さつまいもからライチの匂いがして食べられるのか心配になったことはありませんか?本記事ではさつまいもからライチの匂いがする原因や食べられるのかどうかを解説します。
さつまいもからライチの匂いがする原因は下記の通りです。
さつまいもからライチの匂いがするのは、さつまいもが追熟されたためです。
さつまいもにはでん粉が多く含まれています。さつまいもを暖かい場所で保管しておくと、追熟され自然にでん粉がショ糖をいう甘い成分に変わります。でん粉からショ糖に変わったときに出るのがライチの匂いです。
さつまいもを加熱調理した際もでん粉がショ糖に変わります。焼き芋などにすると、さつまいもがより甘くなるのはこのためです。
上述したようにさつまいもが追熟する過程ででん粉がショ糖に変わることにより、特有のライチのような香りが発生します。芋焼酎の製造にもこの特性が取り入れられています。
通常、芋焼酎は収穫直後の新鮮なさつまいもを主に使用しています。しかし、特定の焼酎メーカーや銘柄では、ライチの風味を前面に出したい場合、あえて追熟させてショ糖化を促進させたさつまいもを選んで使用します。その結果、独特の甘い香りとライチのフレーバーを持つ焼酎が完成するのです。
このように、さつまいもの持つ天然の特性を最大限に活用することで、様々な風味の焼酎を楽しむことができます。
さつまいもからライチの匂いがする原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、ライチの匂いがするさつまいもは問題なく食べることができるのか解説します。
さつまいもから普段とは異なるライチのような匂いがしたら、食べられないのではと不安になる方も多いと思いますが、基本的に腐敗のサインが見られない場合は食べて問題ありません。
むしろ、でん粉がショ糖に変わり甘いさつまいもになっている事が多いので、美味しく食べることができます。ただし、熟成と腐敗は紙一重とはよくいったもので、野菜や果物の熟した状態は腐敗の一歩手前です。腐敗のサインが見られないか、しっかり確認してから食べられる状態が判断することが大切です。
腐敗したさつまいもの特徴については後述しますので、そちらを参考にしてください。
上述したように野菜や果物は熟すと甘みが強くなり美味しく食べることができますが、そのままにしておくと過熟の状態となり、あっという間に腐敗してしまいます。
保存していたさつまいもからライチの匂いがしている場合は、早めに食べきるようにしましょう。
ライチの匂いがしても腐敗のサインが見られなければ食べることができますが、下記のような臭いがする場合は注意しましょう。
さつまいもは若干の土臭さはあるものの、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味、発酵臭、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
さつまいもに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いや発酵臭がしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
カビの胞子は目に見えないほど小さいので、カビが生えていないように見えてもカビの胞子が入り込んでいてカビの臭いがすることがあります。
カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。
上述したように、さつまいもは加熱するとでん粉がショ糖に変わるため甘みが増し美味しく食べることができます。しかし、ただ加熱すれば良いというわけではありません。じっくり加熱していくのがポイントです。さつまいもを甘くする方法を加熱方法別に紹介します。
加熱調理をする際にあっという間に加熱することができるレンジは重宝されます。しかし、上述したようにさつまいもはじっくり加熱することが甘みを出すのに重要なので、レンジでの加熱は注意が必要です。
レンジを使ってさつまいもを加熱する場合は、まず濡れた新聞紙でさつまいもを包みます。(濡らしたキッチンペーパーでもOK)新聞紙にさつまいもを包んだら、ラップでしっかりと包みます。
さつまいもをラップで包んだら、レンジに入れて加熱します。加熱時間はレンジのワット数やさつまいもの大きさによっても異なりますが、目安は600Wで1分半〜2分程です。
600Wで加熱したら、200Wに設定しさらに8分〜10分ほどじっくり加熱します。200Wに設定できないレンジであれば解凍モードにすれば大丈夫です。
さつまいもを竹串などで刺してみてスッと通れば完了です。
蒸し器を使ってさつまいもを蒸す場合は、まずさつまいもを輪切りなど食べやすい大きさにカットします。(丸ごとでもOK)
