コロッケは少ない油で揚げると失敗が起きやすいです。この記事では、少ない油で起こりやすい失敗の特徴や、失敗せずにコロッケを揚げるコツなどを解説します。
少ない油では揚げている間に崩してしまいやすく、他にも様々な失敗が起きやすいです。
コロッケを少ない油で揚げる場合、たっぷりの油を使って揚げる場合とは異なり、油に浮かんでいる状態にならないため、鍋の底面に触れている部分がくっつきやすく、焦げやすいので要注意です。
揚げすぎ(焼きすぎ)に注意して動かしつつひっくり返すことで焦げるのは防げますが、触りすぎてしまうと衣が崩れてしまいます。
また、両面をしっかり焼くために菜箸などでしっかり持ちあげて裏返す必要があるため、触った際に衣がはがれてしまったり、タネが柔らかいと崩れてしまったりします。最悪の場合、割れてバラバラになってしまうことも。
衣がはがれた個所から中身が溶け出てしまうこともあるので、焼いているときにコロッケを触るのは最小限にとどめる必要があります。
コロッケを揚げる際は油の温度が重要です。温度が低いと衣が固まる前に中身が温まってしまい膨張・破裂が起きやすく、揚げる時間が長くなってベチャベチャな仕上がりになってしまいます。一方で温度が高いと焦げやすく、中身の温度が急激に上がって膨張しやすく、やはり崩れやすいです。
少ない量の油で揚げる場合、コロッケを入れることで温度が変化しやすく、上手に揚げることが少し難しくなります。一度に揚げる個数を減らすなどの工夫が必要です。
少ない油で揚げる場合、コロッケの側面は焼き目が付きにくく、サクサクとした仕上がりになりにくいです。また、側面だけが白っぽくなってしまい、見た目も損なわれてしまいます。
側面までしっかり仕上げたい方はたっぷりの油を使って揚げましょう。香ばしさはいまひとつですが、揚げずにグリルやオーブン、トースターで仕上げることもできます。
少し変わった方法ですが、以下の方法で失敗しにくく仕上げることができます。
油の使用量を少なめにしたい方は、時間はかかってしまいますが小さめの鍋でコロッケを1~2個ずつ揚げるのがおすすめです。たくさん入れると脂の温度が変わりやすく、鍋の中が狭くなってしまうのでひっくり返す作業もやりにくくなってしまいます。
コロッケを揚げる鍋は直径20~24cmが基本サイズなので、16cm程度の小さめの鍋を使うと良いでしょう。
コロッケのサイズを工夫することで少ない油でも失敗せずに仕上げることができます。普段よりも小さく薄めに作ることで焼き時間を短くし、焦がさずに中までしっかり火を通せます。
ただし、薄く成型すると揚げている最中に触って崩してしまう可能性が高くなるので要注意です。
コロッケを焦がさずに仕上げたい場合、網じゃくしにのせてコロッケを揚げることで失敗せずに仕上げることができます。
ただし、基本的には1個ずつしか揚げられないのでたくさん揚げる場合はかなり時間がかかってしまうため、1~2人前を作る場合におすすめの方法です。
油の温度や揚げ時間などに気を付けることで失敗する可能性を減らすことができます。
コロッケを揚げる際の油の温度は180~200℃が基本です。少ない油で揚げる場合も温度に差はありません。
温度の確認は調理用の温度計を使うのが手っ取り早いですが、温度計が無い場合は衣のかけらを油に落としてみると大体の温度がわかります。
油に落とした衣が一度下に落ちても、すぐに上がってくれば適温の180℃くらいになっています。落として沈んだままなら180℃になっておらず、一度も落ちずにそのまま浮かんで揚がるようなら180℃よりも高温に油が熱せられています。
揚げ物をする場合、多くの過程では植物性の油(サラダ油、オリーブオイルなど)が使用されていますが、コロッケのようなお肉を使った揚げ物は動物性の油であるラード(豚の脂)や牛脂で揚げると美味しくなると言われています。お肉屋さんのコロッケが美味しい理由の1つは、ラードを使って揚げているためとよく言われます。
家で作る場合、揚げ物ができるレベルの量のラードを用意するのは難しいので、いつもの油に少し混ぜて使ってみましょう。少し入れるだけでも出来上がりが良くなり、お店の味に近づきます。
