トマトをカットするとどうしても形が崩れて上手くいかないという方は多いのではないでしょうか。本記事ではトマトの崩れない切り方について解説します。
トマトをカットしたときに形が崩れてしまっても、気にせず調理をするという方も多いかと思います。しかし、トマトが崩れてしまうことには、下記のデメリットがあります。
トマトをカットしたときに崩れてしまうと、中に含まれている種やゼリー状の「胎座」と呼ばれる部分が出てきてしまいます。
出てきてしまった種や胎座はまな板の上についてしまうので、そのまま洗い流してトマトの実のみを調理することが多いと思いますが、実はトマトの種や胎座にも栄養が含まれています。
例えばトマトの胎座に含まれているビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にする効果が期待できます。また、コラーゲンによってハリ・ツヤのある肌に導いたり、シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに効果が期待できます。そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用があるといわれています。
また、酸味を感じさせるクエン酸も食べた物を体内でエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。そのため疲労回復や筋肉痛の予防にも役立つといわれています。さらに代謝アップにもつながるので、ダイエット効果も期待できます。
トマトの栄養を余すことなく摂取するには、トマトを崩さず綺麗にカットしたいですよね。
カットしたときにトマトが崩れてしまうと、上述したように中から種や胎座が出てきてしまうので、そのまま調理をすると料理全体が水っぽくなってしまうデメリットもあります。
サラダにする場合やカプレーゼにする場合など生食するときをはじめ、炒め物にする場合などもせっかく味付けしても薄くなってしまいます。また、水分が大量に出ることで雑菌が増殖しやすくなってしまうので長持ちもしません。
トマトが崩れてしまっても食べることはできますが、やはり料理全体の見た目が悪くなってしまいます。料理において見た目も美味しく食べるポイントの一つですから、大きなデメリットになります。
特におもてなし料理などでお客様に出す料理の場合は、料理の見た目も気になりますよね。トマトを切るときは崩れないポイントを抑えて見た目も美しい料理に仕上げましょう。
それでは、まずトマトが崩れない切り方のポイントを紹介します。
トマトは未成熟の状態だと固いのですが、成熟するにつれて柔らかくなっていきます。
トマトは完全に熟す前に収穫されて、スーパーなどで店頭に並んでいることが多いです。これは完熟した状態で収穫して店頭に並べてしまうと、すぐに食べ頃を過ぎて腐敗してしまうためです。そのため、トマトには完熟していない状態のものも多く、購入して保存しているときに熟して柔らかくなります。
さらに完熟をすぎて過熟するとぶよぶよになるということはよくあります。この状態でカットしてしまうとどうしても崩れてしまいますので、新鮮なトマトを選ぶのも重要なポイントです。
新鮮なトマトの特徴は下記の通りです。
ずっしりと重みがある
丸みを帯びている
赤みが濃い
ハリやツヤがある
ヘタが緑色でピンとしている
トマトのお尻の部分(ヘタの反対側)から八方に白いスジが見える
トマトなどの柔らかい食材をカットするときは、必ず切れ味の良い包丁を使いましょう。
切れ味の悪い包丁を使うと、なかな切れないため無駄な力が入ってしまい、潰してしまうことになります。また、のこぎりのようにぎこぎこと包丁を動かしてしまうことが多いので、その分細胞が傷ついて水分が出てきてしまったり、口当たりが悪くなってしまいます。
そのため、トマトをカットするときはスっと切れる切れ味の良い包丁を使うことが大切です。切れ味が悪いなと思ったら、包丁を研いでから挑戦してみてください。筆者も包丁を買い変えた途端にトマトを潰すことなくカットできるようになり、感動したことがあります。
パン切り包丁が自宅にある場合は、あえてパン切り包丁でトマトをカットするのも一つの手です。
パン切り包丁は繊細なパンを潰してしまわないようスッと切れるように設計されています。そのため、トマトなどの繊細な食材も、潰すことなくカットしやすいです。
パン切り包丁の刃はのこぎりのようにギザギザとしているので、小刻みに動かさずスっと動かしてカットするようにしてください。そうしないと、トマトの切り口に傷がついてしまいます。
