ハンバーグを煮込んだら縮んでいた、形が崩れてしまっていたという失敗をしてしまったことはありませんか。この記事ではハンバーグが縮んだり形が崩れたりしてしまう原因や対処法などを解説します。
ハンバーグが崩れてしまう原因は複数考えられます。
こね足りない
塩が足りない
牛乳が多い
玉ねぎの入れすぎ、大きい、加熱していない
タネのサイズが大きすぎる
タネに空気が入ってる
ひき肉の脂身が多い
ひっくり返すのに失敗してる
煮込んでいる最中に触りすぎている
ハンバーグが崩れてしまう最大の理由はこね足りないことです。しっかりこねて具材を繋ぎ留めないと焼いた際に割れてしまいます。特にひき肉と塩をしっかりこねて混ぜないと粘りも生まれないので、ハンバーグが崩れやすくなります。また、つなぎに使う材料の量がおかしい場合もタネがゆるくなって崩れてしまいます。
選ぶお肉にも原因があることもあります。ひき肉は脂身が多いと焼いた際に肉汁として溶けてしまうので、ハンバーグが縮んで崩れてしまうことで肉汁も流れ出して固くなります。逆に赤身が多すぎる場合も比較的固めの仕上がりとなってしまいます。赤身と白身のバランスが良いお肉を使うようにしましょう。
また、こね終わった後の空気抜きや成型が不十分な場合もハンバーグが崩れる原因になります。ひっくり返すのに失敗することや、煮込んでいる最中の触りすぎでもハンバーグが崩れます。このように、原料から作り方まで、様々な要因でハンバーグは崩れてしまいます。
ハンバーグの形が崩れるとその個所から肉汁が流れ出てしまい、ハンバーグが縮む原因にもなります。なお、煮込みハンバーグが縮んでしまう原因は他にもあり、
牛ひき肉の割合が多い
ひき肉の脂身が多い
つなぎの量が少ない
強火で焼いている
煮込みすぎている
といった理由でも縮んでしまいます。
ハンバーグが縮んでしまう大きな理由の1つがハンバーグの大部分を占めるひき肉にあります。縮みやすい牛ひき肉の割合が多かったり、脂肪分の多いひき肉を使ったりすることでハンバーグが縮みやすくなります。
また、お肉は熱を加えると収縮してしまうため、つなぎの量が少なく、お肉の割合が多いハンバーグは縮んで小さくなりやすいです。つなぎによく使われる卵やパン粉は加熱しても縮みにくいため、一定量混ぜることでハンバーグが縮む割合を抑えることができます。
また、強火で焼いたり、煮込んで高温になったりすることでお肉が高温になることでもハンバーグは縮んでしまいます。
ハンバーグを崩さずに作る方法を解説します。
ハンバーグのタネに使われる塩や卵、パン粉、牛乳といったつなぎは、
塩:下味やつなぎとしての重要な役割
卵:焼いた際に凝固し、接着剤として働く
パン粉:水分を吸収するので、焼いた際に肉汁を漏れにくくする
牛乳:お肉の臭みを取り、ハンバーグを柔らかく仕上げる
といった役割があります。つなぎの量が多すぎても少なすぎてもハンバーグを上手く仕上げることができません。適量を混ぜることで美味しいハンバーグを作ることができます。
タネを固める役割として特に重要なのが塩で、次に重要なのは卵です。パン粉と牛乳は接着剤の役割はありませんが、肉汁を吸収して流出を防ぎ成形を助けます。実際、卵、パン粉、牛乳は使わないレシピも見かけますよね。でも、塩がなければハンバーグは作ることはできません。
一方、つなぎが多すぎるとハンバーグが柔らかくなってしまい、崩れてしまうのでお肉の量に合ったつなぎを混ぜるようにしましょう。
標準的なつなぎの量は、ひき肉250〜300g(2~3人前)に対し、
塩:小さじ1/2(肉の量に対して約1%)
卵:1個
パン粉:大さじ4
牛乳:大さじ4〜5
です。
つなぎによく使われる牛乳はハンバーグを柔らかくふわっとした食感に仕上げる効果はありますが、崩れにくくする効果はほとんどなく、逆に入れすぎることでタネがゆるくなってしまい、ハンバーグが崩れる原因となります。入れすぎには注意しましょう。
タネがゆるい場合、ひき肉やパン粉といった水分の少ない材料を加えることでゆるさが解消されます。ただし、加えすぎると今度はタネが固くなってしまうので、様子を見ながら少しずつ加えてみてください。パン粉やひき肉以外にも小麦粉や片栗粉、お麩、おからでも大丈夫です。
