煮込みハンバーグは寝かせることでどのような効果があるのでしょうか。この記事では、煮込みハンバーグを寝かせることで得られる効果や、煮込みハンバーグを美味しく仕上げるコツなどを紹介します。
煮込みハンバーグは作って寝かせておくことでどのような効果があるでしょうか。
デミグラスソースで煮込んだハンバーグは作ってから冷蔵庫で一晩寝かせておくと様々な効果が起きて美味しくなります。2日目のカレーが美味しい原理とよく似ていますね。
大きな理由の1つとして、寝かせておくことでデミグラスソースがハンバーグにしっかりと味が染み込むためです。ソースにもハンバーグや具材の野菜から旨味が染み出すため、相乗効果でソースも美味しくなります。
また、寝かせることで具材に使うケチャップやトマトなどの酸っぱさが落ち着くことも理由に挙げられます。味の角が取れてまろやかな味わいが楽しめます。
ただし、味付けにスパイスを使っている場合、スパイスの風味は時間経過とともに飛んでしまいやすいので、スパイスを多めに使う場合は作った当日の方が風味豊かな煮込みハンバーグが食べられます。
ただし、作った煮込みハンバーグを常温で放置するのは避けましょう。寒い時期であれば長時間放置しても問題ないこともありますが、特に梅雨以降の高温多湿となる時期は常温で1~2時間放置するだけで食品内の細菌が繁殖し、腐ってしまうことがあります。
短時間だけ出しておく場合でも必ずラップをかけるかふたをのせて保管しておきましょう。
煮込みハンバーグは寝かせることで美味しくなりますが、冷蔵庫での保存期間は2~3日です。保存期間を過ぎたものは味が劣化している可能性があり、場合によって腐ってしまっていることもあり、食べると食中毒を起こす可能性があるので注意しましょう。
腐った食品の見た目は黒っぽく変色してることが多いので、よく観察しましょう。また、鼻をつくようなおかしな臭いがしている場合は腐っている可能性が非常に高いので、食べずに処分しましょう。
より長期で保存しておきたい方は冷凍庫での保存がおすすめです。冷凍庫ならば1カ月程度保存しておくことが可能です。ただし、冷凍庫はとても乾燥しており、保存している間にも水分が失われて劣化が進んでしまうので、早めに食べることをおすすめします。
ハンバーグはタネの状態でも寝かせておくことで美味しさアップにつながります。
タネをこね終わった後、寝かせることも必須ではありませんが、ハンバーグが美味しく仕上げられるようになるのでおすすめです。水分と油分がよくなじむので、お肉が熟成して旨味が増すだけでなく、脂が流出しづらくなります。
タネを常温で寝かせたり、長時間寝かせたりしてしまうと、雑菌が繁殖する原因となります。冷蔵庫で1~2時間程度寝かせるようにしましょう。また、なるべく空気に触れないようにするため、ラップをかけて寝かせましょう。
なお、空気を抜いて成形した後に寝かせるとひびが入って割れやすくなってしまうので、必ず成形前に寝かせましょう。
ただし、生のひき肉は雑菌が繁殖しやすいため、寝かせすぎには注意しましょう。長くても半日程度にしましょう。
前日のうちにタネを作って寝かせることも可能ですが、一晩寝かせる場合はタネにラップをぴっちり巻いて保存しましょう。さらにその上からポリ袋などの保存袋に入れるとさらに劣化を防ぐことができます。
また、保存する場所はドアの開閉による温度変化を受けにくいチルド室やパーシャル室がおすすめです。
煮込みハンバーグを美味しく仕上げるコツを紹介します。
ひき肉はこねる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。ハンバーグのタネは温度が上がることでひき肉の脂肪が溶けてタネがゆるくなるほか、焼いた時に肉汁が流れ出て固い仕上がりになってしまいます。
また、タネをこねる際に室温が高いとタネの温度が高くなり、タネがゆるくなってしまうこともあります。夏場は冷房をつけ、冬場は暖房を切ってタネをこねるのがおすすめです。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいが良いとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。気持ち多めに入れると良いでしょう。
ひき肉と塩だけで捏ねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
ハンバーグのタネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、ハンバーグが固くなってしまいます。ただし、こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
ハンバーグをこねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねたり、手ではなくすりこぎ棒や木べらや割り箸を使ってこねると良いでしょう。こだわる方はタネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねているようです。
タネを混ぜ終わってから空気を抜いて成型しますが、この作業が十分でないとハンバーグが割れやすくなってしまい、割れて肉汁が出て固くなってしまうので要注意です。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。この時、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。
ただし、この作業をやりすぎるとハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。
ハンバーグのサイズを大きくしてしまうと、焼く前の空気抜きの作業で空気を抜くのが難しくなるほか、火の通りが悪くなり、崩れやすくなってしまいます。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高まります。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。
ハンバーグの厚い中央部分は火が通りにくいので、生焼けを防ぎ、調理時間を短くするために真ん中をへこませましょう。
ただし、最近はへこませる必要についての議論もあり、へこんだ部分に焼き目がつけられない、蒸し焼きにすれば中までしっかり火が通るといった理由からへこませる必要がないと言われることもあります。典型的なハンバーグのような形ではなく、薄めに作ることでへこませるのを省く方法もあります。
煮込みハンバーグを作る際、しっかり火を通すために弱火で長時間煮込んでいる方が多いのではないでしょうか。長時間煮込むことでハンバーグから肉汁が出すぎてしまい、ハンバーグが固くなってしまいます。ソースで煮込む時間は15分~20分が基本です。煮込む時間が短くても中まで火が通らず、長すぎてもハンバーグが固くなってしまうので注意しましょう。
煮込みハンバーグを作る際は、両面に中火でしっかり焼き目を付けてから弱火で煮込むことで肉汁の流出を防ぐことができます。焼き目をつける際は多めの油で揚げ焼きにすることでしっかりと焼き目をつけることができます。
両面に焼き目を付けたハンバーグは一度取り出しましょう。ソースはハンバーグを焼いたフライパンで作るとお肉のうまみを生かすことができます。揚げ焼きにした場合は残っている油が多すぎるので、軽く捨てましょう。
ハンバーグを煮込んでいる最中に様子が気になってついつい触ってしまう方も多いのではないでしょうか。ハンバーグを菜箸やフライ返しで触ることでハンバーグが崩れて肉汁が流出し、固い仕上がりになってしまうのでなるべく触らないようにしましょう。
煮込みハンバーグは基本的に煮込んでいる最中にひっくり返す必要はありませんが、味の染み込みなどが気になる方はスプーンなどでハンバーグにソースをかけてみてください。
また、どうしてもひっくり返したいという方は5~10分煮込んだ後に1度だけひっくり返しましょう。ただし、このひっくり返す動作を失敗してしまうとハンバーグが崩れ、固くなる原因となるため、あまりおすすめできません。
なお、ハンバーグを動かしながら煮込みハンバーグを作らないと焦げ付いてしまうという場合は、使っているフライパンのコーティングが痛んでいる可能性が高いです。フライパンの買い替えをおすすめします。
少しのコツでデミグラスソースを旨味たっぷりに仕上げることができます。
