人参は蒸すことで柔らかくなり食べやすくなり、甘みが増すなどのメリットがあります。本記事では人参の蒸し方を解説します。
人参は生だとシャキシャキとした食感を楽しむことができる一方で、小さなお子様や高齢者の方が食べる場合は固くて食べにくいことがありますが、蒸すことで柔らかくなるため食べやすくなります。
人参に限らず野菜の細胞壁はセルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。加熱をするとペクチンが分解されるため野菜は柔らかくなります。
柔らかくして食べやすくする目的で加熱するのであれば、茹でるのでも良いのではないかと思う方も多いと思いますが、茹でるのでは水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。
人参に含まれている水溶性の栄養素にはビタミンCやカリウムなどがあります。例えば離乳食では食材を柔らかくするために茹でることが多いですが、せっかく与えるのであれば栄養素の流出は最小限に抑えたいですよね。
蒸せば、茹でるのとは異なり水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えて柔らかくすることができます。
人参は蒸すことで甘みが増すことがわかっています。蒸すことで人参の含有量が増えるというわけではないのですが、蒸すことで口腔内でにじみ出やすいエキス量が増加するため、甘さやジューシーさが増しているものと考えられています。
出典:人参の蒸し加熱による甘味強化(J-stage)
根菜は皮を剥いて食べる野菜も多くありますが、人参の場合は皮を剥かなくても食べることができます。皮と身の間にも栄養素が沢山集まっているので、皮を剥かずに丸ごと食べるのが栄養面的には最も理想的です。最近では人参を丸々一本皮を剥かずに蒸す「人参の丸ごと蒸し」が人気です。
ただし、皮ごと調理をすると口当たりが悪くなったり、火が通りにくいため柔らかくなりにくくなったりもします。口当たりをよくしたい場合や離乳食にする場合などは皮を剥いて蒸すのが良いです。
一般的な蒸し器を使った人参の蒸し方を紹介します。
まず、深めの鍋またはフライパンに2cm〜5cm程水を入れて、加熱しお湯を沸かします。蒸気で人参に火を通していくので、水を沢山入れる必要はありません。人参が完全に水につかってしまうと茹でるのと変わらなくなってしまうので注意してください。
お湯が沸いて蒸気が出てきたら、カットした人参を乗せた蒸し器を鍋に乗せます。蒸し器を入れたら、蓋をして蒸していきます。
蒸し時間は人参の切り方や厚さによって異なりますが、目安は5〜10分です。竹串などを指してみて、スッと通れば完了です。より柔らかくしたい場合は、長めに加熱することでしっかりと柔らかくすることができます。
人参はレンジを使って蒸すこともできます。レンジを使うと加熱時間が短く済むので時短になりますし、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるメリットがあります。
レンジを使って蒸すときは、まず料理に合わせてカットした人参を耐熱容器に入れます。
離乳食で人参を使う場合など、よりしっかりと柔らかくしたいときは短時間でしっかりと火を通すため5~10mmの厚さの輪切りにするのがおすすめです。または1/4カットなどにして、加熱が終わってから細かく刻んだりペースト状にするのが良いです。加熱時間を長くして柔らかくしようとすると焦げてしまうので注意しましょう。
カットした人参を耐熱容器に入れたら、大さじ1の水を加えてふんわりラップをかけて加熱します。水を加えることで、しっとりと柔らかく仕上げることができます。また、人参は水分量の少ない野菜であるためレンジで一気に加熱することで水分が蒸発し、焦げたり発火してしまうことがありますが、水を加えておくことで防ぐことができます。
加熱時間の目安は、切り方や厚さ、レンジのワット数によっても異なります。薄切りなどは火が通りやすいので600wで1分〜2分が目安です。厚切りの場合は3分を目安に加熱し、竹串などがスッと通らなければ30秒ずつ様子を見ながら加熱時間を増やしていきます。特に人参を厚めに切っている場合は加熱ムラができやすいので、ひっくり返して再度加熱をしたり、均等にカットするなどの加熱ムラを防ぐ工夫をすると良いです。
深めのフライパンを使って蒸すこともできます。
フライパンを使って蒸す場合は、フライパンに水を入れたらアルミホイルを敷いて、沸騰したらアルミホイルの上に人参を置いて蓋をして8分〜10分程蒸します。
炊飯器を使って人参を蒸すこともできます。
炊飯器を使って蒸す場合は、まず炊飯器窯の底1~2㎝程まで水を入れます。人参が浸るぐらいまで水を入れる必要はありません。水を入れたら、人参を入れて通常の炊飯モードで炊きます。
時間はかかりますが、スイッチを押して放置しておくだけで簡単に蒸すことができるので、おすすめです。
蒸した人参の美味しい食べ方を紹介します。
蒸した人参は、シンプルにタレやソースにつけて美味しく食べることができます。例えば醤油とマヨネーズを混ぜ合わせたマヨ醤油ソースなどが手軽に作れます。手間はかかりますが、刻んで炒ったくるみとマヨネーズやクミンパウダーなどを合わせたくるみソースも人気があるようです。
ブロッコリーやじゃがいもなど、その他の野菜も一緒に蒸して温野菜にすると、美味しく野菜をたっぷり食べることができます。
蒸した人参はサラダにすることもできます。生のままサラダにしても美味しいですが、蒸してからサラダにすると柔らかくなるので小さなお子様も食べやすくなります。
人参に多く含まれているβ-カロテンは油溶性なので、サラダにしてドレッシングをかけて食べるとβ-カロテンの吸収率を上げることもできます。
蒸した人参は和え物にしても美味しく食べることができるのでおすすめです。和え物にするときは蒸した人参を千切りにして、調味料と混ぜ合わせると良いです。例えば、すりごまと醤油、酢、砂糖を混ぜ合わせれば簡単に人参の胡麻和えを作ることができます。
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