出来上がった麻婆豆腐や温め直したが水っぽくなってしまったことはありませんか。この記事では麻婆豆腐が水っぽくなってしまう原因や対処法などについて詳しく解説します。
麻婆豆腐が水っぽくなる原因は様々です。
加熱が足りず片栗粉のデンプンがしっかり結合していなかったり、逆に加熱のしすぎでデンプンの結合が分解してしまったりすることでとろみがちゃんとつかないことがあり、冷めた時にとろみが弱まりやすくもなります。
火加減をしっかり調整し、とろみが最大限に生かされるように加えるのが肝要です。
豆腐は約8割~9割が水分です。調理に使う前に「水切り」という下準備で豆腐の水分を抜いておくことで熱を加えたときに余分な水分が出ることがなくなり、水っぽくなりにくくなるほか、調理中も崩れにくくなります。
詳しい水切りの方法は後述の項目で紹介します。
つるっとした食感の絹ごし豆腐はしっかりとした食感の木綿豆腐よりも水分を多く含んでいるので、絹豆腐を使って麻婆豆腐を作っていて、いつも水っぽくなってしまって困っている方は木綿豆腐を選ぶと良いでしょう。
木綿豆腐と絹ごし豆腐のメリット・デメリットは後述の項目で紹介します。
豆腐をしっかりと水切りしているのに水っぽくなってしまう場合、香味野菜で使っているタマネギや、アレンジで加えている野菜やキノコ類から水分が出ていることが原因かもしれません。
野菜はもちろん、きのこ類も水分を多く含んでおり、調理している間に水分が具材から流れ出る為、いつの間にか水分量が増え、水っぽくなる原因になることがあります。カサ増しで入れる場合は入れすぎに要注意です。
また、一部の野菜には、片栗粉のとろみを分解する酵素が含まれています。火を通すことで酵素の働きは弱まりますが、加熱が足りず酵素の働きが弱まっていないと、うまくとろみが付かないことがあります。
麻婆豆腐が食べていて水っぽくなったと感じた場合は、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が口に入れたレンゲを介して麻婆豆腐に伝わり、とろみを分解している可能性があります。ただし、この酵素は人によって含有量が異なるため、気になりやすい人と全く気にならない人がいるようです。
対策としては、取り分けて小分けに食べる方法が有効です。作った麻婆豆腐を入れる大皿、小分けにして食べるための小皿、取り分け用と食べる用のレンゲをそれぞれ用意することでとろみが保たれやすくなります。
どんなに完璧に作った麻婆豆腐でも、時間が経つと片栗粉のとろみが落ちるほか、具材から水分が出て水っぽくなってしまいます。
作り立てを食べるのが一番ですが、作ってから時間が経っても美味しく食べる場合はフライパンで温め直し、とろみをつけ直してみましょう。
冷凍していた麻婆豆腐は、具材から水分が出て水っぽくなってしまいます。特に豆腐は冷凍及び解凍によってほとんど水分が出てしまい、ぼろぼろに崩れてしまいます。水分が出ることでとろみも弱くなってしまいます。これらの理由により、麻婆豆腐は冷凍に不向きと言われます。
美味しく食べたい場合は、作り立てを食べるか冷蔵保存が可能な期間内に食べましょう。やむを得ず冷凍する場合はボロボロになってしまうことを覚悟して食べるか別料理にリメイクするのがおすすめです。
水っぽい麻婆豆腐を加熱して水分を飛ばすのはやめましょう。
出来上がった麻婆豆腐が水っぽい場合に加熱して水分を飛ばすと香りが飛んでしまい、水分が飛ぶことで煮詰まって味が濃くなってしまうので、おすすめできません。
また、ひき肉は加熱しすぎると固くなってしまいます。豆腐も強火で加熱して刺激を与えてしまうとフライパンの中で動いてボロボロに崩れてしまいます。
片栗粉などのとろみをつける材料がなくとろみをつけられない場合は無理矢理加熱するのではなく、スープを取り除いて水分量を減らすことをおすすめします。
スープはそのまま捨ててしまうのは勿体ないですが、チャーハンなどの他の中華料理の出汁として使うことができます。ひき肉や香味野菜の旨味が詰まっているので、別の料理を旨味たっぷりに仕上げられます。
