ズッキーニときゅうりは見た目がよく似ているので、ズッキーニをきゅうりで代用できないかと考えたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではズッキーニの代用がきゅうりで合う料理や合わない料理、きゅうり以外の代用におすすめの野菜などを紹介します。
ズッキーニはウリ科カボチャ属の植物であり、きゅうりはウリ科キュウリ属の植物です。見た目はよく似ていますが、属性が異なるため食感などに違いがあり、きゅうりはズッキーニの代用に向いている料理と向いていない料理があります。
まずはズッキーニ代用がきゅうりでもできる料理を紹介します。
きゅうりはサラダに使うズッキーニの代用になります。むしろきゅうりのほうがサラダに使われることが多い野菜ですよね。ズッキーニとは食感が異なりますが、きゅうりを使えばシャキシャキとした食感をプラスすることができます。また、色合いも似ているため見た目を損ねてしまうことがありません。
ズッキーニは油との相性がよく、炒めものにもよく使われる野菜です。きゅうりはサラダにするなど生食することが多い野菜ですが、ズッキーニの代用として炒め物にすることも可能です。
きゅうりは加熱することでいつもと違う味・食感が楽しめるのはもちろん、青臭さが薄れるのできゅうりが苦手な方でもおいしくいただくことができます。また、きゅうりの外皮に多く含まれるβ-カロテンは油溶性であるため油と一緒に摂ると吸収率がアップする利点もあります。
ただし、食感はやはりズッキーニとは異なるものになります。ズッキーニメインの炒めものの代用にすると別の料理になるので、他の野菜も一緒に炒める炒めものに使いたい場合の代用におすすめです。
きゅうりはズッキーニをコンソメスープなどのスープに加えたいときの代用にもなります。きゅうりはスープに加えることで煮込むことで流出してしまうカリウムなどの水溶性の栄養成分も汁ごといただけるので栄養面的にも◎
ただし、きゅうりは水分が沢山出るのでズッキーニを使うときよりも味が薄くなってしまうことがあります。きゅうりを使う場合は調味料や水分量を調節すると良いでしょう。
ズッキーニを酢の物にするときの代用にもきゅうりは適しています。きゅうりも酢の物にして食べることが多い野菜です。ズッキーニよりもシャキシャキとした食感に仕上がります。
ちなみにズッキーニもきゅうりも水分量が多い野菜なので、酢の物にするときは予め塩もみをして水分を出しておくことが大切です。水分を出しておかないと水っぽくなって味が薄くなってしまいます。
<塩もみすると水分が出るのはなぜ?>
異なる物質同士の細胞の成分濃度が違うと、成分が薄い方から濃い方へと水が移動して、両方の濃さを揃えようとする力が働く。これを「浸透圧」という。野菜を塩でもむと、野菜の水分に塩が溶け濃い塩水ができ野菜の外側の塩分濃度が高くなるため、濃度を調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から水分が出てくる。
反対にズッキーニの代用としてきゅうりが不向きな料理と理由は下記の通りです。
ラタトゥーユ(ラタトゥイユ)は夏野菜を使ったフランス発祥の煮込み料理です。夏野菜をにんにくとオリーブ油で炒め、トマトを加え、香草とワインで煮て作ります。
ラタトゥーユに使われる夏野菜の定番といえばズッキーニですが、ズッキーニの代わりにきゅうりは使えないかと考えたことがある方も多いと思います。
きゅうりを使ってラタトゥーユを作ることはできます。しかし、上述したようにきゅうりとズッキーニは食感が異なりますし、きゅうりは水っぽく味が染み込みにくいため味がぼけてしまいます。そのためラタトゥーユを作るときのズッキーニの代用としてはきゅうりは推奨されないことが多いです。
そもそもきゅうりの青臭さが苦手な方は、ズッキーニの代用にきゅうりを使ってしまうと料理が美味しくないと感じてしまう原因になります。
加熱をすれば青臭さは軽減されるものの、きゅうりに苦手意識がある方は他の野菜で代用することをおすすめします。きゅうり以外の野菜のほうが食感が近かったりもするので、違和感なく食べたい方はきゅうり以外の野菜で代用してみましょう。
ズッキーニの代用におすすめなきゅうり以外の野菜を紹介します。下記の野菜はラタトューユを作るときのズッキーニの代用にも適しています。
ズッキーニの代用におすすめなのは、なすです。ズッキーニの見た目はきゅうりに似ていますが、食感はなすと非常によく似ています。
なすはズッキーニと同様に油との相性がよく、炒めものはもちろんのことラタトューユを作るのにも適している野菜です。ズッキーニはきゅうりに似た青臭さがありますが、なすはそこまで青臭さが強い野菜ではないので、ズッキーニの風味が苦手な方にもおすすめです。
