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麻婆豆腐と麻婆茄子の違い。発祥・具材・作り方・食べ方を比較

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麻婆豆腐と麻婆茄子の違い。発祥・具材・作り方・食べ方を比較

実は麻婆茄子は日本発祥の料理だとご存知ない方も多いでしょう。麻婆豆腐と麻婆茄子の違いは具材だけではありません。この記事では、両者の発祥から作り方まで様々な違いを解説します。

麻婆豆腐と麻婆茄子の違い①発祥・歴史

麻婆豆腐の発祥・歴史

麻婆豆腐」は、中国・四川省の成都発祥の、いわゆる「四川料理」の代表的な料理の1つで、最初に作られたのは1862年と言われています。豆腐が1000年以上前から作られていたことを踏まえると、意外と歴史はそこまで深くないとも言えます。
 
麻婆豆腐の名前の一部の「麻婆」は、麻婆豆腐を作った女性が「陳麻婆」と呼ばれていたことに由来します。中国では痘痕(あばた、)を「麻」と書き、「婆」は身持ちの固い女性を表しています。痘痕のある料理屋のおかみさんが「陳麻婆」と呼ばれており、その陳麻婆が作った豆腐料理が「陳麻婆豆腐」と呼ばれ、いつしか「麻婆豆腐」と呼ばれるようになりました。
 
ちなみに、この「陳麻婆」が経営していた料理店は「陳麻婆豆腐店」と名前を変え、現在に至るまでに存在しており、日本でも東京、大阪、名古屋、横浜に店舗を出店しています。

麻婆茄子の発祥・歴史

一方、「麻婆茄子」は、麻婆豆腐をベースとした、日本で生まれたアレンジ料理です。茄子を使った四川料理「魚香茄子(ユィシャン・チエヅ、茄子とひき肉の魚香風味炒め煮)」を日本人の味覚に合うようにアレンジした料理ともいわれ、麻婆豆腐の豆腐を茄子に替えたような具合であることから「麻婆茄子」と呼ばれるようになったようです。
 
1980年代に丸美屋食品工業や味の素が麻婆茄子の素として合わせ調味料を発売したことで日本の家庭に広く普及しました。

麻婆豆腐と麻婆茄子の違い②具材

麻婆豆腐の具材

麻婆豆腐の具材には、主に豚ひき肉と豆腐、葉にんにくなどが使われており、香味野菜としてネギやニンニク、生姜が使われています。味付けには鶏がらスープ、豆板醤、豆鼓醤、甜麺醤、紹興酒などを使用しています。
 
本場の四川風と日本でポピュラーになっているレシピでは具材や調味料、香辛料が大きく異なっています。本場で使われる葉にんにくや花椒、トウガラシ、紹興酒などは日本のレシピでは使われることは少なく、代わりに醤油や味噌、山椒、料理酒などが使われることが多くなっています。
 
豆腐は木綿豆腐または絹ごし豆腐が使われますが、日本はもちろん本場でも両方使われており、好みに合わせて選ぶのが良いとされています。
 
麻婆豆腐はさらに野菜やキノコ類を加えるアレンジレシピが良く作られており、ひき肉の代わりに大豆食品やキノコ類、ツナなどを使って作られることもあります。

麻婆茄子の具材

麻婆茄子は日本で生まれたレシピということもあり、豚ひき肉や茄子、ネギやニンニク・生姜といった材料に加える調味料や香辛料は、醤油や味噌などの日本風のものが多く使われています。
 
麻婆豆腐で使われる豆板醤や花椒が使われることはほとんどありません。茄子は味噌との相性が良いことから、麻婆豆腐よりも甜麺醤などの味噌系の調味料が多めに使われることが多くなっています。

元となったと言われる四川料理の「魚香茄子」は、唐辛子とフナを塩漬けにしたものにひき肉と茄子を加え、ニンニク、生姜、酢、砂糖などで味付けした、魚の旨みを味わう料理であり、日本の麻婆茄子とはほとんど別物といった様相です。
 
アレンジレシピも豊富で、ピーマンなどの野菜を加えることもあれば、ひき肉の代わりに豆腐そぼろなどの代用品を使って作られることがあります。

麻婆豆腐と麻婆茄子の違い③作り方

麻婆豆腐の作り方

麻婆豆腐はネギやにんにく、生姜などの香味野菜を油で炒めて香りを出し、ひき肉、調味料を炒め、豆腐を煮込んで作られます。最後に片栗粉でとろみを出すことで、餡が豆腐はもちろん、白飯ともよく絡みます。
 
作るポイントとしては、豆腐を事前に水切りすることで煮込んだ際や片栗粉でとろみをつける際に崩れにくくなります。また、最初に香味野菜を油でしっかり炒めることで香りのベースがしっかりしますが、ここで使うにんにくや生姜はチューブではなく、できる限り生のものを刻んで使うと香りが立ちます。

麻婆茄子の作り方

麻婆茄子も基本的な作り方は一緒ですが、茄子は先に片栗粉をまぶして揚げ焼きにすると出来上がりが水っぽくならず、最後に炒め合わせた時に色鮮やかに仕上がります。香味野菜やひき肉、調味料を炒め、火を通しておいた茄子を加え、片栗粉でとろみを加えて完成です。
 
味付けは甜麺醤がメインで、豆板醤などの辛味を持つ調味料や香辛料を使わないレシピが多いですが、辛いものが好きな方は豆板醤やコチュジャン、ラー油などを加えるのもおすすめです。

麻婆豆腐と麻婆茄子の違い④味・香り・食べ方

麻婆豆腐の味・香り・食べ方

本場の四川風は豆板醤や花椒の痺れるような辛さが特徴的ですが、日本で一般的なレシピではピリ辛ぐらいの味付けが多く、白いご飯によく合うおかずとして人気です。麻婆豆腐をご飯にのせた麻婆丼も人気で、中華料理店などで食べる方も多いでしょう。
 
ちなみに、麻婆豆腐を含む中華料理のマナーでは、基本的に料理は箸で食べるべきとされ、皿を持ち上げるのはマナー違反とされています。日本国内でこのマナーを気にする必要はないと思いますが、現地で中華料理を食べる際は気を付けてみましょう。

麻婆茄子の味・香り・食べ方

麻婆茄子は麻婆豆腐と比べると辛さを抑え、味噌のコク深さを感じるような味付けがされることが多くなっています。白いご飯ともよく合うのでこちらも人気のおかずです。麻婆茄子丼として食べるのも人気です。
 
麻婆豆腐や麻婆茄子をうどんや中華麺などの上にのせて混ぜ合わせて食べるのも人気があります。いつもの白いご飯と合わせる食べ方に飽きたと感じた方は試してみてください。味噌ラーメンの上にトッピングしても美味しく食べられます。

Filyのレシピを紹介

Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖を不使用です。

麻婆豆腐

麻婆豆腐

中華料理の定番である麻婆豆腐。このレシピでは、煮崩れしにくい木綿豆腐を使用しています。

麻婆豆腐のレシピはこちら

麻婆茄子

麻婆茄子

豆板醤の辛さの中になすの甘みがプラスされて、ご飯がよく進む一品です。揚げずにフライパンだけで作れる簡単レシピです。

麻婆豆腐のレシピはこちら