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芽キャベツの保存方法と期間。生・茹で/常温・冷蔵・冷凍で長持ちするのは?

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芽キャベツの保存方法と期間。生・茹で/常温・冷蔵・冷凍で長持ちするのは?

冬から春にかけて旬を迎える芽キャベツは、煮込料理や炒め物などにして食べるととても美味しくいただけます。芽キャベツは葉野菜なので、水や乾燥に弱いです。今回は芽キャベツの保存方法と保存期間を詳しく解説していきます。

芽キャベツの保存のポイント

常温保存はNG

芽キャベツを保存する際の最適温度は0℃、湿度は90〜95%といわれています。低温多湿での保存が必要な食材なので、常温保存は適していません。

室温が下がりやすい日本の冬は湿度が低くなりやすいため、寒い冬でも常温以外での保存をおすすめします。

保存する前に水洗いは必要?

芽キャベツを保存する前の水洗いは保存方法によって必要な場合と不要な場合があります。

芽キャベツを冷蔵保存する場合は、保存前の水洗いは不要です。水分が付着することで芽キャベツが傷みやすくなり保存期間が短くなります。冷蔵保存する前は食べる直前に水洗いするようにしましょう。

芽キャベツを冷凍保存する場合は、冷凍する前に水洗いすることをおすすめします。水を張ったボウルに芽キャベツを入れ、流水でしっかりと洗い、汚れや農薬を落としてから保存しましょう。

芽キャベツを水洗いした後は、キッチンペーパーなどを使ってしっかりと水けを取ることでより長く保存することが可能になります。

芯に切り込みを入れて保存する

芽キャベツは、収穫後も生長を続けます。芽キャベツの芯の部分には「生長点」というものがあり、収穫後も葉の栄養や水分を吸い取ってしまいます。その結果、葉の鮮度や味が落ちてしまいます。

生長を止めるためには、この生長点にあえて傷をつけると◎。芯の部分に包丁で十字に切り込みを入れてから保存することで、鮮度が落ちるのを防ぐことができます。

また、芯に切り込みを入れるのにはもう一つ理由があります。芽キャベツは葉が固く巻き付いており、内部への熱伝導がよくないので、切り込みを入れることで火を通りやすくします。

下茹でしてアクを取る

芽キャベツはアク(苦味やえぐみ、渋みなど味を損ねる成分の総称)が強い野菜なので、芽キャベツは基本的には下茹でをしてアクを取ってから調理に使うのがおすすめです。

下茹での方法は、芽キャベツの外側の葉を1〜2枚剥いてからしっかりと水洗いをします。芯の底の部分を少しカットし、芯の部分に十字に切り込みを入れます。沸騰した湯に塩(適量)を加え芽キャベツを3〜5分ほどさっと茹で、ザルにあげます。

下茹でをしてから保存する場合は、キッチンペーパーで1個ずつしっかりと水けを拭き取り、完全に粗熱が取れてから保存するようにしましょう。

エチレンガスの影響を受けやすい

エチレンガスとは、野菜や果物が放つ成熟ホルモンとも呼ばれる成分で、追熟を促進する作用があります。

芽キャベツが放出するエチレンガスは少ないですが、他の食材が放出するエチレンガスの影響を受けやすいため注意が必要です。

他の食材から放出されるエチレンガスの影響を受けないように、保存袋やポリ袋などに入れて保存することが大切です。

エチレンガスを多く放出する食材には、バナナやりんご、アボカド、メロン、梨、桃、ブロッコリーなどがあります。

キャベツとの違い

芽キャベツは水分量が少ないこともあり100gあたりの栄養価が高くなっています。芽キャベツは100gあたり、β-カロテンはキャベツの14倍、ビタミンCは4倍、食物繊維とカリウムは3倍、ビタミンKは2倍にもなります。廃棄する部分もなく、食べやすいのでおすすめの食材です。ただ水分が少なく栄養価が高いので、カロリーもキャベツの3倍です。

新鮮な芽キャベツの特徴

新鮮な芽キャベツを購入する方がより長く美味しく保存することができます。芽キャベツには下記のような特徴があります。

  • 緑色が鮮やかなもの

  • 大きさや色、形が揃っているもの

  • 巻きが強く固いもの

指で軽く触った時にやらかいものは傷んでいる可能性が高いので避けるようにしましょう。

芽キャベツの保存方法と期間【冷蔵】

上述の通り、芽キャベツの常温保存はNG。すぐに食べる場合でも冷蔵庫で保存することをおすすめします。

生のまま丸ごと(2週間)

