スーパーフードの一つであるチアシードをご存知でしょうか?「水とチアシードがあれば生きていける!」ともいわれるほど、栄養素が非常に高い食品です。本記事ではチアシードの栄養素や食べ方などを詳しく解説します。
チアシードは、スーパーフードとして知られている種子です。一般的な食品よりも栄養価が高いものや栄養バランスが優れているもの、また特定の栄養成分が多く含まれているものなどを「スーパーフード」と呼びますが、明確な定義は存在しません。
チアシード自体は無味無臭です。吸湿性があり、水などの液体に浸すと水分を吸収し膨らみ種子の周りにゼリー状のコーティングを形成します。ゼリー状の成分は食物繊維のグルコマンナンというものによります(詳しくは後ほど解説します)。
チアシードの種子は直径2mmで楕円形をなしており、1粒あたりの重さは約1.3mgとゴマよりも小さいです。種子の色は主に黒と白が多いですが、中には茶、灰、また斑模様になっているものもあります。
チアシードは、日本スーパーフード協会が考案した「プライマリースーパーフード10」に含まれます。チアシード以外には、スピルリナ・マカ・クコの実(ゴジベリー)・カカオ・ココナッツ・アサイー・カムカム・ブロッコリースプラウト・麻の実(ヘンプ)がプライマリースーパーフード10に該当します。これらはあらゆるスーパーフードの中でもとくに認知度が高いものだと考えられています。
出典:日本スーパーフード協会
チアシードは、シソ科アキギリ属の一年草「チア」の種子です。チアは1.75メートルほどの高さまで育ち、紫色や白色の花をつけます。
チアの原産地はメキシコ中南部やグアテマラです。歴史は古く、16世紀のメンドーザ絵文書には、コロンブス時代以前のアステカにおいて栽培されていた様子が記録されています。トウモロコシと同じくらい重要な食用作物であったと考えられています。
チアシードには、種子が黒いもの「ブラックチアシード」と、白いもの「ホワイトチアシード」があります。一般的にチアシードと呼ばれているものがブラックチアシードです。
ホワイトチアシードは、ブラックチアシードに混ざっている白色の種子を長い年月をかけて選別したものです。丹念に選別した白いチアシードのみを栽培し、その種を再び選別・栽培するという方法で誕生した「サルバシアシード」というホワイトシードの品種もあります。
ホワイトチアシードは希少価値が高く生産量が少ないため、ブラックチアシードよりも高価ですが、ブラックチアシードとホワイトチアシードの栄養や味はほとんど同じです。
ブラックチアシードにはごくわずかにたんぱく質が多く含まれ、ホワイトチアシードにはオメガ3脂肪酸(α−リノレン酸)をわずかに多く含むといわれていますが、全体的な栄養素はほとんど同じです。
ホワイトチアシードの方がブラックチアシードよりもわずかに大きい点などから、水をより多く吸収して大きく膨張します。
チアシードの「チア」は、ナワトル語(ユト・アステカ語族の言語)の「chian(油っぽい)」に由来するといわれています。
チアシードは現在、主にメキシコやグアテマラ、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、ニカラグア、オーストラリアなどで栽培されています。
日本国内ではチアシードは生産されていません。そのため、日本では海外から輸入されたチアシードが販売されています。
チアシードに含まれている栄養素は下記の通りです。
エネルギー 446kcal
たんぱく質…3.47
脂質…8.37
炭水化物…4.07
ミネラル類
カルシウム…570mg
マグネシウム…360mg
鉄…7.6mg
亜鉛…5.9mg
マンガン…4.8mg
セレン…11μg
ビタミン
βカロテン…3μg
ビタミンK…1μg
ビタミンB1…0.97mg
ビタミンB2…0.25mg
ナイアシン…9.8mg
ビタミンB6…0.42mg
葉酸…84μg
ビオチン…24μg
ビタミンC…1mg
チアシードには、三大栄養素といわれるたんぱく質・脂質・炭水化物の他、といわれるほどカルシウム・鉄・マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB郡などの栄養素を多く含んでいます。その栄養価の高さから、「生命維持にはチアシードと水があれば事足りる」ともいわれています。
チアシードのカロリー(エネルギー)は、100gあたり446kcalです。白米のカロリーは156kcal、じゃがいものカロリーは76kcalなので、チアシードは高カロリー食品であることがわかります。
チアシードの糖質量(炭水化物から食物繊維を引いた値)は約6gです。白米100gの糖質量は約35g、じゃがいも100gの糖質量は約17gなので、チアシードは低糖質の食品であるといえます。
チアシードの約20%は、植物性のたんぱく質です。たんぱく質は筋肉や肌、髪、ホルモンや免疫物質を作るのに大切な役割を果たしている栄養素です。
チアシードのたんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。必須アミノ酸は、人体で作ることができないため食物などから摂取しなければなりません。そのため、チアシードは激しい運動をするアスリートの間でも人気がある食品です。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に大別することができますが、チアシードに含まれている食物繊維「グルコマンナン」は、水溶性食物繊維に該当します。グルコマンナンは、こんにゃくいもに含まれる食物繊維です。
チアシードに含まれるグルコマンナンは、100gあたりなんと約34gといわれています!