ハンバーグのつなぎに使う乾燥パン粉は、牛乳に漬けておいてからタネに混ぜた方がよいとされています。なぜなら、この作業によってパン粉が水分を含み、しっとりすることでハンバーグがふんわり仕上がるためです。
ただし、現代の乾燥パン粉は昔と比べるとある程度の水分量があるので、漬け込む必要はないという意見もあります。なお、生パン粉は水分量を多く含んでおり、元々しっとりしているので、漬ける必要はありません。
ちなみに、パン粉は水分量が14%以下のものを「乾燥パン粉」、14%以上のものを「生パン粉」と区別しています。乾燥パン粉は水分量が少なく粒が細かいので、ハンバーグなどのタネに混ぜることで水分をしっかり含んでお肉とよく馴染みやすくなります。一方、生パン粉は粒が粗く、水分量が多いので揚げるとサクサクになるため、揚げ物作りでよく使われています。
ひき肉やつなぎ以外にタマネギなどの野菜を入れますが、野菜を入れすぎてしまうとタネの水分量が増えるとともに、タンパク質による結合力が弱くなってしまい、ハンバーグが崩れやすくなってしまうので、野菜の入れすぎに注意です。
ひき肉250〜300g(2~3人前)あたり、タマネギは小さめ1個(200〜250g)が適量とされています。また、切り方はみじん切りが一般的ですが、面倒だと感じる方はフードプロセッサーで細かくしても良いでしょう。
みじん切りにしたタマネギはフライパンできつね色になるまで軽く炒めてタネに混ぜることで、コクと香ばしさをタネに加えることができます。ただし、温かいまま加えるとタネの脂肪が溶けてしまうので、よく冷ましてから混ぜましょう。炒めるのが面倒という方は電子レンジで温めても良いでしょう。電子レンジで温める場合は水をよく切り、粗熱を取ってからタネに混ぜましょう。
玉ねぎは生のまま入れれば焼き上がった後にシャキシャキの食感が楽しめます。焼いている間に出てくる玉ねぎの水分が多いので、肉汁があふれるようなジューシーなハンバーグに仕上げることもできます。炒めるか生のまま入れるかはお好みに合わせて選んでみてください。
玉ねぎはすりおろしてタネに入れることでハンバーグをふわふわに仕上げることもできます。ただし、みじん切りにするよりも水分がたくさん出てタネが水っぽくなりやすいので、牛乳の量を減らすかパン粉やお麩といった水分を吸収する具材を多めに入れるようにしましょう。
ハンバーグが崩れる場合、多くの場合はこね方に問題があります。タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になります。これによって焼いたときに肉汁(肉の脂や水分、旨味成分)が出るのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいがよいとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。
ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出るまでこねましょう。粘りが出たら卵やパン粉、牛乳などのつなぎ具材を追加してください。
ひき肉と塩である程度こねたら残りのつなぎも入れてしっかりこねましょう。こねることでタネの具材がしっかり混ざって結合力が高まり、味も均等になりますが、こね足りないとタネの結合が弱く、焼いた時に崩れてしまいます。崩れると肉汁がいっぱい出てしまうと、その分身縮みしてしまい、ハンバーグも固くなってしまいます。
ただし、ハンバーグのタネをこねすぎてしまっても脂が溶け出してしまい、ハンバーグが固く仕上がってしまいます。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
こねすぎていなくても、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねるとよいでしょう。手ではなくすりこぎ棒や木べら、割り箸などを使ってもよいでしょう。食中毒を防ぐためにも使い捨てのビニール手袋を使うのもおすすめですが、空気を抜くときにタネが飛び散りやすいというデメリットもあります。
こだわる方は牛乳の代わりに氷を使ったり、タネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねたりしています。
