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えのきの保存方法と期間。常温はNG?切った後はどうする?

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えのきの保存方法と期間。常温はNG?切った後はどうする?

汁物や炒め物、煮物など様々な料理で活躍するえのき。今回はそんなえのきの正しい保存方法をご紹介します。えのきは低温環境で栽培されているため基本的に常温保存はNG。すぐに使う場合でも冷蔵庫で保存する方が安心です。冷凍や乾燥させることで旨みがアップします。最後にえのきの作り置きレシピもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

えのきの保存のポイント

賞味期限は?

えのきには賞味期限が記載されていないことがほとんどです。えのきは野菜と同様に生鮮食品に分類され、生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。

そのため、えのきはいつまで食べられるのか迷うことがあります。えのきは冷蔵保存で約1週間、冷凍や乾燥保存で約1ヶ月ほど日持ちする食材です。

常温保存は避けるべき

えのきは室温15℃前後の環境で育つ食材です。また、えのきの生産量が1位である長野県では、5℃(冷蔵庫を併用する場合は10〜15℃)で貯蔵されています。したがって、室温が上がりやすい夏(暖房を使用する冬も)は常温での保存は避けるべきです。

1〜2日程度なら保存することは可能だが、室温が高い場合傷みやすくなってしまいますので、すぐに食べる場合でも冷蔵庫での保存をおすすめします。

出典:

洗わずに保存する

えのきを保存する際は、水洗いは不要です。えのきを含むきのこ類は水けに弱く、水けを含むことで傷みやすくなったり、香りや旨み成分が逃げてしまいます。気になる汚れがある場合は、湿らせたキッチンペーパーや布などでやさしく拭き取る程度でOKです。

冷蔵保存は根元は切り落とさない

えのきを丸ごと保存する際は、根元は切り落とさずそのままの状態で保存しましょう。根元を切り落としてしまうと、乾燥し水分が抜け、食感や味が劣ってしまいます。冷凍や乾燥で保存する場合は根元を切り落として保存します。

ちなみに、えのきの根元は根元の端1〜2cm程度(菌床やおがくずが付いている部分)のみを切り落せば、それ以外は食べることができます。根元近くに横に一周ぐるっと線が入っているのは、えのきを栽培する際に使われる瓶の口の部分が当たっていた跡です。

冷凍で旨みアップ?

えのきは冷凍することで旨みがぐんとアップするといわれています。それは、冷凍することで水分が膨張し、細胞壁が壊されることで旨みを作り出す酵素(RNA分解細胞)が働くためです。

さらに、冷凍することでえのきに含まれる様々な成分が増えます。例えば、グアニル酸やアスパラギン酸などの旨み成分は冷凍することで3〜4.5倍にアップします。また、脂肪燃焼促進作用がある食物繊維のキノコキトサンは、なんと12倍(ペースト状にした場合)にも!キノコキトサンはきのこの中でもえのきに一番多く含まれています。

新鮮なえのきの特徴

当たり前ですが、新鮮なえのきを購入し保存する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なえのきには下記のような特徴がありますので、スーパーで購入する際の参考にしてください。

  • 全体的に色白

  • ハリがありピンとしている

  • かさは小さく軸は太い

  • 背丈が揃っている

食べられないえのきの特徴

下記のような特徴があるえのきは傷んでいたり腐っている可能性があります。心配な方は食べずに廃棄するようにしましょう。

  • えのきの表面がぬるぬるしている

  • 黄色や茶色に変色している

  • 水分が出ている

  • 酸っぱい匂いがする

  • カサがポロッとすぐはずれる

  • カビが生えている

えのきの保存方法と期間【冷蔵】

えのきはすぐ食べる場合でも冷蔵保存するのが基本です。開封後、使いかけのえのきは傷みやすいので、なるべく早く使い切るようにしましょう。

袋のまま(1〜2日)

未開封のえのきは袋のまま保存する

未開封のえのきをすぐ(当日もしくは翌日)に食べる場合は、購入時のパッケージのまま保存します。

袋のまま立てて冷蔵庫で保存します。えのきだけに限らず、食材が育った環境で保存することが鮮度を保つポイントです。横にして保存すると、余計なストレスがかかって鮮度が落ちてしまうことがあります。

すぐに食べない場合は、袋の中に水分が溜まって傷みやすくなってしまうので、袋のまま保存するのは避けましょう。

ペーパーで包んで(1週間)

えのきをキッチンペーパーに包む

すぐに食べる予定がない場合や使いかけのえのきは、パッケージから出してキッチンペーパーで包んでから保存することで、鮮度を保ちやすくなります。この方法で保存すれば約1週間ほど日持ちします。

えのきに水分が付着していればキッチンペーパーで水けを拭き取ります。えのき全体をキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れ(根元が下になるように)、ポリ袋の口を軽く閉じて野菜室で立てて保存します。

キッチンペーパーが湿ったら取り替えるようにしましょう。

カットして冷蔵(1〜2日)

カットえのきは保存容器に入れて保存する

えのきをカットしてから冷蔵したり、水につけて冷蔵するのはNG。カットすることで乾燥が進んでしまい、また水につけることで水溶性の栄養素が溶出してしまいます。

カットして余ってしまったえのきは、キッチンペーパーを敷いた保存容器に入れて保存し、1〜2日で食べ切るようにしましょう。

えのきの保存方法と期間【冷凍】

水分が少ないえのきは冷凍しても風味が落ちにくいので冷凍向きの食材です。

えのきは冷凍することで旨みが増します。細胞内の水分が膨張し、細胞壁が壊れるため、旨みや栄養分が溶け出し体内で吸収しやすくなります。冷凍保存は1ヶ月程度日持ちします。長期保存しない場合(すぐに使う場合)でも冷凍保存はおすすめです。

