レンジで加熱した人参がまずいと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではレンジで加熱した人参がまずい理由や人参を美味しくレンチンする方法を解説します。
野菜の多くはレンジで加熱することができますが、レンジで加熱した人参がまずいと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。レンジで加熱した人参がまずいと感じてしまう理由には下記があります。
レンジで加熱した人参がまずい理由としては、加熱ムラが原因で食感が悪くなってしまう点があげられます。
電子レンジは庫内に放出されるマイクロ波によって食材を加熱します。マイクロ波は食材の内部に進むにつれて分子運動を起こしながらもやがてエネルギーをなくして消えてしまうため、人参を厚く切っていたりするとマイクロ波が奥深く進まず加熱ムラができやすいです。加熱ムラができてしまうと、加熱されて柔らかい部分と加熱されず固いままの部分ができてしまうので、食感が悪くなってしまうことがあります。
レンジで加熱した人参は苦味やエグみを感じやすいです。
これは、人参にアクがあるためです。アクとは苦味やエグみ、臭みの原因となり料理の味を落とす成分の総称です。
ポリフェノールは水溶性の成分であるため茹でる場合は流出し、苦味やエグみが軽減されるのですが、レンジで加熱する場合は、人参の水分が蒸発し濃縮されてしまうので苦味やエグみが残りやすいと考えられます。
人参のアクとなるのはポルフェノールであり、人体に害のある成分ではありませんが、苦味やエグみを強く感じることで美味しくないと感じてしまう人が多いようです。
お湯で茹でたり蒸した人参はみずみずしく仕上がりますが、レンジでの加熱はパサパサしてしまいやすいです。これもレンジで加熱した人参がまずいと感じる原因の一つでしょう。
これは、レンジで一気に加熱していくことで人参の水分が奪われて干からびた状態に近くなってしまうためです。特に人参など水分量が比較的少ないため、よくおこりがちな現象です。
お湯で茹でたり蒸す場合はお湯がなくならないかぎりは焦げるということはありませんが、電子レンジでの加熱は焦げてしまうことがあります。
焦げてしまっても食べることはできますが、焦げてしまった部分はやはり苦味があり、人参の味を悪くする原因になります。また、黒く変色してしまうので見た目が悪くなるのもデメリットです。
冷凍した人参をレンジで加熱して解凍すると、ぶよぶよとした柔らかい食感になってしまいます。
冷凍することでシャキシャキとした食感が失われてしまうのは、冷凍により人参の細胞壁が破壊され、解凍時に細胞内に含まれていた水分が一気に流出してしまうためです。さらに氷が溶けたときに空洞が出来てしまうため、中がスカスカになってしまいぶよぶよとした柔らかい食感になってしまうのです。
また、解凍された際に水分と一緒に人参の旨味や甘味も抜けてしまうため「美味しくない」と感じてしまうこともあります。
冷凍した人参はレンジで加熱して一気に解凍すると水分が出て食感が悪くなってしまうのでおすすめできません。冷凍した人参は炒めものやスープにするなどそのまま加熱調理するのがベストです。全解凍して使いたい場合は、冷蔵庫に移して自然解凍をすると良いです。
レンジで加熱した人参はまずくなってしまうなら、レンジ加熱しないほうが良いのではないかと思う方も多いかと思いますが、レンジで加熱することのメリットももちろんあります。
人参に限らず野菜は茹でると柔らかくなって食べやすくなりますが、水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうデメリットがあります。
人参にはビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が含まれています。流出させてしまうのは非常にもったいないですよね。レンジで加熱することでお湯で茹でるよりも水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるのは大きなメリットです。
人参を茹でる場合はお湯を沸かすのに時間がかかりますが、レンジであればお湯を沸かす必要がありませんし茹でるよりも早く火が通るので時短になります。