さつまいもをカットしたら、水を入れた蒸し器に並べて蓋をして加熱し、蒸し器から湯気が出てきたら火を弱めます。弱火でじっくりさつまいもに火を通していくのが甘みを出すポイントです。
加熱時間の目安は大きさにもよりますが、1.5cm程の輪切りであれば10分ほどです。丸ごと蒸す場合は20分から30分ほど蒸しましょう。
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cmと26cmの大きさがあります。
フライパンを使って加熱する場合は、まず洗ったさつまいもを濡れた状態のままアルミホイルで2重にして包みます。
アルミホイルでさつまいもを包んだら、フライパンに入れて蓋をして弱火で加熱します。全体に火が通るよう15分加熱したら、裏返して再び15分ほど加熱します。
竹串がスッと通るぐらい柔らかくなっていればOKです。
おすすめのフライパンは下記の記事でご紹介しています。
おすすめフライパン16選|人気商品から海外ブランドまで|選び方も解説
オーブンを使えば甘くて美味しい焼き芋を作ることができます。
オーブンで加熱する場合もさつまいもを洗ったら濡れた状態のままアルミホイルで包みます。
オーブンは160℃に温めておき、温まったらアルミホイルで包んださつまいもを入れて加熱していきます。加熱時間の目安はさつまいもの大きさにもよりますが、だいたい1時間半です。焦がしてしまわないようこまめに竹串などを指して焼き具合を確認しましょう。
オーブンであれば一定の温度でじっくり加熱することができるので、さつまいもの甘みをしっかり出すことができます。
トースターを使って加熱することもできます。
トースターで加熱する場合も、さつまいもを洗ったら濡れたまアルミホイルで包みます。
さつまいもをアルミホイルで包んだら、トースターに入れて片面15分ずつ加熱します。トースターの場合は表面だけが焦げてしまいやすいので15分を目安に必ず様子を見るようにしてください。
さつまいもにじっくり火を通すとなると時間がかかってしまうのがデメリットですが、炊飯器に入れて炊飯モードで炊けば、途中で様子を見たりしなくてもしっかりと火を通すことができます。
炊飯器を使ってさつまいもを加熱するときは、炊飯器に洗ったさつまいもを入れて、さつまいもが半分つかるぐらいの水を入れます。水を入れたら炊飯モードで炊き上げるだけです。
炊飯器で炊いている間は目を離して大丈夫なので、他の作業ができます。ただし、炊飯器によってはご飯以外を炊くことができない場合があるので取り扱い説明書をしっかり読んでください。
腐敗したさつまいもの特徴を紹介します。さつまいもに限らず腐敗した食材には細菌が増殖していることが多く、食べると下痢や嘔吐などの症状が出てしまうことがあります。美味しく食べられる状態でもないので破棄しましょう。
腐ったさつまいもの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に黒く変色している
シワシワで変色している
溶け出している
さつまいもの表面や実に白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて、周りが溶けている場合は黒カビが生えています。表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ、カットして食べることができると言われていますが、心配な方は破棄しましょう。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。
表面がシワシワになっている場合は水分が抜けてしまっている状態です。水分が抜けているだけであれば食べることができますが、変色しはじめているようであれば腐敗しているので食べられません。
さつまいもは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒く変色している場合は腐敗している状態です。
また、溶け出している部分がある場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。
ぶよぶよになっていて柔らかい
ぬるぬるしていて糸を引く
新鮮な状態のさつまいもは、生のままだと表面にハリがあり固いですが、腐敗するとぶよぶよとした柔らかい触感になります。指で押すと簡単に凹んでしまうぐらい柔らかくなっている場合は破棄しましょう。
また、ぬるぬるしていて糸を引く場合は雑菌が増殖している状態です。この場合も腐敗しているので食べることはできません。
さつまいもの鮮度を保ち長く美味しく食べるためには、正しく保存しておくことが大切です。さつまいもの正しい保存方法を紹介します。保存期間の目安も記載するので参考にしてください。