煮込みハンバーグのソースは、ハンバーグを焼いた後のフライパンで作ればフライパンに染み出たハンバーグの肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。ハンバーグの肉汁に含まれる牛肉や玉ねぎの旨味が本場のデミグラスソースに近い味わいに近づけてくれます。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
ソースを作る際、ベーコンや玉ねぎ、にんじんなどの野菜類や、マッシュルームなどのきのこ類を入れることでソースの旨味をアップさせることができます。具材が入ることで栄養価もアップしますし、食感も豊かになります。
ハンバーグを焼き終わった後のフライパンで具材を炒めてから赤ワインなどで煮てソースを作り始めるのがおすすめです。
ソースが完成したらハンバーグを入れて煮込みますが、この際ソースの表面に浮き出てくるアクや油脂はある程度取り除きましょう。雑味が減り、洗練された味わいになります。
ただし、取り除きすぎると旨味も取り除くことになってしまうので、ほどほどにしましょう。
ワンランク上のソースに仕上げたい方は、ガストリックというフランス料理の隠し味の定番を作ってソースに入れましょう。ガストリックはいわば砂糖を焦がして作るカラメルソースのようなもので、簡単な材料でさっと作ることができます。
作り方は砂糖:酢=5:1の割合で混ぜたものを鍋で煮て、全体的に黒っぽくなって煙が出て来たくらいで火を止め、砂糖の半量の水を入れて完成です。
ガストリックは糖分とタンパク質が加熱されて褐色になる「メイラード反応」によって生まれるコクを活かしたソースで、そのコクは飴色の玉ねぎやおこげなどの雑味を、味の深みやコクとして「おいしい」と感じるのと同じ原理です。デミグラスソースに加えることでほろ苦さや甘み、酸味などの深く複雑なコクを加えることができます。
ただし、入れすぎると苦みが強くなってしまうので、味見しながら加えてみましょう。
冷蔵・冷凍の場合とタネのまま保存する場合のポイントをそれぞれ解説します。
煮込みハンバーグのハンバーグ本体とソースは一緒に保存しても良いのでしょうか。ハンバーグとソースは一緒に保存しても問題ありませんが、そのまま一緒に温め直してしまうと上手く温めることができません。
ソースはハンバーグよりも水分量が多く温まりやすいため、ハンバーグと一緒に保存しておいたものをそのまま温めると、ソースが温まり切っているのにハンバーグが冷たいという状態になってしまいます。逆にハンバーグがしっかり温まるまで温めてしまうとソースが熱くなりすぎ、煮詰まって味が濃くなってしまうこともあります。この現象は温め直しに一番使われる電子レンジで特に顕著です。
温め直す際のポイントは後述の項目で詳しく紹介します。
ハンバーグを保存する際にひと手間加えることで、後で焼く場合や、温め直す場合に固くなりにくくできます。ラップ+保存用の袋で2重にするのがポイントです。保存する場所はドアの開閉による温度変化を受けにくいチルド室がおすすめです。
冷蔵庫でタネを保存する場合、こね終わってすぐの成形前がおすすめです。空気を抜いて成形した後に保存するとひびが入って割れやすくなってしまいます。
タネは雑菌がとても繁殖しやすいため、冷蔵庫といえど長期間の保存はおすすめできません。ラップをしっかり巻いて保存する場合でも1日以内に使いましょう。
煮込みハンバーグを冷蔵庫で保存する際は、密閉容器(タッパー)または保存袋に入れて保存しましょう。プラスチック製の密閉容器を使う場合、煮込みハンバーグはソースの匂いや色が容器に残りやすいので、タッパーにラップを敷き、その上に煮込みハンバーグを入れ、ラップで軽く包み、フタをするのがおすすめです。
空気に触れることで酸化や乾燥で劣化が進むため、空気に触れさせないようにするのがポイントです。保存する場所はドアの開閉による温度変化を受けにくいチルド室がおすすめです。冷蔵庫なら2~3日程度冷蔵庫で保存できます。
iwaki(イワキ)は140年以上もの歴史がある日本のブランドです。
電子レンジOK、フタを外せばオーブンでも使用できます。耐熱ガラスなので冷凍もOK。食器洗い乾燥機で洗えるのも大変便利です。
冷凍する場合もラップ+保存用の袋で2重にするのがポイントです。保存する場所はドアの開閉による温度変化を受けにくい冷凍庫の奥の方に保存しましょう。