トマトの表面には薄い皮があり、カットするときにこの薄い皮を上手くカットできないと、中だけ潰れてしまい、形が崩れてしまう原因になります。
特にあまり切れ味が良くない包丁しかなく、研いでも効果が見られず不安といった場合には、包丁の刃元にある角の部分「アゴ」で切り込みを入れておくと良いでしょう。そうすることで、切り込みを起点としてスッと切ることができるので、余計な力が入ってしまう心配はありません。
まずは、ハンバーガーの具材にしたいときなどに便利な、輪切りの仕方を紹介します。
まず、トマトを洗ったらまな板の上にトマトのヘタの方が下になるように置きます。
まな板の上にトマトを置いたら、横から包丁を入れて水平の方向にスライスしていきます。
まな板の上にトマトを横向きに置いて端から一定の幅で切っていっても、輪切りにすることはできます。しかし、トマトを横向きに置いて端からカットしていく方法だと、重力でどうしてもトマトが潰れてべちゃっとしてしまうことがあります。
特に切れ味の悪い包丁を使っている場合は、力が入ってしまって潰れてしまうことが多いので、水平の方向にスライスすることをおすすめします。
サラダや炒めものの具にするときに便利なくし切りの方法は下記の通りです。
トマトを洗ったら、トマトのヘタが下になるようにしてまな板の上に置きます。
まな板の上にトマトを置いたら、おしりの中心から放射線状に出ている白い線を確認します。実は、この白い線は「スターマーク」と呼ばれ、白い線の部分はトマトの「子室」で、中に種が入っています。
白い線を確認したら、白い線と白い線の間をカットして切り分けていきます。
種が入っている部分を避けてカットすることで、中の種や胎座を出すことなく綺麗にカットすることができます。
トマトの子室はだいたい一つのトマトに6つ〜8つあると言われているので、6等分〜8等分にカットすることができます。
トマトによってはお尻の部分を見ても白い線が見えないこともあります。この場合は、お尻の部分を触ってみてください。子室の部分は膨らんでいることが多いので、触って確認することができます。
それでもわからない場合は、ヘタの部分を見てみましょう。ヘタの部分にある凹みから白い線が出ていることがあります。ヘタの部分で確認できる場合は、このヘタにある白い線を切らないようにカットすると綺麗に仕上がります。
トマトソースやスープに使いたい場合に便利な角切りの方法を紹介します。
くし切りなどの場合は種が入っている部分を避けてカットすることで、種や胎座が出てきてぐじゅぐじゅになってしまうのを防ぐことができます。しかし、角切りの場合は細かくカットするので種が入っている部分を避けてカットすることはできません。
そのため、どうしても潰れたり水っぽくなるのが気になる場合は予め種や胎座をとってからカットしても良いでしょう。種をとってからカットすれば比較的形も崩れにくいですし、種や胎座が出てきて水っぽくなってしまうのを防ぐことができます。
種を取るときは、まず半分にカットします。半分にしたら断面についている種とゼリー状の部分をスプーンですくって取り除いていきます。
上述したように取った種や胎座は一緒に調理をして食べましょう。
トマトをまな板の上においたら、1cm幅程度の輪切りにしていきます。
輪切りにしたら、2枚ずつ重ねてまな板の上に置いておきます。何枚も重ねたほうが時短にはなりますが、崩れてしまうことが多いので、重ねても2枚にしておくのがベストです。時間はかかりますが、綺麗に仕上げたい場合は1枚ずつにしても良いでしょう。
2枚ずつ重ねたトマトを端から1cm幅程度でカットしていきます。
端からカットしたら、トマトを90°回転させて、再び端から1cm幅程度の厚さでカットしていきます。
ここまで、トマトを調理するときの定番の切り方の崩れない方法を紹介しました。その他のトマトが崩れない切り方を紹介します。
こちらの方法では、トマトの大きさや形によって、切り分けたときの大きさや形がバラバラになってしまうのがデメリットではありますが、サラダや炒めものにするときに便利なのでおすすめです。
まず、洗ったトマトを横半分にカットします。
横半分にカットすると、種と胎座が入っている部分が別れているのがよくわかります。
横半分にカットして、種と胎座が入っている部分がわかったら、種と胎座が入っている部分の間に包丁を入れてカットしていきます。
そうすると、種と胎座が出てビチャビチャになってしまうことなく綺麗にカットすることができます。
最後にヘタを取って完了です。
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