卵は冷蔵保存することが多いですが、常温で放置してしまい食べられるか不安になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では、常温で放置してしまった卵は食べられるのか解説します。
常温で放置してしまった卵は食べられるのか、詳しく解説します。
常温で放置してしまった卵は、腐敗のサインが見られなければ食べることができます。
卵はスーパーなどでも常温販売されています。これは、温度変化による結露で卵に水分がついてしまうと、雑菌が増えてしまい傷んでしまうためです。卵は殻がついていますが、殻には気功があり表面に雑菌がついてしまうと中に入り込んでしまうため全体的に傷んでいってしまいます。
そのため、常温で放置してしまっても腐敗のサインが見られなければ食べることはできますが、しっかりとチェックしてから判断することが大切です。
腐敗している卵の特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
卵といえば、サルモネラ菌による食中毒が懸念されます。
サルモネラ菌とは、食中毒の原因となる細菌です。卵を生んだ鶏がサルモネラ菌を保持していたり、卵の表面がサルモネラ菌に汚染されてしまうと菌が増殖し、食中毒の症状が出てしまうことがあります。
卵の賞味期限は、サルモネラ菌が繁殖しない期間となっていて、安全に生食できる期間が記載されています。
サルモネラ菌は20℃〜40℃前後で活動が活発になり増殖するといわれているため、常温保存でも温度が高すぎない冷暗所においてあれば問題なく食べられることが多いです。
出典:卵及び卵加工品におけるサルモネラえんてリティディスの汚染とその対策(J‐stage)
常温で放置してしまっても腐敗していなければ食べることができますが、サルモネラ菌が繁殖してしまっているかどうかは目視などでは確認できません。
サルモネラ菌などの食中毒の原因となる細菌は、75℃以上で1分間加熱すると死滅することがわかっています。
そのため、卵は生食することもできますが、常温で放置してしまった卵を食べる場合は加熱して食べるようにしましょう。
出典:細菌の増殖と食品の温度管理について(横浜市)
常温で放置してしまった卵がひび割れしてしまっている場合は、破棄しましょう。
殻にヒビが入ってしまうと、サルモネラ菌が増殖しやすくなってしまいます。ヒビが入ってしまってから1日〜2日以内であれば食べても問題ないとされていますが、いつ入ったかわからないヒビが入ってしまっている場合は破棄するのが無難です。
ゆで卵や温泉卵の場合は、破棄するのが無難です。
食材は火を通した方が長持ちすることが多いですが、卵の場合は例外です。実は、卵白には「リゾチーム」と呼ばれる酵素が含まれています。リゾチームには細菌感染から守る働きがあり、加熱することで働きが失われてしまうことがわかっています。
そのため、加熱してゆで卵や温泉卵にしてしまうとサルモネラ菌が増殖しやすくなってしまいます。ゆで卵や温泉卵はすぐに食べきれない場合、必ず冷蔵保存しましょう。
卵を常温で放置した場合、どれぐらい日持ちするのでしょうか。
上述したように、卵の賞味期限は採卵してからサルモネラ菌が増殖しない期間です。
冷暗所など室温が高すぎない環境であれば、賞味期限内(2週間程度)であれば食べられることが多いです。
ただし、卵は温度変化によって傷みやすい食材です。常温保存は温度変化も激しく傷みやすい状態なので、できるだけ早めに加熱処理をして食べきるのが安全です。
サルモネラ菌20℃〜40℃前後で活動が活発になり増殖するといわれているため、気温の高い季節は賞味期限が短くなり、気温が低い季節は長くなります。
季節ごとの卵の賞味期限の目安は下記の通りです。
春(4月〜6月)採卵から25日以内
夏(7月〜9月)採卵から16日以内
秋(10月〜11月)採卵から25日以内
冬(12月〜3月)採卵から57日以内
ただし、メーカーによっては季節関係なく一番短い夏や春に合わせて賞味期限を設定していることがあります。そのため、冬場などの寒い季節は記載されている賞味期限よりも長持ちすることもあります。
夏場などの温かい季節は、サルモネラ菌が繁殖しやすく急激に劣化が進むので注意が必要です。
出典:日本卵協会
冷蔵保存していた卵を冷蔵庫から出して常温で放置してしまった場合、数時間であれば問題ありません。
上述したように、温度変化で結露ができてしまい傷みやすくなってしまうので、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。
何日も放置してしまった場合は、やはり傷みますしサルモネラ菌が繁殖している可能性もあるので破棄が無難です。
溶き卵を常温で放置してしまった場合は、破棄しましょう。
卵は卵黄と卵白が混ざった状態だと非常に雑菌が繁殖しやすいです。溶き卵にした状態で常温で放置してしまった場合は、残念ですが破棄しましょう。
出典;注意してね!卵の扱い(東大阪府)
腐敗した卵の特徴は下記の通りです。下記の特徴がある場合は残念ですが破棄しましょう。
