肉じゃがの汁が多く水っぽくなってしまったことはありませんか。この記事では、肉じゃがの汁がなかなか減らない場合の原因や対処法などを解説します。
煮汁の分量が間違っている、火加減が弱いといった原因が考えられます。
肉じゃがの汁が減らない原因として、分量が多すぎることが挙げられます。
肉じゃがの煮汁の分量が多すぎると、いくつかの問題が生じます。まず、汁の量が多いために味が薄くなってしまうことがあります。味が薄いと具材にもしっかり味が染み込まないので、肉じゃが全体の風味が失われてしまいます。
また、汁が多いと煮込み時間も長くなります。長時間煮込むことでお肉が固くなり、じゃがいもが煮崩れしてしまう可能性があります。ただし、煮汁が少ないと今度は具材に味が染み込みにくくなってしまうので注意しましょう。
肉じゃがの煮汁の量は具がギリギリ浸るくらいがベストです。出汁は2人前で1カップ(200ml)の量が使われることが多いです。ただし、使う鍋やフライパンの大きさで具材が浸るくらいの量には差が出るので、調整しながら加えてみましょう。
肉じゃがを煮込む際、フライパンや鍋の蓋をきっちり閉めていませんか。蓋をすることで水分の蒸発が起きなくなるので汁が減らなくなってしまいます。
水を加えない無水調理であれば蓋をしてもかまいませんが、そうでない場合は落し蓋を使って煮込みましょう。落し蓋をしないで煮込んでしまうと逆に水分が抜けすぎてしまいます。
煮物の定番の落し蓋ですが、落し蓋は煮物において重要な役割を果たし、その中の1つに程よく煮汁を蒸発させ、水分の抜けすぎを防ぐ役割があります。また、煮汁の減少を防ぐ以外にも様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。
落し蓋を使用することで煮汁が落し蓋に当たり、絶えず下へと循環するため、味が均一に広がります。また、鍋全体の温度が均一になるため、加熱ムラを防ぐ効果もあります。また、上から落し蓋で具材を軽く抑えることで、中で素材が大きく動かなくなり、煮崩れしにくくなります。
このように落し蓋を使うことで様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。キャベツやレタスといった野菜を使う変わった代用方法もあります。
落し蓋は完全に密封するわけではないため、魚や肉などの生臭さがこもることなく、臭いが逃げやすくもなります。煮魚や角煮などでも落し蓋を使うのがおすすめです。
鍋の大きさに合わせてサイズを自由に調整できます。
肉じゃがに入れた野菜が多すぎて水分が出すぎてしまうことでも汁が多くなってしまいます。特に玉ねぎは水分を多く含んでおり、煮込むことで大量の水分が出ます。分量より多く入れると水分過多になりやすいので注意しましょう。
また、玉ねぎは加熱しすぎると溶けてしまい、煮汁全体が水っぽくなってしまうことがあります。水分を多く含んでいて柔らかい新玉ねぎは特に溶けやすいので、使う場合は煮込みすぎに注意が必要です。
肉じゃがを煮込む際は基本的には弱火で煮込みますが、火力が弱すぎると水分の蒸発量が少なくなり、汁が多くなってしまうことがあります。具材を最初から弱火で煮込むのではなく、煮込む前に中火で一度煮立たせてから弱火にして煮込みましょう。
また、煮込み時間が短くても水分を飛ばすことができません。ただし、弱い火力で長時間煮込むことでお肉のたんぱく質が縮んで固くなってしまい、じゃがいもは煮崩れを起こし、玉ねぎも溶けてなくなってしまいます。
煮込む時間は弱火で20~30分程度が基本です。具材のサイズや量、調理鍋やフライパンの素材などによって必要な煮込み時間は前後するので、肉じゃがを煮込んでいる際は時々鍋の状態を確認するようにしましょう。
では、汁が減らない場合、どのような方法で減らすことができるでしょうか。
