あまり栄養価の高いイメージのないもやしですが、美容効果は期待できるのでしょうか?もやしに含まれるどんな栄養素から、美肌やアンチエイジングの効果が期待できるのか解説していきます。
食事から摂取された糖質は、酵素の働きで分解されてエネルギーに変わります。この酵素を働かせるために必要な補酵素の役割をするのがビタミンB1です。日本人は昔から米を主食としているので、ビタミンB1が不足している人が多いです。ビタミンB1をしっかり摂取することで太りづらくなりダイエット効果が期待できます。
ビタミンB2は動物性食品に多いビタミンですが、植物性食品にもわずかに含まれています。ビタミンB2は炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の三大栄養の分解に働きます。特に脂質の代謝を助けます。そのため太りにくい身体づくりに効果が期待できます。ビタミンB2が不足すると、脂質が体内に蓄積されやすくなるため、太りやすくなり、ニキビが増える原因のひとつになります。
ビタミンB2は別名「発育のビタミン」ともよばれています。これはたんぱく質の合成を助けて、皮膚や髪、爪などの細胞の再生と新生をサポートするためです。
ビタミンB2は老化や生活習慣病の原因となる過酸化脂質を消去する働きにも関わりがあります。過酸化脂質とは、不飽和脂肪酸が活性酸素などにより酸化されてできる物質のことです。ビタミンB2は過酸化脂質を分解する酵素の働きを助けます。
葉酸は新しい細胞が合成されるとき、細胞の遺伝子情報が詰まっているDNAの合成するのをサポートします。新しい細胞を合成するには、DNAを正確にコピーして分裂することが必要です。葉酸が関わり正しくDNAをコピー、分裂することで、正常な細胞が生まれ、新陳代謝や成長が達成できます。細胞増殖が盛んな胎児の発育に不可欠なため、妊娠の可能性がある方や妊婦にとって大変重要とされます。
葉酸には新陳代謝を高める作用があることから、年齢を重ねるごとに衰えがちな肌のターンオーバーを促進し、紫外線などでダメージを受けた皮膚を健康的な肌状態へと導いてくれる効果があります。
葉酸はビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。
この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンCの強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。
日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
アスパラギン酸は非必須アミノ酸のひとつで、その名の通りアスパラガスから発見されたアミノ酸です。新陳代謝を活発にし角質の水分を保持してくれるので、肌の保湿効果もあります。そのため化粧品にも使われています。
また、アスパラギン酸はカリウムやマグネシウムを細胞に取り込みやすくし、クエン酸回路を円滑に回すことで乳酸をエネルギーに変換して、疲労回復の働きをしています。さらには人間の体液のバランスを整えたり、アンモニアを解毒して肝臓の負担を減らす働きもあります。肝臓が元気だと、代謝機能がアップしたり血中コレステロール値を調整するので、健康的な身体づくりに繋がります。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。
もやしの可食部100gあたり
エネルギー...29kcal
水分...91g
たんぱく質...3.7g
炭水化物...2.3g
脂質...1.5g
食物繊維...2.3g
です。糖質は0gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。
ピーマン:糖質2.8g、20kcal
トマト:糖質3.7g、20kcal
にんじん:糖質6.5g、35kcal
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
です。もやしは他の野菜と比べても、低糖質低カロリーであることが分かります。
ちなみにごはん(白米)の糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり51.9gで550kcalにもなります。
ビタミンCは熱に弱いので加熱料理をする際は手早くするようにしましょう。ただし、加熱するとかさが小さくなりたくさん食べられるメリットもあります。加熱方法としては、炒める・蒸す・レンジがおすすめです。
茹でる場合は、茹で時間を短くしましょう。水溶性の栄養素が水に溶け出してしまいます。もし茹でる場合はスープにして、流失したビタミンCも一緒に摂取できるようにするのがおすすめです。
価格が安くてたくさん食べられるのも嬉しい点ですので、栄養素をなるべく失わないように調理をしましょう。
前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。もやしにはビタミンCも豊富に含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。
また、カルシウムはたんぱく質が豊富な食材と一緒に取ることで、筋肉の修復や合成を促進しやすくなります。豚肉の薄切り肉で巻いて焼く、鶏ひき肉と一緒に炒め煮にする、などがおすすめです。
もやしに含まれるビタミンB1は、アリシンという栄養素と一緒に摂ると、吸収率がアップします。糖質の代謝をさらに促し、疲労回復が期待できます。アリシンが多く含まれる食品にはにんにくやねぎ、たまねぎなどがあります。もやしとにんにくを炒めるだけで簡単な副菜になるのでぜひお試しください。
もやしはカロリーが低いので、かさ増し食材としてダイエットに大変おすすめです。野菜炒めなどに多めにもやしを入れてかさ増しがおすすめです。
蒸したもやしを前菜として食べるのもおすすめです。先にもやしをたべることで、食事全体の量を抑えることができます。また、食前に食べることでもやしの食物繊維が血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
最後にもやしのおすすめレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
超簡単もやしレシピ!ふわふわ卵とシャキシャキもやしの食感の違いをお楽しみください。
もやしに含まれるビタミンCが、卵のたんぱく質をコラーゲンに変化させます。さらに、ビタミンCは卵に含まれる鉄の吸収率をアップさせます。
もやし卵炒めのレシピ
リーズナブルな食材でボリューミーなどんぶりに。やさしい味わいですがごま油がアクセントになり、ごはんが進みます。
もやしにないβ-カロテン(ビタミンA)が含まれていませんが、ニラには豊富に含まれます。β-カロテンは強い抗酸化作用があり、生活習慣病などの予防に役立つとされています。
もやしとニラのあんかけ丼のレシピ
豆もやし(大豆もやし)は普通のもやしより、大豆イソフラボン、葉酸、食物繊維が豊富です。大豆イソフラボンは、更年期障害の予防や骨の健康を維持してくれる、女性ホルモンに似た構造の栄養素です。
もやしを茹でる時間を短くすることで、ビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素の流失を防ぎます。
豆もやしのナムルのレシピはこちら
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