麻婆豆腐が水っぽい場合、水溶き片栗粉を使ってとろみをつければまとめられることが多いです。
麻婆豆腐に使う基本的な片栗粉の量は、木綿豆腐一丁(4人前)あたり、片栗粉大さじ1/2~1、水大さじ1が基本の量です。
ただし、レシピによって鶏がらスープの使う量が異なり、片栗粉を多めに入れないととろみがつかないこともあります。入れてみてとろみが弱ければ少しずつ追加していきましょう。入れすぎるとプルプルに固まってしまうので要注意です。
なお、とろみの具合の好みは人それぞれなので、好みに合わせて調整してみてください。
本来、とろみは豆腐を煮込み終わった麻婆豆腐作りの最後の方の段階で入れます。
火を止めて水溶き片栗粉を加えたらフライパンを揺らしながら弱火で1~2分優しくかき混ぜながら煮込み、とろみが付いて艶が出てきたら、強火で1分ほどさっと加熱するのがおすすめです。強火で加熱することで片栗粉にしっかり火が通り、しっかりとしたとろみがつき、時間が経ってもとろみが弱まりにくくなります。
後からとろみを追加する場合は、フライパンでしっかり温め直してからとろみをつけましょう。加熱が不十分または加熱しすぎてもとろみがしっかりつきません。
片栗粉以外でとろみをつけることもできます。定番は小麦粉や米粉ですが、なめこやオクラ、長芋のすりおろしでもとろみをつけることができます。
特に野菜でとろみをつける場合、野菜を加えることになりますが、栄養価もアップさせることができ一石二鳥になります。火が通りやすい食材なので、豆腐と一緒に加えて煮込むだけです。
豆腐には木綿と絹ごし豆腐がありますが、性質は大きく異なります。
麻婆豆腐に使う豆腐には絹ごし豆腐か木綿豆腐が使われますが、どちらかが正しい、麻婆豆腐向きということはないので、好みに合わせて選ぶのが良いでしょう。
ただし、料理に慣れていない方は固めで崩れにくく、料理が水っぽくなりにくい木綿豆腐を選ぶと良いでしょう。木綿豆腐は味が染みこみやすく、食べ応えのある食感もあります。
餡がよく絡み、滑らかでやわらかい食感が好みなら絹ごし豆腐がおすすめです。
木綿豆腐は、豆乳に凝固剤を加え、布を敷いた木綿豆腐用の型箱に流し込み、圧搾・成形した豆腐です。型箱に敷く布が木綿であり、豆腐の表面に特徴的な模様が付くことが名前の由来です。絹ごし豆腐よりも古くから造られており、普通豆腐とも呼ばれます。
圧縮して作っているため、しっかりとした食感と食べ応えがあります。絹ごし豆腐と比べるとタンパク質や鉄、カルシウムなどの栄養素が2~3割ほど多く含まれており、味わいも濃厚です。また、水分量が少ないため料理の際に型崩れしにくく、味も染み込みやすいです。
ただし、そのごわごわとした食感が苦手という声もあります。また、味が染み込みやすい分、麻婆豆腐では辛味も感じやすいです。
絹ごし豆腐は、木綿豆腐を作る時よりも濃い豆乳に凝固剤を加え、そのまま固めて作ったものです。江戸時代の中期にやわらかく舌触りの良い豆腐を求めて作り出されたと言われています。
木綿豆腐とは異なり、作る時に水分を抜かないため、ぷるんとした水分の多いやわらかい食感とつるっとした喉越しが人気で、餡にもよく絡みます。栄養素は木綿豆腐よりも少ないものの、ビタミンB群などの水溶性ビタミンやマグネシウムなどが多く含まれています。
ただし、絹ごし豆腐は水分量が多く柔らかいため崩れやすく、味が染み込みにくいです。また、つるつるとしているため箸で食べにくいとよく言われます。
豆腐を料理に使う場合、水切りを行うことで料理の出来が良くなります。
豆腐は水分を多く含んでいるので、水切りをしっかり行わないと豆腐の水分が出て料理の味が薄まり、イマイチ味が決まらない原因になってしまいます。また、豆腐の内側に含まれている水分が適度に抜けることで崩れにくくなり、味がしっかりと染み込みます。
また、豆腐を入れてから麻婆豆腐を仕上げるまでにはそれほど時間がないため、茹でて水切りを行うか、常温で放置して水切りを行うことで豆腐の芯が冷たいままになってしまうのも回避でき、素早く火を通せるので、しっかり水切りをするのが麻婆豆腐を美味しく作るコツです。