水溶性食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高めます。それによって食べたものの腸への移動がゆっくりになるため、血糖値の上昇がゆるやかになり、ダイエットや糖尿病予防にもつながります。
さらにグルコマンナンには、消化器官を通過する過程で老廃物を排出してくれる作用があるといわれています。
チアシードに含まれている脂質の主な構成成分は不飽和脂肪酸のα−リノレン酸(オメガ3脂肪酸)です。
α-リノレン酸は人の体内で合成できない必須脂肪酸で、主にエゴマや亜麻に含まれる体に良い油です。また多価不飽和脂肪酸の中でもオメガ3(n-3脂肪酸)とも呼ばれており、注目されている成分のひとつです。なぜ注目されているかというと、オメガ3の多い魚をたくさん食べている民族の心臓病発生率が低いという研究報告がされたからです。
α-リノレン酸には多くの効果があります。まず、体内に入るとDHAやEPAに変換されるので、血液をサラサラにして動脈硬化や心筋梗塞を予防する効果がある他、脳細胞を活性化させる働きがあるといわれています。
またα-リノレン酸やDHA、EPAなどオメガ3はうつ症状を軽減させる効果があると言われています。特に妊娠・出産期はオメガ3が不足すると言われているのため、産後うつの危険性が高くなります。そのため、妊娠・出産期には意識して取り入れるといいでしょう。
α-リノレン酸は不足すると細胞を守る細胞膜がしっかりと構成されなくなり、シワやたるみなど老化促進の原因となるといわれています。チアシード大さじ1杯(約10g)で、厚生労働省が推奨する一日のα−リノレン酸(オメガ3脂肪酸)の摂取量(2g)を摂取することができます。
出典:厚生労働省日本人の食事摂取基準
チアシードには鉄分が多く含まれているといわれているほうれん草の約3倍もの鉄分が含まれています。
鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。このヘモグロビンですが、ヘムという赤い色素とグロビンというたんぱく質から成っており、赤血球が赤い色をしているのはこのヘモグロビンの色です。肺に取り込まれた酸素は、このヘモグロビンと結合して心臓に送られ、そこから全身へと運ばれていきます。そして、ヘモグロビンは酸素が届け終わると二酸化炭素と結びつき、また心臓を経て肺に戻っていきます。鉄を材料としたヘモグロビンは、体内でとても重要な役割をしているのです。
そのため、鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきてしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。他にも鉄が欠乏して貧血になると、酸素が不足し細胞の働きが落ちるのでエネルギーの産生が悪くなるので、エネルギーの産生には鉄が大きく関わっています。さらにヘモグロビンには筋肉の働きで生じる老廃物を回収する働きがありますが、鉄が不足すると乳酸などの疲労物質が回収できず溜まってしまい、酸素不足と疲労物質のダブルパンチで疲れやすくなります。
鉄は吸収率が低いと言われていますが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率をアップできるので、小松菜などと一緒に摂取すると良いでしょう。小松菜にはビタミンCが含まれていますので、鉄を摂取するうえでとても効率の良い野菜となります。
チアシードのカルシウム含有量は乳製品には劣りますが、植物性の食品ではトップクラスです。
体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨も新陳代謝を繰り返しており、古い骨を壊しては新しい骨をつくり、なんと1年間で20〜30%が新しい骨に生まれ変わっています。この骨の代謝にカルシウムは深く関わり骨の健康を保っています。
亜鉛は主に皮膚や骨、肝臓、筋肉、眼球などに含まれている成分です。亜鉛はほとんどがたんぱく質と結合した形で存在しており、酵素の構成成分として重要な役割を果たしています。