ハンバーグのサイズを大きくしてしまうと、焼く前の空気抜きの作業で空気を抜くのが難しくなるほか、火の通りが悪くなり、崩れやすくなってしまいます。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高まります。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。
タネを混ぜ終わってから空気抜いて成型しますが、この作業が十分でないとハンバーグが割れやすくなってしまい、割れて肉汁が出て固くなってしまうので要注意です。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。この時、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。
ただし、この空気を抜きすぎてもハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。
ハンバーグを成型した後、小麦粉でコーティングすることで焼いた際にカリっとした焼き目が付くので、崩れにくくなり、肉汁が流れにくくなります。
グルテンフリーの人の方は米粉や片栗粉でも代用可能です。
ハンバーグをひっくり返した際に崩れてしまう場合、フライ返しを入れる隙間もないくらいフライパンいっぱいにハンバーグを入れて焼いていませんか。フライ返しを使ってひっくり返すためのスペースがあると、上手にひっくり返すことができます。
ひっくり返す際は菜箸などを使ってハンバーグを抑えながら、角度を浅く(10度くらい)してフライ返しを持ちます。フライパンの内側からハンバーグの焼いている面に少ししならせて平行に差し込み、ひっくり返しましょう。菜箸などがなくてもフライパンのフチまでフライ返しを差し込みながら動かして持ち上げ、ひっくり返すと上手くいきます。
ハンバーグを煮込んでいる最中に様子が気になってついつい触ってしまう方も多いのではないでしょうか。ハンバーグを菜箸やフライ返しで触ることでハンバーグが崩れて肉汁が流出し、固い仕上がりになってしまうのでなるべく触らないようにしましょう。
煮込みハンバーグは基本的に煮込んでいる最中にひっくり返す必要はありませんが、味の染み込みなどが気になる方はスプーンなどでハンバーグにソースをかけてみてください。
また、どうしてもひっくり返したいという方は5~10分煮込んだ後に1度だけひっくり返しましょう。ただし、このひっくり返す動作を失敗してしまうとハンバーグが崩れ、固くなる原因となるため、あまりおすすめできません。
なお、ハンバーグを動かしながら煮込みハンバーグを作らないと焦げ付いてしまうという場合は、使っているフライパンのコーティングが痛んでいる可能性が高いです。フライパンの買い替えをおすすめします。
タネの水分を繋ぎ留める具材や、水分を吸収する具材を入れることでハンバーグが崩れにくくなります。
高い保水力を持つ粉ゼラチンをタネに混ぜることで、肉汁の流出を防ぎ、ハンバーグをジューシーに仕上げることができます。プロの料理人にも使われてる技として人気の隠し味です。使うゼラチンの量は、ひき肉200g当たり5g(小さじ1)が目安です。
ゼラチンが使われているコーヒーゼリーをタネに混ぜるのもテレビなどで紹介され、人気です。コーヒーゼリーを使うと、甘味と苦味が良い隠し味にもなり、コクがあってジューシーなハンバーグに仕上がります。使う量はハンバーグ2人前あたり大さじ1杯が適量で、細かく砕いてから他の材料と一緒に混ぜ込んでください。
ハンバーグを作る際に、パン粉が良く使われますが、パン粉の代わりに砕いてパウダー状にした高野豆腐を使うとハンバーグをよりジューシーに仕上げることができます。
高野豆腐は吸水性が高く、肉汁をしっかり吸収して旨味をたっぷりのハンバーグに仕上がります。また、パン粉の代わりに使うことで糖質カットにもつながるのでおすすめです。使う量は、2人分のハンバーグ(300~400g)につき、高野豆腐8gが適量です。
