ブロッコリーが腐ってしまう原因は主に温度や湿度、エチレンガス、病気が関係しています。本記事ではブロッコリーが腐る原因や腐ってしまった時の特徴、そして腐らないように正しく保存する方法をご紹介します。
野菜が「腐る」とは、微生物(細菌、カビなど)によって分解や腐敗が進み、品質が劣化していくことを指します。微生物は野菜の表面や内部に存在し、適切な環境条件(温度、湿度など)が整えば増殖し、野菜の成分を分解して異臭や変色、テクスチャーの変化などを引き起こします。
腐敗により野菜は食べられなくなるだけでなく、微生物が生産する有害な物質や細菌の増殖によって食中毒の原因となることもあります。そのため、食品の腐敗を防ぐためには、適切な保存方法(冷蔵庫での保管、適切な温度管理)や衛生的な取り扱いが重要です。また、野菜の鮮度や品質に注意し、傷んだ部分や異常な臭いや変色が見られる場合は食べる前に廃棄することが重要です。
ブロッコリーが腐ると見た目や臭い、味、食感に下記のような特徴が見られます。異変を感じた場合は食べずに廃棄する方がベターです。
カビが生えている
溶け出している
酸っぱい匂い・味
生ゴミのような臭い
カビ臭い
柔らかい
ぬめりがある
ブロッコリーは他の一部の野菜と比較して、やや劣化が早い傾向があります。これは、ブロッコリーが水分を多く含んでいるため、湿度や温度の管理に敏感であり、劣悪な状態になりやすいからです。特に花蕾部分が傷みやすく、黄色く変色したり柔らかくなったりすることがあります。
しかし、新鮮な状態のブロッコリーを購入したり、正しく保存することで劣化を遅らせることができます。ブロッコリーは厚さと乾燥に弱いため、常温保存には向きません。購入後は生のまま茎の部分を水に漬けて保存すれば10〜12日ほど保存が可能です。
ブロッコリーの正しい保存方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
ブロッコリーの旬は11〜3月と冬で、冷涼な気候を好む野菜です。そのため気温が高い環境には弱く、暑い季節や温度の高い部屋での保存は腐敗してしまう原因になります。
また、貯蔵温度が高いと開花し(黄色い花がさき)、老化が進み鮮度が落ちてしまう原因となるので注意しましょう。
さらに、カビは20~30℃の温度で繁殖しやすくなります。特に夏場などの気温が高い季節や直射日光の当たるような場所に置いておくとカビが繁殖してしまう原因となります。
ブロッコリーは高温だけではなく乾燥にも弱いのが特徴です。貯蔵最適湿度が95〜100%と、最も高い部類に入ります。乾燥した環境での保存は鮮度が落ち、腐敗してしまう原因になります。ブロッコリーを腐敗させないためにはしっかりと乾燥対策をしておくことも重要です。
適切な温度と湿度でブロッコリーを保存しても、腐敗が進む原因になるのがエチレンガスです。
エチレンガスとは、野菜や果物が放つ成熟ホルモンとも呼ばれる成分で、追熟を促進する作用があります。ブロッコリーが放出するエチレンガスの量は、野菜の中ではダントツに多いのです!
エチレンガスは野菜や果物を追熟させるには効果的な成分ですが、追熟が進むと老化や腐敗へと繋がる危険性も。他の野菜や果物へ悪影響を及ぼさないためには、エチレンガスが漏れないように保存することが大変重要になります。
ちなみに、エチレンガスを多く放出する果物には、バナナ以外にりんごやアボカド、メロン、梨、桃などがあります。反対にエチレンガスの栄養を受けやすい野菜や果物には、キウイや柿、マンゴー、すいか、キャベツ、レタス、きゅうりなどがあります。
ブロッコリーに限らず、野菜や果物は生育中にかかってしまった病気が原因で腐敗してしまうこともあります。ブロッコリーを腐敗させてしまう病気には、例えば「軟腐病」や「花蕾腐敗病」などがあります。
軟腐病は、「Pectobacterium carotovora(ペクトバクテリウム カロトボラ)」とよばれる土壌常在菌が原因で発症する病気です。発症すると土に面に部分が黄褐色に変色し、進行すると軟化していき腐敗してしまいます。べとべとした感触になったり強い悪臭を放つのも軟腐病の特徴です。
花蕾腐敗病は、「Pseudomonas marginalis(シュードモナスマージナリス)」などの細菌が原因で発症する病気で、花蕾の一部に濃緑色の病斑が現れます。病状が進行すると淡褐色や黒褐色に変色していき、最終的には腐敗してしまいます。
その他にも様々な病気があり、病気に感染しているブロッコリーは取り除かれることが多いですが、収穫後に流通過程で発病してしまうこともあります。
ブロッコリーは基本的に常温保存はおすすめしませんが、冬ならば冷暗所で1日程度保存可能です。その場合は新聞紙などで包むようにするとよいでしょう。常温保存はすぐに黄色くなってしまうこともあるので注意しましょう。
すぐに使うなら、冷蔵保存がベストです。ブロッコリーは正しく保存すれば、10〜12日程度冷蔵保存が可能です!
ブロッコリーをみずみずしく鮮度を保って冷蔵保存するには、茎の根元を切りグラスなどに挿し、茎の根元が数cm浸かる程度の水を入れ、ポリ袋をかぶせて輪ゴムで留めるのがベスト。冷蔵室でも構いませんが、野菜室の方が湿度が高くベターです。
水に浸けるというひと手間を加えることで、本当にみずみずしく長持ちさせることができます!湿らせたキッチンペーパーでブロッコリーを包みジッパー付きポリ袋に入れて保存する方法もありますが、水につける方が鮮度が保たれます。ブロッコリーの花蕾は90%が水分で、収穫後は土からの水分の吸収は止まり、蒸散しているので、この方法によってみずみずしい食感を保つことができます。
ブロッコリーは他の野菜を劣化させるエチレンガスを放出するので、冷蔵庫内の他の野菜を守るためにもブロッコリーは密閉して保存することが重要です。
長期保存するならば冷凍保存がおすすめです。ブロッコリーの冷凍保存の期間の目安は約1ヶ月です。
ブロッコリーを冷凍保存するとき、茹でるか、生か、どっちがよいか迷う方が多いと思います。どちらにもメリット・デメリットがあります。
茹でたり蒸したりしてから冷凍することを「ブランチング」といいます。ブランチングしてから冷凍する倍は、小房に分けたブロッコリーを硬めに塩茹でし、自然に冷まし水けをしっかり切ったら、ジッパー付きポリ袋に入れ空気をしっかり抜き保存します。茎も小さめに切っていれましょう。
家庭用冷凍庫では基本的にブランチングするのがおすすめです。家庭用の冷凍庫では、野菜を急激に冷やすことができないのでダイレクトフリージングに向きません。ブランチングしないと、変色し、風味が落ち、食感が損なわれてしまいます。
生の場合も小房に分けたブロッコリーをジッパー付きポリ袋に入れ、空気をしっかり抜いて保存します。
ダイレクトフリージングでは栄養素が逃げずらい(特に水溶性のビタミンC)、茹でる面倒が省ける、解凍したときに柔らかい食感にならない(サラダなどに向く)というメリットがあります。
ブロッコリーのその他の保存方法(乾燥や漬物保存)に関しては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
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