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人参のダイエット効果は?太る?食べ方は生?注意点は?

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人参のダイエット効果は?太る?食べ方は生?注意点は?

人参のダイエット効果について解説します。人参は野菜の中では糖度がやや高いのが特徴です。調理法によってカロリーは増加します。ダイエット時に人参を食べるときの注意点を紹介していきます。

人参のカロリーと糖質は?

人参はカロリー35kcal・糖質6.5g

生のにんじんの根の可食部100gあたりのエネルギー量は35kcalで、糖質は6.5g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は89.1g、たんぱく質は0.7g、炭水化物は9.3g、脂質は0.2g、食物繊維は2.8gです。

また生のにんじんの葉の可食部100gあたりのエネルギー量は16kcalで、糖質は1.0gです。水分は93.5g、たんぱく質は1.1g、炭水化物は3.7g、脂質は0.2g、食物繊維は2.7gです。

にんじんは根の部分の方が葉よりも糖質とカロリーが高いです。

他の野菜と比べると

よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと野菜の中で低く、にんじんの方が高くなっています。

しかし芋類であるじゃがいもは100gあたりカロリー59kcalで糖質8.4g、またかぼちゃは100gあたりカロリー78kcalで糖質17.1gと、にんじんよりも高くなっています。

ただ野菜は全体的にカロリーが低いのでダイエットに向いているといえます。

ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcal・糖質35.6gです。

調理するとカロリーが上がる

また調理をすることで、カロリーと糖質は増加します。

生だとカロリー39kcal・糖質6.5gなのに対し、グラッセにすると66kcal・糖質10.1g、素揚げは89kcal・糖質12.8g、油で炒めると109kcal・糖質9.3gにもなります。

茹でるだけならカロリーは減りますが、それ以外の調理方法はすべてカロリーも糖質も高くなるので注意が必要です。ちなみに衣を使って天ぷらやかき揚げにした場合は、さらに高くなります。

人参がダイエットに向いている理由

食物繊維が豊富

人参に含まれる食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。

また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

カリウムも含まれる

カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。

カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。

また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。

人参に豊富に含まれるβ-カロテン

β-カロテンはダイエットとは直接的に関係ありませんが、美容には大変重要な栄養素です。

β-カロテンには強い抗酸化作用もあるので、肌を健康に保ち、老化を防ぐアンチエイジング作用があります。

さらに、β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜、細胞のを代謝を促進する働きがあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が期待できます。

人参でダイエットを行う注意点

味付けに注意

人参の味付けにも注意しましょう。味付けも甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。人参だけでは味が薄いので、濃い味付けをしてしまう人も多い傾向にあります。ダイエット中はなるべく砂糖は使わず、塩・コショウや酢を使うようにしましょう。

人参をサラダで使う場合もドレッシングは糖質や脂質が高いものがありますので、注意です。また、マヨネーズも注意です。カロリーハーフのマヨネーズがありますが、実は糖質は一般的なマヨネーズよりも高くなっています。ダイエット中は、マヨネーズの使用は控えましょう。

人参ジュースは特に注意

手軽に人参の栄養が取れるからと、人参が含まれる野菜ジュースを日常的に飲んでいる方も多いかもしれません。しかし、野菜ジュースは味を調整するために果物が配合されていたり、砂糖が入っている場合があります。100%の野菜ジュースでも、加工過程で不溶性食物繊維が取り除かれているため、血糖値が上がりやすくなっていると想定されます。そのため、ダイエット中は野菜ジュースは飲まず、野菜そのものを飲むのが推奨されます。

参考文献:津川友介(2018)『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』東洋経済新報社

人参ばかり食べるのはNG

「炭水化物を人参に置き換える」「食事全体を人参に置き換える」などの極端なダイエット方法はおすすめできません。

確かにごはんよりカロリーは低いのでダイエットにはなりますが、ひとつの食材だけを摂取していると栄養が偏ってしまいます。例えば、人参はβ-カロテンが豊富に含まれますが、ビタミンCの含有量は他の緑黄色野菜と比べて少なめです。ビタミンCはタンパク質がコラーゲンになるのに不可欠な栄養素で、筋肉量を増やし代謝を上げ痩せやすい体作りに貢献します。人参は食べ過ぎると他にもデメリットがあるので注意が必要です。

また、炭水化物は適量を摂ればエネルギー源となり、脂肪を燃焼させる体づくりに貢献しますので、その観点からも炭水化物をすべて人参に置き換えるのはおすすめできません。

人参の1日の摂取目安量は?

人参の摂取目安量は、これといって明確に決まっているわけではありませんが、様々な観点から目安量を設定することができます。

大人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g(生野菜なら両手で3杯、茹でたものなら片手で3杯)で、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上と言われています。

緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。

人参はβ-カロテンの含有量が高く、代表的な緑黄色野菜です。人参以外の緑黄色野菜も食べた方がよいので、1日あたり50g程を目安とするのが妥当といえます。人参1本あたり150gほどなので1/3くらいとなります。

人参のダイエットにおすすめの食べ方

副菜のひとつとして

バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。

前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、人参を副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。

食べ方のコツは、副菜→主菜→主食(ご飯)の順に食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。

間食を人参に変えるのも◎

スナック菓子やチョコレートなどを食べていた間食を人参の野菜スティックなどに変えるといいでしょう。やっぱりスナック菓子やチョコレートなどは「少しくらいなら!」と思っても、糖質が高く太りやすいです。人参なら食べごたえもありますし、「間食が人参なら食べなくてもいいか…」という気持ちになって1日全体の食べる量を減らすこともできます。

生食がおすすめ

人参は茹でると柔らかくなりますが、生のままだと硬いですよね。そのため、人参を生で食べることで何度も咀嚼する必要があります。それによって満腹中枢を刺激することができるので、少ない量で満腹感を得られます。サラダなどにすれば他の野菜と一緒に多く食べれるので、ダイエット中の食事にいいでしょう。ただ先程も言いましたがドレッシングには糖質が高いものもあるので気をつけましょう。できれば、レモン汁やオリーブオイルなどを使ってヘルシーな手作りドレッシングを用意するといいでしょう。

茹でる場合も短めにするのがポイント。むくみをとる作用があるカリウムは水溶性なので、茹で時間が長いと流れ出てしまいます。茹でるのではなく、人参を蒸す方法や、電子レンジで加熱して火を通すのも◎。

栄養を補える食品と

例えば、人参はビタミンCが少ないので、ビタミンCが豊富な食材と一緒に食べるといいでしょう。
ビタミンCを多く含む食品には、野菜であればピーマンやブロッコリーがあります。実はピーマンやブロッコリーはレモンよりも多くビタミンCが含まれています。それからアセロラにも多く含まれています。

またビタミンB群も少なくなっていますので、積極的に摂取するようにしましょう。野菜にはなかなか含まれていないビタミンB12は赤血球の中のヘモグロビンの生成を助ける働きがあります。ビタミンB12が不足すると、骨粗しょう症や貧血のリスクが伴います。レバーや牡蠣、あさりやしじみ、海苔などに多く含まれています。