夏の風物詩といえば「スイカ」ですね。スイカは丸ごと常温保存するのが基本です。冷やしすぎると甘みを感じにくくなってしまいます。カットしたスイカは冷蔵したり冷凍して保存しましょう。多くの方が捨ててしまっている皮も美味しく食べることができます!この記事ではスイカとスイカの皮の保存方法と保存期間を詳しくご紹介します。
スイカは暖かい地域で育つ野菜ですので寒さに弱いです。冷やしすぎてしまうと低温障害を起こし甘みを感じにくくなります。スイカの甘みを最も感じやすいのは15〜20℃前後といわれているため、キンキンに冷やす必要はありません。水で冷やすなど、冷やしすぎないようにするのがおすすめです。
常温保存がおすすめなのは、甘みだけではありません。スイカは常温保存することで栄養価がアップします。
常温での保存でリコピンが最大40%、β-カロテンは1.4倍にもなります。リコピンは、スイカの赤色の成分で、抗酸化作用があるといわれています。リコピンの抗酸化作用は、同じく抗酸化作用を持つβ−カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上!肌や血管の老化を防いだりガンや動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。β−カロテンは、体内で必要量がビタミンAに変換される成分のうちのひとつで、その中でも最も活性が高くなっています。β−カロテンにもリコピンと同様に抗酸化作用があります。
冷蔵保存してしまうと、強い抗酸化力を持つリコピンが減少してしまいますので、栄養素的な観点からも常温保存がおすすめです。
スイカは他の野菜とは違い、追熟しても美味しさは増しません。追熟とは、野菜や果物を一定期間保存してさらに熟させることを指します。例えばトマトやアボカド、バナナなどは追熟させることで美味しく食べることができます。
スイカに関しては、収穫してから味がどんどん落ちていきますので、追熟したからといって美味しくなるわけではありません。水分が抜けてシャリっとした食感がなくなってしまいますので、スイカはなるべく早めに食べるようにしましょう。
当たり前ですが、鮮度のよいスイカを選び購入した方が、保存したときも日持ちします。スイカを選ぶ際の注目すべきポイントは下記の通りです。
緑と深緑(黒)の縞模様がくっきりしている
深緑(黒)の模様が少し盛り上がっている
ツルのつけ根がくぼんでいる
お尻の部分(ツルの反対側)にある茶色の丸が大きい
スイカを軽く叩いた時に「ボンボン」と低い澄んだ音がする
種が黒々としている(カットスイカの場合)
果肉が締まっていて白い部分との境目がくっきりしている(カットスイカの場合)
二種以上の味が強くなる現象を「味の対比効果」といいます。スイカに塩をつけると甘く感じるのは、甘味と塩味の対比効果の例です。
以前のスイカは糖度が10度未満と低く今よりも甘みを感じにくかったため、塩をかけて食べることで甘みを演出するという習慣がありました。近年のスイカは品種改良などにより糖度が高いため、わざわざ塩をかけて食べなくても甘みを感じられます。
また塩分(カリウム)を摂ることで熱中症やむくみを防ぐためにも、スイカに塩をふって食べる方が多くいらっしゃいます。
しかし、カリウムはスイカ自体にも多く(可食部100gあたり120mg)含まれています。スイカを食べるだけでも熱中症やむくみ対策が出来るのにも関わらず塩でもカリウムを摂ってしまうと、カリウムの効果が薄れてしまいます。そのため、栄養素的にはなるべく塩を使わないで食べる方がよいといえます。
上述した通り、スイカを食べる前は常温保存がおすすめです。常温保存する場合は、カットせずに丸ごと保存します。直射日光を避けた冷暗所でそのまま保存しましょう。
スイカを食べる2〜3時間前に冷やします。冷蔵室で冷やすのが簡単ですが、冷やしすぎると甘みを感じにくくなるので、水道水をかけながら冷やすのがおすすめ。大きめのバケツやボウル、タライに水を入れスイカを入れます。スイカにタオルもしくは布巾をかけ、水道水をタオルや布巾の上から少しずつかけながら冷やします。この方法だと1時間ほどで食べ頃の温度(8〜10℃)になります。急いで冷やしたい場合は氷や保冷剤を入れたり、扇風機で風を当てながら冷やすとよいです。
スイカを丸ごと常温保存した場合の保存期間の目安は2週間です。
カットしたスイカは常温保存することができませんので、冷蔵で保存しましょう。冷蔵での保存方法は次に詳しくご紹介します。
カットスイカは冷蔵保存が必要です。ただし上記でもご紹介したように、冷えすぎると甘みが減ってしまうので、食べる1時間前に冷やすとよいです。カットスイカを購入した場合は、最初から冷蔵保存が必須です。
乾燥や酸化を防ぐためにラップや密閉容器で保存します。
半分や1/4にカットしたスイカを冷蔵する場合は、切り口にラップをしっかりと密着させて野菜室で保存します。
冷蔵保存した場合の保存期間は2〜3日が目安です。カットしたスイカは乾燥しやすく鮮度が落ちやすいので、なるべく早めに食べきるようにしましょう。
スイカを事前に切ってから保存すると、食べたい時にすぐに食べることができて◎。
皮を剥いたスイカを食べやすい大きさに切って、冷蔵用の密閉容器に入れて野菜室で保存します。隙間ができないようにびっちりと敷き詰めるのが◎。皮は捨てずにきんぴらやナムル、漬物にして食べるととても美味しいです。レシピはこの記事の最後にご紹介します。
一口大にカットしたスイカはすぐに果汁が抜けてしまうため、切ったら2〜3日程度で食べ切るのがおすすめです。
スイカをすぐに食べきれないときは冷凍保存がおすすめです。冷凍したスイカの保存期間の目安は約1ヶ月です。
スイカを冷凍する時は、事前に一口大にカットしてから保存します。冷凍前に種を取り除くと、使いたい時にさっと使うことができて便利です。スイカの縞模様と垂直になるように半分に切り、断面に見える種に沿って中心部分から切り分けていくと種が取りやすいです。取り除いた種は捨てずに取っておきましょう。炒めたり天日干しすることで美味しく食べることができます。種にはビタミンB6や高タンパク質成分、必須アミノ酸などの栄養素が豊富に含まれているので捨てるのはもったいない!
