作った煮込みハンバーグのソースの味が薄かった、市販のデミグラスソース缶を使ったらなんとなく味が物足りなかったということはありませんか。この記事では、煮込みハンバーグのソースに味を加えて美味しく仕上げるコツを紹介します。
煮込みハンバーグの味が薄く感じる場合、単にしょっぱさが足りないだけではないかもしれません。
味が薄い場合の多くは全体的に調味料が足りておらず、主に塩味が足りていない状態であることが多いです。この場合、塩・コショウやコンソメ(ブイヨン)、ウスターソースなどを足すと効果的です。
ただし、入れすぎるとしょっぱくなってしまうので、ちょっとずつ足しながら他に足りていない部分がないか確認しましょう。
十分なしょっぱさだけど何となく美味しくないという場合はコクの部分が足りていない可能性があります。この場合、赤ワインやウスターソース、みりんなどを加えるのがおすすめです。
たくさん入れるとしょっぱくなり、味のバランスもおかしくなってしまうので少しずつ加えましょう。
基本的にはしょっぱい調味料を加えることになります。
手っ取り早くしょっぱさを加えることができるのが塩です。コショウと一緒になっているタイプのものを振りかければスパイシーな風味も加えることができます。コショウには味をまとめる役割も。
ただし、振りかけすぎはしょっぱくなりすぎてしまい、塩分過多にもつながります。味見をしながら少しずつ加えましょう。
牛骨や鶏ガラ、香味野菜、スパイス、ハーブなどから取っただしの素であるブイヨンやコンソメを入れることでデミグラスソースの味を調えることができ、コクや旨味を追加することができます。ただし、入れすぎると味が濃くなってしまうので注意しましょう。
ちなみに、ブイヨンとコンソメは同じ調味料とみなされがちですが、違う調味料です。ブイヨンは純然たるだしの素といった調味料で、そのまま使ってもだしの味だけしかしませんが、コンソメはブイヨンをベースとしたスープの素で、コンソメだけで整った味のスープが作れます。
ブイヨンはいわゆる隠し味として使われることが多く、コンソメはスープなどの味の根幹、いわゆる「コンソメ味」にするために使われます。
デミグラスソースを自分で作る場合、ケチャップを使うことが多いですが、その味の根幹であるケチャップを増やすことで味を濃くし、トマト由来のコクや旨味をプラスすることができます。
ただし、ケチャップは酸味が強いので入れすぎると酸っぱいテイストになってしまいます。ワインも入れている場合は特に酸っぱさが強く出やすいので、入れる量には注意しましょう。
和食の基本的な調味料である醤油を使うことでデミグラスソースをどこかシャープな味わいに変え、日本人になじみのある味わいにすることができます。中濃ソースやとんかつソースなどの濃厚ソースを使う場合に甘みを中和するために醤油が使われることが多いです。
ただし、入れすぎると味のバランスが崩れてしまい、塩分過多にもつながってしまうので注意しましょう。
デミグラスソースにこってりとした風味の味噌を加えてコクをプラスするのも人気です。味噌の中でもコク深い味わいの赤味噌(八丁味噌)がよく使われています。
赤味噌は東北地方や中京地域を中心に造られている味噌で、赤味噌の中でも八丁味噌や仙台味噌、江戸甘味噌などの種類に分けられます。味も種類によって異なりますが、基本的に塩辛くコク深い味わいです。
八丁味噌は愛知県岡崎市を中心に生産されている味噌の一種で、大豆を原料として作られています。大豆のうまみが凝縮された独特のコクや渋みがあり、好き嫌いの分かれる味噌でもあります。
デミグラスソースにコクをプラスできるおすすめ調味料を紹介します。全項目で紹介した醤油や味噌もおすすめです。
デミグラスソースなどの洋風の料理の味付けによく使うウスターソースは、イギリスのウスター市で生まれたソースです。原料にはトマトや玉ねぎ、ニンジンなどの野菜やリンゴなどのフルーツの搾り汁やピューレに塩、砂糖などを加え、熟成させた液体調味料です。
ウスターソースは、製造しているメーカーによって味は異なるものの、基本的には野菜などの旨味がたっぷりで、強めの辛味を中心として酸味や甘みが感じられるテイストが特徴的なソースです。関西では「ソース」といえばウスターソースのことを指し、揚げ物に直接かけて食べる卓上調味料としても一般的です。
ウスターソースと同じ材料から造られる中濃ソースやとんかつソースでも代用可能です。