さつまいもは常温で保存するのが基本的です。さつまいもは常温でも1ヶ月ほど保存が効きます。
常温で保存する場合は、土をとらずそのままの状態で保存します。土が湿っている場合は天日干しなどをして土を乾燥させてから保存します。
さつまいもを1本ずつ新聞紙で包み、かごやザル、段ボールなどに入れて風通しのよい冷暗所で保存します。
さつまいもは、収穫時も呼吸を続けており、呼吸熱や二酸化炭素の発生量が多いです。そのためラップやプラスチックの袋に入れて常温保存するのはNG。通気性のよい新聞紙(なければキッチンペーパー)がおすすめです。
20℃を超えると発芽しやすくなるため、室温が暖かくなる春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。また、使いかけのカットしたさつまいもは、季節問わず常に冷蔵もしくは冷凍保存するようにしましょう。
長期保存したい場合や、室温が高くなる季節は冷蔵保存がおすすめです。さつまいもを冷蔵で保存すると、約2ヶ月ほど日持ちします。丸ごと1本冷蔵する方法と、カットして冷蔵する方法がありますので、それぞれの手順を詳しくご紹介します。
さつまいもを丸ごと1本冷蔵保存する際は、1本ずつ新聞紙に包みます。ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、野菜室で保存します。
保存温度が低すぎると低温障害が起きやすいので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。
さつまいもはカットしてから冷蔵保存することも可能です。さつまいもの表皮についている汚れをしっかりと水洗いし、乱切りなどお好みの大きさにカットします。密閉容器にさつまいもを入れ、かぶるくらいの水を入れてフタをし、冷蔵庫で保存します。水は毎日取り替えるのがベストです。
カットしたさつまいもは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べ切るようにしましょう。調理時は水を切ってそのまま調理に使用します。
さつまいもは冷凍保存も◎。冷凍することで甘みが増します。繊維が多いため、丸ごと冷凍はNG。薄めにカットしてから冷凍します。さつまいもを冷凍保存する場合、約1ヶ月ほど日持ちします。
さつまいもは生のまま冷凍することができます。
水洗いしたさつまいもを輪切りにします。さつまいもの皮には栄養があるので、皮ごと切ってOK。カットしたさつまいもを10分ほど水にさらしてアク抜きをします。キッチンペーパーなどでしっかりと水けを拭き取り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
生のまま冷凍したさつまいもは凍ったまま炒め物や煮物、汁物、炊き込みご飯などに使用します。茹でてサラダなどにしても美味しくいただけます。
輪切り以外にもいちょう切りやスティック状など、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存するのも◎。
加熱してから冷凍保存をすれば、調理時間が短縮できます。
輪切りにしたさつまいもに火を通します。たっぷりのお湯で茹でるか、蒸す、もしくは電子レンジで加熱する方法があります。さつまいもにはビタミンCが含まれており、ビタミンCは加熱することで壊れやすいとされている成分ですが、さつまいものビタミンCは一緒に含まれているでんぷんによって保護されているため、加熱しても壊れにくいと言われています。
竹串などを刺して火が通っていることを確認したら、粗熱を取って冷凍用保存袋に重ならないように平らに入れ、空気を抜いて密封し冷凍室で保存します。
凍ったまま調理に使用したり、電子レンジなどで解凍しそのまま食べることもできます。
マッシュ状(ペースト状)にして冷凍しておくのもおすすめです。
さつまいもの皮を剥き、適当な大きさに切って蒸します(電子レンジで加熱したり、茹でてもOK)。さつまいもが熱いうちにマッシャーなどを使ってつぶします。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し、冷凍室で保存します。
冷凍したマッシュ状(ペースト状)のさつまいもは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、もしくは電子レンジで解凍します。サラダやスープ、スイートポテトなどにおすすめです。
その他にも、天日干しやオーブンで加熱して水分を飛ばして乾燥保存することもできます。さつまいもの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
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