冷凍した大根がまずいと感じたことはありませんか?本記事では冷凍した大根がまずくなる理由やまずくなりにくい大根の冷凍のコツなどを解説します。
冷凍した大根がまずくなってしまうのは、冷凍することにより食感が変化してしまうためです。生の状態の大根はみずみずしくシャキシャキとした食感を楽しむことができますが、冷凍した大根はぶよぶよとした柔らかい食感になってしまいます。
冷凍することでシャキシャキとした食感が失われてしまう理由としては、冷凍することで大根の組織が壊れ大根に含まれる水分が流出してしまうためです。大根の水分が失われることで筋っぽく感じることもあります。
そのため、生のままサラダにしてシャキシャキとした食感を楽しむような食べ方は不向きであると言えます。
大根は冷凍すると食感が悪くなるから冷凍しない方が良いのかというと、そうではありません。大根を冷凍するメリットももちろんあります。
大根は丸ごと1本であれば、常温保存でも1〜2ヶ月ほど保存することができますが、いちょう切りなどにカットした大根は常温保存することができず、冷蔵庫に入れても2日〜3日しか日持ちしません。
冷凍保存であればカットした大根でも1ヶ月ほど保存しておくことが可能です。
上述したように、冷凍をすると大根の細胞が壊れます。大根の細胞が壊れて食感が柔らかくなってしまいますが、一方で味が染み込みやすくなるというメリットがあります。
そのため、煮物やおでんなどを作るときにはすぐに味が染み込むため時短にもなりますし、味の染み込んだ美味しい大根に仕上げることができます。
大根は冷凍しても栄養素に大きな変化はありません。
大根には、イソチオシアネートと呼ばれる成分が含まれています。イソチオシアネートは大根のツンとした辛味の元になっています。イソチオシアネートには、抗酸化作用があります。抗アレルギー効果もあると言われているので、花粉症予防の効果も期待できます。さらに、胃液の分泌を促し、腸の働きを助ける働きがあると言われています。
また、
アミラーゼ(別名ジアスターゼ)
プロテアーゼ
グリコシダーゼ
アミダーゼ
オキシダーゼ
カタラーゼ
ベルオキシダーゼ
などの消化酵素が含まれている他、ビタミンCやK、カリウム、食物繊維なども含まれています。
大根を冷凍するときは、皮を厚めに剥いておいた方が筋っぽくなりにくいです。なぜなら大根の皮には食物繊維が多く含まれているためです。
大根の皮にも栄養素が含まれているため皮は剥かずに調理をすることもできますが、大根を冷凍したときの筋っぽさが気になる方は皮を厚めに剥いておくと良いでしょう。
ちなみに、大根を冷凍する際に剥いた皮も冷凍保存が可能です。皮は千切りにして、冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れて冷凍庫に入れます。
使用する際は、凍ったまま味噌汁やスープなどに加えたり、きんぴらを作るのがおすすめです。大根の皮で作るきんぴらのレシピはこちらでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
大根は生のまま冷凍するよりも、一度茹でてから保存した方が食感も悪くなりづらく、変色しにくくなります。
冷凍する前に茹でたり蒸気を当てたりと必要最低限の加熱処理を行うことを「ブランチング」と言います。大根以外の野菜でも使える方法で、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
大根をブランチングするときは大根の皮を剥いて薄めのいちょう切りにし、固めに茹でます。粗熱が摂れたら水気をとり冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
生の状態の大根を冷凍するときは塩と砂糖をふっておくと、大根が筋っぽくならず、解凍後に味が染み込みやすくなります。
大根の皮を剥いてお好みの大きさ(細切りや輪切りなど)にし、冷凍用保存袋に入れます。そこに塩と砂糖をそれぞれ少々ふって袋ごと揉んでなじませて、冷凍庫に入れます。
大根は、出汁で煮てから煮汁ごと冷凍をすると細胞が壊れにくく、歯ごたえが残りやすいです。
1cmほどの輪切りにし鍋に入れ、ひたひたになるくらいのだし汁を加えます。そこに昆布1枚(5cmほど)を入れ15〜20分ほど煮ます。粗熱が取れたら、だし汁ごと保存袋に入れ冷凍します。
大根はすりおろして使うことも多いですよね。冷凍をした大根は食感が悪くなるため生食には不向きですが、すりおろしてから冷凍し、大根おろしとして使えば食感の悪さも気にならなくなります。
すりおろして冷凍するときは大根の土などの汚れを落とし、皮つきのまますりおろします。軽く水けをきって冷凍用保存袋に平らになるように入れて冷凍庫へ。
保存袋以外に、製氷器やアルミカップに入れて冷凍するのも◎です。大根おろしとして食べる場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。
ブランチングした後などに、びちょびちょのまま冷凍してしまうと余分な水分まで凍ってしまい、調理をするときにべちょべちょになってしまいます。そのため、大根の水けはしっかりととってからポリ袋に入れましょう。
すりおろして冷凍する場合も手で水けを絞ってから冷凍した方が、水っぽくなってしまうことを防ぐことができます。
冷凍する大根をポリ袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉しましょう。しっかりと空気を抜いておくことで、大根が空気に触れて酸化が起こり変色することを防いだり、味が落ちてしまうのを防ぐことができます。
大根に限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をした方が旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。特にすりおろしてから冷凍する場合は、水分が多いので短時間で凍らせるのがポイントです。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
また、冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いた方が早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍した大根は冷蔵庫に移して自然解凍することができます。
すりおろした大根や、冷凍した大根を漬物にしたい場合などは、自然解凍が適しています。自然解凍して出てきた水分をキッチンペーパーなどで拭き取れば、それだけで漬物のような食感になるのでそのまま浅漬けにすることができます。
冷凍した大根は流水解凍することもできます。
流水解凍とは冷凍した食材を水をためたボウルに入れて、水を流しながら解凍していく方法です。冷凍庫から取り出したら、そのまま水をためたボウルに入れて、水を流すだけです。
自然解凍より早く解凍できるので、すりおろした大根をすぐに使いたい場合などに適しています。
しかし、自然解凍より水が出やすくなります。時間があるときはやはり自然解凍がおすすめです。
冷凍した大根は、凍ったまま調理に使用することができます。
もちろん解凍してから使うこともできますが、全解凍してしまうと大根の水分が流れ出てしまい食感や味が悪くなってしまいます。さらに、ビタミンCなどの水溶性の栄養も流出してしまいます。
そのため、冷凍した大根は解凍せずに直接料理に使うのがおすすめです。
それではどんな料理におすすめなのが、次に紹介していきます。
冷凍した大根は、そのまま味噌汁やスープに入れるのがおすすめです。味噌汁やスープなどの汁物であれば、柔らかくなってしまった食感も気になりません。また、汁物であれば流れ出てしまうビタミンCなどの水溶性の栄養素もしっかりと摂取することができます。
冷凍した大根は上述したように、味が染み込みやすい状態なので煮物にするのもおすすめです。大根を煮物にするときには下茹でをする方も多いかと思いますが、冷凍した大根であればそのまま入れることができるので時短になります。
生の大根を使うときとはやはり食感は変わってしまいますが、冷凍した大根は炒めものの具材として使うこともできます。味が染み込みやすい状態なので、さっと炒めただけでもしっかりと味がしみこんだ美味しい炒めものに仕上がります。
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