肉じゃがの汁が多い場合に火加減を強くすることや、加熱時間を追加して煮込むは避けるべきです。煮汁を飛ばすにはかなり時間がかかってしまい、煮込みすぎてしまいます。
何度も言及していますが、長い時間煮込むことや強火で煮込むことでお肉が固くなってしまい、じゃがいもが煮崩れてしまいます。
汁が多すぎる場合は、勿体無いですがおたまなどを使って水分を取り除きましょう。具材がギリギリ浸るくらいの適切な煮汁の量まで減らしましょう。
なお、肉じゃがの煮汁は別の料理の出汁や隠し味としてリメイクすることもできます。
すくった肉じゃがの煮汁はお肉や野菜の旨味がたっぷりと染み込んでいます。カレーやシチューといった肉じゃがの定番リメイクはもちろん、煮汁だけでも様々な料理に使うことができます。
お好み焼きやハンバーグ、コロッケなどのタネを作る際、だしの代わりや隠し味として肉じゃがの煮汁を加えることでコクと旨味のある料理に仕上げることができます。変わり種ではチヂミや春巻きのタネに使っても美味しくなります。
肉じゃがを潰して具材の一部として使うこともできます。じゃがいもが入っているので、お好み焼きやハンバーグはもちもちとした食感を楽しむことができます。
肉じゃがとほとんど同じ味付けで作る牛丼の汁として肉じゃがの煮汁を使うこともできます。お肉や野菜の旨味が詰まっているので、旨味たっぷりの牛丼を楽しむことできます。
牛丼の残り汁を肉じゃがなどの煮物作りの隠し味として使うことも多いです。
肉じゃがの煮汁の余りにお好みの野菜を入れて卵でとじるだけでおかずの一品になります。冷蔵庫で余っている野菜を入れれば冷蔵庫の整理にもなり、一石二鳥です。
何かと余りがちな白菜やキャベツ、レタスなどの葉物野菜の消費はもちろん、安くてまとめ買いしていたもやしの消費などにもおすすめです。歯ごたえが欲しい方はきのこ類を加えてみても良いでしょう。
炊き込みご飯も肉じゃがの煮汁のうまみを活かすことができます。お米と牛肉や野菜、キノコ類などを炊飯器に入れ、肉じゃがの煮汁や調味料を足して炊くだけで美味しい炊き込みご飯が簡単に作れます。
肉じゃがの煮汁だけでは少なすぎて味が薄くなってしまうので、醤油などの調味料も追加して調整しましょう。
肉じゃがの煮汁はチャーハン作りに使うことができ、肉じゃがのコクや旨味を活かした味わいになります。肉じゃがの具が残っている場合は細かく砕いて一緒に炒めることもできます。
ただし、加える汁の量が多いとチャーハンがべチャっとした仕上がりになってしまい、一般的に好まれるパラパラな仕上がりには程遠くなってしまいます。
肉じゃがの煮汁をベースに鶏ガラや醤油を加えると、牛や豚の骨でだしを取ったようなコク深い味わいのラーメンのスープを作ることができます。肉じゃがの煮汁を甘めにしている方は醤油や鶏がらを多めに入れてスープを作りましょう。
醤油や鶏がら以外では、味噌をベースにスープを作ってみても美味しいです。
肉じゃがの煮汁に茹でた卵を漬け込んで味玉を作ることもできます。お肉や野菜から出た旨味が卵に染み込み、悪魔的ともいわれる美味しさの味玉が出来上がります。
作った味玉はそのまま食べても美味しいですし、ラーメンなどの他の料理にトッピングして使うこともできます。
肉じゃがを美味しく上手に作るコツを解説します。
肉じゃがは具材の切り方で火の通りや味の染み込む時間が変わります。じゃがいもの大きさがバラバラだと火の通りに差が生じ、場合によっては煮崩れてしてしまいます。
じゃがいもは大きさにもよりますが、6等分程度のサイズで乱切りにするのがおすすめです。にんじんはじゃがいもより味が染み込みにくいので、小さめに切りましょう。
玉ねぎはしゃきしゃきした食感を好む方は繊維に沿って大きめのくし切りに、柔らかくクタッと味のしみた玉ねぎが好みな方は繊維通りにまっすぐ包丁を入れて切りましょう。
一般的に煮物やカレーなどの煮込み料理には崩れにくい「メークイン」という品種が使われます。メークインは俵(たわら)のような楕円形が特徴的な見た目で、イギリスが原産の品種です。滑らかな口当たりが楽しめます。
