煮込みハンバーグを作る際に赤ワインを使用することがありますが、赤ワインを他のお酒や調味料などで代用することは可能なのでしょうか。そもそも赤ワインを使うのにはどのような理由があるのでしょうか。本記事で詳しく解説します。
煮込みハンバーグに赤ワインを料理に使うのには、様々な理由があります。大きな理由の1つとしては風味とコクのプラスで、赤ワインには原料であるぶどう由来のコク深い果実の風味や、樽熟成によって得られる複雑な香りがあり、デミグラスソースに加えることで風味の幅を広げてコクをプラスし、味わいに深みや奥行きを与えることができます。
また、赤ワインの渋みの原因である「タンニン」という成分はお肉を柔らかくする効果があります。赤ワインの酸味はデミグラスソースの重さを軽減する役割もあるほか、赤い色合いによってソースの色合いがより鮮やかになります。
以上の理由から、赤ワインはその特徴を生かした、赤いワインならではの役割で使われているため、代用することは難しいと言われます。赤ワインはコンビニエンスストアなどでも売られており、低価格の製品も多いので、できれば購入することをおすすめします。
赤ワインを使わなくてもデミグラスソースを使うことができますが、少し物足りないテイストに仕上がってしまうでしょう。どうしても家にあるもので代用したいという場合は、下記の代用品を試してみてください。
いずれも赤ワインの持つ効果の一部を持ちますが、完全な代用は難しいでしょう。
赤ワインと同じ黒ぶどうから造られるグレープジュースは、赤ワインと同じくタンニンが豊富に含まれています。そのため、赤ワインの持つお肉をやわらかくする働きを持つ代用品として使うことができます。
ただし、赤ワインに比べて甘みがあるため、醤油などの他の調味料で味を調整する必要があります。また、グレープフルーツジュースの中には白ブドウも原料として使われているものや、果汁の割合が低いものもあります。赤ワインの代用とする場合は果汁100%で原料が黒ぶどうの実のグレープジュースを選びましょう。
なお、タンニンを含む他のフルーツにはクランベリーやカシスがあり、クランベリージュースやカシスリキュールでも代用できますが、クランベリージュースは酸味が強く、カシスリキュールは甘みが強く、デミグラスソースの味のバランスがおかしくなってしまうのであまりおすすめできません。
ビールに含まれる酵母は、たんぱく質を分解する作用でお肉を柔らかくしてくれます。また、うまみ成分であるアミノ酸を多く含んでいるので、料理にコクもプラスしてくれます。ビールが余ってしまったなどの場合には使ってみることをおすすめします。
ビールは赤ワインの持つ様々な効果の多くを補ってくれますが、ワインとは大きく異なる独特の風味や独特の苦みを持つので、デミグラスソースの味が少し変わってしまいます。いつもと違うテイストを楽しみたいという方には良いかもしれません。
バルサミコ酢はイタリア特産のお酢で、赤ワインと同じぶどうを原料に作られるお酢です。独特の香りと酸っぱさ、そして甘みがあり、デミグラスソースにコクをプラス出来ます。なかなか使う機会がなく、余らせてしまっているという場合にもおすすめの隠し味です。
ケチャップなどを使ってデミグラスソースを作る場合、酸っぱさが前面に出やすくなるので、バルサミコ酢を追加する場合は量に注意しましょう。酸っぱくなってしまった場合は砂糖や醤油などで味を調えるのがおすすめです。
また、バルサミコ酢にも白ぶどうから造られるものがあるため、黒ぶどうで造られたものを選ぶと赤ワインに近い味わいとなります。
りんごに含まれる成分のひとつ「リンゴ酸」は、肉をやわらかくする性質があるほか、タンニンも少量含まれているため、お肉を柔らかくするという目的で赤ワインの代用とすることができます。
ただし、リンゴジュースを使うときは、果汁100%でないと意味がないので注意しましょう。なお、生のリンゴが余っているという方はすりおろして入れるのもおすすめです。
料理で何かと使うことが多く、ほとんどの家庭のキッチンにある料理酒は、食材のくさみ消しや風味付け・コクのプラスなどの役割として赤ワインの代用に適しています。
なお、料理酒は米や食塩、米麹などで造られており、洋風のデミグラスソースとの相性はよくないでしょう。入れすぎると味のバランスが崩れてしまうので、少な目に使うのがおすすめです。
ロゼワインは赤ワインと同じく黒ブドウを原料とするワインですが、発酵の途中で果皮を取り出すため、透明度の高いピンク色の見た目です。
赤ワインと比べると風味が弱く、白ワインと赤ワインの中間ともいえるあっさりとしたテイストで、タンニンの含有量も少ないため、赤ワインの代用としてはイマイチでしょう。他に代用出来るものがない場合に加えることをおすすめします。
