春の訪れを感じさせる山菜であるふきのとう(蕗の薹)。独特な風味が特徴的です。今回はふきのとうの正しい保存方法と保存期間を詳しく解説します。作り置きレシピもあわせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ふきのとうは、ふきの幼花蕾で、キク科フキ属の多年草です。
ふきのとうの旬は1〜3月で、春の訪れを感じさせる代表的な日本原産の山菜です。「春の使者」ともいわれます。
ほろ苦い風味が特徴で、苦味成分としてはパッケノリド類が知られています。ビタミン・ミネラル類は、ビタミンE・Kや葉酸、カリウム、マグネシウムなどを含みます。
ふきのとうは苦味やえぐみが強いので、食べる前(保存する前)は下茹でをする必要があります。
下茹で方法は下記の通りです。
水にさらす時間が長いほど、天然毒素であるピロリジジンアルカロイド類が水に溶け出して減りますが、水溶性成分であるミネラルなどが流出してしまうというデメリットも。
出典:農林水産省
ふきのとうは傷みやすい食材なので、常温での保存は基本的に避けるべきです。購入日当日などすぐに食べる場合であれば、直射日光が当たらない風通しのよい場所でパックに入ったまま、もしくは新聞紙に包んで保存します。
店頭に並んでいるふきのとうの多くが収穫から日にちが経っているものなので、購入後はすぐに食べる場合でも冷蔵保存がおすすめです。
当たり前ですが、新鮮なふきのとうを購入する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なふきのとうには下記のような特徴がありますので、購入時の参考にしてください。
葉の色が鮮やかな緑色
つぼみがかたく閉じている
葉先がピンとしていてみずみずしい
黒く変色していない
大きくなりすぎているものやつぼみが開いているものは、えぐみや苦味が強い傾向があります。
ふきのとうをすぐに食べる場合は、購入時のパックに入ったまま冷蔵してOKです。
パックに入ったままの状態で冷蔵保存すると、1〜2日ほど日持ちします。それ以上保存したい場合は、次にご紹介する冷蔵方法で保存するようにしましょう。
ふきのとうをパックから取り出し、水で湿らせたキッチンペーパーで数個まとめて包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じ冷蔵庫で保存。
この方法で冷蔵すれば、2〜3日ほど日持ちします。水で湿らせたキッチンペーパーで包むことで、乾燥を防ぐことが可能です。
ふきのとうは冷凍することで、より長く(冷蔵と比べて)保存することができます。
生のままでも冷凍すること自体は可能ですが、酵素の働きによって変色しやすかったり、苦味やえぐみが強くなってしまいます。そのため、冷凍する際は下茹でをしてアクを抜いてから冷凍するようにしましょう。
ふきのとうを洗い、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。ふきのとうを冷凍用保存袋に入れ密封し冷凍室へ。
この方法で保存したふきのとうは約1ヶ月ほど日持ちします。
冷凍したふきのとうは凍ったまま天ぷらにしたり味噌汁に加えたり、茹でておひたしにして食べると◎。
ふきのとうは乾燥させてから保存することができます。乾燥させたふきのとうは常温もしくは冷蔵で1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。
下茹で(方法は冒頭参照)をし水けを拭き取ったふきのとうをザルに広げて天日干しします。
天日干しする時間帯は午前10時から午後3時がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に下茹でして水けを拭き取ったふきのとうを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りない場合はさらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に下茹でして水けを拭き取ったふきのとうを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジによる乾燥は、葉が焦げたり燃えたりする場合があるので、注意しながら乾燥させましょう。
ふきのとうをオイルや塩などに浸けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぐことができます。大量消費にもおすすめです。ふきのとうの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
ふきのとうを水洗し下茹でをします(下茹で方法は冒頭参照)。粗熱が取れたらキッチンペーパーで水けを拭き取り保存容器に入れ、漬けダレ(オリーブオイル:塩=100ml:小さじ1弱)を注ぎ入れ蓋をして冷蔵庫へ。
オリーブオイル漬けしたふきのとうは炒め物やパスタなどにおすすめです。
ふきのとうを水洗し下茹でをします(下茹で方法は冒頭参照)。粗熱が取れたらキッチンペーパーで水けを拭き取り、冷蔵用保存袋にふきのとうを入れ、ふきのとうの重量の3〜5%の塩を加え全体になじませてから冷蔵庫で保存します。
1〜3%の塩を加えれば浅漬けになり、10〜15%の塩を加えればさらに長く保存することが可能です。
保存用なのでそのまま食べると味が濃いです。水洗いして塩けを取り、炊き込みご飯や汁物に入れたり、冷奴の薬味などに使用しましょう。
最後に、ふきのとうの作り置きレシピをご紹介します。作り置きレシピは冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
ふきみそはふきのとうの定番料理。ふきのとうの独特の風味がクセになるひと品です。ご飯のお供にどうぞ。
大豆の発酵食品である味噌には、たんぱく質が多く含まれています。このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。メープルシロップは、カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
ふきみそのレシピはこちら
ふきのとうの風味が甘い酢みそによく合う春の副菜です。
酢には疲労回復や血糖値の上昇を抑えるのに効果的なクエン酸や、血行を良くしたり免疫力向上の効果が期待できるアミノ酸などが含まれています。酢には他にもミネラルの吸収や胃酸の分泌を高め消化を促進するなどの働きもあります。
ふきのとうの酢みそあえのレシピはこちら
春の訪れを感じさせるひと品です。
このレシピで使用している醤油は、小麦粉を使用していないグルテンフリーの醤油です。
ふきのとうのおひたしのレシピはこちら
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