ブロッコリーを電子レンジで加熱すると臭くなってしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。ブロッコリーを加熱すると臭くなる原因は、イソチオシアネートと呼ばれる成分にあるといわれています。本記事ではブロッコリーをレンチンする際に気をつけるポイントなどを詳しく解説します。
レンジで加熱したブロッコリーから、ツンと鼻につく消毒臭や硫黄臭、潮臭さ、雑巾臭いなど臭いと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。まずは、レンジで加熱したブロッコリーが臭くなってしまう原因を解説します。
レンジで加熱したブロッコリーが臭くなってしまう原因は、ブロッコリーなどのアブラナ科の植物がもつイソチオシアネートと呼ばれる成分です。不快な臭いなので腐っていると思われがちですが、腐敗しているわけではありません。
イソチオシアネートはだいこんやにんにくなどにも多く含まれていることで知られている成分で、辛みや苦味を感じさせる成分です。
イソチオシアネートは、空気中の酸素に触れて酵素が働き「ジメチルサルファイト(ジメチルスルフィド)」と呼ばれる揮発成分に分解されます。ジメチルサルファイトは「スルフィド」と呼ばれる有機硫黄化合物の一種です。「キャベツが腐った臭い」とも表現される悪臭成分で、消毒臭や硫黄臭(おならの臭い・たくあんの臭い)、潮臭さを人に感じさせます。
また、ジメチルサルファイトはミズゴケやプランクトンなどが作る物質でもあり、海で感じる潮臭さもプランクトンが作り出すジメチルサルファイトによるもので、人間の口臭も食べたものを分解される時に作られるジメチルサルファイトが呼気に混ざるためです。
ブロッコリーが臭くなる原因であるイソチオシアネートは、加熱することで分解されやすくなります。そのため、加熱時間が長すぎてしまうとイソチオシアネートが分解されてジメチルサルファイト(ジメチルスルフィド)が発生しやすくなります。
そのため、レンジに限らず鍋を使って茹でたり蒸す場合も加熱のしすぎが原因で臭いがきつくなってしまうことがあります。
イソチオシアネートは辛味成分のひとつで、それが多く含まれるアブラナ科の野菜はツンとする野菜などが多いです。例えば大根をすりおろすことで起きる化学反応でも生じるため、大根おろしは辛味が強くなります。
イソチオシアネートは辛みがあるだけではなく、上述したように臭いの原因にもなるので厄介な成分に感じると思いますが、抗酸化作用があり、人体に良い影響を与える成分です。抗アレルギー効果もあると言われているので、花粉症予防の効果も期待できます。
ちなみにイソチオシアネートは辛味だけでなく苦味の原因にもなります。これは虫を寄せ付けないためであり、有害なわけではありません。
イソチオシアネートは水溶性の成分であるため、水につけるだけでもどんどん流出していきます。また、加熱にも弱い性質であるため、茹でるのはもちろんのこと蒸したりレンジで加熱するだけでも流出します。ただし、上述したように加熱時間が長すぎると悪臭成分であるジメチルサルファイト(ジメチルスルフィド)が発生しやすくなるので注意が必要です。
さらに揮発性が高いため空気にさらしておくだけでも気化します。カットした玉ねぎや大根を空気にさらしておくと辛みが軽減するのもこのためです。
レンジで加熱したブロッコリーが臭くなってしまうと残念な気持ちになりますよね。まずは、ブロッコリーを加熱するときのポイントを紹介します。
ブロッコリーは丸ごとレンジで加熱することもできます。小房にわけるのには手間がかかりますし、丸ごと洗ってそのままレンジで加熱したほうが時短になります。
しかし、丸ごと洗うと汚れが残ってしまったり虫がいることに気がつかないこともあります。そして何より丸ごとだと加熱時間が長くなるので、臭くなってしまうことがあります。また、レンジの性質上どうしても加熱ムラができてしまうので、小房にわけて加熱することをおすすめします。
ブロッコリーに限らず、野菜をレンジで加熱するときはレンジのワット数によって加熱時間は異なります。そのため、家庭の電子レンジのワット数に合わせて加熱時間を調節することが大切です。
