煮込みハンバーグの仕上げや隠し味で使う生クリームは他の食材で代用できるのでしょうか。この記事では、煮込みハンバーグ作りで使う生クリームの役割や代用品について解説します。
煮込みハンバーグにかかっている白いソースが生クリームです。
煮込みハンバーグのデミグラスソースに仕上げで生クリームがかけてあるのをよく見かけますよね。食欲をそそるような華やかな見た目になりますが、生クリームをかけるのは見た目のためだけではありません。
脂肪分が多くコクのある生クリームを加えることでデミグラスソースの角が取れ、まろやかな味わいになります。
ただし、生クリームはお店で出てくる煮込みハンバーグではかかっていることが多いものの、家庭で作るレシピでは使われないことがほとんどで、かけなくても味に大きな影響はありません。
生クリーム自体も煮込みハンバーグでも使うのは少量で、お菓子作り以外ではなかなか使う機会もありません。どうしても何か足してみたいという方は下記の代用品を使うことができます。
生クリームは牛乳よりも水分量が少なく、タネ作りに使うことでふんわりと柔らかい食感を楽しむことができます。牛乳よりも脂肪分が多くカロリーが高い生クリームは、濃厚でコクのある味わいになります。
使う量は牛乳と同量です。ただし、牛乳よりもカロリーが高く、ハンバーグのカロリーも高くなります。
生クリームの代用品を紹介します。
生クリームと同じ生乳から造られる牛乳が生クリームの代用の定番です。牛乳をそのままかけても良いですが、温めたバターを加えることで、より生クリームに近いコクのあるまろやかなテイストとなります。
バターを加える場合は牛乳:バター=3~4:1の割合がおすすめです。鍋や電子レンジで加熱してバターを溶かし、よく混ぜましょう。
家庭にも常備されていることの多いコーヒーフレッシュも生クリームの代用としておすすめです。乳脂肪を多く含む生クリームに対し、コーヒーフレッシュは植物性脂肪から造られており、よく似たテイストを持ちます。生クリームの消費期限が短いのに対し、コーヒーミルクは安定剤や保存料が含まれているため長く保存できるのも嬉しいポイントです。
ただし、よく似たテイストではあるものの、生クリームと比べるとコクが少なくあっさりとした味わいなので、見た目は生クリームを使った場合に近くなりますが、コクを加えるという目的では適していません。
生クリームの代わりに豆乳をかけることで、ヘルシーに煮込みハンバーグを仕上げることができます。豆腐を使ったハンバーグで煮込んでいる場合はハンバーグとの相性もぴったりです。
ただし、脂肪分が少ないのでコクのプラスという面では生クリームの代用としては適しておらず、豆乳は大豆由来の独特の香りや味わいがあるので、大豆の風味が気になる、苦手という方には不向きでしょう。
ココナッツミルクとは、熟したココナッツの固形胚乳(内側の白い部分)から作られる食材で、お菓子作りでよく使われています。ほかのミルクより脂肪分が多く、濃厚でコクがあるため、生クリームの代わりとしては最も適しています。
ただし、ココナッツミルクにはココナッツ特有の甘い風味があり、デミグラスソースがどこかエスニックな雰囲気になってしまいます。また、高カロリーでもあるのでカロリーを気にしている方にも不向きです。
食物繊維を多く含むヘルシーさで人気のオーツミルクは、オーツ麦から造られる牛乳に近いまろやかなテイストの飲料で、生クリームの代用として使うことができます。ただし、非常にあっさりとした風味なのでコクを加えるという目的では適していません。
また、オーツミルクは牛乳などに比べると非常に高価です。値段が気になる方は他の代用方法を考えましょう。
常温に戻したクリームチーズとヨーグルトを1:1の割合で混ぜて泡立てることで、生クリームに近いなめらかなクリームを作ることができます。質感や脂肪分が生クリームにとても近く、デミグラスソースにかける代用としておすすめです。混ぜるのはヨーグルトではなく牛乳でも構いません。
ただし、チーズ独特の匂いや味が気になるという方には不向きでしょう。
デミグラスソースに入れるおすすめの隠し味を紹介します。市販のソースに入れるのもおすすめです。
牛骨や鶏ガラ、香味野菜、スパイス、ハーブなどから取っただしの素であるブイヨンやコンソメを入れることでデミグラスソースの味を調えることができ、コクや旨味を追加することができます。ただし、入れすぎると味が濃くなってしまうので注意しましょう。
