Fily Kindle
  1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. ほうれん草の美容効果|肌にいい?女性に嬉しい栄養素とは?

ほうれん草の美容効果|肌にいい?女性に嬉しい栄養素とは?

公開日

更新日

ほうれん草の美容効果|肌にいい?女性に嬉しい栄養素とは?

ほうれん草には美肌やアンチエイジングの効果は見込めるのでしょうか?本記事では、ほうれん草の美容効果について詳しく解説していきます。

ほうれん草の美容効果が期待できる栄養素

β-カロテンは粘膜を健康にする

皮膚や粘膜を健康にする

β-カロテンは、体内で必要量がビタミンAに変換されます。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。

ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜を正常に保つ働きがあります。肌の細胞の形成にも必要なビタミンで、肌のターンオーバーを促進します。正常化させ、乾燥肌やニキビ肌の改善が期待できます。ターンオーバーが正常化させることで、古い角質や毛穴の老廃物が排出され、シミやそばかす、くすみが改善され、ニキビ予防にも繋がります。また紫外線によりダメージを受けた肌細胞の修復と、紫外線の防御の効果もあります。

アンチエイジング

体内でビタミンAに変わったβ-カロテンは、体内で活性酸素の働きを抑え、活性酸素を取り除く抗酸化作用があり、体内の老化を防ぎます。ビタミンAは肌に限らず身体全体のアンチエイジングに関わります。

葉酸は造血ビタミン

肌のターンオーバーを促す

葉酸は新しい細胞が合成されるとき、細胞の遺伝子情報が詰まっているDNAの合成するのをサポートします。新しい細胞を合成するには、DNAを正確にコピーして分裂することが必要です。葉酸が関わり正しくDNAをコピー、分裂することで、正常な細胞が生まれ、新陳代謝や成長が達成できます。細胞増殖が盛んな胎児の発育に不可欠なため、妊娠の可能性がある方や妊婦にとって大変重要とされます。

葉酸には新陳代謝を高める作用があることから、年齢を重ねるごとに衰えがちな肌のターンオーバーを促進し、紫外線などでダメージを受けた皮膚を健康的な肌状態へと導いてくれる効果があります。

造血作用を促す

葉酸はビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。

この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。

ビタミンCは様々な作用が

コラーゲンの合成に必要不可欠

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。

アンチエイジング

ビタミンCは強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。

さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。

メラニン色素の生成の抑制

日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。

多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。

ビタミンEは強い抗酸化作用

アンチエイジング

ビタミンEには強い抗酸化作用があります。

細胞膜にはビタミンEや不飽和脂肪酸が存在しています。不飽和脂肪酸は酸化されると過酸化脂質になり、細胞を破壊します。ビタミンEは自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成を抑えます。この働きは老化の予防につながるといわれています。

悪玉コレステロールを下げる

ビタミンEは血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化も抑える働きがあり、酸化によって進行する動脈硬化の予防にも役立つといわれています。

血行をよくし若々しい肌に

ビタミンEには末梢血管を拡張させて血行をよくする働きもあります。血行障害によって起こる肩こりや冷え性などを防ぎます。血行がよくなると肌も明るくなり、若々しい見た目になります。

カリウムはむくみ防止

カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。

食物繊維は腸内環境を整える

食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあります。

鉄は貧血予防

代謝のサポート

鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきてしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。代謝が悪くなると痩せにくくなったり、肌荒れの原因となります。

ほうれん草に含まれるのは植物性の非ヘム鉄で、吸収率が低くなっています。動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。

貧血予防

また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまい、自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。他にも鉄が欠乏して貧血になると、酸素が不足し細胞の働きが落ちるのでエネルギーの産生が悪くなり、皮膚などの生成や代謝が悪くなります。鉄分が不足すると顔色が悪くなったり化粧ノリが悪くなることも。

ルテインには美肌効果が

ルテインは、目に良い成分として有名です。紫外線やブルーライトから目を守るので天然のサングラスとも呼ばれています。そんなルテインですが、目だけでなく皮膚にも含まれており、酸化や光のダメージから肌を守ってくれるので、美肌効果が期待できます。ルテインは肌を守ろうとすると消費されてしまうので、体内にしっかりと補うことが必要です。それによって目だけでなく肌の老化を防ぐことができます。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

ほうれん草の三大栄養素

ほうれん草の三大栄養素は?

可食部100gあたり

  • エネルギー...18kcal

  • 水分...92.4g

  • たんぱく質...2.2g

  • 炭水化物...3.1g

  • 脂質...0.4g

  • 食物繊維...2.8g

糖質(炭水化物から食物繊維を引いた値)は0.3gと、かなり低くなっています。

他の野菜と比べると?

