あまり栄養価の高くない山菜であるふき。ふきには美容効果は期待できるのでしょうか?本記事ではふきの美肌やアンチエイジング効果を深堀りしていきます。
ふきはお世辞にも栄養価の高い野菜とはいえません。しかし、微量にカリウムとビタミンC、ナイアシンが含まれており、美容効果が期待できます。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
微量ですが、ビタミンCがふきには含まれています。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンCの強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。
日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。
微量ですが、ナイアシンもふきには含まれています。
ナイアシンはビタミンB群の一種で、ビタミンB3とも呼ばれていました。ナイアシンは補酵素として、糖質や脂質の代謝を助けます。
ナイアシンは、DNAの修復にも関わっており、ビタミンA同様に紫外線のダメージなどによる肌の損傷の修復を促進してくれます。そのため健康的な肌を保つことができます。さらに、ビタミンB群には抗酸化作用もあるので活性酸素の生成を除去し、肌老化の予防に繋がります。
シミやそばかすの原因となるメラニンが生成されるプロセスの抑制もします。そのため、ナイアシンの1つであるナイアシンアミドは厚生労働省が認可した美白成分と言われています。他にも、角質溶解作用や皮脂分泌の正常化、適切な水分量保持によるニキビ予防、抗炎症作用による乾燥や赤みなどの炎症の軽減と、ナイアシンには美容における効果が多くあります。
微量ですが、葉酸もふきには含まれています。
葉酸は新しい細胞が合成されるとき、細胞の遺伝子情報が詰まっているDNAの合成するのをサポートします。新しい細胞を合成するには、DNAを正確にコピーして分裂することが必要です。葉酸が関わり正しくDNAをコピー、分裂することで、正常な細胞が生まれ、新陳代謝や成長が達成できます。細胞増殖が盛んな胎児の発育に不可欠なため、妊娠の可能性がある方や妊婦にとって大変重要とされます。
葉酸には新陳代謝を高める作用があることから、年齢を重ねるごとに衰えがちな肌のターンオーバーを促進し、紫外線などでダメージを受けた皮膚を健康的な肌状態へと導いてくれる効果があります。
葉酸はビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。
この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
可食部100gあたり
エネルギー...20kcal
水分...93.9g
たんぱく質...0.7g
炭水化物...4.6g
脂質...0.1g
食物繊維...1.5g
ふきは水分が90%以上でできています。
糖質は3.1gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。
トマト:糖質3.7g、20kcal
ピーマン:糖質2.8g、20kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
です。ふきが低カロリー低糖質であるのが分かります。
ちなみにごはん(白米)の糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり51.9gで550kcalにもなります。
ふきには肝毒性の強いペタシテニンが含まれています。摂取しすぎると肝臓にダメージがあります。これはいわゆるアクであるため、アク抜きが必要になります。
ただ、アクが強く下茹でが必須であるため、上述しましたが、水溶性であるカリウムも損失してしまうのが懸念点です。下茹でで約50%のカリウムが失われてしまいます。
ふきは加熱すると、水分量が若干増えます。
ただ、栄養素によっては減ることがあります。特に、カリウムは水溶性であるため茹でることで少なくなってしまいます。
ちなみにビタミンCも水溶性であるため、茹でると半分以上減ってしまうことがあります。ふきには若干のビタミンCが含まれていますが、茹でるとほとんどなくなってしまうでしょう。
前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。ふきにはビタミンCも豊富に含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。
また、カルシウムはたんぱく質が豊富な食材と一緒に取ることで、筋肉の修復や合成を促進しやすくなります。豚肉の薄切り肉で巻いて焼く、鶏ひき肉と一緒に炒め煮にする、などがおすすめです。
古い民間療法では、ふきの葉や根の部分を煎じて風邪薬として服用したり、生の葉を切り傷や虫さされの外用薬として用いたりしていたと伝えられています。
そしてふきの根茎を乾燥したものが、生薬の蜂斗菜(ほうとさい)で、解毒や咳止めに用いられていました。
さらにふきは鎮咳や去痰としても用いられ、根茎に含まれているセスキテルペン化合物は、リンパ球性白血病細胞に対して抑制作用を示すことが認められています。
最後にふきのレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
春の訪れを感じる旬の山菜ふき。ほろ苦い風味を楽しむひと皿です。ふきはアクがあるのでしっかり下ごしらえするのがポイントです。
ふきのおひたし(青煮)のレシピはこちら
甘辛い味付けがごはんのお供にぴったり。ふきはほろ苦い風味とシャキシャキとした食感を楽しみます。
きゃらぶき(ふきのつくだ煮)のレシピはこちら
下ごしらえしたふきをかつお節の優しい風味でいただきます。
ふきの煮物のレシピはこちら
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