じっくり煮込むことから生焼けの心配が少ない煮込みハンバーグですが、間違った作り方をすると生焼けになってしまうこともあります。この記事では、煮込みハンバーグが生焼けになってしまう原因や、火を通しやすくするコツなどを解説します。
煮込みハンバーグは長めの時間煮込むので生焼けになりにくいとは言われますが、生焼けになってしまうこともあります。
ハンバーグが生焼けになってしまう場合、単純に煮込み時間が短いことが多いです。
ハンバーグの大きさによって時間は変わりますが、平均して15分~20分程度弱火でじっくり煮込むことが多いです。
ハンバーグをソースで煮込む際は弱火で煮込みますが、ソースを中火でしっかり煮立たせてから弱火にして煮込みましょう。
ソースをしっかり温めてから煮込むことでハンバーグに火が通りやすくなります。
ハンバーグがこね足りない、空気抜きがしっかりできていない、大きすぎるといった成型作業が不十分な場合も生焼けの原因となります。
特にハンバーグが大きい場合で、厚みもある場合は中心部分まで火が通るのに時間がかかってしまうので注意しましょう。
少しのコツでハンバーグにしっかり火を通すことができます。
ハンバーグを大きくしすぎると火の通りが悪くなるので、焼きすぎに繋がります。また、割れる原因にもなります。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高くなるので注意しましょう。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。
ハンバーグの厚い中央部分は火が通りにくいので、生焼けを防ぎ、調理時間を短くして焼きすぎにならないよう真ん中をへこませましょう。
ただし、へこんだ部分に焼き目がつけられない、蒸し焼きにすれば中までしっかり火が通るといった理由からへこませる必要がないと言われることもあります。
典型的なハンバーグのような形ではなく、薄めに作ることでへこませるのを省く方法もあります。
煮込みハンバーグを作る際、しっかり火を通すために弱火で長時間煮込んでいる方が多いのではないでしょうか。長時間煮込むことでハンバーグから肉汁が出すぎてしまい、ハンバーグが固くなってしまいます。ソースで煮込む時間は15分~20分煮込むことが多いです。煮込む時間が短いと中まで火が通らないので注意しましょう。
煮込みハンバーグを作る際は、両面に中火でしっかり焼き目を付けてから弱火で煮込むことで肉汁の流出を防ぐことができます。焼き目をつける際は多めの油で揚げ焼きにすることでしっかりと焼き目をつけることができます。
両面に焼き目を付けたハンバーグは一度取り出しましょう。ソースはハンバーグを焼いたフライパンで作るとお肉のうまみを生かすことができます。揚げ焼きにした場合は残っている油が多すぎるので、軽く捨てましょう。
生焼けのハンバーグを食べるのはとても危険です。
ハンバーグの主な材料である牛肉や豚肉は、病原性の細菌や、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります。その中でもひき肉は切り落とし肉などと比べて脂が多く、空気に触れる部分が多いので細菌の繁殖などの劣化が進むのが早いとされる(そもそもひき肉にされる元のお肉自体の鮮度が良くない)ため、しっかり火を通して調理をする必要があります。
ハンバーグを生焼けのまま食べると食中毒(腹痛、下痢、嘔吐、発熱など)の原因となってしまうので、焼き直して火を通す必要があります。仮に食べてしまって症状が出た場合には病院に行くことをおすすめします。
症状は食べてから2~3時間経ってから出ることが多いです。ただし、数日経ってから症状が出ることもあります。
出典:お肉はよく焼いて食べよう(厚生労働省)
タマネギに含まれる硝酸塩とお肉のミオグロビンが反応することでハンバーグの中が赤くなってしまうことがあります。
硝酸塩とは畑などの土に含まれている成分の一つであり、植物が生長するために大切な成分のため、野菜などにも含まれています。玉ねぎはみじん切りにすることで特にこの硝酸塩が溶け出しやすくなると言われています。
ミオグロビンとはお肉の中に含まれる色素タンパク成分です。ミオグロビンは、153個のアミノ酸からなるグロビンというタンパク質と、鉄イオンを中心に持つヘムから出来ていて、この鉄イオンが酸化することによって、色が赤から褐色に変化することがわかっています。お肉が焼くと色が変わるのもヘモグロビンの色の変化によるものです。
ただし、この反応が起きるケースはそこまで多くなく、多くの場合は生焼けです。玉ねぎと挽肉を混ぜてから時間が経つと、反応が進んでこの反応が起こりやすくなるため、心配な方はタネを作ってすぐにハンバーグを焼きましょう。
ちなみに、玉ねぎは生でも問題ありません。むしろ、玉ねぎに含まれるアリシンという成分は加熱に弱いので、栄養面を考慮すると生の方がおすすめです。アリシンは牛肉や豚肉に含まれるビタミンB1を活性化します。
出典:しっかり加熱調理したはずなのに、家で作ったハンバーグの肉が赤いのはなぜですか。肉に食品添加物が使われているのではないかと心配です(農林水産省)。
煮込みハンバーグはソースがあって確認しづらいので注意しましょう。
生焼けのハンバーグを見分ける方法で一番手っ取り早く、わかりやすいのがハンバーグを割ってみる方法です。半分に割ってみて中が赤ければ生焼けということになります。ハンバーグの大きさが異なる場合は一番大きいものを割ってみれば確実に見分けられるでしょう。
煮込みハンバーグはソースがある分わかりにくく、照明によっても色がわかりにくい場合があります。色で分からない場合はお肉の質感に注目してみましょう。焼く前のタネのような粘り気がある場合、まだ生の可能性があるため、追加で火を通してみましょう。
それでもわかりづらい場合はやけどに注意しつつ中心部を触ってみましょう。冷たかった場合、確実に火が通っていないのでしっかり加熱する必要があります。
ただし、割ることで肉汁が流れ出てしまうのでジューシーさが失われてしまい、割ってしまうので見た目がきれいではないといったデメリットがあります。自分用のハンバーグを割る、割ったものの上にチーズをのせるといった方法で誤魔化すという手段もあるようです。
ハンバーグを割るのはちょっと…という方におすすめなのが、ハンバーグの一番厚い部分に竹串を刺してみる方法です。煮込みハンバーグの場合はソースがかかっていると分かりにくいので、表面のソースをよけてから刺してみましょう。