目安としては600wで3分程です。500wの場合は4分程と時間を長めにして様子を見ながら好みの固さになるまで加熱しましょう。
加熱しすぎは臭くなってしまうだけではなく、水分が飛びすぎてパサパサになってしまったり、色が悪くなってしまうため加熱しすぎないように調節することが大切です。
上述したように、臭いの原因となるイソチオシアネートは水溶性であるため、レンジで加熱する前に水につけておくことでイソチオシアネートを落とすことができます。
このとき塩を加えて塩水にすると色止めにもなります。ただし、ビタミンCなどの水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうためアク抜きをするときは長時間つけないようにすることが大切です。
それでは、続いてブロッコリーをレンジで加熱する方法を紹介していきます。
まず、ブロッコリーを小房にわけます。
ブロッコリーを切る際は、茎を捨てないようにしましょう。茎にもビタミンCが豊富に含まれているためです。茎の周りの硬い部分(芯の白い部分を残す)はカットするようにしましょう。
茎は房よりも硬いので、火が通りやすいように小さめに切るのもポイントです。
カットしたブロッコリーはボウルにためた水に入れて洗います。
カットしたブロッコリーは浮きやすいので、手で水の中に浸けるように揉みながら洗いましょう。この時、力を入れてしまうと蕾が潰れてしまいますので、やさしく扱ってください。蕾がつぶれてしまうと食感が悪くなってしまいます。
切り口からビタミンCやミネラルなどの水溶性成分が流れ出やすくなっているので、洗い時間は5分以内にしましょう。
ブロッコリーを小房にわけて綺麗に洗ったら、耐熱皿に並べます。ブロッコリーを耐熱皿に並べたら水大さじ2、塩ひとつまみを入れ、ふわっとラップをして加熱します。
水を加えることで蒸す状態になるので、ブロッコリーの水分が飛びすぎて焦げてしまったりパサパサパサしてしまうのを防ぐことができます。また、塩を加えることで色が悪くなるのを防ぎ、さらにブロッコリーの甘さを引き立ててくれます。
加熱時間の目安は600wで3分程です。加熱時間はレンジのワット数によっても異なるので、3分を目安として様子を見ながら加熱してください。好みの固さになれば終了です。
柔らかくしようと加熱時間を長くしてしまうと焦げてしまったりパサパサとしてしまうので注意しましょう。
時短のためにブロッコリーをレンジで加熱したは良いけど、うっかり長く加熱してしまったなど臭くなってしまったブロッコリーはどうすれば良いのでしょうか。臭くなってしまったブロッコリーにおすすめの対処法は下記の通りです。
レンジで加熱して臭くなってしまったブロッコリーは、オリーブオイルをかけて食べると臭いが気になりにくくなるのでおすすめです。
オリーブオイルには特有の風味があるので、ブロッコリーの臭みをカバーしてくれます。また、ブロッコリーに含まれている栄養素の一つβ−カロテンは油との相性がよく、オリーブオイルを使うことでβ−カロテンの吸収率を上げることができるので栄養面でも◎
レンジで加熱したことで臭くなってしまったブロッコリーは、生姜やにんにくなど消臭効果があるものと一緒に使って調理をして食べると、臭いが軽減されて食べやすくなります。
生姜やにんにくに臭いの原因となるイソチオシアネートを消す働きがあるわけではありませんが、生姜とにんにくは臭いの強い野菜であるため、イソチオシアネートによる臭みをマスキングし感覚的に臭いが気になりにくくなります。
ナツメグなどのスパイスを使って味付けをするのも、ブロッコリーの臭いを軽減するのに効果的です。また香り付けに使われるローズマリーなどのハーブ類を使うのも良いでしょう。そのため、臭いが気になるブロッコリーはスパイスや香り付けに使われているローズマリーなどのハーブ類が使われているカレーに加えるのもおすすめです。
また、カレーと同様にしっかりとした濃い味付けで臭みが気になりにくいシチューに使うのも良いでしょう。
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