Fily Kindle
  1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. いんげんはダイエットに効果的?取り入れ方のコツや注意点を解説

いんげんはダイエットに効果的?取り入れ方のコツや注意点を解説

公開日

更新日

いんげんはダイエットに効果的?取り入れ方のコツや注意点を解説

いんげんはダイエットに向いている野菜なのでしょうか?カロリー・糖質はもちろん、ダイエット効果が見込める栄養素についても解説します。ダイエットにおすすめの取り入れ方や留意点も紹介します。

いんげんってどんな野菜?

「いんげん」という名称の野菜は厳密には存在しません。正式名称は「インゲンマメ」です。インゲンマメは豆(種子)のことを指すわけではなく、複数の豆がさやに包まれた細長い緑色の野菜そのものを指します。

サヤを食べるインゲンマメのことを「サヤインゲン」と呼び、略して「いんげん」です。また、一般的にはインゲンマメの種子のことを「いんげん豆」ということが多いです。

いんげんに似た野菜に絹さややスナップエンドウがありますが、これはエンドウという別の野菜です。

さやいんげんは6〜9月が旬で、β-カロテン(ビタミンA)やビタミンCの含有量が最も多くなります。

いんげんのカロリーと糖質

いんげんはカロリー23kcal・糖質2.7g

生のいんげんの可食部100gあたりのエネルギー量は23kcalで、糖質は2.7g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。また、水分は92.2g、たんぱく質は1.8g、炭水化物は5.1g、脂質は0.1g、食物繊維は2.4gです。

いんげんはカロリーが低いので、ダイエット向きの食材といえます。

他の野菜と比べると?


よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと野菜の中で低いですが、いんげんも変わりません。

じゃがいもは100gあたりカロリー59kcal・糖質8.4g、かぼちゃは100gあたりカロリー91kcal・糖質8.1gと野菜の中でカロリーが高くなっています。ただ、いんげんだけでなく野菜は全体的にカロリーが低いのでダイエットに向いているといえます。

他のマメ科の野菜だと、100gあたりスナップエンドウは43kcal・糖質6.8g、グリーンピースは93kcal・糖質7.6g、93kcalですので、いんげんはマメ科の中でも低カロリー低糖質であることがわかります。

いんげんのダイエット効果が期待できる栄養素

いんげんに含まれ、直接的または間接的にダイエットに関係する栄養素とその効能について解説していきます。いんげんの詳しい栄養素と効果についてはこちらの記事を参考にしてください。

食物繊維

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、特に水溶性食物繊維がダイエットの強い味方です。

水溶性食物繊維は、消化管で糖質を取り囲み、糖質の消化・吸収をブロックし、血糖値の上昇を抑えます。また、コレステロールを吸着し排出することで血中コレステロール濃度を低下させます。

さらに、食物繊維が豊富な食品は食べごたえがあり、咀嚼に時間がかかります。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されてすぐにお腹がいっぱいだと感じやすくなります。その結果、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。

植物性たんぱく質

いんげんはたんぱく質も含まれています。たんぱく質は筋肉を作るのに不可欠であり、筋肉量が増えると代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくします。

筋肉を付けるにはたんぱく質が必要ですが、筋肉を付けるための運動をするためにはエネルギー源となる糖質がある程度必要です。そのため、運動習慣のある人にとってはいんげんはとてもダイエット向きといえます。運動をしっかりしてダイエットする方はたんぱく質と糖質(炭水化物)が必要なので、脂質を控えるダイエットが向いています。

ビタミンB群

いんげんにはビタミンB1、B3、葉酸などのB群が豊富に含まれています。

ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。特にビタミンB1は糖質をエネルギーにするために欠かせないビタミンです。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。

ビタミンB群がなければ、食べたものをエネルギーとして消費したり、筋肉を作ったりすることができないためダイエット中にはとても重要な栄養素となります。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたりする働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。

また、コレステロール値を下げる作用もあります。さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。

カリウム

カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。

カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。

また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。

リジン(アミノ酸)