例えばたんぱく質やホルモンの合成、さらにはDNAの複製などにも深く関与し、細胞が新しくつくり替えられるときに不可欠のミネラルです。傷の治りを早くしたり、血糖値を下げるインスリンの材料になるなどの働きがあります。亜鉛が不足すると細胞の生成が滞るので、皮膚や骨の発育が遅れ、子供では成長障害を起こすこともあります。
さらに、味覚や嗅覚を正常に保つ役割もあります。さらには生殖機能にも深く関与し、男性ホルモンや女性ホルモンの生成に関わっていて、亜鉛が不足すると妊娠しにくくなると言われています。
また、加工食品には亜鉛の吸収を妨げる添加物が多く含まれているので、気をつけましょう。さらに亜鉛には毒性があり1日2g以上の大量摂取をすると急性中毒を起こすことがあります。
チアシードは大豆やアーモンドなどの豆類よりも多くのマグネシウムを含んでいます。
マグネシウムはカルシウムの量を調整し、筋肉の収縮を促します。摂り過ぎたカルシウムが血管壁に貯まるのを防ぎ、動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。そしてカルシムやリンとともに働き、丈夫な骨や歯をつくります。血液中のマグネシウムが不足すると骨から溶け出して補充されますが、このときカルシウムも一緒に放出されてしまうため骨がもろくなります。
またストレスが生じると、マグネシウムの消費量が増えます。そのため疲れているときやイライラしているときはマグネシウムを積極的に摂取しましょう。マグネシウムは過剰に摂取しても腸管からの吸収は抑えられ、余分なものは速やかに排泄されるので食事で摂取している限りは過剰症の恐れはありません。
ビタミンB群は、糖質を燃やしてエネルギーに変える働きがあります。特にビタミンB2は、脂質を分解してエネルギーに変換する働きがあり、効率よく摂取することでダイエット効果が期待できます。ビタミンB6は、アミノ酸の分解・吸収をサポートする他、女性ホルモンのバランスを整える作用があるといわれています。
葉酸は、水溶性ビタミンで赤血球を作るのを手助けする働きがあります。
また、代謝に関与している成分でもあり、たんぱく質の生合成を促進したり細胞の生産や再生を助けることから、体の発育にも重要なビタミンです。さらに葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右する重要な栄養成分でもあります。妊娠中の方が積極的に摂取したほうが良いといわれるのは、このためです。
チアシードは、ダイエット中の食事に取り入れると利点があります。
上記でもご紹介しましたが、水溶性食物繊維のグルコマンナンは、水分を吸収して膨張し、胃の中で長く停留するという特徴があります。つまり、満腹感が得られやすくかつ腹持ちがよいため、食事の前にチアシード入りのドリンクなどを飲んだり、普段の食事にチアシードを取り入れることで、食事量を減らすことが可能です。
さらに、チアシードに含まれる豊富なビタミン類やミネラル類には、脂質を分解してエネルギーに変える働きがあるため脂肪をつきにくくする効果が期待できます。
チアシードに含まれている食物繊維「グルコマンナン」は、腸内に溜まっている便や不要なものを包み外に出す働きがあるため、便秘の改善や予防に繋がるといわれています。
また、グルコマナンは腸内細菌によって分解されるとオリゴ糖になり、ビフィズス菌の餌となるため腸内環境を整え効果が期待できます。腸内環境がよくなると免疫力が高まる他、肥満予防にも繋がります。
チアシードには、コラーゲンを構成するアミノ酸が含まれている他、ビタミン類やナイアシン、ビオチンなども含まれているため美肌効果も期待できます。
コラーゲンは肌のハリを保つために重要な成分です。体内のコラーゲンは加齢により減少してしまうので、チアシードはコラーゲンを補うのに有効な食品です。
ビタミン類には皮膚をすこやかに保つのを助けます。特にビタミンB2は、肌細胞の再生を促す働きがあるため、整った肌を育てることができます。ビタミンB6は、ニキビの原因となる皮脂をコントロールする働きがあるため肌荒れを防ぐ効果が期待できます。