一方、アメリカ原産で現在日本での生産量1位の「男爵イモ」は、調味料の味が染み込みやすく、火を通すことでほっくりとした食感になります。ほくほくとしたじゃがいもが好みという方は男爵イモがおすすめです。ただし、メークインよりも煮崩れしやすいので煮込む際は要注意です。
じゃがいもは角を削る「面取り」をすると煮込んでいる際に崩れにくくなります。崩れるのが気になる方は面取りをしっかり行いましょう。
じゃがいもを水にさらすことで、煮崩れを防ぐことができます。カットしたら5~10分程度水にさらしておきましょう。
じゃがいもの煮崩れは、煮込むことでジャガイモに含まれるデンプン(炭水化物の一種)とペクチン(食物繊維の一種)の2つの成分が変化してしまうことが主な理由です(たんぱく質も影響しているといわれています)。
じゃがいもを水にさらすと、ペクチンが水中の無機イオンと結合して不溶化し、細胞内のデンプンの吸水を防ぎ、煮崩れしにくくなります。カレーや煮物などにじゃがいもを使う場合は、この性質を利用することでも形をキープしたまま調理することが可能になります
。
また、じゃがいもを水にさらすことで煮崩れの原因になるデンプンそのものを少しばかり取り除くこともできます。デンプン自体は水には溶けませんが、水にさらすことで水の中に沈みます。デンプンは水に沈殿することから「殿粉(デンプン)」という名称がつきました。デンプンを取り除くことでジャガイモ同士がくっつきにくくもなります。
肉じゃがの具材のうち、お肉やにんじん、じゃがいもを炒めることで旨味が引き出され、食欲をそそる香ばしい風味が広がります。また、焼き色をつけることで見た目も美しく仕上がり、表面が固くなり、油でコーティングされるので煮込んだ際に崩れにくくもなります。
ただし、牛肉は火が通りやすく、加熱しすぎで固くなってしまうので、煮込む際に入れるのも良いでしょう。
煮物は煮込むことで具材が柔らかくなり、味が染み込んで美味しく仕上がりますが、ちょうどよい柔らかさになる時間と、しっかり味が染み込むまでの時間には差があり、具材が柔らかくなった段階ではまだ具材に味が染み込んでいません。しかし、肉じゃがは煮込みすぎるとお肉が固くなり、煮崩れも起きてしまい、美味しくなくなってしまいます。
そこで、程よく煮込んだ後に火を止めて放置しておくことで、余熱である程度の温度をキープすることができ、具材に味が染み込んでいくようになります。これが「煮物は冷めていく時に味が染みこむ」と言われる所以です。また、冷めていく間に味が落ち着くという効果もあります。味付けが終わったら火を止めて1~2時間放置しておくのがおすすめです。
ちなみに、冷ます理由として、浸透圧によって味が染み込むという説もあります。食材を加熱することで食材の中の細胞が膨張し、水分が外へ出ていってしまいますが、冷ますことで具材の中と煮汁の濃度を同じにしようと煮汁が食材に入っていくことにより、味が染み込むという説です。
どちらの説が正しいかは決着がついていませんが、火を止めておくことが味の染み込みにつながることは間違いないようです。
最後に、肉じゃがのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
和食の定番、肉じゃがのレシピをご紹介します。野菜の甘みが楽しめる一品です。
こちらのレシピでは牛肉を使用しています。
肉じゃが(牛肉)のレシピはこちら
豚肉を使った肉じゃがのレシピです。作り方はとてもシンプルですが、食べ応え満点です。
豚肉じゃがのレシピはこちら
めんつゆで簡単に作れる肉じゃがのレシピを紹介します。めんつゆ以外にはお酒を加えることで、お肉を柔らかく仕上げることができます。
めんつゆで作る肉じゃがのレシピはこちら
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