アボカドには美肌やアンチエイジングにとって欠かせない栄養素が豊富に含まれています。アボカドの美容効果について徹底解説します。
アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど、脂質が高い果物です。アボカドは全体の約2割が脂質で、その70%が不飽和脂肪酸です。そのうち特に豊富なのがオレイン酸です。
オレイン酸は高コレステロールの食事が原因で増えすぎた悪玉コレステロールを抑制する効果が期待されています。オレイン酸はオリーブ油などにも多く含まれ、血管の健康を保つ働きがあります。また、腸の働きを活性化して便秘の解消に役立つと言われています。
アボカドの中で特に豊富に含まれるビタミンはビタミンEです。
ビタミンEには強い抗酸化作用があります。
細胞膜にはビタミンEや不飽和脂肪酸が存在しています。不飽和脂肪酸は酸化されると過酸化脂質になり、細胞を破壊します。ビタミンEは自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成を抑えます。この働きは老化の予防につながるといわれています。
ビタミンEは血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化も抑える働きがあり、酸化によって進行する動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
ビタミンEには末梢血管を拡張させて血行をよくする働きもあり、肩こりや冷え性などを防ぎます。血行がよくなると肌も明るくなり、若々しい見た目になります。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンCの強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。
日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。
食事から摂取された糖質は、酵素の働きで分解されてエネルギーに変わります。この酵素を働かせるために必要な補酵素の役割をするのがビタミンB1です。日本人は昔から米を主食としているので、ビタミンB1が不足している人が多いです。ビタミンB1をしっかり摂取することで太りづらくなりダイエット効果が期待できます。
葉酸は新しい細胞が合成されるとき、細胞の遺伝子情報が詰まっているDNAの合成するのをサポートします。新しい細胞を合成するには、DNAを正確にコピーして分裂することが必要です。葉酸が関わり正しくDNAをコピー、分裂することで、正常な細胞が生まれ、新陳代謝や成長が達成できます。細胞増殖が盛んな胎児の発育に不可欠なため、妊娠の可能性がある方や妊婦にとって大変重要とされます。
葉酸には新陳代謝を高める作用があることから、年齢を重ねるごとに衰えがちな肌のターンオーバーを促進し、紫外線などでダメージを受けた皮膚を健康的な肌状態へと導いてくれる効果があります。
葉酸はビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。
この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
可食部100gあたり(生のアボカド)
エネルギー...176kcal
水分...71.3g
たんぱく質...2.1g
炭水化物...7.9g
脂質...17.5g
食物繊維...5.6g
アボカドの可食部100gあたりの糖質は(炭水化物から食物繊維を引いた値)2.3gです。高カロリーですが、糖質はそこまで高くありません。
他の野菜は100g当たり、
トマト:糖質3.7g、20kcal
ピーマン:糖質2.8g、20kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
とうもろこし(スイートコーン)生:糖質15g、89kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
カロリーが高めの野菜と比べても、アボカドのカロリーが高いのが分かります。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
カロテノイドとは野菜などに含まれる赤色や黄色、緑色などの色素成分のことで、抗酸化作用が強く、老化防止や病気の予防をしてくれます。有名なものにカロテンやリコピンなどがあります。カロテノイドは油に溶けやすい性質を持つため、脂質の多いアボカドといっしょに摂ると吸収率が高くなるという研究結果があります。
アボカドは脂質が豊富なため、カロテノイド以外にも脂溶性ビタミンの吸収率も高めます。脂溶性ビタミンにはビタミンA・D・K・Eがあります。β-カロテンは体内で必要量だけビタミンAに変換されます。
アボカドに豊富に含まれるビタミンEは高い抗酸化作用があります。同じく抗酸化作用のあるビタミンAとCと一緒に、一緒に摂ることでさらに効力がアップします。これらは三大抗酸化ビタミンで、ビタミンACE(エース)と呼ばれます。
腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌の活動を活発にすることと、善玉菌の数と種類の増やすことの両方が大切です。アボカドに豊富に含まれる食物繊維は、食物繊維は胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで到達し、善玉菌の活動を活発にするエサになります。発酵食品の効果は個人差が大きいですが、善玉菌の数と種類を増やすのに貢献します。そのため、アボカドを味噌や納豆、漬物と一緒に摂ると整腸作用が期待できます。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
最後に美容効果が見込めるおすすめレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
クリーミーなアボカドと卵の相性が◎。レンジで作る簡単レシピです。アボカドのビタミンCにより、卵の豊富に含まれるたんぱく質をコラーゲンに変化し、美肌効果が期待できます。
アボカドのスクランブルエッグのレシピはこちら
意外な組み合わせですが、アボカドと鰻は実は好相性。アボカドを入れることでボリュームもアップ。うなぎのビタミンA、アボカドのビタミンE、ネギのビタミンCはどれも抗酸化作用がありお互いを助け合う「相加効果」が生まれます。これらの3つはビタミンエース(ACE)といわれます。また、ビタミンCは卵に含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠です。
アボカドとうなぎの卵丼のレシピはこちら
クリーミーなアボカドは温かい料理でも美味しい!赤味噌で体が温まるひと品です。アボカドの食物繊維と、発酵食品の味噌の整腸作用が期待できます。
アボカド味噌煮込み玄米うどんのレシピはこちら
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