水切りは、①ザルを使う、②キッチンペーパーを使う、③湯通しする、④電子レンジを使う、という4通りの方法が基本です。
一番水分が抜けるのが④の電子レンジを使う方法で、他の方法では水分が抜ける順に②キッチンペーパーを使う方法、③湯通し、①ザルを使う、となります。各方法について解説します。
一番簡単なのがザルを使う方法です。豆腐をザルに上げ、10~20分放置するだけである程度水分を抜くことができます。
ザルがない場合は深めのお皿でも大丈夫です。豆腐はそのままでもカットした状態でもどちらでも構いません。ただし、この方法ではしっかり水分が抜けないので、よりしっかり水分を抜きたい方は後述の方法がおすすめです。
時間はかかりますが、より多くの水分を抜ける手軽な方法がキッチンペーパーを使う方法です。カットする前の豆腐をキッチンペーパーでくるんで20分放置するだけです。水分が抜けすぎることなく、程よく柔らかい食感が残ります。
より多くの水分を抜きたいという方は、バットを豆腐の上にのせ、バットの中に重しをのせて長時間(30~120分)放置しましょう。重しが重いほど、放置する時間が長いほどに水分が多く抜けます。長時間放置する場合は冷蔵庫に入れましょう。
手早く水分を抜きたい方は、キッチンペーパーを3重にしてパックから出した豆腐に巻き、それをパックに戻して押し込んで水分を抜くという方法があります。この方法は1回でも水分が抜けますが、何度か繰り返すとさらに豆腐から水分を抜くことができます。ただし、作業している間に豆腐がボロボロになってしまうこともあります。
やや手間はかかりますが、短い時間でさっと水切りができるのが湯通しの方法です。鍋で水を沸かし、カットした豆腐を2~3分茹で、ザルに上げて5分ほど放置するだけです。茹でる際にひとつまみの塩を入れるのがポイントです。
より水分を抜きたい方は長い時間置いておきましょう。なお、豆腐同士をくっつけて放置するとお互いの水分を求めてくっついてしまうので、少し離して置きましょう。温かいまま使えば煮込む時間を短くでき、豆腐を崩れにくく仕上げることができます。
湯通しの方法は短い時間で水分を抜けますが、一度湯通しする分、豆腐の風味が落ちやすいともいわれます。麻婆豆腐は濃い味付けをするので気になりにくいとは思いますが、気になる方は別の方法を選びましょう。
小さなパックタイプの充填豆腐を使う方は、パックごと10分茹で、茹で終わったものをザルに上げるのがおすすめです。
キッチンペーパーで包んだ豆腐を電子レンジで2~3分加熱し、ザルで5分ほど放置するだけでも水切りができ、崩れにくくなります。
ただし、豆腐は電子レンジで温めると破裂する可能性があるので、必ず500W以下の低いワット数で様子を見ながら温めましょう。また、電子レンジを使うと水分が抜けすぎて中がスカスカになり、割れてしまうこともあるので、出来上がりを重視する方は他の方法を試しましょう。
また、豆腐は塩水につけることでも水分を抜くことができます。いわゆる「浸透圧」で豆腐の水分が塩水に移動するので水分が抜けます。
やり方は簡単で、水を張った鍋やボウルに豆腐を入れ、大さじ1程度の塩を入れ20分放置するだけです。ただし、水分が抜ける量は湯通しやキッチンペーパーを使う方法には劣ります。
他にも塩をまぶす方法がありますが、麻婆豆腐に使う豆腐の場合、塩分過多になってしまうのでおすすめできません。
少しのコツで麻婆豆腐は美味しく仕上げることができます。
麻婆豆腐を作る際、いきなりひき肉を炒めるのではなく、ネギやにんにく、生姜などの香味野菜を油で炒め、油に香りをしっかり移しましょう。
味を辛めに仕上げたい人はここで赤唐辛子や鷹の爪を炒めるのがおすすめですが、赤唐辛子は焦げやすいので炒める際に注意が必要です。
生姜やにんにくのなどの香りを引き出した後、ひき肉を炒めます。ひき肉の色が変わった段階で火を止めるのではなく、ひき肉は炒め続けた状態で調味料などを加えることで、ひき肉の内側から油分が出てコクをプラスできます。