切ったスイカを冷凍用ジッパー付きポリ袋に重ならないようにして入れ冷凍庫で保存します。
スイカを冷凍保存した場合の保存期間の目安は1ヶ月です。
スイカは水分が多いため、解凍すると食感がかなり変わってしまいます。そのため、冷凍スイカは冷凍のまま食べるのがおすすめです。冷凍スイカを使って、シャーベットやヨーグルトスムージー、すいかソーダなどにして食べても美味しくいただけます。
スイカの皮を捨てる方は多いと思いますが、実は皮の部分も美味しく食べることができます。浸けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。大量消費にもおすすめです。
スイカの皮の白い部分には、血管を若返らせて血流をよくするといわれる、スーパーアミノ酸の「シトルリン」が果肉の2倍も含まれています。それだけなく、カリウムやリコピンなどの栄養素も多く含まれています。
スイカの漬物の保存期間の目安は冷蔵で2週間です。
スイカの皮を保存する際、赤い実は少し残しておくのがポイントです。緑色の皮は切って、白い部分と実だけの状態にします。幅5cm程度の食べやすい大きさに切ります。
密閉容器にみそ:酒:みりん=4:1:1の割合で漬けだれを作り、スイカの皮が隠れるようにして入れます。蓋をして冷蔵室で保存します。
保存用なので味は少し濃いですが、ご飯のお供にピッタリです。
幅5cmほどの食べやすい大きさに切ったスイカの皮を密閉容器に入れ、酢150ml、塩小さじ1、てんさい糖大さじ1で作った漬けだれをひたひたになるように注ぎます。蓋をしっかり閉めて冷蔵庫の冷蔵室で保存します。一晩おいたら食べ頃になります。
酢には胃酸の分泌を促す作用があるので、前菜として召し上がるのがおすすめです。
スイカの皮は乾燥して保存するのもおすすめです。一番よい乾燥方法は天日干し。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥させたスイカの皮は常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
食べやすい大きさに切ったスイカの皮をザルに並べ、2日ほど天日干しします。乾燥したスイカの皮は密閉容器に入れ常温または冷蔵で保存します。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
ちなみに、スイカの種を1〜2日天日干しして食べることもできます。また、塩で下味をつけて炒って食べるのも美味しいです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にスイカの皮を並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にスイカの皮を並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
上記でご紹介した保存方法で冷凍したスイカを使ったレシピをご紹介します。どれも簡単に作れます。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
冷凍すいかで作るシャーベットです。凍ったすいかをミキサーで撹拌するだけの簡単レシピです。暑い夏のおやつにぜひ。
すいかシャーベットのレシピはこちら
冷凍スイカと豆乳ヨーグルトでつくるスムージーです。朝食やおやつなどにおすすめです。
すいかのヨーグルトスムージーのレシピはこちら
冷凍スイカと炭酸水で作るソーダです。見た目がすごく爽やかで暑い夏にピッタリです。凍ったスイカが氷の代わりとなります。
すいかソーダのレシピはこちら
最後に、スイカの皮を活用したおすすめレシピをご紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。
捨ててしまうことが多いスイカの皮で、簡単においしいきんぴらが作れます。
すいかの皮のきんぴらのレシピはこちら
すいかの皮はナムルにしてもとても美味しいですよ。
すいかの皮のナムルのレシピはこちら
すいかの皮を漬け物にしてみました。ご飯のお供としておすすめの一品です。
すいかの皮の漬け物のレシピはこちら
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
なすを切ったら種だらけ...食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
なすの中身がスカスカ...食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
カビが生えた人参は食べられる?見分け方は?原因と対処法も解説
食品事典
小麦粉の捨て方。爆発注意?燃えるゴミでよい?再利用の方法とは
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
トマトの中が黒い!腐ってる?食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典