また、植物油にも様々な種類がありますが、種類によって仕上がりが異なります。米ぬかを原料とするこめ油や菜種の一種を原料とするキャノーラ油、べに花の種子から抽出されるべに花油を使えばさらっとした軽い仕上がりになります。
ごま油で揚げれば香ばしい仕上がりになり、オリーブオイルで揚げれば優しく上品な香りに仕上がります。好みに合わせて使い分けてみると良いでしょう。
コロッケのサイズにもよりますが、少なめの油で揚げる場合、コロッケを揚げる時間は5分程度にしましょう。油が少ない分、中まで火が通りにくいので少し長めに揚げる必要がありますが、底面が焦げやすいので、よく様子を確認しましょう。
また、油の量が少ない分、油の温度変化が起きやすいので揚げているコロッケの様子はしっかり確認しながら火力を調整しましょう。泡が少なければ油の温度が低いサインで、細かい泡がたくさんついている場合は温度が高すぎるサインです。
市販の冷凍コロッケや、作り置きしておいたものを揚げる場合、事前に解凍せず、冷凍庫から出したての状態で揚げると上手く仕上げることができます。普段よりも少し長めに揚げる程度でも余熱を活かせば中まで火を通すことができます。
また、油が常温の状態からコロッケを入れる方法もおすすめです。衣と中身がゆっくりと同時に加熱されていくので、崩れにくいです。油とコロッケの温度差も少なく、油跳ねが起きにくいのもうれしいポイント。
常温から熱することで徐々に解凍されていき、中までしっかり温まるので、衣が色づく頃には中心まできちんと火が通っており、冷凍コロッケを揚げる際に起きがちな中が冷たいままという失敗も起きにくいです。
常温から揚げる場合、コロッケのサイズや個数にもよりますが、揚げ時間は10~12分くらいがおすすめです。ゆっくり揚がるのである程度目を離していても問題なく、揚げている間に付け合わせのキャベツやサラダを用意したり、別のおかずの準備を進めたりすることができます。
コロッケは揚げずに作ることもできます。フライパンを使って少量の油で炒める、オーブンやトースターで焼くといった方法で仕上げることができます。
揚げない方法でも衣をサクッと仕上げることはできますが、油を使わずに(または少量で)仕上げるため、ジューシーさや香ばしさは劣ります。
揚げる以外の方法でコロッケに火を通す場合、おすすめなのがオーブンやトースターを使う方法です。包み込むように火を通すことができ、温めムラが少なく、サクサクでヘルシーな仕上がりになります。
オーブンやトースターを使う場合、コロッケを天板に並べ、250℃の設定で15~20分焼けば出来上がりです。
油なしでも焼くことはできますが、刷毛やキッチンペーパー、スプレーなどで表面に油を薄く塗ると香ばしくカリカリに仕上げることができるのでおすすめです。
食品に簡単に火を通せる電子レンジですが、コロッケに火を通すのに使う場合、温めムラが起きやすく焼き色も付けられず、サクサクに仕上げにくいので不向きです。ただし、近年ではコロッケも電子レンジで温めるだけで解凍できる製品も販売されています。
電子レンジを使う場合、サイズによって必要な時間は前後しますが、2~3分温めましょう。温め足りていないと感じたら少しずつ時間を追加して温めましょう。ただし、温めすぎると破裂することがあるので要注意です。
電子レンジを使う場合、オーブンやトースター、フライパンと併用することで美味しく仕上げることができます。
コロッケをグリルで焼くこともできます。ただし、グリルは火力が強いので一番弱い火力の設定で焼かないとすぐに焦げてしまうので要注意です。
コロッケをグリルに並べ、一番弱い設定で5~6分焼きましょう。外はカリカリで中はホクホクのコロッケが楽しめます。グリルを使う場合、事前に電子レンジで20秒程度温めてから焼くと中まで火を通しやすくなります。
コロッケはフライパンを使って揚げ焼きにすることでも火を通すことができます。ただし、フライパンに接していない側面を焼くのが難しく、コロッケが油を吸い込んで油っぽい仕上がりになりやすいので、オーブンやトースターを使える方はそちらがおすすめです。
フライパンを使う場合も、多めの油を引いて片面ずつ2~3分焼きましょう。事前に電子レンジで20秒程度温めてから焼くと中まで火を通しやすいです。
コロッケを油で揚げずに作ると香ばしさが弱く、色が白っぽくなりがちですが、衣に使うパン粉をタネにまぶす前にフライパンで油を使って軽く炒めておくと揚げた時に近い香ばしさに近くなり、見た目もきれいなきつね色に仕上げることができます。
