人参は火が通りにくい野菜であるため、どれぐらい茹でれば良いのか迷いますよね。本記事では人参の茹で方のポイントや茹で時間について解説します。
野菜を茹でるときは、水から茹でる場合とお湯から茹でる場合があるので、どちらが良いのか迷う方も多いと思いますが、人参は水から茹でます。
人参に限らず根菜は、常温からじっくりと加熱することで繊維が膨らみ柔らかくなります。お湯から茹でてしまうと加熱ムラができて外側だけ柔らかく中心部は固いままになってしまうことがありますので、必ず水から茹でるようにしましょう。
人参の茹で時間は鍋を使って茹でる場合もレンジを使って茹でる場合も、切り方や厚さで変わります。カレーや煮物に入れる場合や、炒めものにする場合など料理によって切り方や厚さが変わってくるので、切り方や厚さによって茹で時間を調節します。
主な切り方と茹で時間の目安は下記の通りです。
【人参を鍋で茹でる場合の茹で時間の目安】
・丸ごと・・・30〜40分
・乱切り・・・12〜15分
・輪切り・・・8〜10分
・半月切り・・・5〜6分
・角切り・・・5〜6分
・いちょう切り・・・4〜5分
・短冊切り・・・4〜5分
根菜は皮を剥いて食べる野菜も多くありますが、人参の場合は皮を剥かなくても食べることができます。皮と身の間にも栄養素が沢山集まっているので、皮を剥かずに丸ごと食べるのが栄養面的には最も理想的ではありますが、柔らかくしたい場合や味をしっかり染み込ませたい料理に使う場合など皮を剥いて使ったほうが良いこともあります。
皮を剥いて使う場合も、人参は皮を剥かずに丸ごと茹でたほうが良いです。人参にはビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が含まれています。鍋を使って人参を茹でるとカットした断面から水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがありますが、皮を剥かずに丸ごと茹でることで栄養素の流出を最小限に抑えることができます。
しかし、丸ごと茹でると時間がかかってしまうので、時短したい場合は皮を剥いてカットしてから茹でても良いです。
人参を茹でるときには、塩を加えて茹でると人参の甘みがより際立ちます。塩の分量は水1リットルにつき大さじ1/2が目安です。
また、塩を入れて茹でると人参から水分が出ます。水分と一緒に人参特有の臭いとなる成分や苦味の元になる成分が出てくるので、人参の臭いや苦味が軽減されて食べやすくなるメリットもあります。
人参の臭みや苦味を取る下処理として塩もみをする方法がありますが、人参のグラッセや炒めものにするなど加熱調理をする場合は塩を入れて茹でておくと良いです。
<塩もみすると水分が出るのはなぜ?>
異なる物質同士の細胞の成分濃度が違うと、成分が薄い方から濃い方へと水が移動して、両方の濃さを揃えようとする力が働く。これを「浸透圧」という。野菜を塩でもむと、野菜の水分に塩が溶け濃い塩水ができ野菜の外側の塩分濃度が高くなるため、濃度を調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から水分が出てくる。
人参を茹でる際は、火力にも注意が必要です。人参は火が通りにくい野菜なので強火にしたくなりますが、強火だと人参がぶつかりあって煮崩れしやすくなります。
したがって、人参を茹でる際は中火で茹でるのがおすすめです。水が沸騰するまでは強火でOKですが、沸騰したら中火に切り替えて茹でましょう。
人参の茹でる時間は、上述したように切り方や厚さによって異なります。本記事では、水から茹でて水が沸騰してから茹で上がるまでの時間を「茹で時間」とします。
人参を丸ごと茹でる場合は、人参を洗い汚れを落としたら水を入れた鍋に入れて、30分〜40分を目安に茹でます。竹串などがスッと通るぐらいまで柔らかくなったら完了です。
人参は丸ごと茹でるのが最も時間がかかりますが、上述したように栄養素の流出を最小限に抑えることができるメリットがあります。
また、余熱で火の通りが進みますので、芯が残ってる状態で取り出してOKです。
長さ4cm〜5cm、幅3mm〜5mmの細切りにした場合の茹で時間は2分〜3分です。
細切りの場合は比較的早く火が通るので茹で時間は短めです。サラダにしたい場合など食感を残したい場合は茹で時間を短めにしても良いです。
幅5mm程度のいちょう切りの場合の茹で時間はだいたい4分〜5分です。4分〜5分を目安に、厚めに切っている場合は茹で時間を長くし、薄めに切っている場合は茹で時間を短くしてください。
