秋から冬にかけて旬を迎える里芋は、常温でも1ヶ月ほど保存することができます。ただし暖房などで室温が高くなっている場合は、寒い時期でも冷蔵庫での保存がおすすめです。今回は里芋の保存方法と保存期間を詳しく解説していきます。里芋を使ったおすすめの作り置きレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
里芋は他の野菜と比べると寒さや乾燥に弱いです。里芋の保存最適温度は7〜10℃、湿度は85〜90%と言われています。5℃以下の環境では低温障害を起こしやすくなり、傷んでしまいます。また、里芋は乾燥にも弱く、湿度が保たれない環境で保存すると内部の水分が飛んでしまい、食感や味、栄養が劣ってしまいます。
上記の理由から、里芋の保存方法として一番理想的なのは常温で保存することです。里芋は秋から冬にかけて旬を迎える食材です。日本の秋や冬の室温は里芋にとっては最適と言えます。また、新聞紙などに包むことで乾燥から守ることもできます。ただし秋や冬でも暖房器具などを使って室温が高くなってしまう場合や、夏場などに保存する場合は冷蔵庫での保存がおすすめ。その際は設定温度が高めに設定されている野菜室で保存するようにしましょう。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
里芋を購入する際は、なるべく泥付きのものを選ぶのが◎。土が付着していることで乾燥を防いでくれることが期待できます。保存する際も泥が付いた状態の方がより長く鮮度を保って保存することが可能になります。泥を洗い流してから保存すると、皮に残った水分によってカビが発生する恐れがあります。すでに洗ってある里芋を保存する場合は、軽く天日干しをしてしっかりと乾燥させてから保存するようにしましょう。
ただし、里芋に付着している泥には残留農薬がある可能性があります。そのため食べる前には必ず水洗いをするようにしましょう。
里芋にはぬめりがあって、皮を剥くのに一苦労しますよね。電子レンジを使えば簡単に皮剥きができます。
里芋の皮に浅めの切り込みを一周入れ、耐熱皿に並べます。水を一回しかけ、ふんわりとラップをします。里芋5個で電子レンジ(600W)4〜5分を目安に加熱します。火が通ったらキッチンペーパーなどに持ち、手で皮を剥きます。手が痒くなることもなく、薄く皮が剥けるので無駄もありません。
里芋の皮を剥く時に手がかゆくなるのはなぜ?
里芋の皮を剥く際、手がかゆくなることがあります。これは里芋に微量に含まれるシュウ酸という成分によるものだと考えられています。シュウ酸が皮膚を刺激することがかゆみが出ます。シュウ酸はいわゆる「アク」とよばれる成分で、栄養素というよりも老廃物です。シュウ酸は水溶性などで茹でることで大半を減らすことができます。
そもそも、里芋のぬめりの正体は何かご存知ですか?里芋の独特のぬめりは「ガラクタン」という成分によるものです。ガラクタンには免疫力向上作用があるとされています。
ぬめりを取るために効果的な下処理は、塩でもみ洗いすることです。皮を剥いた里芋に塩を適量ふり手で揉み込みます。水で洗い流せばぬめりが取れます。ぬめりが取れることで中まで熱が通りやすくなりますし、味が染み込みやすくなります。またふきこぼれを防ぐこともできます。
当たり前ですが、新鮮な里芋を購入する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮な里芋には下記のような特徴がありますので、スーパーなどで購入する際にぜひ参考にしてください。
ふっくらと丸みをおびている
押した時に実が固くずっしりと重い
表面に泥が付いていて湿っている
はっきりとしたしま模様が均等に入っている
皮の表面が乾燥していたり、傷やひび割れがある里芋は傷んでしまっている可能性があるので、避けるか購入した場合は傷んでいる部分を切り落としてなるべく早く食べるようにしましょう。
里芋は常温での保存が可能です。直射日光が当たらない風通しのよい場所(玄関、廊下など)で保存しましょう。里芋を常温保存した場合は約1ヶ月ほど保存することができます。
泥がついた状態で(泥が洗い流されている場合はしっかり乾燥させてから)1個ずつ新聞紙で包みます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーでもOKです。新聞紙やキッチンペーパーが里芋を乾燥から守り、かつ湿気を吸収する役割を果たしてくれます。
里芋を紙袋に入れ、口を軽く折って常温で保存します。紙袋の方が風通しがよく、湿度を吸収するため常温での保存には◎。ポリ袋などは風を通しにくいので、水分が溜まって傷みの原因になりかねませんので避けましょう。