丸ごと生のままの芽キャベツ

生のまま丸ごと冷蔵する場合は、事前の水洗いは不要で、食べる直前でOK。芽キャベツの生長を止めるために芯の部分に十字に切り込みを入れ、乾燥を防ぐために濡らしたキッチンペーパーで数個ずつ包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じ野菜室で保存します。

生のまま丸ごと冷蔵保存する場合の保存期間の目安は約2週間です。キッチンペーパーは毎日取り替えましょう。

生のままカットして(3〜4日)

カットした芽キャベツをラップで包み保存袋に入れる

カットした芽キャベツの冷蔵保存する際は、カット断面から乾燥したり傷んだりするので、カット断面にラップをぴったりと密着させ全体をラップで包みます。冷蔵用保存袋に入れて密封し保存します。

カットしてから保存する場合は傷みやすいので、3〜4日を目安に食べ切るようにしましょう。

茹でて(2〜3日)

芽キャベツを茹でてから保存容器に入れる

保存する前に下茹でをしておけば、調理時にすぐに使えて便利です。

芽キャベツの外葉を1〜2枚取り除き、しっかりと水洗いをします。芯の底を少し切り落として芯に十字に切り込みを入れ、塩(適量)を加えた熱湯で3〜5分ほど茹でます。茹で終わったらザルにあげ粗熱を取り、キッチンペーパーでしっかりと水けを拭き取ります。粗熱が完全に取れたら保存容器に入れて蓋をして冷蔵保存します。

茹でた芽キャベツは傷みやすいので、生のまま丸ごと、生のままカットして保存する芽キャベツよりも保存期間が短くなります。2〜3日以内を目安に使い切ることをおすすめします。

芽キャベツの保存方法と期間【冷凍】

芽キャベツは冷凍で保存することも可能です。冷凍で保存することにより、保存期間が長くなります(冷蔵保存と比べた場合)。芽キャベツの冷凍保存期間の目安は約1ヶ月です。

急速冷凍機能を使ったり、金属トレイの上にのせて冷凍することで短時間で凍らせることができます。

生のままの冷凍(1ヶ月)

生のままの芽キャベツを保存袋に入れる

一番手軽な冷凍方法は、生のまま丸ごと冷凍する方法です。

芽キャベツに汚れが付いていれば濡れたキッチンペーパーなどで拭き取ります。芯の底を少し切り落とし、芯に十字に切り込みを入れたら冷凍用保存袋に入れて密封し冷凍庫へ。

ただし、芽キャベツを生のまま冷凍すると、風味や味が落ちてしまうため、下茹でをしてから冷凍する方が好ましいです。生のまま冷凍した芽キャベツはアクが残ったままなので、煮込料理などに使用して、芽キャベツを煮込む際に出るアクを取り除くことで美味しく食べることが可能です。

下茹でして(1ヶ月)

芽キャベツを下茹で(ブランチング)してから冷凍する

芽キャベツを冷凍保存する際は、保存前に下茹で(ブランチング)をしてから保存するのがおすすめです。野菜はブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。生のまま冷凍するよりも、食感がスカスカになりづらいです。

芽キャベツの外葉1〜2枚を剥がし、芯の底を少し切り落としたら芯の部分に包丁で十字に切り込みを入れます。湯に対して1%の塩を加え、芽キャベツを5分前後さっと茹でます。ザルにあげて水けを切り、粗熱が取れたらキッチンペーパーでしっかりと水けを拭き取ります。冷凍用保存袋に入れ(小分けにしてラップに包んでから保存袋に入れてもOK)密封し冷凍します。保存する際は丸ごとのままでも半分に切ってから保存してもOKです。

冷凍した芽キャベツの解凍方法

冷凍した芽キャベツのおすすめの解凍方法は自然解凍です。芽キャベツを使用する前日もしくは半日前に冷蔵庫に移してゆっくりと時間をかけながら解凍します。低温で解凍することで水分が抜けにくくなるため、味や食感が落ちづらくなります。

常温での解凍や電子レンジを使った解凍は、水分が出すぎてしまうためあまりおすすめではありません。

芽キャベツを煮込み料理などに使用する場合は、解凍不要で凍ったまま調理に使用してOKです。

芽キャベツの保存方法と期間【乾燥】

芽キャベツは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させた芽キャベツは常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます

冒頭でご紹介したように、芽キャベツはアクが強い野菜なので下茹でをしてから乾燥させると◎。乾燥した芽キャベツはそのままスープや煮物などに入れて食べると美味しく召し上がることができます。