出てくる肉汁が透明なら焼けていますが、赤く濁っていれば火の通りが不十分ということになります。爪楊枝や菜箸で刺してみても大丈夫です。
ただし、この方法は上記の割ってみる方法に比べるとわかりにくく、少し不確かな部分は残ります。
料理の温度を測ることのできる調理用温度計を使えば火が通っているかを確実に見分けることができます。調理用温度計は、スティックタイプと赤外線タイプがありますが、ハンバーグの中心部の温度を測ることのできるスティックタイプで測ります。体重計で有名なタニタなどのメーカーの製品があります。
使い方は簡単で、煮込んでいるハンバーグに調理用温度計を中心部分まで刺して、75℃以上になっていたら、中まで火が通っている証拠です。そこから2分以上加熱することで生焼けは確実に防止することができ、カンピロバクターなどの食中毒の原因となる細菌も死滅させることができます。
電子レンジが一番簡単ですが、フライパンやオーブンを使う方法もあります。
食べようと思った煮込みハンバーグが生焼けだった場合、電子レンジで加熱するのが手軽です。耐熱皿に移してラップを軽くかけ、500Wまたは600Wで30秒~1分加熱してください。中のお肉の色が変わり、透明な肉汁が出ていればしっかり火が通っています。まだ中や肉汁が赤い場合は、30秒ずつ追加で温めて様子を見ましょう。
高いワット数で加熱すると外側ばかりが温まってしまって内側が温まらないという本末転倒なことになり、加熱しすぎて肉汁が出てハンバーグが固くなってしまうので要注意です。必ず少しずつ時間を追加して温めましょう。
フライパンで確かめた場合や、調理で使ったフライパンを洗う前であれば、そのまま再加熱するのもおすすめです。
生焼けのハンバーグをフライパンに戻し、フタをして弱火で2~3分ほどじっくり蒸し焼きにします。焼き終わった後は、肉汁が赤くないか再度確認しましょう。
オーブンやトースターで再加熱する場合、アルミホイルに包んで温め直しましょう。
事前に180~200度に設定して5~10分温めておき、ハンバーグを入れてさらに2~3分温めましょう。時間はかかりますが、ゆっくりと均等に加熱されるので肉汁が出にくく、ジューシーな美味しさを保って加熱することができます。
タネの作り方や焼き方にひと工夫加えることでハンバーグを美味しく仕上げることができます。
ひき肉はこねる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。ハンバーグのタネは温度が上がることでひき肉の脂肪が溶けてタネがゆるくなるほか、焼いた時に肉汁が流れ出て固い仕上がりになってしまいます。
また、タネをこねる際に室温が高いとタネの温度が高くなり、タネがゆるくなってしまうこともあります。夏場は冷房をつけ、冬場は暖房を切ってタネをこねるのがおすすめです。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいが良いとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。気持ち多めに入れると良いでしょう。
ひき肉と塩だけで捏ねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
ハンバーグのタネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、ハンバーグが固くなってしまいます。ただし、こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
ハンバーグをこねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねたり、手ではなくすりこぎ棒や木べらや割り箸を使ってこねると良いでしょう。こだわる方はタネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねているようです。
タネをこね終わった後、寝かせることで水分と油分がなじみ、タネが柔らかくなるだけでなく、お肉が熟成して旨味が増します。ただし、タネを常温で寝かせたり、長時間寝かせたりしてしまうと、雑菌が繁殖する原因となります。冷蔵庫で1~2時間程度寝かせるようにしましょう。また、なるべく空気に触れないようにするため、ラップをかけて寝かせましょう。
なお、空気を抜いて成型した後に寝かせるとひびが入って割れやすくなってしまうので、必ず成型前に寝かせましょう。
タネを混ぜ終わってから空気を抜いて成型しますが、この作業が十分でないとハンバーグが割れやすくなってしまい、割れて肉汁が出て固くなってしまうので要注意です。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。この時、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。
ただし、この作業をやりすぎるとハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。
ハンバーグを煮込んでいる最中に様子が気になってついつい触ってしまう方も多いのではないでしょうか。ハンバーグを菜箸やフライ返しで触ることでハンバーグが崩れて肉汁が流出し、固い仕上がりになってしまうのでなるべく触らないようにしましょう。
煮込みハンバーグは基本的に煮込んでいる最中にひっくり返す必要はありませんが、味の染み込みなどが気になる方はスプーンなどでハンバーグにソースをかけてみてください。
また、どうしてもひっくり返したいという方は5~10分煮込んだ後に1度だけひっくり返しましょう。ただし、このひっくり返す動作を失敗してしまうとハンバーグが崩れ、固くなる原因となるため、あまりおすすめできません。
なお、ハンバーグを動かしながら煮込みハンバーグを作らないと焦げ付いてしまうという場合は、使っているフライパンのコーティングが痛んでいる可能性が高いです。フライパンの買い替えをおすすめします。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグのレシピはこちら
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