「山菜の王様」といわれるたらの芽は、日本各地の山野に自生しています。近年は天然ものだけでなく栽培ものも販売されています。今回はたらの芽の正しい保存方法と保存期間を詳しく解説します。たらの芽の作り置きレシピもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
たらの芽は日本各地の山野に自生するタラノキの若芽です。古くから高級な山菜として知られており「山菜の王様」といわれるほどです。
たらの芽の主な生産地は山形県や新潟県、群馬県などです。
他の山菜に比べてたんぱく質を多く含むため、食べた時に脂を感じます。たらの芽の苦味成分であるエラトサイドはサポニンの一種で、アルコールの吸収抑制や肝臓保護作用が期待されます。
たらの芽の皮についている三角のものを「はかま」といいます。はかまがあると口当たりが悪いので、取り除いてから食べるのが◎。
はかまは手で剥がせます。根元が茶色く変色していれば、包丁で剥きます。はかまと実の間には汚れや虫がたまりやすいので、しっかりと水洗いを行います。
はかまには棘(とげ)がありますが、茹でたり揚げたりすると柔らかくなるので、取り除く必要はありません。
また、たらの芽にはアクがあるため、食べる前にアク抜きを行う必要があります。冷凍保存時は冷凍前にアク抜きを行うことで、解凍時調理にすぐに使えて便利です。
アク抜きの方法は、水に対し2%の塩(水1リットルに対して塩20g)を加え、2〜3分茹でます(冷凍する場合は1分ほど)。茹でたら氷水に落とし、しばらく放置します。ザルにあげ水けを切り、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。
多くの食材は乾燥させてから保存することが可能ですが、たらの芽に関しては乾燥保存NGです。乾燥させる過程で傷んでしまうためです。
たらの芽のアクの正体はポリフェノールの一種で、それによりたらの芽が黒く変色したり苦味が増してしまいます。
長期保存したい場合は冷凍保存もしくは漬物保存がおすすめです。具体的な方法は下記でご紹介しています。
新鮮なたらの芽を購入する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なたらの芽には下記のような特徴がありますので、購入時の参考にしてください。
全体の色が鮮やかな緑色
ハリがある
大きすぎず小さすぎない(蕾が開いて3〜5cmほど芽が伸びているものが◎)
切り口が白い
穂先が黒く変色していない
たらの芽は伸びすぎると苦味やえぐみが強くなってしまいますので注意しましょう。
たらの芽は傷みが早いので、基本的に常温保存NGですが、1〜2日以内に食べる場合のみ常温での保存も可能です。
たらの芽を常温で保存する際は、小さく穴を開けたポリ袋にたらの芽を入れて口を軽く閉じ、直射日光が当たらない冷暗所で保存します。ポリ袋に入れず、新聞紙やキッチンペーパーで包んで保存する方法もあります。
室温や湿度によって傷みが早い可能性もあります。そのため、すぐに食べる場合でも一度冷蔵庫で保存する方が鮮度が落ちにくくなります。
たらの芽はすぐに食べる場合でも冷蔵庫で保存するのがおすすめです。常温よりも長く保存することが可能です。
たらの芽を冷蔵保存する場合も、はかまを取ってから保存します。はかまの外し方は冒頭でご紹介していますので参考にしてください。
下処理をしたたらの芽を小さく穴を開けたポリ袋に入れ、口を軽く閉じ野菜室で保存します。
この方法で保存したたらの芽は2〜3日ほど日持ちします。はかまを外して保存するため、調理時はすぐに使えて便利です。
たらの芽を茹でてから冷蔵保存することも可能です。
はかまを外したたらの芽を、水に対し2%の塩(水1リットルに対して塩20g)を加え、2〜3分茹でます。氷水に落とししばらく放置しザルにあげ水けを切ります。キッチンペーパーで水けをしっかり拭き取り、保存容器に入れて蓋をして冷蔵保存します。
茹でてから冷蔵保存したたらの芽は1〜2日ほど日持ちします。生のまま冷蔵するよりも傷みやすいので、なるべく早く食べきるのがおすすめです。
たらの芽は冷凍保存することでより長く(冷蔵保存と比べて)保存することができます。
一度手軽な冷凍方法です。
下処理をしてはかまを外し、4〜6個ずつ小分けにしラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
たらの芽を冷凍する際は、冷蔵庫の急速冷凍機能を使う、もしくは金属トレイの上に乗せて凍らせることで、鮮度や風味、食感をキープすることが可能です。
この方法で保存すれば、約1ヶ月ほど日持ちします。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。野菜はブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
はかまを外したたらの芽を、水に対し2%の塩(水1リットルに対して塩20g)を加えた熱湯で、1分茹でます。冷蔵保存時よりも短めに茹でるのがポイントです。氷水にさらしてアク抜きをし、ザルにあげて水けを切ります。キッチンペーパーでさらに水けを拭き取ったら小分けにラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
丸ごとの状態で冷凍してもOKですし、細かく刻んで冷凍するのもOKです。茹でてから冷凍したたらの芽は約1ヶ月ほど日持ちします。
冷凍したらの芽は、基本的に凍ったまま調理に使用してOKです。解凍してから調理する場合は、使う前日もしくは半日前に冷蔵庫に移し、低温でゆっくり自然解凍するのがおすすめです。電子レンジを使って解凍すると、水分が出すぎてしまい食感や風味が落ちやすくなります。
たらの芽は酢や塩、油などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。たらの芽の漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。
たらの芽のはかまを取り除き、さっと塩茹でしてアク抜きをします(詳しい手順は冒頭参照)。粗熱が取れたらキッチンペーパーで水けを拭き取り、冷蔵用保存袋に入れ、そこに塩(適量)を加えて軽く揉み密封し冷蔵保存します。
塩の量ですが、基本的にたらの芽の重量の3〜5%加えましょう。しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。
ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルにたらの芽を漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。
さっと塩茹でしたたらの芽をオリーブオイルに漬けて保存する方法もあります。
塩ゆでしたたらの芽の水けをしっかり拭き取ったら保存容器に入れ、つけダレ(オリーブオイル:塩=100ml:小さじ1弱)を加え蓋をし冷蔵保存します。
オリーブオイル漬けにしたたらの芽はそのまま炒め物に使用するのがおすすめです。たらの芽を漬けたオリーブオイルも料理に使用することが可能です。
最後に、たらの芽の作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
山菜の王様と呼ばれるたらの芽を酢みそあえにしたひと品です。
酢には疲労回復や血糖値の上昇を抑えるのに効果的なクエン酸や、血行を良くしたり免疫力向上の効果が期待できるアミノ酸などが含まれています。酢には他にもミネラルの吸収や胃酸の分泌を高め消化を促進するなどの働きもあります。
たらの芽の酢みそあえのレシピはこちら
春を告げる山菜の一つ、たらの芽をナムルに仕上げました。
ごまには強い抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。
たらの芽のナムルのレシピはこちら
ほろ苦さが美味しいたらの芽のごまあえです。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。メープルシロップは、カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
たらの芽のごまあえのレシピはこちら
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