適量のパン粉を大さじ1程度の少ない油で炒め、タネにまぶしたらオーブンで焼くだけなのでとてもヘルシーです。ひと手間加えるだけで仕上がりが非常に良くなるのでおすすめです。
揚げ方以外にもコロッケを上手く仕上げるコツはたくさんあります。
コロッケの具材の大部分を占めるのがじゃがいもですが、中までしっかり火を通し、じゃがいもの水分をしっかり飛ばしてからマッシュすることでコロッケは崩れにくくなります。
じゃがいもの下ごしらえの方法はいくつかあり、鍋で茹でる、蒸す、電子レンジで温めるのが主な方法です。
電子レンジでじゃがいもを温めるのはとても簡単ですが、温めムラが起きやすく、水分をしっかり抜くことが難しいです。水分をしっかり抜きたい、失敗せずに仕上げたいという方は鍋で茹でるか蒸す方法で下ごしらえをしましょう。
また、電子レンジで温めると外側ばかりが温まって水分が抜けすぎてしまい、パサパサとした仕上がりになりやすいため、温めすぎには要注意です。また、電子レンジで温めると冷めるのも早く、冷めて水分が抜けてからマッシュしてもやはりパサパサになりやすいです。
タネに混ぜる玉ねぎは細かくみじん切りにして、しっかり炒めましょう。みじん切りが粗い、炒める時間が短いといった場合、玉ねぎからは十分に水分が抜けていないので、タネに混ぜる際に水分が出てしまい、コロッケが崩れる要因となってしまいます。
また、玉ねぎもじゃがいも同様に電子レンジで火を通して水分を抜くことができますが、温め方が甘いとやはり崩れる原因となります。また、電子レンジで温めた場合はしっかりと玉ねぎから出た水を切ってから混ぜましょう。
玉ねぎやジャガイモ以外の野菜を加える場合も、しっかりと水分を抜くと崩れにくくなります。
タネの下ごしらえが終わったら混ぜて成形をしますが、表面が滑らかになるように成形しましょう。ひび割れや大きな塊が飛び出た個所があるとそこから崩れてしまいます。
ひび割れを作らずに成形するには玉ねぎは細かくみじん切りにし、じゃがいもはしっかり潰しましょう。なお、成形は冷めてから行うとまとまりづらいので、ある程度温かいうちに行いましょう。
コロッケのタネの成型が終わったら冷蔵庫で寝かせましょう。バットに並べてラップをかけ、1時間程度がおすすめです。寝かせることで様々なメリットが得られます。
大きなメリットとしては、寝かせることで揚げた際に崩れにくくなります。寝かせている間にある程度水分が飛んで崩れにくくなります。また、タネの温度が下がるので、揚げた際に温度が急上昇して膨張が起きにくくもなります。
また、寝かせることで具材同士がよく馴染み、味が落ち着くので美味しさもアップします。ひき肉からは旨味も出ます。時間に余裕がある方は是非タネを寝かせてみてください。
コロッケの衣の量にも要注意です。衣は小麦粉、卵、パン粉の3種類使い、この順番で付けていくのが基本です。衣が少ないと具材の膨張に耐えられず、崩れ出してしまいます。十分な量の材料を用意しましょう。
また、衣がタネの表面にまんべんなく付いていないと、そこから崩れてしまいます。一般的な小判型の場合、側面の部分はつけにくいので要注意です。
心配な方は卵の代用品とパン粉を二度付けすることでよりまんべんなく衣をつけることができますが、材料をたくさん使ってしまい、糖質量やカロリーも増えてしまいます。
下ごしらえのちょっとした一工夫や隠し味などでコロッケを美味しく仕上げるコツを紹介します。
スーパーで見かけることの多い男爵とメークインではどちらがコロッケ向きなのでしょうか。
コロッケ作りには粘り気が少なく、粉っぽいじゃがいもが適しています。そのため、粘り気が少なく加熱するとホクホクとした仕上がりになる男爵がコロッケ向きとされています。
メークインもポテサラやコロッケなどの潰して使う料理に使えないわけではありませんが、粘り気が出てしまい潰しにくいことがあります。メークインを使うと口当たり滑らかに仕上がるので、より滑らかな口当たり・食感が好みの方はメークインを使うと良いでしょう。
男爵・メークイン以外ではキタアカリやインカのめざめなどもおすすめです。