豆板醤などの調味料と一緒に炒めることで調味料の風味も引き立ち、ひき肉の臭みも取れます。
調味料を入れて炒めた後、豆腐を入れて煮込みますが、豆腐を入れた後は強火のままグツグツと煮込むのではなく、中火程度に落として煮込みましょう。
強火のままだと煮詰まりすぎてしまうほか、グツグツ煮ることで豆腐が動いてしまい、崩れてしまいます。一方、弱火だと豆腐にしっかり火が通らないために味がしみ込まず、全体の水分もうまく蒸発しないため、水っぽくなってしまいます。
水溶き片栗粉などでとろみを加えて弱火で1~2分煮込んだ後は、サラダ油やごま油などをさっと回し入れ、強火でさっと加熱しましょう。
油を加えることで香ばしさが出ることに加え、豆腐に染み込んだ味を油が閉じ込めてくれるので、豆腐の内側の水分とともに味が抜けてしまうことを防いでくれます。また、艶のあるとても美味しそうな見た目になります。
万能ねぎや花椒(山椒)を入れる方は火を止めたタイミングで入れましょう。
いつもの味に飽きた、作りすぎて余っているという場合にもおすすめです。
マッシュ状にしたジャガイモやおからなどと麻婆豆腐を混ぜ、衣をつけて揚げることで簡単にコロッケが作れます。いつもよりもスパイシーで食べ応えのあるコロッケになります。
作りすぎて冷凍していた場合の消化にもおすすめです。麻婆豆腐を冷凍すると豆腐がボロボロになってしまいますが、コロッケにすることで気にならなくなります。
麻婆豆腐を耐熱皿に移し、パンやチーズをのせてオーブンで焼くだけでパングラタンに早変わりします。いつもの麻婆豆腐が少しおしゃれな一品に早変わりです。量が少ない場合はトマトやホールトマト缶を加えるのもおすすめです。
パンの代わりにペンネ入れても美味しくなります。ご飯を加えれば食べ応えのあるドリアにもなり、簡単に作れるので、忙しい時のお昼ご飯などにおすすめです。
麻婆豆腐を卵で包み、オムレツにすることで卵の柔らかい甘みと一緒に麻婆豆腐が楽しめます。ただし、ゆるめの麻婆豆腐では卵に包むのが少々難しいので、フライパンで水溶き片栗粉を加えて再加熱するか、別の料理にリメイクしてみましょう。
ご飯も残っている場合、麻婆豆腐とご飯を混ぜて炒めたものを卵でとじればオムライス風に変身させることもできます。
牛乳をたくさん入れてクリーム煮にすることでミルキーな味わいに仕上げることもできます。生クリームを使えばよりコク深い味わいになります。
牛乳や生クリーム以外にもアーモンドミルクやオーツミルクなどを加えてもテイストの違いが楽しめます。鶏がらも加えて坦々スープにしてラーメンと一緒に食べるのも美味しいです。
買ってから時間が経ってしまって発酵が進んだ酸っぱいキムチが冷蔵庫にありませんか。酸っぱくなったキムチは辛味の強い麻婆豆腐と相性が良く、キムチ麻婆豆腐にすることで、辛さを抑えたアレンジレシピにすることができます。
辛味を強く感じる場合はお酢を加えるとまろやかさが加わり、食べやすくなります。
味噌ラーメンの上にのせてラーメンの味変として食べられることもあります。ラーメンのスープと合わせることで辛さが薄まるので、辛いものが苦手中にもおすすめの食べ方です。
味噌ラーメンにのせるのではなく、そのまま鶏がらスープで薄めてラーメンのスープとして食べることもできます。
麻婆豆腐を潰し、お好み焼き粉やキャベツに混ぜて焼けば、スパイシーで美味しさ満点のお好み焼きを作ることができます。
キャベツがたくさん余っている時の消化にもおすすめで、食べ応えをプラスしたい方はチーズをのせるとコクもアップして更に美味しくなります。
麻婆豆腐のレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
しいたけとニラを加えた麻婆豆腐です。
麻婆豆腐のレシピはこちら
辛い料理が苦手な方やお子様も美味しくいただけます。
麻婆豆腐(甘め)のレシピはこちら
アボカドは使い方がワンパターンになりがち。いつものアボカド料理に飽きたら試してほしい一品です。
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