や気候条件によっても異なりますが、国の定めに基づいた農薬と使用量を守っていれば国の考えとしては農薬は安全とされています。そうはいってもやはり余計なものは口にいれたくないですよね。そのため農薬の観点から外葉は剥がして食べるという方も多くいます。
キャベツの外葉は上述したように栄養価が高いため、捨ててしまうのはもったいないです。しかし、残留農薬などの心配もあるため、しっかりと洗ってから食べるのが理想的です。
日本の農薬は水溶性であることが多いため、流水で30秒以上洗えばある程度落とすことができるといわれています。また、綺麗にみえるキャベツでも外葉は外気に触れていて目に見えない汚れがついているので、汚れを落とすという意味でもしっかりと洗うことが大切です。
葉の固さが気になる場合や残留農薬が心配な方は、最も外側にある1枚めを捨てても良いでしょう。実際にスーパーなどでは最も外側にある外葉を一枚剥がしてから持ち帰る方は多くいます。
キャベツの外葉の洗い方については後述しますので、そちらを参考にしてください。
キャベツについている残留農薬が気になる方は、ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使って残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬の多くは酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水に野菜を5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
表面の葉の一部や中の葉が紫色に変色しているキャベツを見たことがある方は多いのではないでしょうか。キャベツが紫色に変色するのは、アントシアニンと呼ばれるポリフェノールの一種が多く含まれているためであり、傷んでいたり腐敗しているわけではないので食べても問題ありません。
ポリフェノールとは植物がもつ苦味や渋みの成分となる化合物の総称です。構造の違いによって様々な種類があり、キャベツに含まれているアントシアニンは紫色の色素です。例えばぶどうの皮が紫色をしているのもアントシアニンが多く含まれているためです。
アントシアニンは植物が身を守るために生成される成分であり、生育中にストレスを感じることでアントシアニンが多く生成され葉や芯の一部が紫色に変色することがあります。特に冬などの寒い季節で育っているキャベツは寒さによるストレスでアントシアニンの生成量が増えて葉の一部が紫色になっていることが多くあります。
キャベツの外葉は内側の葉と比較すると肉厚であるため、硬くて食べにくいという方も多くいます。
硬さが気になる場合は、加熱するのがおすすめです。炒めものはもちろんのこと、スープにすると水溶性のビタミンCやカリウムなどの栄養素もしっかりと摂取することができるメリットもあります。
また、外葉は苦味が強いですが、加熱することで苦味が和らぎますので、苦味が気になる方も加熱して食べると良いでしょう。
キャベツの外葉を洗うときは、まず外葉を剥がします。
キャベツを丸々一つ使い切る場合は、芯をくり抜いてから洗う方法もあります。
丸ごと洗う場合はまずキャベツの芯をくり抜いたら、芯をくり抜いたことでできた穴に流水を流し込みます。こうすることで、一気にキャベツ全体を洗うことができます。
ちなみにキャベツの場合は芯を取り除いて保存するのが良いのですが、洗ってしまうと水溶性の栄養素が流出してしまってもったいないですし、痛みやすくなってしまうので全てを使い切らない場合は外葉や使う分だけの葉を1枚1枚剥がして洗うのが良いです。
外葉を剥がしたら、流水で外葉の汚れを洗い流します。
水分が抜けてしんなりしてしまっている場合は、50℃程度の熱めのお湯に1分から2分程度つけておくことでシャキッとした食感が戻ります。これは「ヒートショック」とよばれるもので、キャベツ以外の野菜にも使える方法です。50度のお湯につけることで、閉じていた気孔が開き細胞が水分を吸うためみずみずしさを取り戻すことができます。
キャベツを剥がしてカットしてから洗っても良いのですが、カットした断面からビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうため、カットせずに洗うのが栄養面的にはおすすめです。
外葉を綺麗に洗ったら、水けをしっかりと切ります。キャベツは元々水分量の多い野菜ですので、洗った後に水けを切らずに調理をしてしまうと、料理が水っぽくなってしまいます。
水を切る方法として簡単な方法は、洗ったキャベツをザルに入れて振るようにして水を切る方法です。水を切ったあとザルを斜めに傾けるようにすると、効率よく水けを切ることができます。キッチンペーパーに優しく包んで水けを切ってもよいです。近年では「サラダスピナー」と呼ばれる野菜の水けを切るグッズも販売されておりますので、そちらを利用するのも良いでしょう。
キャベツの外葉の中心にある芯(軸)は、太くて食べにくいので、包丁を使って切り落としておきます。そうすることで、固い外葉も食べやすくなります。
キャベツの芯にはビタミンCが詰まっています。芯に含まれている栄養素はビタミンC以外にもカルシウムやナトリウム、カリウム、銅、亜鉛などが、葉よりも多く含まれています。芯のカルシウムの量は葉のなんと2倍!これほど栄養ある芯を捨てるのはもったいないです!
切り落とした芯(軸)は、薄く切って使うと良いです。葉と一緒に調理をしても良いですし、芯だけを味噌汁やスープの具にしたり、漬け物にするといった使い方もできます。
葉の部分は包丁で切るより、手でちぎるのがおすすめです。手でちぎることで、ドレッシングや調味料のなじみが良くなります。もちろん包丁でカットしても良いです。
葉の上部は下部と比較して柔らかいので、繊維に沿うようにちぎると食感を楽しむことができます。反対に下部は繊維が太く固いので、繊維を断ち切るようにちぎったほうが食べやすくなります。
外葉ごと食べる場合はもちろんのこと、生食することが多いキャベツを購入する際はできるだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。新鮮なキャベツの特徴は下記の通りです。
外葉の色が濃い緑色
葉にハリがある
芯の切り口が変色しておらずきれいな白色
芯が大きすぎない(500円玉大が目安)
ずっしりとした重みがある
切り口がみずみずしく、芯が割れていないもの(カットキャベツの場合)
ちなみに、3〜5月に旬を迎える春キャベツは、葉が詰まっておらず巻きがゆるい軽いものがおすすめです。葉が柔らかいので、生で食べるのに◎。
下記のような特徴があるキャベツは外葉はもちろんのこと全体的に食べることができないので、破棄しましょう。
腐敗したキャベツの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に変色している
葉が溶け出している
茶色い汁が出ている
キャベツの葉や芯にフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、キャベツなどの葉物野菜は見えない部分まで侵食しやすいため破棄するのが無難です。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。
キャベツの葉は変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。
腐ったキャベツの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
生ゴミのような臭い
カビ臭い
酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。
キャベツに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったキャベツの触感の特徴は下記の通りです。
柔らかい
ぬめりがある
キャベツから水分が抜けてしんなりしてしまっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、芯まで柔らかくなってしまっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。
また、表面がぬめぬめしている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮なキャベツの表面はぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているキャベツは破棄しましょう。
最後に、キャベツの外葉を使うのにおすすめのレシピをご紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
じっくり煮込み野菜の旨味をスープにしっかり移します。
チキンのポトフのレシピはこちら
ボリューミーなスタミナ満点料理です。
キャベツと豚肉のキムチ炒めのレシピはこちら
キャベツとしらすのペペロンチーノのレシピです。
キャベツとしらすのペペロンチーノのレシピはこちら
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典