チアシードに含まれているα−リノレン酸(オメガ3脂肪酸)は、血流を良くし、組織細胞を正常に保つ働きがあるといわれています。そのため、チアシードを摂取することで血液がサラサラになり、冷え性の原因の一つとなる血行不良を改善する効果が期待できます。
チアシードに含まれているセレンには、抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑える効果があるといわれています。活性酸素は、細胞を酸化させ血管をサビつかせる他、肌のシミやシワを増やしてしまうため、抗酸化作用のあるチアシードを摂取することで血管や肌の老化予防効果が期待できます。
食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高めます。それによって食べたものの腸への移動がゆっくりになるため、血糖値の上昇がゆるやかになります。
血糖値の急上昇は血糖値の急降下につながり、空腹感を感じやすくなります。そのため、血糖値の上昇がゆるやかなチアシードは、食べた後の満腹感が長続きするため食べる量を抑えることができます(ただし、空腹感には個人差があります)
チアシードに多く含まれているカルシウムは、骨の健康を維持するのに大切な成分です。カルシウムが不足すると、骨が弱くなり、やがて骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を招きます。ビタミンKがカルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂取するとより骨粗鬆症予防に効果的です。
また、カルシウムの1%は機能カルシウムとして血液や筋肉などに広く存在し大切な情報の伝達を行っており、それによって血液中のカルシウム濃度が常に一定に保たれています。機能カルシウムはこの細胞内外の濃度の差を利用して、血液の凝固や酵素の活性化、ホルモンや神経伝達物質の放出をしています。さらには神経の興奮を抑え精神を安定させたり、筋肉を収縮させたりする働きもあり、筋肉のなめらかな動きをサポートしています。そのため、カルシウム不足によるこむら返りを防ぐ効果が期待できます。
チアシードにはヘモグロビンを構成している鉄分や、ヘモグロビンに必要な銅、赤血球の働きを助ける作用のある葉酸が含まれているため、貧血を予防する効果が期待できます。貧血を予防することで、集中力の低下や頭痛、食欲不振、筋力低下を防ぎ、疲労感の軽減にも繋がります。
チアシードは、ヨーグルトやサラダ、アサイーボールなどのトッピングに用いると、プチプチの食感を楽しむことができます。
また、ごまと同じように、ご飯などの上にふりかけるという食べ方もあります。
乾燥したまま(生のまま)の方が、ごまに近い食感が残りますが、乾燥したままのチアシードは食べ過ぎに注意が必要です(理由は下記で解説しています)。
チアシードは、料理の「つなぎ」の役割を果たすこともできます。例えば、つなぎとしてよく使用されるものに卵がありますが、卵を切らしてしまったときの代用品としてチアシードを使用することができます。実際に、ヴィーガンの方は、チアシードを卵の代わりに使用することが多いです。
クッキーやパンなどの生地に混ぜ込んだり、ハンバーグに練り込んで焼いたりすることで、しっかりとまとまります。
チアシードを使うことで、食物繊維などの栄養素をプラスすることができるという点も良いですね。
ただしチアシードは、生地や他の食材に含まれる水分を吸収するため、仕上がりに差が生じることがあります。そのため、水で戻したチアシードを使うか、いつもよりも多めの水分を加えるとよいでしょう。
水で戻したときのトロッとした粘り気のある性質を生かして、料理のとろみづけとしても使うことが可能です。例えば、シチューやカレー、スープなどに加えることで、とろみが増して満足度が高まります。
また、スムージーやドリンクに加えることで、手軽にチアシードを摂取することができます。
チアシードのプチっとした食感も楽しむことができます。
ごまと同じような感覚で、ドレッシングなどに利用するのもおすすめです。