空気が入らないように注意しながら、1つずつラップでぴっちりと包みます。金属トレーを持っている方は、金属トレーに載せて冷凍させるとスピーディーに冷凍できます。素早く冷凍させることで、お肉を解凍するときに出やすい水分やうまみ成分を含んだ「ドリップ」の流出を抑えることもできます。
タネをこねるときはビニール手袋を使用することで菌の繁殖を防ぐことができ、正しく保存すれば2週間程度持ちます。タネのまま保存すればハンバーグだけでなく、ひき肉として使うこともできるので、便利です。肉団子の代わりにしたり、ロールキャベツにもできますが、あえて崩してそぼろにしたり、味つけを加えて肉みそにすることもできます。
冷凍する場合も冷蔵の場合と同様に密閉容器(タッパー)または保存袋(ジップロック)に入れて保存しましょう。密閉容器の場合はラップとの併用がおすすめです。保存する場所はドアの開閉による温度変化を受けにくい冷凍庫の奥の方に保存しましょう。
冷凍室へ入れる際は金属トレーにのせて急速冷凍すると、肉汁を封じ込めたまま保存ができます。保存期間も1か月程度と、長めに持ちます。ただし、冷凍庫は冷蔵庫以上に乾燥しており、保存している間にも劣化が進んで味が落ちてしまうので、早めに食べた方が美味しいでしょう。
ハンバーグを温め直すポイントは、いかにハンバーグの肉汁(水分・油分)を逃がさないかです。温めすぎてハンバーグの温度が上がりすぎることで肉汁はたくさん出てしまいます。
また、上記の項目で解説した通り、煮込みハンバーグはハンバーグとソースで温まるまでに必要な時間が異なるので、電子レンジでは別々に温め直すのがおすすめです。
温め直す際の主な手段である電子レンジ、フライパン、鍋での湯煎のそれぞれにおけるポイントを解説します。
一番手軽で定番の方法ともいえる電子レンジでの温め直しのポイントは、ハンバーグとソースを別々に温め直すことと、温めすぎないことです。
ハンバーグはラップでしっかり包んで温め直しましょう。なるべくハンバーグにぴったりラップをし、ラップを閉じている部分を上にすることで肉汁が流れ出るのを防げます。加熱時間を短くすることでも肉汁が流れ出るのを抑えられるので、設定時間はまず40秒~60秒で温め、冷たければ10秒~20秒の短い時間を追加して温めてみてください。ワット数は500Wまたは600Wがおすすめです。
ソースもお皿に移してラップをかけて温めましょう。まず20~30秒温めてみて、冷たければ10秒~20秒の短い時間を追加して温めてみてください。
オーブンやトースターで温め直す場合、ハンバーグとソースを大きめのアルミホイルに包んで温め直しましょう。スキレットを持っている方はスキレットにのせて温め直すのがおすすめです。
事前に180~200度に設定して5~10分温めておき、煮込みハンバーグを入れてさらに3~5分温めましょう。時間はかかりますが、ゆっくりと均等に加熱されるので肉汁が出にくく、出来立てに近い美味しさを味わうことができます。
フライパンで温め直す場合は、ソースとハンバーグをフライパンに入れ、弱火で5分程度温めましょう。バターを使うことでハンバーグに油分を追加することもできます。
アルミホイルを使って蒸し焼きにするのもおすすめで、少量のバターを載せた煮込みハンバーグをソースごと大きめのアルミホイルで包み、1cm程度水を張ったフライパンに乗せてください。フライパンを中火にかけ、沸騰したらフタを閉めて4~5分蒸し焼きにしてください。水の代わりに白ワインや料理酒を使うとハンバーグに風味付けもできておすすめです。
冷凍していた煮込みハンバーグの場合、凍ったまま温め直してしまうと加熱にムラが出てしまい、美味しく温め直せません。食べる前日の夜または当日の朝に冷蔵庫に移しておき、事前に解凍しておきましょう。解凍にかかる時間はおよそ6~8時間です。
煮込みハンバーグは湯煎で温め直すこともできます。少々手間と時間はかかりますが、凍ったままでもしっかり解凍でき、密封した袋の中で温めるので、肉汁をしっかりガードして温め直すことができます。
パッキングされている市販のハンバーグであればそのまま、作ったハンバーグはチャック付きの保存袋などにいれて密閉し、水を沸騰させた鍋にポリ袋を静かに入れ、10分~15分程度温めてください。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
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