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かぶはダイエット向き?効果的な食べ方・調理法と注意点を解説

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かぶはダイエット向き?効果的な食べ方・調理法と注意点を解説

旬の冬の時期は甘くて美味しいかぶですが、ダイエットに向いているのでしょうか?かぶのダイエット効果が期待できる栄養素や、おすすめの調理法を解説します。

かぶのカロリー・糖質

かぶはカロリー18kcal・糖質3.1g

かぶ(皮付きの根・生)の可食部100gあたりのエネルギー量は18kcalで、糖質は3.1g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は93.9g、たんぱく質は0.7g、炭水化物は4.6g、脂質は0.1g、食物繊維は1.5gです。かぶは低カロリーな食材ですが、炒めることでカロリーは137kcalまで上がります。

また生のかぶの葉の可食部100gあたりのエネルギー量は20kcalで、糖質は1.0gです。水分は92.3g、たんぱく質は2.3g、炭水化物は3.9g、脂質は0.1g、食物繊維..は2.9gです。

かぶは根の部分の方が糖質が高めですが、水分が90%以上で低カロリーな食品です。ちなみに、かぶは旬の時期である冬になると甘みが増します(糖度が上がります)。

他の野菜と比べると?

他の野菜の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は上表の通りです。

よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いですが、かぶもトマトやピーマンとカロリーも糖質も変わりません。

じゃがいもは100gあたりカロリー59kcalで糖質は8.4g、西洋かぼちゃはカロリー91kcalで糖質17.1gと野菜の中でカロリーと糖質が高くなっています。ただ、かぶだけでなく野菜は全体的にカロリーが低いのでダイエットに向いているといえます。

ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcal、糖質35.6gです。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

かぶのダイエットに関連する栄養素

かぶに含まれ、直接的または間接的にダイエットに関係する栄養素とその効能について解説していきます。かぶの詳しい栄養素と効果についてはこちらの記事を参考にしてください。

アミラーゼ(ジアスターゼ)

かぶにはアミラーゼ(ジアスターゼ)という消化酵素が含まれます。アミラーゼは体内でそのまま吸収できないデンプンを糖に分解する働きがあります。

アミラーゼの値が高い人はデンプンを素早く糖に分解することで、甘みをすぐに感じ食べる量が減り、血糖値の上昇を抑えるインスリンの分泌量が少なくなる傾向があります。インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれ、分泌量が多いと脂肪がつきやすくなります。

また、ダイエッターに関わらず、すぐに胃もたれしてしまう人は積極的にかぶを摂取したいものです。

食物繊維

かぶに含まれる食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。

また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

ビタミンB群

かぶにはビタミンB1、B2、B6などのB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。

ビタミンBの中でもビタミンB1は糖質をエネルギーとして使うときに多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。

ビタミンB1が豊富に含まれる食品には他に豚肉やうなぎ、たらこ、えのきたけ、玄米などがあります。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。

また、コレステロール値を下げる作用もあります。

さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。

カリウム

カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。

カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。

また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。

カルシウム

カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進するといわれています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。

さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。

かぶダイエットの注意点

かぶばかり食べるのはNG

かぶがごはんよりカロリーが低いからといって「主食をすべてかぶに置き換える」「食事全体をかぶに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。 摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。 かぶの摂取目安量は1日あたり100gくらいが妥当です。

茹ですぎに注意

ビタミンB群・Cやカリウムなどは水溶性の栄養素なので、茹でることで流れ出てしまいます。その結果、ダイエット効果も薄れてしまいます。茹で時間をなるべく短くするようにしましょう。

栄養素の流失が気になる方は、スープや煮物などで汁ごと頂くとよいでしょう。また、電子レンジで加熱すると水溶性の栄養素の流失を最小限にとどめることができます。

味付け・調理法に注意

かぶに限りませんが、かき揚げや炒め物など油を多く使って調理すれば、その分カロリーは上がってしまいます。また、味付けも甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。かぶをサラダで使う場合もドレッシングの糖質・脂質に注意しましょう。

かぶのダイエットにおすすめの食べ方

副菜のひとつとして

バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。

前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、かぶを副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。

食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。

たんぱく質と一緒に

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠です。ご存知の方も多いかと思いますが、コラーゲンには美肌効果が期待されています。鶏肉や卵などと一緒に摂ると、さらに効果アップが見込めます。また、ビタミンA(β-カロテン)がビタミンCのこの作用を助ける働きがあります。ビタミンAやたんぱく質が多く含まれた食材と一緒に食べると大変効果的です。

鉄と一緒に

ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。鉄は、吸収率が低いと言われています。そのため鉄を含む食材を一緒に食べるようにするといいでしょう。

鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。

ダイエットにおすすめのかぶレシピ

ツナとかぶのサラダ

一度食べたらクセになる美味しさ!ツナに含まれるたんぱく質はダイエットにとっても大切な栄養素です。カロリーが高いという理由でダイエッターから嫌厭されがちな油ですが、このレシピで使っているえごま油はオメガ3が豊富でダイエットにおすすめです。オメガ3には 血流改善やコレステロール値の低下、アレルギー抑制など幅広い効果が期待できます。前菜として食べればアミラーゼの働きで、主菜の消化にもよいのでおすすめです。

ツナとかぶのサラダのレシピはこちら

かぶのポタージュ

夕飯はスープだけで済ませたいダイエッターの方も多いかと思います。油を使っていないのでカロリーも低いですし、なによりスープにすると、ビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素を無駄なくいただけるのが◎。

かぶのポタージュのレシピはこちら

チキンとかぶのガーリックみそ

糖質制限をがっつり行っているダイエッターの方は、たんぱく質と脂質をしっかり摂る必要があります。こちらのレシピでは、鶏肉のたんぱく質がしっかり摂れて、炭水化物を取らなくても満足感の高いひと品になっています。

チキンとかぶのガーリックみそのレシピはこちら

糖質とカロリーのダイエットの関係って?

一般的にカロリーといわれるものは、エネルギー量のことを指します。当たり前ですが、摂取するエネルギー量より、消費するエネルギー量が高ければ(あまり食べず、多く運動すれば)、人間は痩せていきます。

人間は食べ物を食べることで、エネルギーを摂取しています。エネルギーの元になるのは三大栄養素といわれる炭水化物(糖質)と脂質、たんぱく質です。炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。一般的な割合は、炭水化物(糖質)が55〜60%、脂質が20〜25%、たんぱく質が15%〜20%ほどです。

たんぱく質は健康を維持するのに大変重要なので、一般的なダイエットでは炭水化物か脂質の摂取量を減らします。炭水化物を減らすダイエット法を糖質制限ダイエット、脂質を減らすダイエット法をカロリー制限ダイエットといったりします。たんぱく質が多くてカロリーが高い場合もあるので、カロリーだけで判断しないようにしましょう。現代人の食生活を考慮すると、一般的に糖質を摂りすぎないようにし、脂質は質の高いものに入れ替えていくことが重要です。