さつまいもは品種によって若干の差はありますが、保存最適温度は10〜15℃、湿度は90〜95%といわれています。温度が高くなる季節以外は、常温で保存するのが基本です。もちろん冷蔵や冷凍、乾燥保存も可能です。この記事では、さつまいもの保存方法と保存期間を詳しく解説しています。
さつまいもは寒さに弱い食材です。5℃以下の環境になると低温障害を起こしてしまいます。低温障害とは、冷蔵保存に適さない食材を低温環境で保存する際に出る障害のことで、食材が変色したり腐敗が進みます。
ただしさつまいもは、20℃を超えると発芽しやすくなってしまいます。したがって、季節に応じて適切に保存するのが重要なポイントになります。
基本的には常温保存がベストですが、室温が上がりやすい春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。
さつまいもを丸ごと1本保存する場合、さつまいもについている土はとらずにそのままの状態で保存します。土を洗い流す際の水分により、さつまいもが腐敗しやすくなってしまうためです。
保存する際は軽く土を払い落とし、土を十分に乾燥させてから保存します。
さつまいもを切って保存する場合は、表面をよく水洗いするようにしましょう。
さつまいもの表皮には、農薬や発色剤などが残っている場合があります。そのため、スポンジなどを使ってさつまいもの表皮をよくこすり洗いをします。くぼんでいる部分には土や汚れなどが溜まりやすいので、入念に洗うようにしましょう。
ただし水分が残っていると腐りやすくなるため、洗ったさつまいもはキッチンペーパーなどでしっかり水けを拭き取りましょう。
当たり前ですが、新鮮なさつまいもを購入する方が、より長くさつまいもの鮮度を保つことができます。新鮮なさつまいもには下記のような特徴があります。
ずっしりと重みがあり丸々としている
皮の色が均一で鮮やか
皮にハリとツヤがある
凹凸が少なくひげ根が生えていない
表面に傷や黒ずみがない
さつまいもは常温で保存するのが基本的です。さつまいもは常温でも1ヶ月ほど保存が効きます。
常温で保存する場合は、土をとらずそのままの状態で保存します。土が湿っている場合は天日干しなどをして土を乾燥させてから保存します。
さつまいもを1本ずつ新聞紙で包み、かごやザル、段ボールなどに入れて風通しのよい冷暗所で保存します。
さつまいもは、収穫時も呼吸を続けており、呼吸熱や二酸化炭素の発生量が多いです。そのためラップやプラスチックの袋に入れて常温保存するのはNG。通気性のよい新聞紙(なければキッチンペーパー)がおすすめです。
上述したように、20℃を超えると発芽しやすくなるため、室温が暖かくなる春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。また、使いかけのカットしたさつまいもは、季節問わず常に冷蔵もしくは冷凍保存するようにしましょう。
長期保存したい場合や、室温が高くなる季節は冷蔵保存がおすすめです。さつまいもを冷蔵で保存すると、約2ヶ月ほど日持ちします。丸ごと1本冷蔵する方法と、カットして冷蔵する方法がありますので、それぞれの手順を詳しくご紹介します。
さつまいもを丸ごと1本冷蔵保存する際は、1本ずつ新聞紙に包みます。ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、野菜室で保存します。
冒頭でご紹介したように、保存温度が低すぎると低温障害が起きやすいので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。
さつまいもはカットしてから冷蔵保存することも可能です。さつまいもの表皮についている汚れをしっかりと水洗いし、乱切りなどお好みの大きさにカットします。密閉容器にさつまいもを入れ、かぶるくらいの水を入れてフタをし、冷蔵庫で保存します。水は毎日取り替えるのがベストです。
カットしたさつまいもは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べ切るようにしましょう。調理時は水を切ってそのまま調理に使用します。
さつまいもは冷凍保存も◎。冷凍することで甘みが増します。繊維が多いため、丸ごと冷凍はNG。薄めにカットしてから冷凍します。さつまいもを冷凍保存する場合、約1ヶ月ほど日持ちします。
さつまいもは生のまま冷凍することができます。
水洗いしたさつまいもを輪切りにします。さつまいもの皮には栄養があるので、皮ごと切ってOK。カットしたさつまいもを10分ほど水にさらしてアク抜きをします。キッチンペーパーなどでしっかりと水けを拭き取り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
生のまま冷凍したさつまいもは凍ったまま炒め物や煮物、汁物、炊き込みご飯などに使用します。茹でてサラダなどにしても美味しくいただけます。
輪切り以外にもいちょう切りやスティック状など、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存するのも◎。
加熱してから冷凍保存をすれば、調理時間が短縮できます。
輪切りにしたさつまいもに火を通します。たっぷりのお湯で茹でるか、蒸す、もしくは電子レンジで加熱する方法があります。さつまいもにはビタミンCが含まれており、ビタミンCは加熱することで壊れやすいとされている成分ですが、さつまいものビタミンCは一緒に含まれているでんぷんによって保護されているため、加熱しても壊れにくいといわれています。
竹串などを刺して火が通っていることを確認したら、粗熱を取って冷凍用保存袋に重ならないように平らに入れ、空気を抜いて密封し冷凍室で保存します。
凍ったまま調理に使用したり、電子レンジなどで解凍しそのまま食べることもできます。
マッシュ状(ペースト状)にして冷凍しておくのもおすすめです。
さつまいもの皮を剥き、適当な大きさに切って蒸します(電子レンジで加熱したり、茹でてもOK)。さつまいもが熱いうちにマッシャーなどを使ってつぶします。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し、冷凍室で保存します。
冷凍したマッシュ状(ペースト状)のさつまいもは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、もしくは電子レンジで解凍します。サラダやスープ、スイートポテトなどにおすすめです。
さつまいもは乾燥させることで、保存期間が伸びる(常温・冷蔵に比べて)、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)などのメリットがあります。安納芋や紅はるかなど、ねっとりとした品種が乾燥保存には適しています。
乾燥させたさつまいもは、密閉容器に入れて常温や冷蔵で1ヶ月ほど保存できます。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。
蒸したさつまいもの皮を剥き、縦に薄く切ります。重ならないようにザルに並べ、約2〜3日ほど天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
天板の上にクッキングシートを敷き、蒸して薄切りにしたさつまいもを並べ、100〜110℃の低温で20〜30分ゆっくり加熱します。
乾燥が足りなければさらに加熱します。
レンジで乾燥させる方法はもっと簡単。蒸して薄切りにしたさつまいもをキッチンペーパーを敷いた耐熱皿の上に並べて、600Wで5〜8分程度加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
最後に、さつまいもの作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
炒めたさつまいもとすりおろした梨をあえてあっさりとしたひと品に仕上げました。
さつまいもと梨のおろしあえのレシピはこちら
カリッと揚げたさつまいもをてんさい糖で作るみつと絡めて。
大学いものレシピはこちら
レモンの酸味がさつまいもの甘みを引き出します。甘めの箸休めに。
さつまいものレモン煮のレシピはこちら
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