長さ4cm〜5cm、幅1cm、厚さ2〜3mmの短冊切りの場合の茹で時間も4分〜5分です。厚めに切っている場合は茹で時間を長くし、薄めに切っている場合は茹で時間を短くしてください。
5mm幅の半月切りの場合の茹で時間は、5分〜6分です。煮物にする場合など厚めに切っている場合は茹で時間を長くしましょう。
1センチの角切り(さいの目切り)の場合の茹で時間も5分〜6分です。小さいですが、細切りよりも時間がかかります。離乳食に使う場合など、柔らかくしたい場合は茹で時間を長くしてください。
1cm幅の輪切りの場合の茹で時間は8分〜10分です。輪切りの場合も厚さによって茹で時間を調節してください。
一口大の乱切りにする場合の茹で時間は12分〜15分です。煮物にする場合やカレーに入れる場合など大きめに切る場合は、茹で時間を長めにしてください。
乱切りなど角ができるカットの場合は、面取り(角を取ること)することで崩れにくくなります。包丁で削った角の部分は味噌汁や炒め物などに入れて食べるのが◎。
人参はレンジを使って茹でることもできます。レンジを使えば時短になりますし、沢山の水を使わずに茹でることができるので、栄養素の流出を最小限に抑えることができます。
レンジの茹で方の基本
1.カットした人参を耐熱容器に入れる
2.水を加えてラップをする
3.加熱する
人参は水分量の少ない野菜であるためレンジで一気に加熱することで水分が蒸発し、焦げたり発火してしまうことがありますが、水を加えておくことで防ぐことができます。
レンジを使う場合も、鍋で茹でるときと同じく加熱時間の目安は、切り方や厚さ、レンジのワット数によっても異なります。特に人参を厚めに切っている場合は加熱ムラができやすいので、ひっくり返して再度加熱をしたり、均等にカットするなどの加熱ムラを防ぐ工夫をすると良いです。
長さ4cm〜5cm、幅3mm〜5mmの細切りにした場合の加熱時間の目安は600wのレンジで1分40秒です。細切りの場合は加熱ムラができにくく、比較的早く火を通すことができます。
幅5mm程度のいちょう切りの場合の加熱時間はだいたい1分40秒です。厚めに切っている場合などは様子を見ながら加熱時間を長くしてください。
長さ4cm〜5cm、幅1cm、厚さ2〜3mmの短冊切りの場合の加熱時間も1分40秒です。厚めに切っている場合は加熱時間を長くしてください。
5mm幅の半月切りの場合の加熱時間も1分40秒が目安です。厚めに切っている場合は加熱時間を長くしてください。
1センチの角切りの場合の加熱時間の目安は2分です。
1cm幅の輪切りの場合の加熱時間の目安は2分です。厚めに切っている場合は加熱時間を長くしてください。また、厚めに切っている場合は途中でひっくり返すと加熱ムラを防ぐことができます。
一口大の乱切りの場合の加熱時間の目安は2分〜2分半です。乱切りは比較的時間がかかるので、2分〜2分半加熱してまだ柔らかくなっていない場合は、30秒ずつ様子を見ながら加熱時間を増やしていくと良いです。
肉じゃがやカレーに入れる人参の茹で時間の目安は12分〜15分程です。
肉じゃがやカレーに入れる人参は一口大など大きめに切ることが多いため、火が通るのに時間がかかります。ただし、あまり長く加熱しすぎてしまうと煮崩れしてしまうので注意しましょう。煮物にする場合やカレーに入れる場合の人参の固さが気になる場合は予め下茹でしておくと良いです。
味噌汁やスープに入れる人参の茹で時間の目安は4分〜5分です。味噌汁に入れる人参は、小さめにカットされることが多いので5分程茹でれば十分中まで火が通ります。
小さなお子様や高齢者の方が食べる場合など、柔らかめのほうが良いという場合は7〜8分と長めに茹でると良いでしょう。
ナムルにする人参の茹で時間の目安は2分〜3分です。ナムルの場合は細切りにすることがほとんどなので、2分〜3分茹でれば火が通ります。食感を残したい場合は茹で時間を短めにしても良いでしょう。胡麻和えなどの和え物にする場合も、2分〜3分を目安に茹でると良いです。
人参を離乳食にする場合はしっかりと加熱して柔らかくする必要があります。鍋を使って茹でる場合は上述した茹で時間を目安にしっかりと柔らかくなるまで茹でると良いです。
レンジの場合は、柔らかくしようと加熱時間を長くしすぎてしまうと焦げてしまうことがあります。そのため、しっかりと柔らかくしたい場合は大きめに切って2分程加熱をした後に、月齢に応じて細かく刻んだりペースト状にするのが良いです。
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