そのままでもいいですし、すりつぶして食べるという方法もあります。
とろみがあるドレッシングは、満腹感を得やすいです。
チアシードは、水分を含ませた状態で食べるのが一般的です。
チアシードを乾燥したままの状態で食べると、体内の水分を吸収して膨らんでしまうため、腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。また、体内の水分を奪うことにより便秘になってしまう恐れもあります。
そのため、基本的にはヨーグルトやドリンクなどの液体に混ぜて食べる際も、事前に水に戻してから食べます。
チアシードの戻し方はとても簡単です。チアシードと水を1:10の割合で用意し、ボウルや保存容器などに入れて常温または冷蔵庫で12時間以上放置するだけです。
電子レンジで加熱すると早く膨らみますが、チアシードに含まれている栄養成分α−リノレン酸は熱に弱く壊れやすいため、栄養素をキープするには、熱を加えずに水に戻す方がよいです。
チアシードは、スーパーやドラッグストアなどで購入可能です。健康食品コーナーや雑穀コーナーなどに陳列されていることが多いです。
チアシードはカルディや成城石井、コストコなどの輸入雑貨店でも購入可能です。
近くに購入できる店舗がないという場合はAmazonや楽天などのインターネット通販の利用がおすすめです。
チアシードの値段は200gで1,000円前後、1kgで2,000〜3,000円が相場です。ホワイトチアシードの方が若干高く、無農薬やオーガニック(有機)のものほど高価な傾向があります。
チアシードは、開封前であれば2年程度の保存が可能です。開封後はなるべく早く消費することをおすすめします。直射日光や高温多湿を避け、遮光性のある密閉容器に入れて保存するのがベターです。
水に戻した後のチアシードの保存期間は冷蔵で1週間ほどといわれますが、なるべく早めに使い切りましょう。消毒した容器で保存することが大切です。
上述したように、チアシードには発芽毒(アブシジン酸)が含まれているといわれています。
発芽毒は種子を虫や鳥などの外敵から守るための天然の毒素であり、発芽の時期まで発芽しないように抑制する働きもあります。
高濃度のアブシジン酸を培養細胞に添加した実験において、ミトコンドリアに機能障害が起きたことから、「発芽毒」と呼ばれ人体に有害であると騒がれるようになりました。しかし、アブシジン酸が体内で高濃度になるとは考えにくく、実際に健康被害が認められたという事例はありません。内閣府の食品安全委員会でもアブシジン酸の安全性が示されています。
水に12時間以上浸すことにより、無毒化するといわれていれているため、チアシードに含まれる発芽毒は極微量ではありますが気になる方は水にしばらく浸水させてから使うと良いでしょう。
上記でも解説しましたが、チアシードに含まれるα−リノレン酸は熱に弱く加熱することで油の酸化が進み、栄養素がなくなってしまいます。
加熱料理に使用したい場合は、種を潰さないように注意し、熱があまり通らないよう最後にトッピングするなどの工夫をすると良いでしょう。
栄養素が豊富に含まれるチアシードですが、食べ過ぎには注意が必要です。
チアシードの一日目安摂取量は、大さじ1杯(約10g)です。
上記でもご紹介しましたが、100gあたりのカロリー(熱量)が446kcalと高カロリーです。大さじ1杯だと50kcalほどなので、そこまで気にする必要はないかもしれませんが、白ごはんなどと比較するとカロリーが高いことは頭の片隅に入れておきましょう。
また、チアシードには水溶性食物繊維であるグルコマンナンが含まれますが、水溶性食物繊維は摂りすぎると軟便や下痢症状を引き起こします。
栄養価が高いからといって、食べすぎてしまうと栄養も偏ってしまうため一日の目安摂取量を守り、上手に健康維持やダイエットに活かしましょう。
チアシードはとても小さい種子ですが、なるべく噛んで食べることをおすすめします。なぜなら、噛むことによって種子が砕け、種子の中の栄養を効率よく吸収することができるからです。
ドリンクなどに入れるとついそのまま飲み込んでしまいますが、しっかりと噛むことを意識してみてください。
