ダイエットの定番野菜きゅうりですが、実際にダイエットに向いているのでしょうか?きゅうりに含まれる栄養素がもつダイエット効果について詳しく解説していきます。
生のきゅうりの可食部100gあたりのエネルギー量は13kcalで、糖質は1.9g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。
水分は95.4g、たんぱく質は1.0g、炭水化物は3.0g、脂質は0.1g、食物繊維は1.1gです。きゅうりは90%以上が水分です。栄養価はそこまで高くないですが、さまざまな栄養がバランスよく含まれている野菜です。
ただ調理法によってはカロリーが高くなります。ぬか漬けにするとエネルギー量は28kcalで、糖質は4.7gまで上がります。またピクルスだとエネルギー量は70kcal、糖質は16.6gとさらに上がります。
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いですが、これらに比べてもきゅうりのカロリーと糖質が低いことがわかります。ちなみにじゃがいもの100gあたりのカロリーは59kcalで糖質は8.4gです。かぼちゃはさらに高くなります。
きゅうりは低カロリー・低糖質なのでダイエットに向いていますが、他にも低カロリーな野菜は多いため、むしろ糖質の高いものさえ避ければ、野菜はダイエットに向いているでしょう。
ちなみにごはん(白米)100gの糖質は35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gで51.9gで550kcalにもなります。
ホスホリパーゼは「やせ酵素」と呼ばれています。というのも、ホスホリパーゼは脂肪を分解する作用がある酵素で、食事で摂取した脂肪を分解して体外に排出してくれます。しかもきゅうりに含まれるホスホリパーゼはその効果がより強いことが明らかになっています。さらには体内の老廃物や毒素を排出して、脂肪を燃やし代謝を高めてくれます。食事をする前にきゅうりを食べておくと、脂肪分解が活性化されるとして、ダイエット界隈でも注目されています。
ピラジンは香りや苦味成分の原因物質です。ピラジンは血流促進作用があるため、高血圧予防の効果が期待できます。血流が良くなることで夏の冷え性対策にも効果があります。さらに代謝もよくなるため運動をしてダイエットをする人には効果が期待できます。また血行が促進することで肌のくすみがとれたり、消炎作用も期待できます。
シトルリンはスイカから発見されたアミノ酸で、ウリ科の植物に多く含まれています。
まずシトルリンには血管拡張作用があるので、運動パフォーマンスを向上させる効果があります。これはシルトリンが増加すると、アルギニンが増えるので体内の一酸化窒素の濃度が上がります。一酸化窒素に血管拡張作用があるため、そのような効果が発揮されます。さらには、乳酸やアンモニアなどを素早く除去し、エネルギー生成を促進する働きもあります。この反応に伴って成長ホルモンの分泌を促進したり、筋肉を構成するたんぱく質の分解の抑制や合成の促進などが起こるので、運動をしてダイエットする人はぜひ摂取すべき栄養素です。
さらに、このシトルリン、美肌効果もあるんです。シトルリンは肌の潤いを保つ、人がもともと持っている保湿成分のひとつであるため、肌のツヤやハリを維持します。先程も言ったように血流が改善する効果もあるので新陳代謝を活発にして、肌のターンオーバーも促進できます。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。さらに胃腸内をゆっくり移動するので、腹持ちがよくなっています。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
ビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれます。そしてカルシウムの合成に必要なたんぱく質を生み出し、腸内でカルシウムが吸収されるのを助けます。ビタミンDと並び、健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。
ですが、ダイエットや女性ホルモンの減少、また加齢などにより骨密度は低下します。それが重症化すると骨粗しょう症を発症します。特に女性に多いこの病気とされているので、ダイエットをしている方は日頃からカルシウムの吸収を助けるビタミンKとビタミンDを一緒に摂り、骨密度アップを心がけましょう。
スナック菓子やチョコレートなどを食べていた間食をきゅうりの野菜スティックなどに変えるといいでしょう。やっぱりスナック菓子やチョコレートなどは「少しくらいなら!」と思っても、糖質が高く太りやすいです。きゅうりなら食べごたえもありますし、「間食がきゅうりなら食べなくてもいいか…」という気持ちになって1日全体の食べる量を減らすこともできます。
味付けで甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。きゅうりだけでは味が薄いので、濃い味付けをしてしまう人も多い傾向にあります。ダイエット中はなるべく砂糖は使わず、塩・コショウや酢を使うようにしましょう。