  • 小松菜:糖質0.5g、13kcal

  • トマト:糖質3.7g、20kcal

  • ピーマン:糖質2.8g、20kcla

  • じゃがいも:糖質8.4g、59kcal

  • 西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal

です。野菜の中で糖質もカロリーも低いことがわかります。

ちなみにごはん(白米)の糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり51.9gで550kcalにもなります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ほうれん草の美容効果に関する知識

冬に収穫されたほうれん草はビタミンCが3倍

ほうれん草は、冬に収穫されたものの方が栄養価が高くなります。これは、冬が旬であることに由来しています。旬の時期に栽培されたものは、ハウス栽培ではなく露地栽培されるので、太陽に当たる時間が長くなります。その結果、光合成によってビタミンCの含有量が多くなります。

ちなみに、冬のほうれん草は肉厚で苦味が少なく、甘みが増すのでとてもおいしいです。やはり、野菜は旬の時期のものがおいしいんですよね。

常温保存だとビタミンCが1日で60%減

ほうれん草は、常温保存だとビタミンCが60%も減ってしまいます。
なので、鮮度が高いうちにアク抜きをして、冷凍保存がおすすめです。ちなみに葉先と根本で栄養素が変わるので、冷凍をして小分けに使う場合は1回で使う分の中に葉先と根本の両方が含まれるようにしましょう。

ほうれん草のビタミンは葉先に多い

ほうれん草の生長点は葉先なので、ビタミンなどは葉先にたっぷりと含まれています。
ビタミンが多いほうれん草は色が濃くなるので、買い物をする際はほうれん草の葉先の色が濃いものを選ぶようにしましょう。

根本の赤い部分にはマンガンが豊富

根本の赤い部分には、貧血を防ぐ鉄分や骨を作るマンガンが多く含まれています。他にもポリフェノールも入っているので捨てずにしっかり洗って使いましょう。茎よりも栄養素が豊富です。また、根本は栄養と一緒に甘みも蓄えています。

低温蒸しでビタミンCが2倍増◎

ほうれん草のビタミンCは失われやすいんです。ここで、1番いいのが40〜50℃の低温蒸しがおすすめなんです。ほうれん草は環境のストレスを受けると、自分の身を守ろうと栄養や糖を蓄えようという働きがあります。低温でじっくり熱を加えることはほうれん草にとって適度なストレスとなり、ビタミンCが2倍にアップします。この低温蒸しの方法はそれぞれ適した温度は変わりますが、他の野菜でも効果があります。

茹でる前に切るのはNG

ビタミンCは水溶性の栄養素なので、水に溶けだしてしまいます。葉を切ってから茹でると、切り口からどんどんビタミンCが流れて出てしまうので、茹でる前には切らないようにしましょう。

シュウ酸が多く含まれているので生食は注意

ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれています。いわゆるえぐみの正体がこのシュウ酸です。

シュウ酸は栄養素というよりも老廃物です。人体での合成量は微量で、ほとんどが食物から摂取されています。結石の原因になるので摂り過ぎには注意する必要がありますが、相当量摂取しない限りは過剰症にはならず、健康上の問題はあまりないとされています。

ただ、シュウ酸は水溶性であるため、茹でることで大半を減らすことができます。茹でると3分の1〜2分の1が消失します。

ほうれん草の効果的な調理法・食べ方

油で炒めてビタミンAの吸収UP!

ほうれん草に含まれている「ビタミンA」は脂溶性なので、油脂と相性が良く、吸収を促進してくれます。例えば、にんにくと油で炒め物にしたり、マヨネーズや胡麻で和えて食べるなど工夫して食べてみましょう。食べすぎてしまうと、油をとりすぎてしまいニキビや肥満の原因になりますので、注意しましょう。

たんぱく質と一緒に摂ることで美肌効果アップ

前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。ほうれん草にはビタミンCも含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。

また、カルシウムはたんぱく質が豊富な食材と一緒に取ることで、筋肉の修復や合成を促進しやすくなります。豚肉の薄切り肉で巻いて焼く、鶏ひき肉と一緒に炒め煮にする、などがおすすめです。

クエン酸と

クエン酸は小腸からのカルシウム吸収促進作用をアップしてくれます。クエン酸はカルシウムを溶けやすい形に変える作用がありますが、これを「キレート作用」といいます。

クエン酸は食べると酸っぱいと感じる酸味の成分で、レモンに多く含まれていることで有名です。他にも梅干しやオレンジ、酢などにも含まれます。

レモンに含まれるビタミンCは、ほうれん草に豊富に含まれる鉄の吸収の促進作用もあります。

ビタミンEと

β-カロテン(ビタミンA)とビタミンCが豊富なほうれん草にビタミンEを組み合わせることで、抗酸化作用の効果がアップします。

ビタミンA・C・Eの3つはビタミンエースと呼ばれており、抗酸化三大ビタミンです。免疫力が高まり、サビついた細胞の修復を助けてくれます。ビタミンEが豊富な食材には、アーモンドや落花生、ヘーゼルナッツなどのナッツ類があります。他にもかぼちゃやさつまいもにもビタミンEは含まれます。

ほうれん草おすすめレシピ

Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

ささみとほうれん草のごま和え

ささみにはたんぱく質が豊富に含まれています。ほうれん草のビタミンCと一緒に摂取することで、コラーゲンの生成が期待できます。さらにたんぱく質はカルシウムの吸収率のアップも期待できます。

また白ごまに含まれるセサミンは抗酸化作用が強いので、老化予防や動脈硬化予防などが期待できます。

ささみとほうれん草のごま和えのレシピはこちら

ほうれん草のくるみみそ

シンプルで簡単なほうれん草のレシピです。

ナッツ類にはビタミンEが含まれています。上述したようにビタミンエース(A・C・E)は抗酸化作用が強く、一緒に食べることをおすすめします。

さらに味噌にはアミノ酸やビタミンなどが豊富に含まれています。

ほうれん草のくるみみそのレシピはこちら

ほうれん草のスパニッシュオムレツ

スパニッシュオムレツとは、フライパンで平らに丸く焼くオムレツを指します。満足感の高い一品です。

また、トマトにはクエン酸が含まれていますので、小腸からのカルシウム吸収促進作用をアップしてくれます。

ほうれん草のスパニッシュオムレツのレシピはこちら