野蒜(のびる)は、春に生える野草です。道路脇や土手、畑などいろんな場所に生えるので、収穫して食べる方も多いかと思います。近年ではハウス栽培で生産させることもあります。今回はのびるの正しい保存方法について詳しく解説していきます。のびるの作り置きレシピもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
野蒜(のびる)はユリ科ネギ属に属する野草です。畑や道路の端、土手などいたる所に生えます。のびるの旬は春(3〜5月頃)です。
根元の玉ねぎ状の鱗茎(りんけい)はらっきょうに似た香りと辛みが、緑色の葉の部分はねぎに似た香りや食感があるのが特徴です。
のびるにはビタミンCやカロテン、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素が含まれています。
また、玉ねぎやにんにくと同様にアリシンという成分を含みます。アリシンは硫化アリルの一種で、辛味成分として知られています。アリシンは収穫後に増えていく傾向があるため、日にちが経つにつれて辛味が増していきます。アリシンは長ネギやニラ、らっきょうなどにも含まれています。
のびるはえぐみや苦味がほとんどないため、生のままでも食べることができます。
のびるの鱗茎部分を生のまま酢みそあえにして食べるのが定番の食べ方です。また、生のまま揚げて天ぷらにしても美味しく食べることができます。
のびるを保存する前に、ひげ根と薄皮を取り除くことで鮮度をキープして保存することができます。
ひげ根は鱗茎の根元の部分に付いているので、包丁で切り落とします。のびるの表面に付いている薄皮を手で剥がします。
ひと手間かかりますが、より長く美味しく保存するためのポイントですので、しっかりと下処理を行うようにしましょう。
のびるは乾燥に弱いため、あまり長持ちしない食材です。基本的に常温保存は適していませんが、ひげ根付きかつ泥付きの場合のみ、プランターに植えて常温で保存することが可能です。
冷蔵保存が基本ですが、そのまま保存するとすぐに葉が乾燥してしまうので、キッチンペーパーやラップなどに包んで保存するようにしましょう。
当たり前ですが、新鮮なのびるを購入(または収穫)する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なのびるには下記のような特徴がありますので、購入や収穫の参考にしてください。
葉にハリがある
緑色の部分が濃い色をしている
根元に近い茎が白く太い
鱗茎の大きさが大きくなりすぎていない
のびるは葉が乾燥しやすいため、そのままの状態で常温保存するのはNGです。ただし、のびるにひげ根が付いていてかつ泥付きの状態で販売されているのびる(または収穫したのびる)のみ、常温での保存が可能です。
常温で保存する際は、プランターに植えて保存します。プランターにのびるの根の部分を植えて常温で保存します。この方法で保存すれば2〜3日ほど日持ちします。
のびるは冷蔵で保存するのが基本です。のびるを冷蔵する場合の保存期間の目安は2〜3日です(丸ごと冷蔵保存する場合)。
のびるを冷蔵保存する際は、のびるを水洗いして土汚れを入念に取ります。ひげ根を切り落とし、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。表面の薄皮を根元から剥がし、水で湿らせたキッチンペーパーで包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じ、野菜室に立てて保存します。
のびるに限らず野菜全般にいえることですが、野菜が育った環境で保存することが、鮮度を保つポイントになります。横にして保存すると、余計なストレスがかかって鮮度が落ちてしまうことがあります。
この方法で保存すれば、2〜3日ほど日持ちします。のびるは日にちが経つと辛味が増してくるので、なるべく早く食べきるようにしましょう。
水洗いして水けを拭き取ったのびるを葉は4〜5cm幅にカットします(鱗茎は丸ごとのままでOK)。乾燥を防ぐために水で湿らせたキッチンペーパーを敷いた保存容器にカットしたのびるを入れ、上からも湿らせたキッチンペーパーをかぶせて蓋をして冷蔵庫で保存します。
カットしたのびるは傷みやすいので、1〜2日を目安に食べるようにしましょう。
のびるを長く保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。冷凍のびるは約1ヶ月ほど日持ちします。
のびるを水洗いして土汚れを入念に取ります。ひげ根を切り落とし、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。表面の薄皮を根元から剥がします。
葉は4〜5cm幅にカットし、鱗茎は丸ごとのままで冷凍用保存袋に入れて冷凍します。鱗茎の部分は厚みがあるので、急速冷凍機能を使うか、金属トレイの上にのせて冷凍するのがおすすめです。
のびるを茹でてから冷凍することもできます。
水洗いしてひげ根を切り落とし、表面の薄皮を剥がしたのびるを1〜2分ほどさっと塩茹でします。冷水にとって粗熱を取り、水けを絞ります。葉は4〜5cm幅にカットし、鱗茎は丸ごとのまま小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
冷凍したのびるを解凍する際は、調理する前日または半日前に冷蔵室に移して低温で解凍してから使用します。加熱調理であれば凍ったまま調理に使用してOKです。
のびるは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させたのびるは密封容器に入れ常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥させたのびるは、乾燥したまま使ったり、水で戻して使用します。のびるはお茶として煎じて飲んでも美味しく召し上がれます。
のびるを天日干しする際は、水洗いしてひげ根を切り落とし、表面の薄皮を根元から剥がします。食べやすい長さにカットし(鱗茎のは丸ごとのまま、もしくは薄くスライスする)、ザルに広げて天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
鱗茎は丸ごとのまま干すことも可能ですが、完全に乾燥するまでに時間がかかるので、しっかりと水分が飛んだことを確認してから密封容器に移しましょう。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に食べやすい長さにカットしたのびるを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にカットしたのびるを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
のびるは塩や酢などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。のびるの漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。
漬けて保存する際も、下茹でをしてアクを取り除きましょう。
水洗いしてひげ根を切り落とし、表面の薄皮を剥がしたのびるを食べやすい長さにカットし保存袋に入れます。塩(適量)を加えて軽く揉み、冷蔵庫で保存します。
塩の量ですが、基本的にはのびるの重量の3〜5%加えましょう。しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルにのびるを漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。
水洗いしてひげ根を切り落とし、表面の薄皮を剥がしたのびるを食べやすい大きさにカットします。保存容器に入れて酢:塩:てんさい糖=150ml:小さじ1:大さじ1で作る漬けダレに漬けて蓋をして冷蔵庫で保存します。
最後に、のびるの作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
春の山菜ののびるをおかかあえにしたレシピです。
のびるのおかかあえのレシピはこちら
春の食材ののびるを黒すりごまであえたひと品です。
のびるのごまあえのレシピはこちら
春の山菜ののびるを酢みそあえにしたひと品です。
のびるの酢みそあえのレシピはこちら
春の食材ののびるを赤唐辛子であえたレシピです。
のびるの唐辛子あえのレシピはこちら
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