赤ワインには原料であるぶどう由来のコク深い果実の風味や、樽熟成によって得られる複雑な香りがあり、デミグラスソースに加えることで風味の幅を広げてコクをプラスし、味わいに深みや奥行きを与えることができます。
また、赤ワインの渋みの原因である「タンニン」という成分はお肉を柔らかくする効果があります。赤ワインの酸味はデミグラスソースの重さを軽減する役割もあるほか、赤い色合いによってソースの色合いがより鮮やかになります。
料理にコクを加える目的でよく使われるバターですが、デミグラスソースを作る際の基本の材料でもあります。本格的なデミグラスソースは小麦粉をバターで炒める工程から始まります。
ただし、市販の製品の多くは製造の段階でバターの代わりに牛脂が使われていることがあるため、市販の製品にコクをプラスしたい場合、バターを加えることで味の物足りなさを解消できることがあります。
みりんは料理に甘みとコク・旨味を加える目的で使われます。料理酒と同じ日本酒ベースの調味料で、和食づくりに欠かせない調味料です。煮物では料理に照りを出すためにも使われます。
みりんにはもち米・米麹などを原料とするアルコール度数14度の「本みりん」と、ブドウ糖や水あめなどの糖類や香料で作られるアルコール度数1度未満の「みりん風調味料」があります。
料理酒と同じアルコールの効果による味の染み込みやお肉などの臭い消し、煮くずれを防ぎたい場合には「本みりん」を使うのがおすすめで、加熱を必要としないドレッシングや和え物には、アルコールがほとんど含まれていない「みりん風調味料」を使うのがオススメです。
にんにくはうまみ成分であるグルタミン酸を含んでおり、すりおろしたにんにくをデミグラスソースに入れることで、ソースに旨味をプラスできます。赤ワインやケチャップなどで甘く仕上がりがちなデミグラスソースの甘みを抑える役割も。
ただし、にんにくを入れることで辛味を感じるテイストになりやすいので、味見をしながら少しずつ足すようにしましょう。
こってりとしたコクを持つチーズをデミグラスソースに加えることでまろやかな味わいになります。ソースにも粘りが生まれてハンバーグによく絡むようになります。
粉チーズはソースに溶けやすく、開封後も1ヶ月程度保存可能と使いやすいのでおすすめです。
デミグラスソースに入れるおすすめの隠し味を紹介します。市販のソースに入れるのもおすすめです。
カレーなどの隠し味に使われることのあるコーヒーもデミグラスソースの隠し味として人気です。コーヒーの香り高い苦みがデミグラスソースにコクを加えてくれます。
デミグラスソースに入れる場合は水に溶けるインスタントタイプのコーヒーを使用しましょう。また、入れすぎてしまうと苦みが強くなってしまうので、少量を使うようにしましょう。
何かと料理の隠し味に使われることの多いチョコレートもデミグラスソースの隠し味としておすすめです。チョコレートに含まれるカカオの苦みや、牛乳・砂糖の甘みがデミグラスソースにコクとなって加わります。
入れすぎると甘くなってしまうので、1かけ程度を入れるようにしましょう。
中華料理でおなじみのオイスターソースは、牡蠣のうまみがたっぷりと詰まった調味料で、ウスターソースの代用や隠し味として使われることがあります。
少し入れるだけで深いコクが出ますが、入れすぎてしまうとどこかぼんやりとした味に仕上がってしまうので、入れすぎには注意しましょう。
バルサミコ酢はイタリア特産のお酢で、ブドウを原料に作られるお酢です。独特の香りと酸っぱさ、そして甘みがあり、デミグラスソースにコクをプラス出来ます。なかなか使う機会がなく、余らせてしまっているという場合にもおすすめの隠し味です。
ケチャップなどを使ってデミグラスソースを作る場合、酸っぱさが前面に出やすくなるので、バルサミコ酢を追加する場合は量に注意しましょう。酸っぱくなってしまった場合は砂糖や醤油などで味を調えるのがおすすめです。
甘酒は原料の酒粕や米麹由来のコクをプラスすることができ、隠し味としておすすめです。優しい甘みの甘酒を入れることで優しい味わいになるので、お子様向けにもおすすめです。
甘酒にわずかに含まれるアルコール分は加熱によって飛んでしまいますが、お子様も食べる場合はアルコールが含まれていない、米麴が原料の甘酒を選ぶと安心です。
少しのコツでデミグラスソースを旨味たっぷりに仕上げることができます。
