栄養価の高いことで知られる小松菜ですが、どんな美容効果が期待できるのでしょうか?小松菜から期待できる美肌やアンチエイジング効果などについて解説していきます。
鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。代謝が悪くなると痩せにくくなったり、肌荒れの原因となります。
小松菜に含まれるのは植物性の非ヘム鉄で、吸収率が低くなっています。動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。
β-カロテンは、体内で必要量がビタミンAに変換されます。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。
ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜を正常に保つ働きがあります。肌の細胞の形成にも必要なビタミンで、肌のターンオーバーを促進します。正常化させ、乾燥肌やニキビ肌の改善が期待できます。ターンオーバーが正常化させることで、古い角質や毛穴の老廃物が排出され、シミやそばかす、くすみが改善され、ニキビ予防にも繋がります。また紫外線によりダメージを受けた肌細胞の修復と、紫外線の防御の効果もあります。
体内でビタミンAに変わったβ-カロテンは、体内で活性酸素の働きを抑え、活性酸素を取り除く抗酸化作用があり、体内の老化を防ぎます。ビタミンAは肌に限らず身体全体のアンチエイジングに関わります。
葉酸は新しい細胞が合成されるとき、細胞の遺伝子情報が詰まっているDNAの合成するのをサポートします。新しい細胞を合成するには、DNAを正確にコピーして分裂することが必要です。葉酸が関わり正しくDNAをコピー、分裂することで、正常な細胞が生まれ、新陳代謝や成長が達成できます。細胞増殖が盛んな胎児の発育に不可欠なため、妊娠の可能性がある方や妊婦にとって大変重要とされます。
葉酸には新陳代謝を高める作用があることから、年齢を重ねるごとに衰えがちな肌のターンオーバーを促進し、紫外線などでダメージを受けた皮膚を健康的な肌状態へと導いてくれる効果があります。
葉酸はビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。
この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンCは強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。
日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。
ビタミンEには強い抗酸化作用があります。
細胞膜にはビタミンEや不飽和脂肪酸が存在しています。不飽和脂肪酸は酸化されると過酸化脂質になり、細胞を破壊します。ビタミンEは自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成を抑えます。この働きは老化の予防につながるといわれています。
ビタミンEは血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化も抑える働きがあり、酸化によって進行する動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
ビタミンEには末梢血管を拡張させて血行をよくする働きもあります。血行障害によって起こる肩こりや冷え性などを防ぎます。血行がよくなると肌も明るくなり、若々しい見た目になります。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあります。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
可食部100gあたり
エネルギー...13kcal
水分...94.1g
たんぱく質...1.5g
炭水化物...2.4g
脂質...0.2g
食物繊維...1.9g
です。
糖質(炭水化物から食物繊維を引いた値)は0.5gです。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
トマト:糖質3.7g、20kcal
ピーマン:糖質2.8g、20kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
です。小松菜は野菜の中でとても低糖質で低カロリーであることが分かります。
ちなみにごはん(白米)の糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり51.9gで550kcalにもなります。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
小松菜に含まれている「ビタミンA」は脂溶性なので、油脂と相性が良く、吸収を促進してくれます。例えば、にんにくと油で炒め物にしたり、マヨネーズや胡麻で和えて食べるなど工夫して食べてみましょう。ただし、油を摂り過ぎてしまうと、ニキビや肥満の原因になりますので、注意しましょう。
前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。小松菜にはビタミンCも含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。
また、カルシウムはたんぱく質が豊富な食材と一緒に取ることで、筋肉の修復や合成を促進しやすくなります。豚肉の薄切り肉で巻いて焼く、鶏ひき肉と一緒に炒め煮にする、などがおすすめです。
クエン酸には小腸からのカルシウム吸収促進作用をアップしてくれます。クエン酸はカルシウムを溶けやすい形に変える作用がありますが、これを「キレート作用」といいます。
クエン酸は食べると酸っぱいと感じる酸味の成分で、レモンに多く含まれていることで有名です。他にも梅干しやオレンジ、酢などにも含まれます。
レモンに含まれるビタミンCは、小松菜に豊富に含まれる鉄の吸収の促進作用もあります。
小松菜には多くのカルシウムが含まれているので、ビタミンDを多く含む食材と一緒に摂ると骨が鍛えられます。これは、ビタミンDが腸でのカルシウム吸収を促進させるからです。
ちなみにビタミンDを多く含む食材は魚類です。また肉類やきのこ類にも含まれています。魚の中でもまいわしや鮭、さんまに多く含まれています。
ちなみに、野菜を天日干しして、太陽の光を浴びることでもビタミンDが生成されます。
小松菜はアクの原因であるシュウ酸の含有量が少ないのがうれしい特徴です。小松菜と似ている野菜ほうれん草はシュウ酸が多いことで有名で、下茹でしなくては食べることができません。一方、小松菜は下茹でせずにそのまま調理に使うことができます。シュウ酸は結石の原因になるので摂り過ぎに注意する必要があります。
小松菜は茹でることで、ビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素が減少してしまいます。そのため、生で食べるか、茹で時間を短くする、スープなどにして流れ出た栄養も頂く、などの工夫をしましょう。レンジで加熱するのもおすすめです。
野菜は一般的に旬の方が栄養価が高いとされます。旬の時期にはハウス栽培ではなく露地栽培がされ太陽の多く当たることで、特にβ-カロテンやビタミンCの含有量が多くなります。
一方、小松菜は1年を通してハウス栽培をされているため、季節による栄養価の変化はほとんどないとされています。そのため、小松菜の旬は冬ですが、1年を通して食べるべき高栄養価の野菜といえます。
最後に小松菜のおすすめレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
汁ごと器に盛り付けて、小松菜の水溶性の栄養素であるビタミンCやカリウムも無駄なく頂きます。油揚げにはたんぱく質が含まれていて◎。
油揚げと小松菜の煮びたしのレシピはこちら
甘辛の味付けが小松菜と豚バラにからみ、ご飯が進みます。とっても簡単に作れる主菜レシピです。小松菜のビタミンCと豚肉のたんぱく質が組み合わさり◎。油で炒めることで小松菜のβ-カロテンやカルシウムの吸収率がアップします。
小松菜と豚バラの甘辛煮のレシピはこちら
小松菜の食感と、じゃこの風味が美味しいおにぎり。じゃこにも豊富にたんぱく質が含まれます。
じゃこと小松菜の玄米おにぎりのレシピはこちら
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