表面は綺麗でも、内側に黒い斑点がある場合があります。これは、カビが生えている状態ですので破棄しましょう。
カビはカビ毒を発生させ、中毒症状が起こることがあります。カビ毒は加熱をすれば大丈夫ということはありませんので、注意してください。
出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)
卵を割ったときに、白身が緑色や、ピンク色に変色していたり、緑色の斑点がある場合も食べられません。これは、細菌が繁殖している状態です。
すべての細菌が食中毒を起こす原因になるとは限りませんし、加熱すれば死滅する細菌の場合もありますが、安全に食べられる保証はありません。必ず破棄しましょう。
腐敗していないか判断が難しい場合は、水に入れて確認するのも一つの手です。水に入れたときに浮いてしまう場合は、腐敗しています。
腐敗した卵が水に浮く理由は、内部の気体の増加にあります。新鮮な卵の殻内にはほとんど空気が含まれておらず、殻の中にある殻膜によって空気が外部から侵入するのを防いでいます。しかし、古い卵では殻の微細な穴を通じて外部の空気が内部に侵入し、空気が増えることで水に浮きやすくなると言われています。
一方、新鮮な卵は内部にほとんど空気が含まれていないため、水中に沈みます。ですから、卵を水に浮かべることで、その新鮮さや腐敗の度合いを簡単に判断することができます。
卵を振ったときに、カラカラと音がする場合、腐敗している可能性が高いです。
卵は経時的に、殻の微細な穴から水分や二酸化炭素が抜け出す傾向があります。その結果、黄身や白身から水分が蒸発し、内部の空気が増加すると考えられています。このため、卵の内部に空洞が形成され、質量が減少した卵が殻の中で振動し、音がするのです。
酸っぱい臭いや硫黄臭、カビ臭さを感じる場合も注意が必要です。卵の場合は特に硫黄臭がすることが多いです。
卵に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり硫黄臭がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」と呼ばれます。
腐敗が進むと生ゴミのような臭いがすることもあります。明らかに異臭がすると感じる場合は破棄しましょう。
卵を鮮度を保った状態で長持ちさせる保存のポイントを紹介します。
卵の保存方法の詳しい手順などはこちらの記事でご紹介しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。ゆで卵の保存方法はこちらの記事でまとめています。
卵は常温保存することもできますが、サルモネラ菌が繁殖しにくい10℃以下での保存が推奨されています。そのため、購入したら冷蔵保存するようにしましょう。
特に夏場などの気温や湿度が高い季節は傷みやすいので、すぐに冷蔵庫に入れることが大切です。
卵はパックのまま保存するようにしましょう。
卵の殻にはサルモネラ菌が付いていることがあり、パックから出して保存してしまうと他の食材にサルモネラ菌がついてしまうことがあります。
また、卵は尖っている方を下にして保存した方が長持ちします。これは、卵の丸い方に空気の入った「気室」と呼ばれる部屋があり、古くなった黄身が浮かんでも直接殻に触れてしまうのを防ぐことができるためです。さらに、尖った方は殻が厚くなっており、衝撃を受けても割れにくいです。
卵は尖っている方を下にした状態でパック詰めされているため、パックのまま保存すれば向きを気にする必要がありません。
多くの冷蔵庫はドアポケットに卵を入れるケースがついています。そのため、ついついドアポケットに卵を入れてしまいがちなのですが、ドアポケットには入れず冷蔵庫の奥の方へ入れるようにしましょう。
ドアポケットは扉を開けることで温度の変化が最も激しい部分です。温度変化によって鮮度が落ちてしまいますし、ドア開け閉めする衝撃で殻にヒビが入ってしまうこともあります。
できるだけ温度変化が少なく、衝撃を受けにくい奥へ入れた方が安全に美味しく食べることができます。
卵を保存するときに、洗った方が良いのではと思う方もいらっしゃるようですが、水洗いNGです。
卵の殻には小さな穴が開いているため、水洗いしてしまうと中に水分が入ってしまいます。水分が入ってしまうと細菌が増殖する原因になるので、汚れが気になる場合は濡れたふきんなどで優しく拭き取るようにしてください。
当たり前ですが、新鮮な卵を購入し保存する方が、より長く美味しく保存することができます。新鮮な卵には下記のような特徴がありますので、スーパーなどで購入する際の参考にしてください。
黄身が盛り上がっている
白身がプリっと弾力がある
賞味期限が遠い日付に設定されている
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冷凍したじゃがいもが黒っぽく変色...食べてOK?原因と対処法を解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典