冬に旬を迎える春菊は、乾燥に弱いため正しく保存しないとすぐに傷んでしまいます。春菊の冷蔵保存のポイントは、キッチンペーパーなどに包んで保存するか、水に挿して保存することです。また春菊は冷蔵保存以外に冷凍や乾燥、漬けで保存することも可能です。春菊の保存方法と保存期間をご紹介していきます。
春菊は乾燥に弱い野菜です。保存の最適温度は0℃、湿度は95〜100%といわれています。すぐに食べる場合でも常温での保存は避けるべきです。
春菊を袋からだしてそのままの状態で保存するのもNG。保存の際は必ずポリ袋や保存袋に入れるようにしましょう。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
春菊の中には、すでに葉が傷んでいるものが含まれていることがあります。その場合は、春菊を保存する前に、傷んでいる葉を取り除くようにしてください。葉全体が傷みやすくなってしまいます。
春菊は農薬が残りやすい食材なので、保存する前(特に冷蔵、乾燥、漬け)はしっかりと水洗いをするのもポイントです。
ボウルに水を張って春菊を浸け、水を流しながら5分ほど浸けます。その後、キッチンペーパーでしっかりと水けを取ります。水けが残っていると傷みやすくなってしまうためです。
農薬や汚れなどが心配な方は、野菜用の洗剤を使って水洗いするのもおすすめです。
春菊は香りや風味が強いので、アク抜きが必要と思っている方もいらっしゃいますが、アクの原因であるシュウ酸の含有量は微量なので、アク抜きは必須ではありません。
保存前に下茹ですることで、色や食感、風味の劣化を抑えることが可能ですが、茹ですぎには注意が必要です。春菊に含まれる水溶性の成分が流れ出てしまい、摂取できる栄養素が減ってしまいます。
水溶性成分にはビタミンCやビタミンB群、ミネラルなどがあります。春菊に含まれるビタミンCは、茹でることで約1/4に、カリウムは約半分にまで減少してしまいます。
そのため、下茹でをする際はさっと30秒ほど茹でる程度にしましょう。
出典:食品成分データベース(文部科学省)
春菊は水分が抜けてしおれやすい食材ですが、水に浸けることで葉がピンと復活します。
春菊を30分ほど水に浸けておくだけでOK。水を入れたコップに春菊の根元だけを浸けるだけでも◎。これだけでシャキシャキとした食感になるので、特に生のままサラダに使うときはおすすめです。
なお、水ではなく温水につける方法もあります。春菊のような葉野菜は、水温が高い方がより早く吸水する性質があります。35℃程度のぬるま湯に浸ければ、水に浸けるよりも早く復活させることができます。
出典:葉菜類の水浸漬による鮮度回復
当たり前ですが、新鮮な春菊を購入し保存する方が、より長く美味しく保存することができます。新鮮な春菊には下記のような特徴があります。
葉の色が濃く鮮やか
葉にハリがある
茎がしっかりしている(ただし太すぎるものは避ける)
茎の切り口の断面がみずみずしい
香りが強い
鮮度がおちた春菊の葉は黄色っぽく変色していたり、茎が白くなっています。
まずはじめに、春菊の冷蔵保存の方法をご紹介します。すぐに食べる場合でも常温での保存は避け、冷蔵庫で保存するようにしましょう。
春菊を購入した時の袋から取り出し、湿らせたキッチンペーパーを根元に巻きます(乾燥防止)。葉の部分は乾いたキッチンペーパーを巻きます。根元を下にしてポリ袋に入れ口を軽く閉じ、野菜室で立てて保存します。コップやペットボトルなどに入れるとしっかりと立てることが可能です。
春菊だけに限らず野菜全般にいれることですが、野菜が育った環境で保存することが、鮮度を保つポイントになります。横にして保存すると、余計なストレスがかかって鮮度が落ちてしまうことがあります。
春菊をこのように冷蔵保存すると、5〜7日ほど日持ちします。
乾燥しやすい春菊は、水に挿して保存しても◎。
コップやペットボトルなどに水を入れ、春菊の茎の部分を水につけます。葉に水分が付着すると傷みやすくなりますので、水の入れすぎには注意しましょう。ポリ袋を被せて輪ゴムで止め、冷蔵庫で保存します。
水は毎日取り替えることをおすすめします。水に挿して冷蔵保存すると10日ほど日持ちします。
予め茹でてから冷蔵保存することもできます。
春菊をさっと茹で、粗熱が取れたら水けをしっかりと絞り適当な大きさにカットします。カットするとさらに水分が出るので再度手で絞ります。保存容器に入れて蓋をして冷蔵庫で保存しましょう。
茹でた春菊は傷みが早いので、2〜3日以内に食べ切るようにしましょう。
春菊は冷凍でも保存することができます。冷凍保存では約1ヶ月ほど日持ちします。春菊を長く保存したい場合におすすめです。