きゅうりをサラダで使う場合もドレッシングは糖質や脂質が高いものがありますので、注意です。また、マヨネーズも注意です。カロリーハーフのマヨネーズがありますが、実は糖質は一般的なマヨネーズよりも高くなっています。ダイエット中は、マヨネーズの使用は控えましょう。
「やせ酵素」であるホスホリパーゼは、よく噛むことで効果がアップします。20回以上噛まないと細胞壁が壊れません。そのためホスホリパーゼを吸収することができないんです。きゅうりを食べるときは20回以上噛むことを意識してみましょう。
さらに、咀嚼をすると満腹中枢を刺激するため、食べ過ぎを抑えることができます。
きゅうりのダイエット効果が高いからといって、「主食をきゅうりに置き換える」「食事全体をきゅうりのみに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
まず第一に、きゅうりだけを食べていると栄養が偏ります。例えば、きゅうりにはビタミンDやビタミンB12が一切含まれていません。ビタミンDは骨の形成を助け、ビタミンB12は赤血球の中のヘモグロビンの生成を助ける働きがあります。栄養が偏ると、体調を崩しやすくなったり痩せにくい体になってしまいます。
さらに、きゅうりの食べ過ぎは体を冷やすといわれています。これはきゅうりに多く含まれるカリウムの利尿作用によるものです。排尿の際に放熱されるので、体温が下がってしまいます。
ちなみに、野菜の摂取目安量は日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。きゅうりは淡色野菜であるため他の淡色を含め230g以上を目安にするといいです。
緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。
きゅうりは淡色野菜に分類され、他の淡色野菜も食べることを考慮すると、1日あたり50〜100gが妥当で、本数にすると1〜2本程度です。
ダイエットにきゅうりを食べる場合は、おやつの代わりに1日1本を目安に食べるのがよいでしょう。
きゅうりに豊富に含まれるビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。そのため、鶏肉などたんぱく質を豊富に含む食材と一緒に食べると効果的です。たんぱく質とビタミンCを組み合わせて十分に取れば、筋肉が発達し脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。
ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。
鉄は、吸収率が低いと言われています。そのため鉄を含む食材を食べる際は、ビタミンCを豊富に含むピーマンを一緒に食べるようにするといいでしょう。
鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。このヘモグロビンですが、ヘムという赤い色素とグロビンというたんぱく質から成っており、赤血球が赤い色をしているのはこのヘモグロビンの色です。肺に取り込まれた酸素は、このヘモグロビンと結合して心臓に送られ、そこから全身へと運ばれていきます。そして、ヘモグロビンは酸素が届け終わると二酸化炭素と結びつき、また心臓を経て肺に戻っていきます。鉄を材料としたヘモグロビンは、体内でとても重要な役割をしているのです。
そのため、鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。
よくトマトとの相性が悪いと言われていますが、これは間違いです。これは、きゅうりに含まれる酵素アスコルビナーゼは従来ビタミンCを破壊すると言われていたことによるものですが、実際には還元型のビタミンC(L-アスコルビン酸)を酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)へと酸化させてしまうだけです。
さらに、体内で酸化されたビタミンCは、状況に応じてもとの形に戻って通常通り働きます。人体内ではほとんどが還元型として存在することが報告されているため、「ビタミンCを破壊する」というのは間違いです。
酸化が気になる方は、酢を加えたり、2分間加熱することで、酵素アスコルビナーゼの働きを抑制することができます。
お手製の人参と玉ねぎのすりおろしドレッシングが美味しいひと皿。甘味料は一切使用していません。オメガ3が豊富なえごま油を使っています。
きゅうりのサラダのレシピ
きゅうりでは珍しい煮物料理です。しょうがをたっぷり入れることで、きゅうりの青臭さが和らぎます。具材はきゅうりとしょうがだけの低カロリーレシピです。
きゅうりのしょうが煮のレシピ
みょうがの香りが食欲をそそる一品です。暑い日に美味しくいただける簡単レシピです。木綿豆腐はキッチンペーパーで包み、600Wで2〜3分レンジで温めることで簡単に水切りできます。豆腐が入ることで満足感がアップするので、ダイエッターに嬉しいひと品です。
簡単冷や汁のレシピ
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