韓国カボチャは、緑色で細長い形をしたズッキーニによく似ているかぼちゃです。「かぼちゃ」といっても一般的に販売されているかぼちゃとは異なり、熟す前に収穫されています。
きゅうりと比較すると韓国かぼちゃのほうが食感はズッキーニと近いですが、ズッキーニよりも柔らかく青臭さがないので食べやすいのが特徴です。韓国かぼちゃをズッキーニの代用に使っても食感を大きく損ねてしまうことはありませんし、見た目も損ねません。
パプリカはズッキーニとは食感や見た目が異なりますが、ズッキーニの代用として使うことができます。パプリカはピーマンと比較して肉厚なので、しっかりとした食感をプラスすることができますし、色合いが鮮やかなのでズッキーニながなくても見た目が華やかになります。
ピーマンでも良いのですが、ピーマンの食感はシャキシャキとしているのでどちらかといえばきゅうりに近く、苦味もあるのでズッキーニの代用に使うのであればパプリカのほうが良いでしょう。
色合いや味は全く異なりますが、マッシュルームは比較的ズッキーニに似た食感のきのこです。きゅうりのように水分量が多いわけではないので料理の味を薄めてしまうこともありませんし、ラタトューユなどの煮込み料理や炒めもの、スープにも最適です。
特にマッシュルームは煮込んでもしっかりとした旨味が出るので、ラタトューユを作るときの代用に使うと風味豊かに仕上げることができます。
えりんぎも色合いや味は全く異なりますが、ズッキーニに似た食感をもつきのこです。クセがなく食べやすいので、ズッキーニの青臭さが苦手で別の野菜で代用したいという場合にもおすすめです。
えりんぎは一般的なスーパーでも基本的に販売されていることが多いきのこの一つですし、価格も安価であることが多いので手軽に購入できるのも嬉しい点です。
玉ねぎは生の状態だとツンとした独特の香りと辛みがあり、ズッキーニの代用にはむきません。食感もシャキシャキとしていてどちらかといえばきゅうりのほうが近いです。
しかし、玉ねぎは加熱することで香りや辛みが軽減され甘みが強くなります。そのため、炒めものに使いたいときやラタトゥイユなどの煮物料理に使いたいときの代用として使うことはできます。
大根も生の状態だとみずみずしくシャキシャキとしていて、きゅうりに近い食感をもちます。しかし、煮物料理に使われることが多いことからもわかるように、味が染み込みやすいという特徴があります。
炒めものをするときの代用にもなりますが、水分量は多いのでラタトューユなどの煮込み料理やスープにするときの代用としておすすめです。煮込み料理に使うときは予め下茹でをしておくようにしましょう。
大根の下茹で方法についてはこちらの記事で紹介しています。
人参とズッキーニも全く異なる野菜ですが、人参も煮物料理やスープによく使われる食材の一つです。生の状態だとシャキシャキとしていて固めの食感ですが、じっくり火を通せば柔らかくなります。
そのため、ラタトューユなどの煮込み料理に使う場合のズッキーニの代用に適しています。人参はミートソースに使われることが多いことからもわかるように、トマトベースの味付けとも相性が良いです。
人参も手に入れやすい食材なので、ぜひ試してみてください。
ズッキーニの代用におすすめの食材を紹介してきましたが、最後にズッキーニの代用に適さない野菜を紹介します。基本的にはズッキーニとは異なるクセのある香りや風味をもつ野菜は不向きであると考えて良いでしょう。
セロリはセリ科の植物で独特の風味がある野菜の一つです。セロリはみずみずしく食感を楽しめる野菜ですが、ズッキーニとは異なる繊維質なシャキシャキとした食感です。
クセがある野菜なので、ズッキーニの代わりに使うと味も食感も異なる別の料理になってしまうでしょう。
ニラも独特の風味がある野菜で、食感もズッキーニとは異なります。また、ツンとした辛みもあります。
ニラもズッキーニと同様に炒めものやスープにするなど幅広く使うことができる野菜であり、同じ緑色をしている野菜なので彩りの代用にはなりますが、ニラをメインに使ってしまうと完全に別の料理になってしまいます。
ズッキーニはオリーブオイルで炒めるなど洋風の料理に使われることが多いですが、ニラはどちらかというと和風や中華風の料理に使われることが多いです。
マッシュルームやえりんぎなどのきのこ類がズッキーニの代用になることを考えると、しいたけでも代用できそうな気がしますが、しいたけはマッシュルームやえりんぎよりも独特の風味が強いです。
そのためズッキーニの食感をしいたけで代用することができても、味を損ねてしまう可能性が高いです。きのこ類で代用するのであれば、クセの少ないマッシュルームやえりんぎを選びましょう。
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