スープやあんにとろみをつける目的でもよく使用される片栗粉は、水分を加えて加熱すると粘り気が出て、ひき肉を固めてくれる作用があります。片栗粉を使用したハンバーグは、冷めてもモチモチとした食感が残りやすいです。牛乳の代用として使われることが多いです。
加熱前にハンバーグの外側をコーティングしておくことで、加熱時に中の肉汁を閉じ込められる上に、表面が焦げにくくなって舌触りが良くなります。ソースが絡みやすくもなります。片栗粉以外では小麦粉でも代用できます。
お米や米粉、米パン粉を使うことでお米の主成分であるデンプンが水に反応して粘りを生み出し、タネの粘りが増し、ハンバーグが形状を保ちやすくなるほか、焼いた後にはもっちりとした食感に仕上がり、カサ増しにもなります。
炊いてから時間が経ったお米などを再利用することもできます。タネに混ぜる際、温かい場合はよく冷まし、すりつぶしてから混ぜましょう。
ただし、たくさん混ぜた場合、時間が経ってしまうとぼそぼそとした食感になってしまいます。
ハンバーグのタネに長芋のすりおろしを混ぜると、その粘りでふわふわな食感に仕上がります。ひき肉をこねる際にパン粉の代わりにすれば、つなぎの役割も果たすので、卵も不要となります。
入れすぎると水分が多くなってタネが緩くなってしまい、ハンバーグを焼いた時に割れてしまうので、少しずつ加えて調整しましょう。
作った煮込みハンバーグが固かった場合、もう一度熱を加えてどうにかしてみようと思う方もいるでしょう。しかし、熱を加えることでハンバーグから水分が飛んでしまうため、さらに固くなってしまい、逆効果です。
フライパンはもちろん、電子レンジやオーブンといった方法でも結果は変わらず、一度抜けてしまった水分を戻すことはできません。冷蔵庫や冷凍庫で保存してみてもさらに水分が飛ぶだけです。
ハンバーグの固さを感じにくくして食べるには、チーズをのせて誤魔化すか、ソースの味に近いスープに入れるといった食べ方しかありません。
食べられないくらい固いということはなかなかないとは思いますが、万が一どうしようもない場合は崩してひき肉として使い、ボロネーゼやドライカレーなどの味が近い別の料理にしてしまうしか方法はありません。
デミグラスソースの煮込みハンバーグが崩れてしまった場合にアレンジ・リメイクする方法を紹介します。煮込みハンバーグの出来がいまいちな場合はリメイクもおすすめです。
煮込みハンバーグにチーズをのせるのも定番のアレンジです。チーズのコクも加わって食べ応えが増します。ハンバーグが崩れてしまった際にのせることでカモフラージュにもなります。
のせる際はそのまま載せるのではなく、フライパンや電子レンジで煮込みハンバーグと一緒に軽く加熱してとろける状態にするとより美味しく食べることができるのでおすすめです。
デミグラスソースで煮込む際、ケチャップではなくトマト缶で煮込むことで、トマトの旨味たっぷりの煮込みハンバーグにアレンジできます。トマト缶には栄養もたくさん含まれており、特に抗酸化作用を持つリコピンは生トマトの3倍の量が含まれています。
トマト缶がない方は生のトマトを使うのもおすすめです。買ってから日が経って傷んできたトマトの大量消費にも適しています。
煮込みハンバーグは、ハンバーグを卵で包んでオムレツにしてソースをかけ直せば、違った味わいで食べることができます。この方法なら失敗してハンバーグが固くなってしまった場合もハンバーグを崩して食べられるのでおすすめです。
ハンバーグを崩し、冷蔵庫に余っている野菜を細かく刻んで炒めれば、栄養のプラスと冷蔵庫整理にもなり、一石二鳥になるのでおすすめです。
煮込みハンバーグを耐熱皿に移してチーズをまぶしてオーブンで焼き、グラタンにしてしまうのもおすすめです。冷蔵庫などで保存していて少し風味の落ちてしまった煮込みハンバーグも美味しく食べられます。
グラタンを焼く際にパンやペンネなどを加えるのもおすすめで、お米を加えればドリアに早変わりです。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグです。じっくり時間をかけて煮た本格デミグラスソースとジューシーなハンバーグの相性はバツグンです。
本格デミグラスソースで作る煮込みハンバーグのレシピはこちら
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