時間がない時は生のまま冷凍しましょう。手軽な冷凍方法ではありますが黒っぽく変色したり、苦味が出やすいのが懸念点。
さっと水洗いした春菊の水けをキッチンペーパーで拭き取り、使いやすい長さ(4〜5cm)にカットして冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れます。茎の部分も一緒に保存してOKです。空気を抜いて密封したら冷凍室へ。
凍ったまま料理に使用してOKです。炒めものやスープの具材として◎。前日もしくは半日前に冷蔵庫に移して自然解凍すればおひたしや和え物に。
茹でてから冷凍すれば、調理時間が短縮されるので◎。手間はかかりますが、茹でてから冷凍する方が味や食感、色の劣化が少ないです。かために茹でるのがポイントです。
春菊をさっと塩ゆでして冷水にさらし、しっかりと水けを絞ります。使いやすい長さ(4〜5cm)に切ったら小分けにしラップで包み冷凍用保存袋に入れます。
春菊のジェノベーゼソースを作って冷凍すれば、解凍後パスタや炒め物などに使えて便利です。
春菊のジェノベーゼソースの作り方はこちらでご紹介しています。
春菊は乾燥させてから保存するのもおすすめです。乾燥させることで香りや味が濃くなり、また旨みもアップします。乾燥した春菊は常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。太陽光を浴びることで食材の栄養価はアップします。
春菊を水洗いしさっと塩ゆでします。ザルにあげて冷めたら水けを絞り、食べやすい大きさにカットします。カットした春菊をザルに広げて2〜3日ほど天日干しします。
天日干しする時間帯は午前10時から午後3時がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に春菊を並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りない場合はさらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に春菊を並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジによる乾燥は、葉が焦げたり燃えたりする場合があるので、注意しながら乾燥させましょう。
春菊をオイルや塩などに浸けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぐことができます。大量消費にもおすすめです。春菊の漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
春菊を4〜5cmほどの長さにカットし保存容器に入れます。100mlのオリーブオイルと小さじ1弱の塩を加えフタをし、冷蔵庫で保存します。
オイル漬けした春菊はそのまま炒め物やパスタなどに使用すると◎。オイルにも春菊の香りが移るので、料理などに活用できます。
ちなみにオイル漬けにする際は事前に茹でてから漬けても良いです。
塩漬けにする場合は長いまま保存します。保存袋に春菊を入れ、春菊の重量の3〜5%の塩を加え全体になじませてから冷蔵庫で保存します。
1〜3%の塩を加えれば浅漬けになり、10〜15%の塩を加えればさらに長く保存することが可能です。
保存用なのでそのまま食べると味が濃いです。水洗いして塩けを取り、炒めものなどに使用しましょう。
最後に、春菊の作り置きレシピをご紹介します。作り置きレシピは冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
練りごまとすりごま、2種類のごまを使うことで風味豊かに仕上げたひと品です。
ごまには強い抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。
茎の部分は40秒を目安に茹で、葉の部分は加熱しすぎないようにしましょう。香りがとび、苦味が強まります。
春菊のごまあえのレシピはこちら
マヨネーズにマイルドな辛さをプラスした和え物です。
こちらのレシピでも春菊はさっと茹でるのがポイントです。
春菊の粒マスタードあえのレシピはこちら
シンプルな味付けで美味しく仕上げたひと品です。副菜や箸休めとしてお楽しみください。
こちらのレシピでも春菊はさっと茹でるのがポイントです。
春菊のナムルのレシピはこちら
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