煮込みハンバーグのソースは、ハンバーグを焼いた後のフライパンで作ればフライパンに染み出たハンバーグの肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。ハンバーグの肉汁に含まれる牛肉や玉ねぎの旨味が本場のデミグラスソースに近い味わいに近づけてくれます。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
ソースを作る際、ベーコンや玉ねぎ、にんじんなどの野菜類や、マッシュルームなどのきのこ類を入れることでソースの旨味をアップさせることができます。具材が入ることで栄養価もアップしますし、食感も豊かになります。
ハンバーグを焼き終わった後のフライパンで具材を炒めてから赤ワインなどで煮てソースを作り始めるのがおすすめです。
ソースが完成したらハンバーグを入れて煮込みますが、この際ソースの表面に浮き出てくるアクや油脂はある程度取り除きましょう。雑味が減り、洗練された味わいになります。
ただし、取り除きすぎると旨味も取り除くことになってしまうので、ほどほどにしましょう。
ワンランク上のソースに仕上げたい方は、ガストリックというフランス料理の隠し味の定番を作ってソースに入れましょう。ガストリックはいわば砂糖を焦がして作るカラメルソースのようなもので、簡単な材料でさっと作ることができます。
作り方は砂糖:酢=5:1の割合で混ぜたものを鍋で煮て、全体的に黒っぽくなって煙が出て来たくらいで火を止め、砂糖の半量の水を入れて完成です。
ガストリックは糖分とタンパク質が加熱されて褐色になる「メイラード反応」によって生まれるコクを活かしたソースで、そのコクは飴色の玉ねぎやおこげなどの雑味を、味の深みやコクとして「おいしい」と感じるのと同じ原理です。デミグラスソースに加えることでほろ苦さや甘み、酸味などの深く複雑なコクを加えることができます。
ただし、入れすぎると苦みが強くなってしまうので、味見しながら加えてみましょう。
デミグラスソースの煮込みハンバーグをアレンジ・リメイクする方法を紹介します。
煮込みハンバーグにチーズをのせるのも定番のアレンジです。チーズのコクも加わって食べ応えが増します。ハンバーグが崩れてしまった際にのせることでカモフラージュにもなります。
のせる際はそのまま載せるのではなく、フライパンや電子レンジで煮込みハンバーグと一緒に軽く加熱してとろける状態にするとより美味しく食べることができるのでおすすめです。
デミグラスソースで煮込む際、ケチャップではなくトマト缶で煮込むことで、トマトの旨味たっぷりの煮込みハンバーグにアレンジできます。トマト缶には栄養もたくさん含まれており、特に抗酸化作用を持つリコピンは生トマトの3倍の量が含まれています。
トマト缶がない方は生のトマトを使うのもおすすめです。買ってから日が経って傷んできたトマトの大量消費にも適しています。
マスタードをデミグラスソースに混ぜることで、まろやかな辛味と酸っぱさを持つ大人な味わいにアレンジできます。和からしではなく、マスタードを使うのがポイントです。マスタードはワインやビネガー(お酢)、砂糖などのデミグラスソースと共通の原料が使われていることもあり、相性もぴったりです。
マスタードを加える場合、スパイシーなにんにくも加えることでより風味のある味わいに仕上げることができます。
デミグラスソースに牛乳を入れることでコクをプラスすることができ、甘みのある優しい味わいのデミグラスソースに変えることができます。小さいお子様が食べる場合におすすめのアレンジです。
牛乳が余っている場合にもおすすめのアレンジで、牛乳に含まれるカルシウムなどの栄養もプラスでき、一石二鳥でもあります。
煮込みハンバーグは、ハンバーグを卵で包んでオムレツにしてソースをかけ直せば、違った味わいで食べることができます。この方法なら失敗してハンバーグが固くなってしまった場合もハンバーグを崩して食べられるのでおすすめです。
ハンバーグを崩し、冷蔵庫に余っている野菜を細かく刻んで炒めれば、栄養のプラスと冷蔵庫整理にもなり、一石二鳥になるのでおすすめです。
煮込みハンバーグを耐熱皿に移してチーズをまぶしてオーブンで焼き、グラタンにしてしまうのもおすすめです。冷蔵庫などで保存していて少し風味の落ちてしまった煮込みハンバーグも美味しく食べられます。
グラタンを焼く際にパンやペンネなどを加えるのもおすすめで、お米を加えればドリアに早変わりです。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグのレシピはこちら
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