旬の時期に里芋をまとめて購入した場合は、ダンボールに入れて常温保存します。ダンボールの底に新聞紙を敷き、その上に里芋を並べ、里芋の上から新聞紙を被せます。新聞紙で里芋を挟むことで乾燥を防ぎ、湿度を吸収することが期待できます。
ダンボールの蓋は完全に閉じる必要はありません。通気性が悪くなってしまいます。また、ダンボールの代わりに発泡スチロールに入れて保存するのもOKです。
里芋を常温で保存する際、土に埋めておくという方法もあります。土に埋めて保存する方が、より長く保存することができ、約2ヶ月ほど日持ちします。
30〜40cmほどの深さの穴を掘り、そこに里芋を入れ土を被せて保存します。土の中では温度や湿度が一定に保たれるので◎。プランターでも保存可能なので、ベランダなどでも保存が可能です。
気温が高い時期は冷蔵保存がおすすめです。泥付きの里芋は2〜3週間、泥が洗い流されている里芋は1週間ほど保存が可能です。最近のスーパーで販売されている里芋は泥が洗われているものが多いです。
冷蔵温度が高めに設定されている野菜室での保存が◎。
皮ごと保存する場合は常温保存の方が日持ちします。調理の準備のために皮を剥いた場合は常温保存できませんので、冷蔵保存しましょう。
冷蔵保存時は、低温障害を防ぐために里芋を1個ずつ新聞紙もしくはキッチンペーパーに包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じ、野菜室で保存します。
泥が洗い流されている里芋を冷蔵保存する際は、水分が残っていることで里芋が傷みやすくなるため、天日干しなどをして表面をよく乾かしてから保存するようにしましょう。
新聞紙やキッチンペーパーが湿ったら取り替えるようにしましょう。
料理で使いきれなかった里芋は、水に浸して冷蔵保存します。
皮を剥いた里芋を3〜5分ほど酢水につけ変色を防ぎます。密封保存容器に里芋を入れ、かぶるくらいの水を加えて蓋をして冷蔵保存します。
皮を剥いた里芋は傷みが早いので、2〜3日を目安に食べきるようにしましょう。
火を通した里芋も冷蔵保存することができます。予め茹でておくとすぐに調理に使えて便利です。
冷蔵保存する際は茹でた里芋を冷ましてから保存容器に入れ、蓋をして保存します。皮を剥いた里芋と同様に2〜3日以内に食べきるようにしましょう。
里芋をより長く(冷蔵と比べて)したい場合は、冷凍保存がおすすめです。里芋を冷凍保存する場合の保存期間目安は約1ヶ月です。
一番手軽な冷凍保存の方法は、皮付きのまま丸ごと冷凍する方法です。泥を洗い流し、キッチンペーパーで水けをしっかりと拭き取ります。1個ずつ(小さい里芋は2〜3個ずつ)ラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。ラップで包むことで霜がつくのを防ぎ、また解凍時にそのまま電子レンジで加熱することが可能です。
丸ごと冷凍する際は、凍るまでに時間がかかってしまうので、冷蔵庫の急速冷凍機能を使ったり、金属トレイにのせて冷凍することをおすすめします。
実は里芋は皮ごと食べることができるのです!素揚げしたり、グリルやオーブンでじっくり焼いて食べると美味しいですよ。
丸ごと冷凍した里芋の解凍方法は主に2つです。ラップに包んだまま電子レンジで2分(600W)加熱します。皮を剥く場合は、ラップから取り出し水に2〜3分ほど浸け、皮が柔らかくなったら手で剥きます。流水にあてながらだと、簡単に皮を剥くことができます。
冷凍する前に皮を剥いておけば、調理時の下ごしらえの時間が省けて◎。
皮を剥いた里芋を軽く塩もみしてぬめりを取ります。水洗いをしてキッチンペーパーで水けを拭き取り、冷凍用保存袋に入れて保存します。
冷凍室の急速冷凍機能を使う+金属トレイにのせて冷凍させることで、より短時間で冷凍できます。
皮を剥いて丸ごと冷凍した里芋は、凍ったまま調理に使用してOKです。
皮を剥いた里芋をカットしてから冷凍保存する方法もあります。料理に合わせてお好みの大きさにカットして保存します。
皮を剥いた里芋を軽く塩もみし水洗いをします。キッチンペーパーで水けを拭き取り、輪切りなど料理に合わせてカットし、冷凍用保存袋に並べて保存します。輪切り以外には乱切りや半月切り、六方むきなどがあります。
カットして冷凍したのを煮物などに使う場合は、解凍せず凍ったまま使用します。急ぎの場合は電子レンジを使って解凍してもOKです。
下処理に時間は要しますが、調理時の時間が短縮されるので◎。煮たり、味付けをしてから冷凍する方法をご紹介します。
里芋をかために茹でて(基本の茹で方は下記参照)粗熱を取り、冷めたら冷凍用保存袋に入れて密封し冷凍室へ。
しっかりと冷めたことを確認してから冷凍するようにしましょう。解凍方法は、煮物などに使う場合は解凍不要で凍ったまま使用します。電子レンジで解凍してもOKです。
また、茹でる以外には電子レンジを使って火を通す方法もあります。
里芋の茹で方【基本】
1.里芋を水でよく洗い土をしっかり落とす