ちなみに、ブイヨンとコンソメは同じ調味料とみなされがちですが、違う調味料です。ブイヨンは純然たるだしの素といった調味料で、そのまま使ってもだしの味だけしかしませんが、コンソメはブイヨンをベースとしたスープの素で、コンソメだけで整った味のスープが作れます。
ブイヨンはいわゆる隠し味として使われることが多く、コンソメはスープなどの味の根幹、いわゆる「コンソメ味」にするために使われます。
赤ワインには原料であるぶどう由来のコク深い果実の風味や、樽熟成によって得られる複雑な香りがあり、デミグラスソースに加えることで風味の幅を広げてコクをプラスし、味わいに深みや奥行きを与えることができます。
また、赤ワインの渋みの原因である「タンニン」という成分はお肉を柔らかくする効果があります。赤ワインの酸味はデミグラスソースの重さを軽減する役割もあるほか、赤い色合いによってソースの色合いがより鮮やかになります。
料理にコクを加える目的でよく使われるバターですが、デミグラスソースを作る際の基本の材料でもあります。本格的なデミグラスソースは小麦粉をバターで炒める工程から始まります。
ただし、市販の製品の多くは製造の段階でバターの代わりに牛脂が使われていることがあるため、市販の製品にコクをプラスしたい場合、バターを加えることで味の物足りなさを解消できることがあります。
デミグラスソースにこってりとした風味の味噌を加えてコクをプラスするのも人気です。味噌の中でもコク深い味わいの赤味噌(八丁味噌)がよく使われています。
赤味噌は東北地方や中京地域を中心に造られている味噌で、赤味噌の中でも八丁味噌や仙台味噌、江戸甘味噌などの種類に分けられます。味も種類によって異なりますが、基本的に塩辛くコク深い味わいです。
八丁味噌は愛知県岡崎市を中心に生産されている味噌の一種で、大豆を原料として作られています。大豆のうまみが凝縮された独特のコクや渋みがあり、好き嫌いの分かれる味噌でもあります。
こってりとしたコクを持つチーズをデミグラスソースに加えることでまろやかな味わいになります。ソースにも粘りが生まれてハンバーグによく絡むようになります。
粉チーズはソースに溶けやすく、開封後も1ヶ月程度保存可能と使いやすいのでおすすめです。
和食の基本的な調味料である醤油を使うことでデミグラスソースをどこかシャープな味わいに変え、日本人になじみのある味わいにすることができます。中濃ソースやとんかつソースなどの濃厚ソースを使う場合に甘みを中和するために醤油が使われることが多いです。
ただし、入れすぎると味のバランスが崩れてしまい、塩分過多にもつながってしまうので注意しましょう。
カレーなどの隠し味に使われることのあるコーヒーもデミグラスソースの隠し味として人気です。コーヒーの香り高い苦みがデミグラスソースにコクを加えてくれます。
デミグラスソースに入れる場合は水に溶けるインスタントタイプのコーヒーを使用しましょう。また、入れすぎてしまうと苦みが強くなってしまうので、少量を使うようにしましょう。
何かと料理の隠し味に使われることの多いチョコレートもデミグラスソースの隠し味としておすすめです。チョコレートに含まれるカカオの苦みや、牛乳・砂糖の甘みがデミグラスソースにコクとなって加わります。
入れすぎると甘くなってしまうので、1かけ程度を入れるようにしましょう。
にんにくはうまみ成分であるグルタミン酸を含んでおり、すりおろしたにんにくをデミグラスソースに入れることで、ソースに旨味をプラスできます。赤ワインやケチャップなどで甘く仕上がりがちなデミグラスソースの甘みを抑える役割も。
ただし、にんにくを入れることで辛味を感じるテイストになりやすいので、味見をしながら少しずつ足すようにしましょう。
バルサミコ酢はイタリア特産のお酢で、ブドウを原料に作られるお酢です。独特の香りと酸っぱさ、そして甘みがあり、デミグラスソースにコクをプラス出来ます。なかなか使う機会がなく、余らせてしまっているという場合にもおすすめの隠し味です。
ケチャップなどを使ってデミグラスソースを作る場合、酸っぱさが前面に出やすくなるので、バルサミコ酢を追加する場合は量に注意しましょう。酸っぱくなってしまった場合は砂糖や醤油などで味を調えるのがおすすめです。
少し意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、イチゴジャムには甘みはもちろん、旨味や酸味も程よく含まれているので、デミグラスソースをコク深い味わいにできます。
ただし、味の主張が強い分少し入れるだけでも味のバランスが変わってしまうので、小さじで少しずつ加えるのがおすすめです。