白ワインは、白ブドウの果実を原料とするため、すっきりと甘いテイストが特徴的なワインです。料理の風味を邪魔しないので、あっさりとしたテイストの料理や、ドレッシングなどに使われることが多いです。
赤ワインと同じ臭み消しの効果はありますが、赤ワインと比べると風味が弱く、デミグラスソースに使うにはすっきりとしすぎているので、他に何もない場合に加えると良いでしょう。
赤ワインがない場合、デミグラスソース以外のソースで煮込むのもおすすめです。
トマト缶とコンソメなどで作るトマトソースも煮込みハンバーグの定番です。トマト缶には栄養もたくさん含まれており、特に抗酸化作用を持つリコピンは生トマトの3倍の量が含まれています。
トマトソースも具材にきのこ類や野菜を入れて作ると食べ応えも栄養価もアップさせることができます。
ハンバーグに多いトマト系のソースに飽きてきたという方におすすめなのがカレーソースです。前日に作ったカレーが残っている場合、そのまま使ってみても美味しく食べることができます。
カレーソースはさらにチーズをトッピングすることでこってりとした味わいと抜群の食べ応えになるのでおすすめです。茹で卵のトッピングも相性が良いですよ。
こってりとしたソースが多いハンバーグですが、その中でもマイルドな味わいが楽しめるのがホワイトソースです。優しい甘みも感じられるので、お子様向けにもおすすめです。
ホワイトソースもチーズとの相性が良いので、食べ応えをプラスしたい方は是非のせてみてください。付け合わせの野菜にブロッコリーやニンジン、コーンなどを合わせれば栄養価もアップできます。
ハンバーグを醤油や和風だしベースのソースで煮込めばデミグラスソースよりもあっさりとしたテイストで食べることができます。きのこ類やタマネギなど、お好みの具材と一緒に煮込んでみてください。
仕上げの段階で水溶き片栗粉を使ってとろみをつけるとハンバーグによく絡むようになります。
変わり種では、鶏がらスープをベースとした中華風のソースで煮込むのもおすすめです。和風ソースよりもあっさりとしたテイストになるので、夏の暑い時期でもさっぱりと食べることができます。八宝菜風に白菜やきのこ類などのたくさんの具材と一緒に煮込んで作れば栄養満点のおかずになります。
こちらも仕上げの段階で水溶き片栗粉を使ってとろみをつけるとハンバーグによく絡むようになります。
少しのコツでデミグラスソースを旨味たっぷりに仕上げることができます。
煮込みハンバーグのソースは、ハンバーグを焼いた後のフライパンで作ればフライパンに染み出たハンバーグの肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。ハンバーグの肉汁に含まれる牛肉や玉ねぎの旨味が本場のデミグラスソースに近い味わいに近づけてくれます。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
ソースを作る際、ベーコンや玉ねぎ、にんじんなどの野菜類や、マッシュルームなどのきのこ類を入れることでソースの旨味をアップさせることができます。具材が入ることで栄養価もアップしますし、食感も豊かになります。
ハンバーグを焼き終わった後のフライパンで具材を炒めてから赤ワインなどで煮てソースを作り始めるのがおすすめです。
ソースが完成したらハンバーグを入れて煮込みますが、この際ソースの表面に浮き出てくるアクや油脂はある程度取り除きましょう。雑味が減り、洗練された味わいになります。
ただし、取り除きすぎると旨味も取り除くことになってしまうので、ほどほどにしましょう。
ワンランク上のソースに仕上げたい方は、ガストリックというフランス料理の隠し味の定番を作ってソースに入れましょう。ガストリックはいわば砂糖を焦がして作るカラメルソースのようなもので、簡単な材料でさっと作ることができます。
作り方は砂糖:酢=5:1の割合で混ぜたものを鍋で煮て、全体的に黒っぽくなって煙が出て来たくらいで火を止め、砂糖の半量の水を入れて完成です。
ガストリックは糖分とタンパク質が加熱されて褐色になる「メイラード反応」によって生まれるコクを活かしたソースで、そのコクは飴色の玉ねぎやおこげなどの雑味を、味の深みやコクとして「おいしい」と感じるのと同じ原理です。デミグラスソースに加えることでほろ苦さや甘み、酸味などの深く複雑なコクを加えることができます。
ただし、入れすぎると苦みが強くなってしまうので、味見しながら加えてみましょう。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグのレシピはこちら
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