冷凍したえのきは、使いたい量だけ取り出すことができるので解凍は不要です。凍ったまま調理に使用しましょう。解凍すると旨みや水溶性のビタミンが流れ出てしまうので、調理する際は必ず凍ったまま使用するようにしましょう。

生のまま冷凍(1ヶ月)

根元を切り落としたえのきを冷凍する

えのきの根元を切り落とし、お好みの長さにカットします(カットせずそのままの長さでもOK)。冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れます。束になっている部分をほぐす際は、袋に入れ袋の上からほぐすと◎。

茹でて冷凍(1ヶ月)

茹でたえのきを冷凍する

えのきを茹でてから冷凍すれば、調理の時間が短縮できるので◎。 

えのきの根元を切り落としさっと茹でます。ザルにあげて粗熱を取り、冷めたら水分をしっかりと取り冷凍用保存袋に平らになるように入れて冷凍します。

茹でてから冷凍する場合、冷凍するとえのきがひとかたまりになってしまうので、小分けにしてラップに包んでから冷凍用保存袋に入れて保存するのもおすすめです。

炒めて冷凍(1ヶ月)

下味をつけたえのき

えのきに下味をつけてから冷凍する方法もあります。炒めてから冷凍すると、生で冷凍するよりも長持ちしやすいといわれています。

えのきをお好みの大きさにカットし、しんなりするまで炒めます。しょうゆ・みりん・砂糖をそれぞれ少々加え味付けをします。塩こしょうで味付けをするのも◎。

しっかりと冷ましてから、平らになるように冷凍用保存袋に入れ密封し冷凍室へ。

えのき氷(1ヶ月)

えのきを粉砕、加熱して作るえのき氷

えのき氷とは、えのきを粉砕・加熱後に冷凍することでえのきの栄養素を効率よく摂取できるとして注目を浴びたものです。えのき氷は自宅で簡単に作ることができます。えのき氷はだしとしてスープや味噌汁はもちろん、カレーや煮物、炊き込みごはん、炒め物などに幅広く使うことができます。離乳食にも使用できます。

えのき(300g)と水(400ml)をミキサーにかけペースト状にします。ペースト状にしたえのきを1時間ほど煮詰め、粗熱が取れたら製氷機に流し入れて冷凍します。完全に凍ったら冷凍用保存袋に移し替えて保存すると◎。

えのきの保存方法と期間【乾燥】

えのきは乾燥させて干しえのきにして保存するのもおすすめです。乾燥させることで保存期間が伸びるのはもちろんですが、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。

炒めものや味噌汁、スープ、シチューなどに入れて食べると◎。乾燥させたえのきを水で戻してもよいですが、水溶性成分が流れ出てしまうので、戻した水はそのまま味噌汁やスープなどに使用するとよいです。

乾燥えのきは常温または冷蔵で2週間ほど保存することができます

天日干し(常温・冷蔵で2週間)

えのきの天日干し

乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。えのきなどのきのこ類は天日干しすることでビタミンDが増加するといわれています。

えのきの根元を切り落とし、軽くほぐしてザルに広げて1〜3日ほど天日干しします。完全に乾燥したら、保存袋や保存容器に入れて密封し常温もしくは冷蔵で保存します。

晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。

オーブン(常温・冷蔵で2週間)

えのきをオーブンで乾燥させる

天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。

鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に根元を切り落としてほぐしたえのきを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。

乾燥が足りない場合は追加で加熱しましょう。

電子レンジ(常温・冷蔵で2週間)

耐熱皿に並べたえのき

オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。

耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にえのきを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。

電子レンジでの乾燥は時間が短くすみますが、焦げる場合がありますので、こまめにチェックしながら乾燥させましょう。

えのきの保存方法と期間【漬物】

えのきをオイルや醤油などに浸けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぐことができます。大量消費にもおすすめです。えのきの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます

オイル漬け(冷蔵で2週間)

オリーブオイルに漬けたえのき

根元を切り落とし食べやすい大きさにカットしたらさっと茹でます。粗熱が取れたら水けを拭き取り密閉容器に入れ、100mlのオリーブオイルと小さじ1弱の塩を加えフタをし、冷蔵庫で保存します。

オイル漬けしたえのきはそのまま炒め物やパスタなどに使用すると◎。

しょうゆ漬け(冷蔵で2週間)

醤油漬けにしたえのき

醤油に漬ける際もさっと茹でます。キッチンペーパーで水けをしっかりと取ってから密閉容器に入れ、醤油:酒:みりん=1:1:1で作った漬けダレをひたひたになるまで注ぎます。蓋をして冷蔵庫へ。

醤油漬けにしたえのきはそのまま食べると味が濃いので、炒めものなどに加えると◎。

えのきの作り置きレシピ

最後に、えのきの作り置きレシピをご紹介します。作り置きレシピはどれも冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

和風きのこマリネ

和風の味付けときのことの相性が抜群です。

てんさい糖を使うことで、まろやかな甘さに仕上がり、コクも増します。

同じ分量であれば、お好みのきのこで美味しくお召し上がりいただけます。

和風きのこマリネのレシピはこちら

えのきソテー

えのきを大きいままじっくりと焼き香ばしさをプラスしたえのきのソテーです。

このレシピではオリーブオイルを使っています。オリーブオイル中の脂肪酸の約70~80%はオレイン酸で、 オレイン酸には、善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールのみを減らす働きがあります。

えのきソテーのレシピはこちら

えのきの梅おかか和え

酸っぱくて美味しいひと品です。箸休めにもおすすめです。

梅には疲労回復やミネラル吸収の効果があるクエン酸が含まれています。

えのきの梅おかか和えのレシピはこちら