乾燥させたら密閉容器や密閉袋に入れて常温もしくは冷蔵で保存します。

天日干し(常温・冷蔵で1ヶ月)

茹でて半分にカットした芽キャベツをザルに並べる

乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。

芽キャベツの外葉を1〜2枚取り除き、しっかりと水洗いをします。芯の底を少し切り落として芯に十字に切り込みを入れ、塩(適量)を加えた熱湯で3〜5分ほど茹でます。茹で終わったらザルにあげ粗熱を取り、キッチンペーパーでしっかりと水けを拭き取ります。粗熱が完全に取れたら半分もしくは4分の1の大きさにカットしてザルに並べ、3〜4日ほど天日干しして水分を飛ばします。

天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。

オーブン(常温・冷蔵で1ヶ月)

芽キャベツはオーブンを使って乾燥することもできる

天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。

鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に茹でて(茹で方は天日干しの箇所を参照)カットした芽キャベツを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。

乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。

電子レンジ(常温・冷蔵で1ヶ月)

電子レンジを使えばより簡単に乾燥させることができる

オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。

耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に茹でて(茹で方は天日干しの箇所を参照)カットした芽キャベツを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。

電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、葉が焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。

芽キャベツの保存方法と期間【漬物】

芽キャベツは酢や塩、油などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。芽キャベツの漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。

漬けて保存する際も、下茹でをしてアクを取り除きましょう。

塩漬け(冷蔵で2週間)

茹でた芽キャベツを塩に漬ける

芽キャベツの外葉を1〜2枚取り除き、しっかりと水洗いをします。芯の底を少し切り落として芯に十字に切り込みを入れ、塩(適量)を加えた熱湯で3〜5分ほど茹でます。茹で終わったらザルにあげ粗熱を取り、キッチンペーパーでしっかりと水けを拭き取ります。粗熱が完全に取れたらたっぷりの塩(適量)と一緒に保存袋に入れて軽く揉んでなじませてから冷蔵庫で保存します。

塩の量ですが、基本的には芽キャベツの重量の3〜5%加えましょう。しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルに芽キャベツを漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。

オイル漬け(冷蔵で2週間)

茹でた芽キャベツをオリーブオイルに漬ける

塩漬けと同様に下ごしらえ(下茹で、十字の切り込み)をし保存容器に芽キャベツを入れ、オリーブオイルをひたひたになるくらいまで注ぎます。蓋をして冷蔵庫で保存しましょう。

オイル漬けした芽キャベツは炒め物に使うのがおすすめです。芽キャベツを漬けておいたオリーブオイルも、通常のオイルと同様に炒め物を作る時などに使用することができるので無駄がありません。

酢漬け(冷蔵で2週間)

茹でた芽キャベツを酢に漬ける

塩漬けやオイル漬けと同様に芽キャベツを下ごしらえをし、保存容器に入れ、酢漬けダレ(酢150mlに対して塩小さじ1、てんさい糖大さじ1)をひたひたになるように入れ、冷蔵庫で保存します。

酢のクエン酸が加わることにより、疲労回復作用やミネラル吸収促進作用が期待できます。

一晩置くと食べ頃になります。そのまま食べるのも美味しいですし、サラダなどのトッピングとしてもおすすめです。

芽キャベツの作り置きレシピ

最後に、芽キャベツの作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

芽キャベツのごま和え

ごまの風味がアクセントになった芽キャベツの簡単副菜レシピです。

ごまには強い抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。

芽キャベツのごま和えのレシピはこちら

芽キャベツの酢みそ和え

茹でて甘みが増した芽キャベツは酢みそと好相性。副菜としてもお酒のおつまみとしても美味しくいただけます。

酢には疲労回復や血糖値の上昇を抑えるのに効果的なクエン酸や、血行を良くしたり免疫力向上の効果が期待できるアミノ酸などが含まれています。酢には他にもミネラルの吸収や胃酸の分泌を高め消化を促進するなどの働きもあります。

芽キャベツの酢みそ和えのレシピはこちら

芽キャベツナムル

芽キャベツの食感とごまの風味がクセになるひと品です。

ごま油には、悪玉コレステロール値を抑えるリノール酸や抗酸化物質のオレイン酸などが豊富に含まれています。また、にんにくの香り成分である硫化アリルには、血栓の生成予防、血中コレステロールの増加抑制などの効能が期待できます。

芽キャベツナムルのレシピはこちら