じゃがいもは皮を剥かずに火を通す方法と皮を剥いてカットしてから火を通す方法があります。皮を剥かずに火を通せば栄養分や旨味を逃がさずに調理できますが、火を通すのに時間がかかり、じゃがいもが熱い状態で皮を剥かなくてはいけなくなります。
一方で皮を剥いてから火を通せば短い時間で火が通りますが、火を通している間に栄養分や旨味が逃げ出しやすく、火を通しすぎるとパサついた食感になりやすいです。どちらにもメリット・デメリットがあるので、自分好みのやり方で火を通すと良いでしょう。
ちなみに、ジャガイモを茹でた場合、茹でたら鍋の水を捨てて鍋に火をかけ、軽く転がしましょう。水分をしっかり抜くことができます。
じゃがいもの加熱方法はいくつかありますが、茹でて比較的低温を保ちながら温めるとじゃがいもの甘みが出やすくなります。
これは、じゃがいもに含まれるアミラーゼが30~50度の温度でデンプンをよく分解し、甘みの元となる麦芽糖(マルトース)を作るようになるためです。
甘みを引き出すためにはジャガイモを水から中火で茹で、沸騰したら弱めの中火に変えてぐつぐつと沸騰させないようにしましょう。かぼちゃを使う場合も同じように温めると甘みが増します。
コロッケに使うじゃがいもは下ごしらえをしてすぐの熱いうちに潰しましょう。熱いうちに潰すことで滑らかになり、揚げた後もホクホクとした食感に仕上げやすくなります。
冷めてからでは潰しにくくなってしまいます。じゃがいもの形が残ってしまうと表面を滑らかに成形するのが難しくなり、ひび割れやすくなるので、コロッケが崩れる原因となります。
じゃがいもはある程度形を残してマッシュすると風味が残りやすく、食べ応えも出ます。コロッケだけではなく、ポテトサラダなどのじゃがいもをマッシュして作る料理で風味をよくするコツの1つです。
ただし、残しすぎてしまうと上記の通りコロッケが崩れる原因となってしまいます。
ひき肉を炒めると出る脂にはお肉のうまみが詰まっているので、ひき肉を炒めた後のフライパンで玉ねぎを炒めると玉ねぎが旨味を吸うのでタネ全体のうまみをアップさせることができます。
別々に炒めるのが手間という方でも玉ねぎを炒めてから火の通りやすいひき肉を炒めれば旨味アップができます。
タネに牛乳を少し混ぜるとしっとりとした仕上がりになります。牛乳は脂肪分も多く、コクのある味わいにもなります。牛乳以外ではバターや生クリーム、豆乳もおすすめです。
ただし、混ぜすぎるとタネが緩くなってしまい、コロッケが崩れる原因になってしまうので要注意です。
コロッケのタネに隠し味を入れて味を調えると美味しく仕上げられます。醤油やめんつゆ、ナツメグやカレー粉が使われることが多いです。
醤油やめんつゆを使うとコロッケは少しシャープな味わいに変わり、日本人になじみ深い味わいになります。めんつゆには旨味もたっぷりなので美味しさをさらにアップできます。
臭み消しの定番であるナツメグを使えばお店で食べるような味わいに近づきます。ナツメグがない場合でもカレー粉で代用でき、カレー粉をたくさん入れてカレーコロッケにしても美味しいです。
ラードを使うことでコロッケのコクや旨味をアップさせることができます。お肉屋さんのコロッケが美味しい理由の1つは、ラードを使って揚げているためとよく言われます。
家で作る場合、揚げ物ができるレベルの量のラードを用意するのは難しいので、いつもの油に少し混ぜて使ってみましょう。少し入れるだけでも出来上がりが良くなり、お店の味に近づきます。
最後にコロッケの作り方をご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
王道コロッケレシピをご紹介します。米粉や米粉のパン粉を使ったヘルシーなコロッケです。
お好みでケチャップなどと合わせてお召し上がりください。
ポテトコロッケのレシピはこちら
ほぐした鮭がたっぷり入ったコロッケ。鮭のうまみがにじみ出て、そのままでも美味しくいただけます。
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グルテンフリー(小麦粉不使用)のカニクリームコロッケのレシピをご紹介します。手作りトマトソースのレシピも紹介します。
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