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ピーマンがダイエットに効果的な理由とは?おすすめの調理法と注意点を解説

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ピーマンがダイエットに効果的な理由とは?おすすめの調理法と注意点を解説

さまざまな調理で使われるピーマンですが、ダイエットに効果的なのはご存知ですか?カロリー・糖質が低いだけではなく、ダイエットに効果的な栄養素が豊富に含まれます。本記事ではピーマンのダイエット効果について詳しく解説していきます。

ピーマンのカロリー・糖質

ピーマンはカロリー20kcal・糖質2.8g

ピーマン(生)の可食部100gあたりのエネルギー量は22kcalで、糖質は2.8g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。

また、水分は93.4g、たんぱく質は0.9g、炭水化物は5.1g、脂質は0.2g、食物繊維は2.3gです。

ピーマンはカロリーの低い食品なので、ダイエット向きといえます。ただ、炒めるとカロリーは54kcalまで増えてしまうので調理法には気をつけましょう。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ピーマンの色ごとのカロリーと糖質

一般的にピーマンと呼ばれるものは青ピーマンで実が未熟なものです。この青ピーマンが成長すると赤ピーマンになります。赤ピーマンになる手前が黄ピーマンで、赤ピーマンに近づくほどオレンジ色になります。ちなみに赤ピーマンになるまで約7週間かかり、独自の青臭さが減り、甘みが増します。

赤ピーマンは青ピーマンより熟しているため、栄養価が高くなり表の通り生の赤ピーマン100gあたりのエネルギー量は28kcal、糖質は5.6gと高くなります。栄養素は、赤ピーマンはビタミンCが約2倍、β-カロテンが約3倍、ビタミンEは約5倍にもなります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

他の野菜と比べると

よく食卓に並ぶなすは100gあたりカロリー18kcalで糖質は2.9g、トマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質3.7gと野菜の中で低いですが、ピーマンの値もなすやトマトと変わりません。

野菜は根菜を除いて全体的に低カロリー・低糖質ですが、その中でもピーマンはカロリーも糖質も低めで、ダイエットに大変向いているといえます。

ちなみにごはん(白米)の糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり59.3gで550kcalにもなります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ピーマンのダイエットに関連する栄養素

食物繊維

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、特に水溶性食物繊維がダイエットの強い味方です。

水溶性食物繊維は、消化管で糖質を取り囲み、糖質の消化・吸収をブロックし、血糖値の上昇を抑えます。また、コレステロールを吸着し排出することで血中コレステロール濃度を低下させます。

さらに、食物繊維が豊富な食品は食べごたえがあり、咀嚼に時間がかかります。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されてすぐにお腹がいっぱいだと感じやすくなります。その結果、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたりする働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。

また、コレステロール値を下げる作用もあります。

さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。

ピラジン

ピラジンは香りや苦味成分の原因物質です。ピラジンは血流促進作用があるため、高血圧予防の効果が期待できます。血流が良くなることで夏の冷え性対策にも効果があります。さらに代謝もよくなるため運動をしてダイエットをする人には効果が期待できます。また血行が促進することで肌のくすみがとれたり、消炎作用も期待できます。

カプシエイト

ピーマンは唐辛子の仲間ですが、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンはほとんど含まれていません。カプサイシンが変化した、辛さが1/1000である「カプシエイト」という成分がピーマンには含まれています。

カプサイシンとカプシエイトはどちらも代謝をアップさせて脂肪燃焼をサポートする役割があります。カプシエイトは辛くないため、胃腸への刺激や血圧の上昇のリスクが低く、たくさん食べられるのが大きなメリットです。

ビタミンB群

ピーマンにはビタミンB1、B3、葉酸などのB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。

なかでもビタミンB1は糖質がエネルギーとして使われるのに多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。

ビタミンB1が豊富に含まれる食品には他にも豚肉やうなぎ、ブリ、えのきたけなどがあります。

カルシウム

カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進すると言われています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウム不足にはならないよう摂取しましょう。

ピーマンダイエットの注意点

ピーマンばかり食べるのはNG

ピーマンがダイエットに向いている理由はたくさんあります。

  • 低カロリー・低糖質

  • ダイエット効果のある栄養素が豊富

  • 一度にたくさん食べられる

  • さまざまな調理法がある

  • 通年手に入る

  • 価格が高くない

しかし、ピーマンばかりを食べるのは避けた方がよいといえます。

ピーマンはカロリーが低いからといって「主食をすべてピーマンに置き換える」「食事全体をピーマンに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。

摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。

また、ピーマンに含まれる食物繊維は食べ過ぎと気持ち悪くなったり、下痢や腹痛の原因になるので注意しましょう。

ピーマンの1日の摂取目安量は50g程度が妥当です。

茹ですぎに注意

水溶性の栄養素であるビタミンB群、C、カリウムは、茹でると流失してしまいます。茹でるときはなるべく短くするように心がけましょう。

栄養素の流失が気になる方はスープや煮物などで汁ごと頂くとよいでしょう。また、電子レンジを使って加熱すると水溶性の栄養素の流失を最小限に抑えることができます。

味付けに注意

ピーマンの味付けには注意しましょう。味付けも甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。ピーマンだけでは味が薄いので、濃い味付けをしてしまう人も多い傾向にあります。ダイエット中はなるべく砂糖は使わず、塩・コショウや酢を使うようにしましょう。

ピーマンをサラダで使う場合もドレッシングは糖質や脂質が高いものがありますので、注意です。また、マヨネーズも注意です。カロリーハーフのマヨネーズがありますが、実は糖質は一般的なマヨネーズよりも高くなっています。ダイエット中は、マヨネーズの使用は控えましょう。

油でカロテンの吸収率はアップするが...

ピーマンにはβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAになりますが、体内で吸収されにくいといわれています。このβ-カロテンの吸収率を油がアップしてくれるので、炒めものなどにして油と一緒に食べることをおすすめします。またビタミンEも脂溶性であるため、揚げ物や炒めものにすることで吸収率が上がります。

しかし、油はカロリーが高いのでダイエット中は摂り過ぎに注意が必要です。糖質制限をメインで行っている方は油の摂取量はそこまで気にしすぎることはありませんが、摂り過ぎはやはり肥満の原因になるので気をつけましょう。

ピーマンの効果的な食べ方

副菜のひとつとして

バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。

前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、ピーマンを副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。

食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。

たんぱく質と一緒に

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。ご存知の方も多いかと思いますが、コラーゲンには美肌効果が期待されています。鶏肉や卵などと一緒に摂ると、さらに効果アップが見込めます。

また、ビタミンA(β-カロテン)がビタミンCのこの作用を助ける働きがあります。ピーマンにはどちらも含まれていますので、たんぱく質と一緒に食べるのが大変効果的と言えます。

鉄と一緒に

ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。

鉄は、吸収率が低いと言われています。そのため鉄を含む食材を食べる際は、ビタミンCを豊富に含むピーマンを一緒に食べるようにするといいでしょう。

鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。このヘモグロビンですが、鉄を含んだヘムという赤い色素とグロビンというたんぱく質から成っており、赤血球が赤い色をしているのはこのヘモグロビンの色です。肺に取り込まれた酸素は、このヘモグロビンと結合して心臓に送られ、そこから全身へと運ばれていきます。そして、ヘモグロビンは酸素が届け終わると二酸化炭素と結びつき、また心臓を経て肺に戻っていきます。鉄を材料としたヘモグロビンは、体内でとても重要な役割をしているのです。

そのため、鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。

ダイエットにおすすめのピーマンレシピ

ダイエットにおすすめのピーマンのレシピを紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

無限ピーマン

ツナ缶で作る簡単無限ピーマンです。飽きずにたくさん食べられて満足感が高いので、糖質制限ダイエットをしている方におすすめです。

無限ピーマンのレシピはこちら

丸ごとピーマンのおかか煮

甘味はみりんだけ!低カロリーでダイエットにおすすめのひと品です。ピーマンを丸ごと使うので栄養も逃さず、満足感も高くて◎。

丸ごとピーマンのおかか煮のレシピはこちら

丸ごとピーマンとめかじきの蒸し焼き

めかじきはたんぱく質とミネラル類が豊富でダイエットに大変おすすめの食材です。こちらもピーマンは丸ごといただきます。

丸ごとピーマンとめかじきの蒸し焼きのレシピはこちら

糖質とカロリーのダイエットとの関係って?

一般的にカロリーといわれるものは、エネルギー量のことを指します。当たり前ですが、摂取するエネルギー量より、消費するエネルギー量が高ければ(あまり食べず、多く運動すれば)、人間は痩せていきます。

人間は食べ物を食べることで、エネルギーを摂取しています。エネルギーの元になるのは三大栄養素といわれる炭水化物(糖質)と脂質、たんぱく質です。炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。一般的な割合は、炭水化物(糖質)が55〜60%、脂質が20〜25%、たんぱく質が15%〜20%ほどです。

たんぱく質は健康を維持するのに大変重要なので、一般的なダイエットでは炭水化物か脂質の摂取量を減らします。炭水化物を減らすダイエット法を糖質制限ダイエット、脂質を減らすダイエット法をカロリー制限ダイエットといったりします。たんぱく質が多くてカロリーが高い場合もあるので、カロリーだけで判断しないようにしましょう。現代人の食生活を考慮すると、一般的に糖質を摂りすぎないようにし、脂質は質の高いものに入れ替えていくことが重要です。