チアシードはシソ科に属する植物ですので、タイムやオレガノなどのシソ科植物でアレルギー反応が出る方は注意が必要です。
また、ゴマアレルギーをお持ちの方も、アレルギー反応を起こす可能性がありますので、心配な方は専門医の受診を推奨します。
エゴマ(荏胡麻)はシソ科シソ属の一年生草です。原産地はヒマラヤ山麗から中国南部にかけての地域といわれていますが、インドや中国中部あるいは南部を原産地とする説もあります。日本には縄文時代以前に伝わったとされており、日本での主な産地は福島県や岐阜県、広島県などです。
エゴマの葉は、韓国ではキムチに加工して利用されます。エゴマの種子から得られる油はエゴマ油として料理に用いられます。「油」ではありますが、サラッとしているため食べやすいです。チアシードと同様にα−リノレン酸を豊富に含むため、加熱料理には適しておらず、サラダなどにかけて食べます。
キヌア(キノアともいいます)は、アカザ科アカザ属の一年生草です。原産地は南米アンデス山脈のティティカカ湖付近(ペルー、ボリビア)といわれています。日本へ伝わった時期は不明とされています。現在はペルーやボリビア、エクアドルなどが主な生産国です。
キヌアの種子は全粒のままスープやサラダ、炊き込みご飯などに入れたり、揚げ物の衣として利用したり、加熱により膨化させてポップ菓子として食されます。また、キヌアは麦茶のような香りがすることからキヌア茶としても市販されています。キヌアで作られた味噌や醤油などもあります。キヌアを粉砕し、クッキーやパン、ビスケット、パスタなどの生地に練り込んで食べることもあります。
バジルは、シソ科メボウキ属の一年生草です。原産国はインドやアフリカといわれています。主な生産国はアメリカやモロッコ、北地中海沿岸です。
バジルには様々な品種がありますが、一般的なのはスイートバジルです。バジルの葉はピザやパスタ、サラダ、マリネなどに用いられます。バジルの種子はチアシードと同じような食べ方をします。
チアシードとバジルシードは見た目がほぼ同じですが、バジルシードの方が低カロリー(1gあたり1kcal)です。栄養素にほとんど差はありませんが、チアシードにのみ必須アミノ酸を多く含みます。
ヘンプシードとは、アサ科アサ属の一年生草本である麻の種子を指します。中央アジアが原産といわれています。
麻の実(ヘンプシード)は、食用油「ヘンプシードオイル」として、また種子のまま食されます。七味唐辛子に入っている大きめの黒い粒が麻の実です。種子のまま食べる場合は、チアシードと同様に、サラダやヨーグルトなどのトッピングや、クッキーなどのつなぎ、ドレッシングなどとして食べることができます。
ポピーシードは、ケシ科ケシ属に属する一年草である芥子(ケシ)から得られる種子です。芥子を英語で「Poppy(ポピー)」ということから、ポピーシードと名付けられました。
ポピーシードには多量の油分が含まれているため、圧搾して食用油のポピーシードオイルとして使われます。また、種子は煎ると香ばしくなるため、パンやケーキのトッピングとして使用したり、七味唐辛子に混ぜて使用されます。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
ドレッシングに入ったチアシードのプチプチ食感がアクセント。
チアシードのアボカドサラダのレシピはこちら
プチプチとしたチアシードと、酸味のある梅がささみによく絡み美味。
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チアシードのとろみでやわらかプリンに。
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チアシードで作るジュレがフルーツと相性抜群。
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チアシードのプチプチと、炭酸のシュワシュワが美味。
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