例えば、お弁当の彩りに少量使いたい場合でもささっとレンジで加熱して使うことができるので非常に便利です。また、煮物料理に使う場合なども、予めレンジで加熱しておけば短時間で柔らかく煮込むことができますし、味も染み込みやすくなります。
人参にはセリ科植物特有の臭いがあり、人参の臭いが苦手な方も多いのではないでしょうか。人参がもつ香気成分は、加熱することでまろやかになることがわかっています。
そのため、サラダに使いたい場合なども臭いが気になる場合は電子レンジで加熱しておくと臭いが軽減されて食べやすくなります。
人参はシャキシャキとした食感を楽しむことができる野菜ですが、茹でることで柔らかくなりすぎて食感が失われてしまいやすいです。レンジ加熱であれば、茹でるよりも食感を保ちやすいというメリットがあります。
また、水っぽくなってしまって人参そのものの味が薄まってしまうこともありません。そのため上述したように人参の臭いを軽減したいけど、できるだけ生に近い食感を楽しみたいという場合に便利です。
それでは、レンジで加熱した人参がまずくならないためにはどうしたら良いのでしょうか。レンジで上手に人参を加熱するポイントを紹介します。
鍋を使って茹でたり蒸す場合は、栄養素の流出を抑えるためにも丸ごと茹でると良いのですが、レンジを使う場合は丸ごとではやはり加熱ムラができやすいです。
そのため、レンジで加熱する場合は基本的に料理に合わせてカットしてから加熱をすると良いです。
離乳食に使いたい場合など細かく切って使うこともあると思いますが、細かくカットしすぎるとマイクロ波が集中して当たることにより焦げてしまったり火花が出てしまうことが多いです。
そのため、輪切りにして加熱するのがおすすめです。細かくしたい場合は一度加熱してからカットすると良いでしょう。
また、少量だと焦げてしまいやすいので、できるだけまとめて加熱して保存しておくのがおすすめです。
人参でレンジを加熱したときの苦味やエグみが気になる場合は、レンジで加熱する前にアク抜きをすると良いです。
上述したように、人参のアクとなるポリフェノールは水溶性なので水につけることで苦味やエグみを軽減することができます。
ただし、人参のアク抜きには苦味やエグみを抑えるメリットがある一方で、水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。また、人参そのものの風味が失われてしまいます。人参の栄養価を下げたくない方や風味を楽しみたい方はアク抜きをせずに加熱しても大丈夫です。
人参をレンジで加熱するときの加熱時間の目安は、切り方や厚さ、レンジのワット数によっても異なります。
薄切りなどは火が通りやすいので600wで1分〜2分が目安です。厚切りの場合は3分を目安に加熱し、竹串などがスッと通らなければ30秒ずつ様子を見ながら加熱時間を増やしていきます。
私達が食べているのは、人参の根です。土の中に埋まっている状態で育ち、土から掘り出して収穫しています。人参は、ごぼうや里芋などとは異なり一度洗って土や泥、ひげ根を落としてから出荷されていることが多いですが、土汚れが残っていることもあります。
土の中にはボツリヌス菌などの細菌が分布していることもありますし、洗うことは農薬を取り除くことにも繋がるためよく洗うことが大切です。
人参を洗ったら、皮を剥く場合は皮を剥いて、料理に合わせてカットしていきます。上述したように加熱時間は人参の切り方や厚さによって異なるので、より短時間で済ませたい場合はあまり厚くしすぎないほうが良いです。
カットしたら、人参を耐熱皿の上に乗せます。できるだけ重ならないように並べると良いです。
カットした人参を耐熱皿に乗せたら、水を大さじ1入れます。
水を加えることで、しっとりと柔らかく仕上げることができます。また、上述したように水分が蒸発して焦げたり発火してしまうのを防ぐことができます。
水を入れたら、ラップをかけて加熱します。
薄くカットした場合は火が通りやすいので600wで1分〜2分が目安です。厚くカットした場合は3分を目安に加熱し、竹串などがスッと通らなければ30秒ずつ様子を見ながら加熱時間を増やしていきます。
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