2.里芋の皮を厚めに剥く
3.ボウルに里芋と塩(適量)を入れ揉み込み、ぬめりを取る
4.大きい里芋は一口大にカットする
4.沸騰した湯(お米のとぎ汁ならさらに◎)で竹串がさっと通るまで茹でる
5.火が通ったら水で洗い流してぬめりを取る
里芋10個(約500g)の皮を剥き、だし汁1カップとめんつゆ大さじ2で竹串が通るまで煮ます。煮終わったら粗熱を取り、冷めたら煮汁ごと冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。
味を付けて冷凍した里芋は、煮物や炒め物などに使用すると◎。凍ったまま使用してOKです。
里芋を潰してから冷凍する方法も。
茹でた里芋を熱いうちに潰し、冷めたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ冷凍室で保存します。
マッシュした里芋は、コロッケやグラタンなどに使用できます。解凍方法は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、電子レンジで2〜3分(600W)で加熱して解凍します。
里芋は乾燥させてから保存することもできます。乾燥させた里芋は常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥させたら密閉容器や密閉袋に入れて常温もしくは冷蔵で保存します。
乾燥させた里芋は煮物や汁物に加えて使用しましょう。
皮を剥いて輪切り(いちょう切りや角切りなども◎)にし、水にさらして水けをしっかり拭き取ります。ザルに重ならないように並べて3日ほど干して完成。途中で上下を返すことで均一に水分が抜けやすくなります。
天日干しには晴天の午前10時から午後3時がおすすめです。
天日干しができない場合はオーブンで水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にカットした里芋を並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようなら、さらに加熱するようにしましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にカットした里芋を並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジで乾燥させる場合は、里芋が焦げないようにこまめに確認するようにしてください。
最後に里芋の作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
明太子と里芋の相性はバツグン。もう一品ほしいときの簡単副菜としておすすめです。
このレシピでは豆乳マヨネーズ(卵不使用)を使用しています。従来のマヨネーズと比べるとあっさりした味わいです。
里芋は熱いうちに潰しましょう。
里芋の明太マヨのレシピはこちら
ねっとりとした食感が美味しい里いもの定番煮物料理です。
このレシピでは、てんさい糖を使って甘みをつけています。てんさい糖を使うことでまろやかな甘さに仕上がり、コクも増します。
里芋は茹でる前に塩もみしぬめりを取ることで味が染み込みやすくなります。
里芋の煮物のレシピはこちら
里いもの柔らかな食感と、ひき肉のホロホロとした口当たりがおいしいひと皿です。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。メープルシロップは、カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
大きい里いもはひと口大に切りましょう。
里芋のそぼろ煮のレシピはこちら
Most Popular
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
スナップエンドウは食べ過ぎNG?太る?1日の摂取目安量は?
食品事典
変色した長ネギは食べられる?原因と対処法を色別に解説
食品事典
ふきの下ごしらえ(茹で方・皮の剥き方・アク抜き)の方法を解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
うるいの保存方法と期間。常温・冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典
玉ねぎにカビが!食べて大丈夫?色別の種類と対処法も解説
食品事典
ほうれん草から黒い汁が出る原因と対処法。食べても大丈夫?
食品事典
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
こごみの保存方法と期限。冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典