いんげんには必須アミノ酸9種類がすべて入っています。中でも注目したいのは、リジン(リシン)です。

リジンは脂肪をエネルギーに変換することを促進する「カルニチン」の材料になるので、ダイエットには欠かせないアミノ酸です。また、リジンは糖質をエネルギーに変換することもをスムーズにする働きがあるので、疲労回復や集中力向上の効能も期待できます。

リジンはお肉など動物性たんぱく質の中に多く含まれています。

いんげんダイエットの注意点

いんげんばかり食べるのはNG

いんげんはカロリーが低いからといって「主食をすべていんげんに置き換える」「食事全体をいんげんに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。

摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。

また、いんげんに含まれる食物繊維は食べ過ぎると気持ち悪くなったり、下痢や腹痛の原因になるので注意しましょう。

いんげんの1日の摂取目安量は50g程度です。

茹ですぎに注意

いんげんに含まれるビタミンB群、C、カリウムなどは水溶性なので、茹でることで流れ出てしまいます。そのため、茹でる際はなるべく短くするようにしましょう。カットしてから茹でると、栄養素がかなり流失してしまうので、丸ごと茹でるといいでしょう。

栄養素の流失が気になる方は、スープや煮物などで汁ごといただくのがおすすめです。また、電子レンジで加熱すると水溶性栄養素の流失を防ぐことができます。

油を使うとカロテンの栄養素は上がるが...

いんげんにはβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAになりますが、体内で吸収されにくいのが特徴。このβ-カロテンの吸収率を油がアップしてくれるので、炒めものなどにして油と一緒に食べることをおすすめです。

しかし、油はカロリーが高いのでダイエット中は摂り過ぎに注意が必要です。糖質制限をメインで行っている方は油の摂取量はそこまで気にしすぎることはありませんが、カロリー制限ダイエットを行っている人は摂り過ぎに注意しましょう。

味付けに注意

油以外も、味付けに注意しましょう。

甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。白砂糖ではなく、メープルシロップやてんさい糖などGI値が低い甘味料を使うのがおすすめです。

GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇度を表す値です。食品の炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表します。55以下を低GI、56〜69を中GI、70以上を高GIと分類し、GI値が高ければ高いほど血糖値が急上昇します。急激な血糖値の上昇は、体に負担をかけるため、緩やかな上昇が理想的です。

また、いんげんをサラダとしていただく場合も、ドレッシングの糖質・脂質に注意しましょう。

いんげんのダイエットにおすすめの食べ方

副菜のひとつとして

バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。

前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、いんげんを副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。

食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。

炭水化物と一緒に食べる

いんげんは、糖質がエネルギーに変わるのをサポートするビタミンB1が豊富に含まれるので、ごはんなど炭水化物と一緒に食べると、炭水化物が脂肪として蓄積されづらくなります。

同じようにビタミンB1が豊富なマメ科のグリーンピースでは「グリーンピースごはん」が定番料理ですが、グリーンピースをごはんに混ぜるのはそのためです。ただし、ダイエット中は糖質を控える方が良いため、そもそも炭水化物の量は減らすように心がけましょう。

ダイエットにおすすめのいんげんレシピ

Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

いんげんとトマトのサラダ

レモンのきいたさわやか味のサラダです。いんげんのシャキシャキとした歯ごたえが美味しい一品です。食前にサラダを食べることで、主菜・主食の食べ過ぎを防ぐことができます。

いんげんとトマトのサラダのレシピはこちら

いんげんのくるみ和え

くるみに豊富に含まれるビタミンEには、強い抗酸化作用があります。いんげんに含まれるビタミンCと相加効果で、抗酸化作用が持続します。

いんげんのくるみ和えのレシピはこちら

なすといんげんのオープンオムレツ

材料を混ぜてフライパンで焼くだけの簡単レシピです。たんぱく質がたっぷり摂れます。糖質制限ダイエットを実施している人におすすめです。ごはんの量を減らしても満足感の高いひと品です。

なすといんげんのオープンオムレツのレシピはこちら