生クリームがない場合、デミグラスソース以外のソースで煮込むのもおすすめです。
トマト缶とコンソメなどで作るトマトソースも煮込みハンバーグの定番です。トマト缶には栄養もたくさん含まれており、特に抗酸化作用を持つリコピンは生トマトの3倍の量が含まれています。
トマトソースも具材にきのこ類や野菜を入れて作ると食べ応えも栄養価もアップさせることができます。
ハンバーグに多いトマト系のソースに飽きてきたという方におすすめなのがカレーソースです。前日に作ったカレーが残っている場合、そのまま使ってみても美味しく食べることができます。
カレーソースで食べることで豆腐ハンバーグの淡白さはだいぶ解消されますが、さらにチーズをトッピングすることでこってりとした味わいと抜群の食べ応えになるのでおすすめです。茹で卵のトッピングも相性が良いですよ。
こってりとしたソースが多いハンバーグですが、その中でもマイルドな味わいが楽しめるのがホワイトソースです。優しい甘みも感じられるので、お子様向けにもおすすめです。
カレーソースはさらにチーズをトッピングすることでこってりとした味わいと抜群の食べ応えになるのでおすすめです。茹で卵のトッピングも相性が良いですよ。
ハンバーグを醤油や和風だしベースのソースで煮込めばデミグラスソースよりもあっさりとしたテイストで食べることができます。きのこ類やタマネギなど、お好みの具材と一緒に煮込んでみてください。
仕上げの段階で水溶き片栗粉を使ってとろみをつけるとハンバーグによく絡むようになります。
変わり種では、鶏がらスープをベースとした中華風のソースで煮込むのもおすすめです。和風ソースよりもあっさりとしたテイストになるので、夏の暑い時期でもさっぱりと食べることができます。八宝菜風に白菜やきのこ類などのたくさんの具材と一緒に煮込んで作れば栄養満点のおかずになります。
こちらも仕上げの段階で水溶き片栗粉を使ってとろみをつけるとハンバーグによく絡むようになります。
少しのコツでデミグラスソースを旨味たっぷりに仕上げることができます。
煮込みハンバーグのソースは、ハンバーグを焼いた後のフライパンで作ればフライパンに染み出たハンバーグの肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。ハンバーグの肉汁に含まれる牛肉や玉ねぎの旨味が本場のデミグラスソースに近い味わいに近づけてくれます。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
ソースを作る際、ベーコンや玉ねぎ、にんじんなどの野菜類や、マッシュルームなどのきのこ類を入れることでソースの旨味をアップさせることができます。具材が入ることで栄養価もアップしますし、食感も豊かになります。
ハンバーグを焼き終わった後のフライパンで具材を炒めてから赤ワインなどで煮てソースを作り始めるのがおすすめです。
ソースが完成したらハンバーグを入れて煮込みますが、この際ソースの表面に浮き出てくるアクや油脂はある程度取り除きましょう。雑味が減り、洗練された味わいになります。
ただし、取り除きすぎると旨味も取り除くことになってしまうので、ほどほどにしましょう。
ワンランク上のソースに仕上げたい方は、ガストリックというフランス料理の隠し味の定番を作ってソースに入れましょう。ガストリックはいわば砂糖を焦がして作るカラメルソースのようなもので、簡単な材料でさっと作ることができます。
作り方は砂糖:酢=5:1の割合で混ぜたものを鍋で煮て、全体的に黒っぽくなって煙が出て来たくらいで火を止め、砂糖の半量の水を入れて完成です。
ガストリックは糖分とタンパク質が加熱されて褐色になる「メイラード反応」によって生まれるコクを活かしたソースで、そのコクは飴色の玉ねぎやおこげなどの雑味を、味の深みやコクとして「おいしい」と感じるのと同じ原理です。デミグラスソースに加えることでほろ苦さや甘み、酸味などの深く複雑なコクを加えることができます。
ただし、入れすぎると苦みが強くなってしまうので、味見しながら加えてみましょう。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグのレシピはこちら
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
冷凍したじゃがいもが黒っぽく変色...食べてOK?原因と対処法を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典